駐在や移住が決まって、シンガポールでの学校選びを始めたあなたへ。「学費が想像以上に高い」「学校が多すぎて違いが分からない」——そんな戸惑いは、多くの日本人家庭が通ってきた道です。この記事では、実在するシンガポールのインターナショナルスクールからおすすめの7校を、学費の目安レンジ・カリキュラム・向いているご家庭のタイプまで正直に整理します。読み終わる頃には、学費相場の全体像と「わが家に合う選び方」の軸が手に入るはずです。
結論:シンガポールで選べる学校(早見)
ここだけ読めば全体像がつかめます。この記事で扱う学校と、オンラインという選択肢を、同じ粒度で並べました。
- UWCSEA(United World College of South East Asia) — 対象年齢——4〜18歳/学費目安——年間約SGD 39,000〜50,000(約450万〜575万円・2026年時点の公式情報)
- Tanglin Trust School — 対象年齢——3〜18歳/学費目安——年間約SGD 34,770〜55,734(約400万〜640万円・2026年時点の公式情報)
- Singapore American School(SAS) — 対象年齢——3〜18歳/学費目安——年間約SGD 40,000〜50,000超(約460万〜580万円超・2026年時点の公開情報)
- Dulwich College (Singapore) — 対象年齢——2〜18歳/学費目安——年間約SGD 20,270〜56,220(約230万〜650万円・幼児部の短時間コース〜高等部・2026年時点の公式情報)
- Stamford American International School — 対象年齢——2か月(乳幼児施設)〜18歳/学費目安——小〜高で年間約SGD 47,000〜54,000(約540万〜620万円・2026年時点の公式情報)
- One World International School(OWIS) — 対象年齢——3〜18歳/学費目安——年間約SGD 24,000〜40,000(約280万〜460万円・キャンパスと学年による・2026年時点の公式情報)
- Global Indian International School(GIIS) — 対象年齢——3〜18歳/学費目安——年間約SGD 14,500〜35,000(約170万〜400万円・カリキュラムと学年による・2026年時点の公開情報)
- NIJIN GLOBAL ACADEMY(オンライン) — 6〜18歳/2027年9月開校・現在は開校情報の登録受付中/対面インターのおよそ1/5の学費帯/日本語の支えあり。通学圏や学費が壁になる家庭の選択肢。

はじめに基礎を押さえたい方へ:インターナショナルスクールとは?種類・学費・入学条件・選び方の完全ガイドで全体像を整理しています。
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シンガポールのインターナショナルスクール事情と学費相場
シンガポールには約50校のインターナショナルスクールがあり、IB(国際バカロレア)・英国式・米国式・ケンブリッジ式・インド系など、カリキュラムの選択肢はアジア随一です。英語と中国語の二言語環境、治安の良さ、大学進学実績の高さから、世界中の駐在・移住家庭が集まります。
一方で学費は世界トップクラス。年間の授業料はおおむねSGD 15,000〜55,000超(1SGD=約115円換算で約170万〜650万円)と幅広く、名門校では諸費用込みで年間600万円を超えることも珍しくありません。さらに入学申請料や入学金、施設費、スクールバス代などが上乗せされます。学費の内訳がどう積み上がるのかは、インターナショナルスクールの学費の内訳で詳しく解説しています。※学費等は2026年7月時点の公開情報です。最新は各校公式サイトでご確認ください。
人気校は待機リストが長く、希望学年に空きがないことも。だからこそ「有名だから」ではなく、予算・カリキュラム・お子さんの性格に合わせた選び方が欠かせません。
エリアで見るシンガポールのインターナショナルスクール(どの地域に多い?)
