「ロンドン赴任が決まった。子どもはインターか、現地の公立校か、日本人学校か」「インターの学費はいくら? VATがかかるようになったと聞いたけれど」。そんな迷いからこの記事にたどり着いた方も多いと思います。ロンドンは欧州でもっとも日本人家庭の多い街のひとつで、米国系・IB系の大規模インターナショナルスクールに加え、全日制のロンドン日本人学校、郊外には全寮制の立教英国学院と帝京ロンドン学園、そして土曜日の補習授業校まで、選択肢がそろっています。その一方で、2025年1月から英国の私立学校の学費に20%のVATがかかるようになり、インターの年間学費は小学校以上で400万〜1,000万円台という水準です。この記事では、実在する9校の学費(各校公式の2026-27年度・2026年度の公開情報)と、駐在・在住のご家庭が抱えやすい3つの不安――駐在中の学校選び、帰国後の受け皿、日本語を落とさない方法――に、正直にお答えします。
結論:ロンドンで選べる学校(早見)
- ACS International School Hillingdon|3〜18歳|年£15,240〜36,000(約320万〜756万円・VAT込)|西ロンドンの米国系インター、IBディプロマ・IBキャリア関連プログラム・APを選べる
- The American School in London(ASL)|幼稚園〜Grade 12|年£43,224〜49,932(約908万〜1,049万円・VAT込)|セント・ジョンズ・ウッドの米国式インター
- Southbank International School|3〜18歳|年£20,877〜48,099(約438万〜1,010万円・学期×3・VAT込)|ケンジントン・ハムステッド・ウェストミンスターのIB校、2026-27年度の学費を2年間据え置くと公表
- International School of London(ISL)|3〜18歳|年£24,630〜39,640(約517万〜832万円・VAT込)|チズウィック・イーリングのIB校、母語の授業あり
- Dwight School London|2〜18歳|年£24,570〜37,470(約516万〜787万円・学期×3・VAT込、ナーサリーは別料金)|北ロンドンのIB校
- Halcyon London International School|Grade 6〜12(11〜18歳)|年£41,040〜42,912(約862万〜901万円・VAT込)|マリルボーンの中高一貫IB校
- ロンドン日本人学校|小学部・中学部|授業料 年£7,368(約155万円・VAT込)+入学金£1,684|西ロンドン・アクトンの全日制日本人学校
- 立教英国学院|小学部・中学部・高等部|年£33,000〜37,800(約693万〜794万円・寮費と食費込み・VAT込)|ウェスト・サセックスの全寮制の日本の学校
- 帝京ロンドン学園高等部|高校1〜3年|初年度合計 通学生£22,812・寮生£37,344(約479万〜784万円・入学金込み・VAT込)|ロンドン西郊バッキンガムシャーの高校、IBディプロマも選べる
- NIJIN GLOBAL ACADEMY(オンライン/2027年9月開校予定・6〜18歳・対面インターの約1/5の学費帯を目指す・日本語の支えあり)|アジア・オセアニアの時間帯で設計しているため、ロンドンの日中とは時間が合わない可能性があります。開校前のため、現在は開校情報の登録を受付中
※学費は2026年10月18日時点で各校の公式サイトに掲載されている公開情報です(インター6校は2026-27年度、日本人学校・立教英国学院・帝京ロンドン学園は2026年度)。円換算は£1=約210円(2026年10月16日の三菱UFJ銀行の仲値209.95円)の目安で、為替によって大きく変わります。最新は各校公式サイトでご確認ください。

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駐在中の学校選び:ロンドンのインターナショナルスクール・現地校・日本人学校の違いと学費相場
ロンドンの日本人家庭が検討する学校は、大きく4つのタイプに分かれます。ほかの都市と違うのは、授業料のかからない英国の公立校(現地校)という現実的な選択肢があり、土曜の補習授業校と組み合わせる家庭が多いことです。
- インターナショナルスクール:米国系(ACS、ASL)と、国際バカロレア(IB)系(Southbank、ISL、Dwight、Halcyon)が中心です。2026-27年度の年間学費は、幼児クラスで£15,000〜29,000(約320万〜610万円)、小学校以上ではおよそ£25,000〜50,000(約520万〜1,050万円)。これに出願料、入学時の保証金やキャピタル(施設)費、スクールバス、昼食、IB試験料などが加わります。
- 英国の公立校・私立校(現地校):イングランドでは、子どもは5歳の誕生日のあとの決められた日から義務教育が始まり、公費で運営される学校(state-funded school)には住んでいる自治体(council)を通じて申し込みます。学年は9月始まりで、人気校は通学距離で決まることが多いため、住む地区=通える公立校になります。英国の私立校(independent school)も選択肢ですが、学費水準はインターと近く、入学試験のある学校も多くあります。
- 全日制の日本人学校:アクトンのロンドン日本人学校が、日本の学習指導要領に沿って小学部・中学部の授業を行っています。授業料は年£7,368(約155万円)で、小学校以上のインターの3分の1〜7分の1ほどです。高校段階は、郊外の全寮制・通学制の日本の学校(立教英国学院、帝京ロンドン学園)が受け皿になります。
- 土曜の補習授業校:平日は現地校やインターに通い、土曜の午前中にロンドン補習授業校で国語を中心に学ぶ形です。公式サイトによると、約600校の現地校・国際学校に在籍する約1,300名が、アクトン・ブレント・クロイドンの3校舎に通っています。
そしてロンドンでいま必ず押さえておきたいのが、学費へのVAT(付加価値税)です。英国政府は、2025年1月1日以降に始まる学期から、私立学校が有料で提供する教育と寄宿(ボーディング)のサービスに標準税率20%のVATを課すと定めました。今回調べた各校の料金表も、ほとんどが「VAT込み」の金額です。たとえばASLの高校は税抜£41,610に対してVAT込みで£49,932、Halcyonの中学段階は税抜£34,200に対して£41,040です。一方で、Southbankの3歳児クラスやISLの3歳児クラスのように、義務教育前の幼児クラスの一部はVATの対象外として表示されています。見積もりを比べるときは、税抜・税込のどちらの金額かを必ず確認してください。駐在の場合は、会社の教育手当がVAT分まで補助されるかで選択肢が大きく変わるので、辞令が出たら人事部にまず確認しましょう。学費の内訳の読み方はインターナショナルスクールの学費の内訳で、ほかの都市との比較は都市別のインターナショナルスクール学費一覧で整理しています。

ロンドンのインターナショナルスクールと日本人学校9選
ここからは、カリキュラムや価格帯、エリアの異なる実在の9校を紹介します。インター6校に加え、日本人家庭の多くが実際に検討する日本人学校と、全寮制・通学制の日本の学校2校も並べました。順番は優劣ではありません。
1. ACS International School Hillingdon
ロンドン西部のヒリンドン区にある米国系のインターで、同じACSグループはサリー州のコバムとエガムにもキャンパスを持っています。3〜18歳が学び、高校段階ではIBディプロマ、IBキャリア関連プログラム(IBCP)、米国のAP(アドバンスト・プレイスメント)、ACSの高校卒業資格から進路に合わせて選べるのが特徴です。英語を母語としない生徒のためのEAL(英語支援)も用意されています。今回の6校の中では学費が比較的抑えめなのもポイントです。
- カリキュラム:米国式の流れ+IBディプロマ/IBCP/AP
- 対象年齢:Pre-K(3歳)〜Grade 12(18歳)
- 学費目安:Pre-K £15,240、Kindergarten £25,560、Grade 1〜2 £27,300、Grade 5〜6 £32,220、Grade 9〜10 £35,640、Grade 12 £36,000(2026-27年度・VAT込・年額)。出願料£330、返金される入学保証金£1,500、初年度のみのキャンパス・開発費£1,680