学校選びでは学費やカリキュラムに目が行きがちですが、住まいと通学のしやすさも満足度を大きく左右します。シンガポールは国土が狭いとはいえ、朝夕の渋滞やスクールバスの乗車時間は毎日のこと。主要校がどのエリアにあるかを、ざっくり地図感覚でつかんでおきましょう。
- 西部(ブキ・ティマ/ドーバー/ジュロン方面)——駐在家庭に人気のエリア。UWCSEA(ドーバー)、Tanglin Trust、Dulwich College(ブキ・バトク)、OWIS(ナンヤン)などが集まります。日本人にもなじみのある住宅街が近く、選択肢が豊富です。
- 北部(ウッドランズ方面)——Singapore American School(SAS)の巨大キャンパスがあるエリア。米系ファミリーが多く、広い住環境が魅力です。
- 中部(ノベナ/セラングーン方面)——Stamford AmericanやOWIS(ニュートン)など。市街地へのアクセスがよく、共働き家庭にも通わせやすい立地です。
- 北東部(プンゴル方面)——GIIS(SMARTキャンパス)やOWIS(プンゴル・デジタルキャンパス)など、最新設備の新興校が集まる発展エリア。学費が比較的抑えめの学校も多い傾向です。
同じ学校でもキャンパスによって立地が異なる場合があります。住居エリアを決める前に、候補校の所在地とスクールバスのルート・所要時間を必ず確認しましょう。ほかの都市と比較したい方は、バンコクのインターナショナルスクールや東京のインターナショナルスクールの記事もあわせてどうぞ。

シンガポールのインターナショナルスクールおすすめ7選
ここからは、名門校から比較的手頃な学校まで、価格帯とカリキュラムのバランスを考えて7校を選びました。学費は各校公式サイト等の公開情報に基づく目安レンジです(1SGD=約115円で換算)。
1. UWCSEA(United World College of South East Asia)
1971年設立、世界のUWC運動を代表する超人気校。ドーバーとイーストの2キャンパスに約100か国の生徒が学び、IBディプロマの実績とサービスラーニング(社会貢献活動)の充実で知られます。入学は選考制で、待機リストが長いことでも有名です。
- カリキュラム——IB(PYP相当の独自プログラム〜IBDP)
- 対象年齢——4〜18歳
- 学費目安——年間約SGD 39,000〜50,000(約450万〜575万円・2026年時点の公式情報)
- こんな家庭に——多様性と探究を重視し、世界中に友人を持たせたいご家庭
2. Tanglin Trust School
1925年創立、シンガポール最古の英国系インターナショナルスクール。英国式教育を軸に、シックスフォームではAレベルとIBDPの両方を選べる希少な学校です。落ち着いた校風と手厚い進路指導に定評があります。
- カリキュラム——英国式(EYFS〜GCSE、AレベルまたはIBDP)
- 対象年齢——3〜18歳
- 学費目安——年間約SGD 34,770〜55,734(約400万〜640万円・2026年時点の公式情報)
- こんな家庭に——英国式の丁寧な教育と伝統校の安心感を求めるご家庭
3. Singapore American School(SAS)
米国式カリキュラムの旗艦校で、AP(アドバンスト・プレイスメント)の選択肢の広さは世界屈指。広大なウッドランズのキャンパスに約4,000人が学ぶ、シンガポール最大級のインターナショナルスクールです。
- カリキュラム——米国式+AP
- 対象年齢——3〜18歳
- 学費目安——年間約SGD 40,000〜50,000超(約460万〜580万円超・2026年時点の公開情報)
- こんな家庭に——米国大学進学を視野に、スケールの大きい環境で学ばせたいご家庭
4. Dulwich College (Singapore)
400年以上の歴史を持つ英国名門ダリッジ・カレッジの姉妹校。英国式をベースに高等部はIBDPへ接続し、音楽・演劇など芸術教育の環境が充実しています。ブキバトクの緑豊かなキャンパスも魅力です。
- カリキュラム——英国式(〜IGCSE)+IBDP
- 対象年齢——2〜18歳
- 学費目安——年間約SGD 20,270〜56,220(約230万〜650万円・幼児部の短時間コース〜高等部・2026年時点の公式情報)
- こんな家庭に——英国名門の伝統と芸術・スポーツの環境を重視するご家庭
5. Stamford American International School
米国式とIBを組み合わせた「二刀流」が特徴の大規模校。IBDPに加えてAPコースや米国高校卒業資格も取得でき、進路の柔軟性は抜群です。日本人児童の受け入れ経験も豊富で、EAL(英語サポート)体制が整っています。
- カリキュラム——米国式+IB(PYP〜DP)+AP
- 対象年齢——2か月(乳幼児施設)〜18歳
- 学費目安——小〜高で年間約SGD 47,000〜54,000(約540万〜620万円・2026年時点の公式情報)
- こんな家庭に——進路の選択肢を最大限広げたい、英語サポートも欲しいご家庭
6. One World International School(OWIS)
「手頃な学費で質の高いIB教育を」を掲げる新興校。ナンヤン、プンゴルのデジタルキャンパスなど複数拠点で、一つの国籍が偏らないよう配慮された多国籍な環境が特徴です。コストと質のバランスで満足度が高いと評判です。
- カリキュラム——IB(PYP・DP)+ケンブリッジ(IGCSE)
- 対象年齢——3〜18歳
- 学費目安——年間約SGD 24,000〜40,000(約280万〜460万円・キャンパスと学年による・2026年時点の公式情報)
- こんな家庭に——学費を抑えつつ、IBと多国籍環境は譲りたくないご家庭
7. Global Indian International School(GIIS)
インド系最大手のグローバル校で、最新設備のSMARTキャンパス(プンゴル)が有名。CBSE(インド式)だけでなくIBやケンブリッジも選べ、シンガポールのインターナショナルスクールの中では学費が比較的手頃な部類に入ります。理数教育の強さにも定評があります。
- カリキュラム——CBSE・IB(PYP/MYP相当〜DP)・ケンブリッジ
- 対象年齢——3〜18歳
- 学費目安——年間約SGD 14,500〜35,000(約170万〜400万円・カリキュラムと学年による・2026年時点の公開情報)
- こんな家庭に——費用を抑えながら国際カリキュラムと理数の強さを求めるご家庭
シンガポール インターナショナルスクール 学費早見表【7校比較・エリアつき】
7校の学費・カリキュラム・エリアを一覧にまとめました。年間授業料の目安レンジ(各校公開情報・2026年時点)で、幼児部から高等部まで学年により大きく変わります。1SGD=約115円で日本円の目安を併記しています。
| 学校名 | 主なカリキュラム | 年間学費(SGD目安) | 円換算目安 | 主なエリア |
|---|---|---|---|---|
| UWCSEA | IB | 39,000〜50,000 | 約450万〜575万円 | ドーバー(西部)/イースト |
| Tanglin Trust | 英国式+A/IBDP | 34,770〜55,734 | 約400万〜640万円 | ポーツダウン(西部) |
| Singapore American(SAS) | 米国式+AP | 40,000〜50,000超 | 約460万〜580万円超 | ウッドランズ(北部) |
| Dulwich College | 英国式+IBDP | 20,270〜56,220 | 約230万〜650万円 | ブキ・バトク(西部) |
| Stamford American | 米国式+IB+AP | 47,000〜54,000 | 約540万〜620万円 | セラングーン(中部) |
| One World(OWIS) | IB+ケンブリッジ | 24,000〜40,000 | 約280万〜460万円 | ナンヤン(西部)/プンゴル |
| Global Indian(GIIS) | CBSE・IB・ケンブリッジ | 14,500〜35,000 | 約170万〜400万円 | プンゴル(北東部) |