- こんな家庭に:西ロンドンに住み、IBかAPかを高校段階で選べる幅を残しておきたい家庭
2. The American School in London(ASL)
北西ロンドンのセント・ジョンズ・ウッドにある、米国式のインターナショナルスクールです。Lower School・Middle School・High Schoolの3つの段階で、幼稚園から高校までを学べます。学費は今回の9校の中でもっとも高い水準で、2026-27年度の公式ページでは、授業料にVATがかかることを明記したうえで、税抜・VAT額・税込の3つを並べて示しています。新入生には、返金されない£3,000のデポジット(1年間在籍する場合は後期の授業料に充当)と、一度だけのキャピタル費£2,400がかかります。
- カリキュラム:米国式(幼稚園〜高校)
- 対象年齢:Lower School(幼稚園)〜High School(Grade 12)
- 学費目安:Lower School £43,224、Middle School £47,988、High School £49,932(2026-27年度・VAT込・年額)。デポジット£3,000(返金なし・後期授業料に充当)、キャピタル費£2,400(新入生のみ)
- こんな家庭に:米国への転勤や米国の大学進学を視野に入れ、米国式の学びを続けたい家庭
3. Southbank International School
ケンジントン、ハムステッド、ウェストミンスターにキャンパスを持つIB校です。3歳からのアーリーチャイルドフッド、小学校段階のPYP、中学段階のMYP、高校のIBディプロマまで、IBの流れで一貫して学べます。2026-27年度の公式の学費ページでは、この年度の学費を続く2年間も同じ水準に据え置き、次の改定は2029年9月からと案内しています。VATが加わって学費の見通しが立てにくい今、数年の駐在が決まっている家庭には計画しやすい情報です。
- カリキュラム:IB(PYP→MYP→ディプロマ)
- 対象年齢:Early Childhood 3(3歳)〜Grade 12
- 学費目安:学期あたり EC3半日£6,959、EC3全日£9,646、EC4 £11,096、Kindergarten〜Grade 2 £13,355、Grade 3〜5 £13,800、Grade 6〜10 £15,400、Grade 11〜12 £16,033(2026-27年度・3学期制・EC3はVAT対象外、それ以外はVAT込)。年額は約£20,877〜48,099。出願料£300、保証金£2,000、新入生のキャピタル開発費£3,300
- こんな家庭に:ロンドン中心部〜北西部に住み、IBで一貫して学ばせたい家庭、学費の見通しを数年単位で立てたい家庭
4. International School of London(ISL)
西ロンドンのチズウィックに小学校・中学校、近くのイーリングに高校段階のキャンパスを持つIB校です。PYP・MYP・IBディプロマに加えて、IBキャリア関連プログラムも用意しています。家庭の言語(母語)を学ぶ授業があるのも特徴ですが、費用はクラスの規模によって個別に決まり、どの言語が開講されるかは入学時に確認が必要です。日本語の授業があるかどうかは、今回の調査では公式情報で確認できませんでした。
- カリキュラム:IB(PYP・MYP・ディプロマ・キャリア関連プログラム)
- 対象年齢:Early Childhood 1(3歳)〜Grade 12
- 学費目安:Early Childhood 1 £24,630(VAT対象外)、Early Childhood 2 £28,310、Kindergarten〜Grade 5 £31,720、Grade 6〜8 £35,460、Grade 9〜10 £38,480、Grade 11〜12 £39,640(2026-27年度・VAT込・年額)。出願料£300、保証金£1,800、キャピタル開発費 初年度£2,000(翌年度から年£300)、スクールバス年£3,750
- こんな家庭に:西ロンドンに住み、多国籍の環境でIBを学びながら、母語の学びも大切にしたい家庭
5. Dwight School London