表を眺めると、おすすめの選び方が見えてきます。予算最優先ならGIISやOWIS、英国式の伝統ならTanglinやDulwich、米国大学志向ならSASやStamford、多様性とIB実績ならUWCSEA——といった具合です。学費は同じ学校でも学年で倍近く変わるため、必ず「入学予定学年」の実額を各校公式サイトで確認してください。
学費だけじゃない——入学時にかかる諸費用の早見表
見落としがちなのが、授業料以外の費用です。出願料や施設費、スクールバス代などを合わせると、実際の年間支出は授業料の15〜25%増しになることも珍しくありません。目安を整理しました(公開情報に基づく一般的なレンジ・2026年時点)。
| 費目 | 目安(SGD) | タイミング |
|---|---|---|
| 出願・選考料 | 2,000〜4,000 | 出願時(返金不可のことが多い) |
| 入学金/デポジット | 概ね1学期分の授業料相当 | 入学時(一部返金される場合あり) |
| 施設費(Building Levy) | 2,000〜5,000/年 | 毎年 |
| スクールバス | 3,500〜5,800/年 | 毎年(利用する場合) |
| 制服・端末(ノートPC等) | 800〜2,500 | 初年度中心 |
| 給食 | 1,500〜2,800/年 | 毎年(利用する場合) |
| 試験料(IB/IGCSE等) | 1,800〜3,200 | 該当学年のみ |
つまり、授業料が年間SGD 35,000の学校でも、諸費用を足すと実質SGD 45,000前後になることも。予算を見積もるときは「授業料+2〜3割」を目安に、無理のない持続可能なラインで考えるのが安心です。費目ごとの詳しい仕組みは学費の内訳ガイドもご覧ください。
入学・ウェイティング・MOE免除の実情
シンガポールのインター校選びで、学費と並んで壁になりやすいのが「そもそも入れるか」という問題です。人気校ほど倍率が高く、手続きも独特なので、早めに全体像をつかんでおきましょう。
ウェイティング(待機リスト)は当たり前。UWCSEAをはじめとする人気校は、幼児部から待機リストがあり、希望学年に空きが出るまで数か月〜1年以上待つケースもあります。駐在辞令が出たら、第一志望だけでなく複数校に同時出願しておくのがシンガポールの常識です。
入学審査は学校ごとに異なります。多くの学校で、英語力の確認(面談やアセスメント)、過去の成績表、推薦状などが求められます。学年が上がるほど英語の入学条件は厳しくなる傾向があり、EAL(英語サポート)の有無・対象学年・追加費用も学校ごとに違います。
シンガポール国籍のお子さんは「MOE免除(waiver)」が必要。シンガポールは義務教育制度があり、シンガポール国籍の小学1年生相当以上の子どもがインター校(外国制度校=Foreign System School)に通うには、教育省(MOE)から義務教育の免除を得る必要があります。この申請は保護者が直接行うのではなく、空きを確保した学校側が申請し、可否はMOEの裁量で個別に判断されます(出典: MOE/UWCSEA)。永住権のない外国籍の駐在・移住家庭には、通常この免除申請は当てはまりません。
シンガポールのインターナショナルスクール「御三家」とは——そして、その選び方をおすすめしない理由
駐在が決まったご家庭が、日本人の先輩駐在員から必ずと言っていいほど聞かされる言葉があります。「シンガポールの御三家」です。この言葉で検索してこのページに来られた方も少なくありません。まず、この通称の正体をはっきりさせておきます。
「御三家」は公式の呼び名ではありません
御三家という区分は、どの機関も定めていません。シンガポール教育省(MOE)にも、認定団体にも、そんなカテゴリーは存在しません。これは日本人駐在員コミュニティのなかで自然に使われるようになった非公式の通称で、日本の中学受験の言葉づかいをそのまま持ち込んだものです。英語圏の保護者に「Which are the big three?」と聞いても、まず通じません。
そのうえで、日本人のご家庭が御三家と呼ぶときに指していることが多いのは、次の3校です。いずれもこの記事で1番目から3番目にご紹介した学校です。