北ロンドンのノース・フィンチリーとフリアーン・バーネットにキャンパスを持つ、ニューヨークのドワイト・スクールと同じグループのIB校です。2〜5歳のナーサリー(Little Lions)、5〜11歳のJunior School、11〜18歳のSenior Schoolがあり、高校段階ではIBディプロマに取り組みます。公式の学費ページでは、2025年1月から私立学校の教育に20%のVATがかかるようになったことに触れたうえで、学費はVAT込みで表示していると案内しています。ロンドン中心部のインターに比べると学費が抑えめで、北部に住む家庭にとって検討しやすい学校です。
- カリキュラム:IB(高校段階でIBディプロマ)
- 対象年齢:Nursery(2歳)〜Year 13(18歳)
- 学費目安:学期あたり Reception〜Year 2 £8,190、Year 3〜6 £8,700、Year 7〜11 £10,450、Year 12〜13 £12,490(2026-27年度・3学期制・VAT込)。年額は約£24,570〜37,470。ナーサリーは別料金。出願料£240、保証金£2,000、Spark Fund Fee £2,500
- こんな家庭に:北ロンドンに住み、IBの学びを都心より抑えた費用で選びたい家庭
6. Halcyon London International School
ロンドン中心部のマリルボーンにある、Grade 6〜12(11〜18歳)の中高一貫のIB校です。中学段階はIBのMYP、高校はIBディプロマを学びます。家庭の言語を学ぶ母語プログラムも有料のオプションとして用意されています(時間あたりの料金制)。小学校段階はないため、きょうだいがいる家庭では別の学校との組み合わせになります。
- カリキュラム:IB(MYP→ディプロマ)
- 対象年齢:Grade 6〜12(11〜18歳)
- 学費目安:Grade 6〜9 £41,040、Grade 10 £42,120、Grade 11〜12 £42,912(2026-27年度・VAT込・年額。税抜では£34,200〜35,760)。出願料£375、保証金£1,800、初年度の開発費£2,250+VAT
- こんな家庭に:ロンドン中心部に住む中学生・高校生で、少人数のIB校を探している家庭
7. ロンドン日本人学校
西ロンドンのアクトンにある全日制の日本人学校で、1976年に開校しました。日本の学習指導要領に沿って小学部・中学部の授業を行い、英語会話の授業や現地校との交流も行っています。同じ建物には土曜日のロンドン補習授業校も併設されています。公式サイトの令和8年度(2026年度)転入学案内では、受け入れ可能な人数を超えた学年は、願書を受け付けた日ごとに抽選で入学の順番を決めると案内しており、3学期の入学希望の受付は2026年11月4日(現地時間)午前9時からです。人気の学年では待つ可能性もあるので、赴任時期が見えたら早めに問い合わせましょう。
- カリキュラム:日本の学習指導要領
- 対象年齢:小学部・中学部(小1〜中3)
- 学費目安:授業料 年£7,368(学期あたり£2,456)、入学金£1,684(転入学の場合・いずれもVAT込・2026年度)。通学バスは別ページで案内
- こんな家庭に:数年で帰国し、日本の小学校・中学校・高校受験へスムーズにつなぎたい駐在家庭
8. 立教英国学院
ロンドンの南、ウェスト・サセックス州ラジウィックにある全寮制の学校で、小学部・中学部・高等部があります。英国の田園の中で寮生活を送りながら、日本の学校の課程で学びます。学費には寮費、洗濯、1日3食と間食の食費が含まれ、平日だけ寮に滞在するウィークリーボーディングも選べます。学費の公式ページでは、英国で2025年1月から私立学校の学費にVATが導入されたことに触れつつ、前年度からの上昇を5%以内に抑えたと説明しています。高等部の入試には、海外在住で現地校に通う生徒の枠や在外の日本人学校に通う生徒の枠もあり、1月・4月の編入も受け付けています。
- カリキュラム:日本の学校の課程(全寮制)
- 対象年齢:小学部・中学部・高等部
- 学費目安:フルボーディング 小学部£33,000、中学部£36,000、高等部£37,800/ウィークリーボーディング £29,700〜34,020(2026年度・授業料+寮費・VAT込・年額)。入学金£3,970、施設維持費 年£1,985
- こんな家庭に:英国に残りながら日本の中学・高校の課程で学ばせたい家庭、親の帰国・転勤後も英国で学び続けたい子ども
9. 帝京ロンドン学園高等部
ロンドン西郊、バッキンガムシャー州ウェクサムにある高校で、寮生と通学生の両方を受け入れています。グローバルスタディーズコースとサッカーコースがあり、1年次にIBディプロマプログラムを選んだ生徒は2年次からIBディプロマに取り組めます(追加の授業料あり)。2026年度の募集要項では高校1年生の募集人員を30名としており、保護者が日本国外に住む生徒向けの「英国(海外)入試」も設けられています。日本人学校は中学部までなので、高校段階もイギリスに残る場合の日本語の受け皿として、立教英国学院とあわせて検討されることの多い学校です。
- カリキュラム:日本の高校の課程(グローバルスタディーズ/サッカー)+IBディプロマを選択可
- 対象年齢:高校1〜3年
- 学費目安:グローバルスタディーズコースの初年度合計 通学生£22,812、寮生£37,344(2026年度・入学金£3,810+授業料£12,530+施設維持費£2,670+寮費£12,110の税抜額にVAT20%を加えた額)。教材費・PC購入費などの学年費が別途 初年度£6,500程度(2年目以降£5,500程度)
- こんな家庭に:中学卒業後もイギリスで、寮生活や英語の環境の中で日本の高校課程を学ばせたい家庭
比較でわかる、わが家に合うロンドンの学校選び

表のとおり、完璧な選択肢はありません。帰国が数年以内と決まっているなら、ロンドン日本人学校が合理的です。滞在が長い・欧米への転勤の可能性があるなら、インターで英語の学力を積み、日本語は補習授業校と家庭で支える形が現実的でしょう。そしてロンドンならではの選択肢が、英国の公立校に通い、土曜は補習授業校という組み合わせです。学費の負担はもっとも軽くなりますが、通える公立校は住む地区で決まるため、家を決める前に学校の情報を集めることが欠かせません。中学卒業のタイミングでイギリスに残るなら、立教英国学院や帝京ロンドン学園という日本の高校課程の選択肢もあります。VAT込みで年間数百万円〜1,000万円を超えるインターの学費が重いと感じるなら、インターの学費が高すぎると感じたときの考え方も参考になります。
オンラインで学ぶ場合の1日の流れを知りたい方は、こちらもどうぞ。オンラインでの学びのしくみを見る →
次の転勤先の候補がある方は、ニューヨークのインターナショナルスクール、ドバイのインターナショナルスクール、シンガポールのインターナショナルスクールもあわせてご覧ください。
出願(編入)の時期:ロンドンのインターナショナルスクールと日本人学校
ロンドンでは、インター・英国の学校と、日本人学校・日本の学校で年度の始まりがずれていることを押さえておくと、赴任のタイミングを決めやすくなります。
- インターナショナルスクール:多くは9月に新年度が始まり、学費は学期ごと(3学期制)か半期ごと(2学期制)に払います。たとえばHalcyonの2026-27年度は、第1学期分の期日が2026年6月1日、第2学期が11月1日、第3学期が2027年2月1日と公式に案内されています。年度途中の編入は空席しだいなので、赴任の3〜6か月前には複数校に同時に問い合わせを始めましょう。
- 英国の公立校:学年は9月始まりで、申し込みは住む自治体(council)を通じて行います。年度途中の入学も自治体の窓口で手続きしますが、まず住所が決まらないと申し込めない点に注意してください。
- ロンドン日本人学校:日本と同じ4月始まりの3学期制です。転入学はメールで申し込み、受け入れ人数を超える学年は受付日ごとの抽選になります。令和9年度の案内は12月中旬に掲載予定とされています。
- 立教英国学院・帝京ロンドン学園:どちらも4月始まりで、入試は秋〜冬に行われます。立教英国学院は1月編入と4月編入を受け付けており、出願の目安は1月編入が10月20日ごろです。
日本人学校や補習授業校に通う場合、教科書は日本を出る前に海外子女教育振興財団で受け取れるよう、出国前に手続きを確認しておくと安心です。
帰国後の受け皿:日本のインターナショナルスクール・帰国生入試・一条校