| 学校 | 系統 | よく挙げられる理由 | 向いているご家庭 |
|---|---|---|---|
| UWCSEA (United World College of South East Asia) |
IB(世界のUWC加盟校) | 規模と歴史、IBディプロマの実績、奉仕活動・アウトドア教育を含む全人教育の枠組み | 海外大学進学まで見据え、学業以外の経験も重視したいご家庭 |
| Tanglin Trust School | 英国式(+IB) | シンガポール最古級の歴史、英国式カリキュラムの一貫性 | 英国式で進めたい、あるいは英国・欧州への進学も視野に入れるご家庭 |
| Singapore American School (SAS) |
米国式(AP等) | 大規模な施設、米国大学進学の実績、課外活動の層の厚さ | 米国の大学進学を見据える、または帰国後に米国式の接続を保ちたいご家庭 |
学費の実額は、この記事の学費早見表にまとめてあります。3校とも上位の価格帯にあり、加えて入学時の一時金がかかります。
それでも、御三家という基準で選ぶことをおすすめしません
ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。私たちは「御三家だから選ぶ」という決め方を、はっきりおすすめしません。理由は精神論ではなく、実務的に4つあります。
- 入れるかどうかを決めるのは、学校の格ではなくウェイティングです。人気校には待機リストがあり、学年と時期によっては1年以上待つことも珍しくありません。駐在の着任日は動かせません。「御三家を第一志望に、他は考えていません」という構えで臨むと、着任してから数か月お子さんの学校が決まらない、という事態が現実に起こります。第2・第3の候補を同時に進めておくことは、妥協ではなくリスク管理です。ウェイティングと編入の実情は、この記事の入学・ウェイティングの章で詳しく扱っています。
- 3校は同じカテゴリーの中で順位が違うのではなく、系統がそれぞれ違います。UWCSEAはIB、Tanglinは英国式、SASは米国式。これは優劣ではなく、進学先と接続の設計の違いです。米国の大学を目指すご家庭がなんとなく英国式を選んでしまうと、後の科目選択で不利になることがあります。「3つのうちどれが一番いいか」ではなく「わが家の出口はどこか」から逆算してください。
- 通学時間が、毎日の生活を決めます。シンガポールは国土が狭いとはいえ、朝夕の渋滞は起きます。住まいとキャンパスの位置関係によっては、片道1時間近いスクールバス通学になることもあります。小学生にとって、往復2時間は学校の質の差を軽く飲み込んでしまう負担です。住居を決める前に学校を決める——これがシンガポールでの鉄則です。
- お子さんの英語力と性格に、学校ごとの相性があります。規模の大きな学校は選択肢と施設が豊富ですが、その分ひとりの生徒に目が届きにくくなる面もあります。英語がまだこれからのお子さんには、少人数でEALのサポートが手厚い学校のほうが、結果的に伸びることがあります。「入れた学校」より「伸びた学校」のほうが、6年後の姿は良くなります。
代わりに使ってほしい4つの基準
学校見学と問い合わせのときに、この4点を必ず確認してください。御三家かどうかより、はるかに結果を左右します。
- ①その学年に、いま空きがあるか。ウェイティングの現在の見込み月数を、学年ごとに聞いてください。学校全体の平均ではなく、お子さんの学年の数字です。
- ②英語のサポート(EAL/ESL)の中身。受け入れ基準だけでなく、週何時間、何人の体制で、どの段階で通常クラスに合流するのか。費用が別途かかるかどうかも必ず確認してください。
- ③日本語をどう維持するか。日本へ戻る可能性があるなら、これは学費と同じくらい重い問題です。学校に日本語プログラムがあるか、無ければ補習校や家庭学習でどう補うか。ここを設計しないまま数年が過ぎると、帰国後にお子さんが最も苦労します。
- ④住まいからの実際の通学時間。学校が案内する所要時間ではなく、朝の時間帯に実際に走ってみた時間で判断してください。
UWCSEAの学費について調べている方へ