駐在家庭がいちばん心配するのが「帰国したあと、子どもはどこへ行けるのか」です。受け皿は大きく3つあります。
- 日本の公立・私立の学校(一条校):学校教育法第1条で定められた、いわゆる普通の学校です。公立の小中学校には帰国後いつでも編入できますが、授業は日本語で進むため、日本語の読み書きと教科の学力が追いついているかが鍵になります。ロンドン日本人学校に通っていた場合は、この接続がもっともなめらかです。
- 帰国生入試(帰国子女枠):私立中学・高校や大学には、海外在住経験のある子どもを対象にした入試があります。「海外在住が何年以上」「帰国後何年以内」といった条件は学校ごとに異なるため、志望校の募集要項を早めに確認しておきましょう。英語力を評価する学校もあれば、日本語での作文・面接を重視する学校もあります。
- 日本のインターナショナルスクール:英語で学び続けたい場合の受け皿です。ただし多くのインターは一条校ではないため、義務教育期間に通う場合の扱いや、日本の高校・大学への進学条件は事前に確認が必要です。東京の選択肢は東京のインターナショナルスクールおすすめ7選で、学費とあわせて整理しています。
ロンドンのインターや現地校に通っていた子どもが帰国すると、英語は話せても日本語の読み書きや教科の語彙が学年に届いていない、ということがよく起こります。逆に、帰国後に英語が急速に抜けていくのもよくある話です(帰国子女の英語を維持する方法)。また、ロンドン日本人学校は中学部までなので、高校段階でイギリスに残るならインター・英国の学校・立教英国学院や帝京ロンドン学園、帰国するなら日本の高校受験という分かれ道が中学2〜3年生でやってきます。どの受け皿を選ぶにしても、駐在中から「日本語」と「英語」の両方を切らさないことが、帰国後の選択肢を広げます。
日本語を落とさない:ロンドンでインター・現地校に通う子の海外在住の日本語教育
「海外在住で子供が日本語を忘れる」は、ロンドンでインターや現地校に通う日本人家庭からもよく聞く悩みです。平日は英語で授業を受け、友達とも英語で遊ぶ――そんな環境では、学年が上がるほど「考える言語」は英語に寄っていきます。これは子どもの努力不足ではなく、環境として自然なことです。だからこそ、どこで・どれだけ日本語に触れるかを家族で設計することが大切です(くわしくは海外在住で子供が日本語を忘れるときの対策にまとめています)。
- 土曜の補習授業校:ロンドン補習授業校は、英国の学校やインターナショナルスクールに通う子どもを対象に、土曜の午前中、学習指導要領に準じた国語を中心に教えています。小学部・中学部は住んでいる地区によってアクトン・ブレント・クロイドンのどの校舎に通うかが決まる校区制です。週に半日でも、日本の教科書で学ぶ時間と日本語で話せる友達は大きな支えになります。
- 家庭での日本語:家庭内の会話は日本語、寝る前の読み聞かせ、日本の本や漫画を手の届く場所に置く、祖父母とのビデオ通話――小さな習慣の積み重ねが「日本語を使う理由」になります。ロンドンと日本の時差は8時間(英国の夏時間)〜9時間なので、日本の家族と話すならロンドンの朝が向いています。漢字の読み書きは会話だけでは伸びないので、短時間でも毎日続ける仕組みを。
- オンライン:補習授業校の校舎が遠い、土曜はスポーツの予定がある、という家庭は、オンラインで日本語の学びを足す方法もあります。日本語が不安なご家庭には、姉妹サービスのともだちじゃぱん(NIJIN運営の子ども向けオンライン日本語)もおすすめです。
帰国子女の日本語教育でつまずきやすいポイントや、家庭でできる立て直し方は帰国子女が日本語できないと悩む前に、インターに通う場合の日本語の遅れについてはインターナショナルスクールで日本語が遅れる?で詳しく書いています。

学費や時差を正直に——「オンライン」という第10の選択肢
9校を見て「VAT込みのインターの学費は続けられない」「次の転勤先でまた学校探しになる」と感じた方に、もうひとつの選択肢としてご紹介したいのが、私たちNIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)です。NGAは、株式会社NIJIN(日本)が運営する、2027年9月開校予定のオンライン・インターナショナルスクールです。日本で運営するオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」には1000名以上が在籍しており、その経験をもとに設計しています。
- 脱偏差値:テストの点数で子どもを並べず、少人数の対話を中心に学びます。
- 日本語の支えを前提に、少しずつ英語へ:日本語を土台にしながら英語に触れていく設計です。
- 住む場所を選ばない:転勤や帰国があっても、同じ学校で学びを続けられます。
- 学費:対面のインターの約1/5を目指しています。
ただし、ロンドンのご家庭には特に正直にお伝えしなければならないことがあります。NGAはアジア・オセアニアの6〜18歳を主な対象として、その地域の時間帯で設計しています。ロンドンと日本の時差は8〜9時間あり、日本の日中はロンドンの深夜から早朝にあたるため、ロンドンの日中とは授業の時間が合わない可能性が高いです。また、NGAはまだ開校前で、実績はこれからです。対面の校庭や施設、放課後のクラブ活動、多国籍の友達と毎日顔を合わせる経験など、キャンパスがあるからこそできる体験は提供できません。日本人学校のように日本の学習指導要領に沿って学ぶ学校でもありません。具体的な時間割や学び方は開校情報でお知らせしますので、そこで必ずご確認ください。
そのうえで、「ロンドンでの駐在を終えて、アジアやオセアニアへ移る予定がある」「帰国後も英語と日本語の両方を続けられる場所を探しておきたい」というご家庭には、次の住まいでの選択肢のひとつとして知っておいていただけたらうれしいです。
よくある質問
Q. ロンドンのインターナショナルスクールの学費は、年間でいくらかかりますか?
A. 今回紹介したインター6校では、2026-27年度の授業料が年£15,240〜49,932(約320万〜1,049万円)と幅があります。小学校以上に限ると、多くの学校で年£25,000〜50,000(約520万〜1,050万円)です。2025年1月からVAT20%がかかっているため、料金表が税抜か税込かを必ず確認してください。これに出願料・保証金・キャピタル費、スクールバス、昼食、IB試験料などが加わるので、授業料だけでなく合計額で比べましょう。ロンドン日本人学校の授業料は年£7,368(約155万円・VAT込)です。
Q. インターに通いながら、日本語の勉強も続けられますか?
A. 続けられます。ロンドン補習授業校は、英国の学校やインターナショナルスクールに通い、保護者が英国に住んでいる子どもを対象に、土曜の午前中に国語を中心とした授業を行っています。約1,300名が通う大きな補習授業校で、住む地区によって通う校舎が決まります。校舎が遠い場合や土曜に通えない場合は、家庭での読み書きとオンラインの日本語学習を組み合わせる方法もあります。ISLやHalcyonのように家庭の言語(母語)の授業を用意しているインターもありますが、日本語が開講されるかは各校に確認してください。
Q. 年度の途中でも、日本人学校やインターに入れますか?
A. ロンドン日本人学校は、学期ごとに転入学の申し込みを受け付けていますが、受け入れ人数を超えた学年は受付日ごとの抽選で順番を決めると公式に案内しています(2026年度3学期の受付は2026年11月4日から)。インターは学校と学年の空席しだいなので、住む地区を決める前に複数の学校へ同時に問い合わせましょう。英国の公立校は、住所が決まってから自治体を通じて申し込みます。
ロンドンでの時間を、お子さんの一生の財産に
ロンドンには、世界中から家族が集まる街ならではの多様なインターがあり、日本人学校も、全寮制の日本の学校も、土曜の補習授業校もあります。同時に、VAT込みで重くなった学費、住む地区で決まる公立校、帰国後の進路、日本語の維持という、駐在・在住のご家庭にしか見えない悩みもあります。大切なのは「一番有名な学校」を探すことではなく、わが家の滞在年数と帰国先、住む場所、そしてお子さんらしさに合った学び方を選ぶこと。インターも、現地校と補習授業校も、日本人学校も、オンラインも、対等な選択肢として並べてみてください。焦らなくて大丈夫。あなたの一歩を、私たちは応援しています。
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