3校のなかでも個別に検索されることが多いのがUWCSEAです。学費の実額はこの記事の学費早見表と入学時にかかる諸費用の早見表に整理していますので、そちらをご覧ください。ここでは、表だけでは伝わらない点を3つ補足します。
ひとつめは、キャンパスが複数あること。キャンパスによって学年構成や空き状況が異なります。「UWCSEAの学費」を調べるときは、どのキャンパスかまで確認してください。
ふたつめは、授業料以外の費用の比重が大きいこと。出願料・入学金・施設関連の一時金に加えて、アウトドア教育やプロジェクト週間などの活動費が学年ごとに発生します。年間の授業料だけで資金計画を立てると、初年度で足りなくなります。
みっつめは、学費が学年で上がっていくこと。これはシンガポールの主要校に共通する構造です。小学校低学年で入学したときの金額のまま12年生まで続くわけではありません。駐在期間が長くなる可能性があるなら、高学年の金額で試算しておくのが安全です。
最後に、ひとつだけ。学校の格付けは、大人が安心するためにある物差しです。お子さんが毎朝その校門をくぐりたいと思えるかどうかは、そこには書かれていません。私たちNIJIN GLOBAL ACADEMYも、序列で子どもを並べない学び方を選んだ学校のひとつです。シンガポールでどの学校を選ばれるにしても、最後の決め手はお子さんの表情であってほしいと願っています。
シンガポール日本人学校・補習授業校とインターナショナルスクール——費用と選び方の違い
ここまでインターナショナルスクール7校を見てきましたが、シンガポールに赴任・在住する日本人家庭にとって、実際の選択肢はインターだけではありません。日本の教育課程につながる道として、全日制のシンガポール日本人学校と、土曜だけ通うシンガポール日本語補習授業校が並行して存在します。ここでは、公式サイトと公式PDFに実際に掲載されている金額と条件だけを使って、この2つとインターを同じ土俵に並べます。
※以下の金額は、いずれも2026年9月時点で各校の公式サイト・公式PDFに掲載されている額です。通貨はシンガポールドル(SGD)で、円の目安はこの記事のほかの表と同じく1SGD=約115円で計算した参考値にすぎません。為替は日々動くため、円の数字はあくまで目安としてご覧ください。実際の請求額は必ず各校にご確認ください。
シンガポール日本人学校の校納金(2026年度・公式公表額)
シンガポール日本人学校は、小学部(クレメンティ校/チャンギ校)と中学部(ウェストコースト)で構成されています。公式が公開している2026年度の新・編入学時校納金一覧には、次の額が明記されています(すべてGST9%込み)。
| 項目 | 金額(SGD・GST込み) | 備考 |
|---|---|---|
| 入学金(一時金) | 1,090/3,924 | 勤務先が日本人会法人会員の日系企業、または日系企業以外の勤務先・個人は1,090/日本人会法人会員でない日系企業は3,924 |
| 施設費(入学時一時金) | 2,725 | 小学部から中学部へ進学する際にも再度必要 |
| 小学部 授業料(月額) | 675.80 | 別途、施設費が月額141.70 |
| 中学部 授業料(月額) | 752.10 | グローバルクラスは1,057.30。別途、施設費が月額141.70 |
月額を12か月で単純に足すと、授業料と施設費の合計は小学部で年間およそSGD 9,810(約113万円)、中学部で年間およそSGD 10,726(約123万円)、英語で数学・理科を学ぶ中学部グローバルクラスで年間およそSGD 14,388(約165万円)という水準になります(学期や編入月によって初回の納入額は変わります)。
これに加えて、入学時には入学寄付金が別に必要です。公式サイトによれば、日系企業以外に勤務する保護者は個人寄付金SGD 3,000+GST(一家族1回限り)、外交旅券・公用旅券・政府関係機関等の場合は特別寄付金SGD 1,000+GST。日系企業に勤務する場合は会社が納める企業寄付金となり、在日本社の資本金ベース(20万円〜700万円)と当地駐在員ベース(40万円〜600万円)の合算額が基準として公表されています。すでに勤務先が納入済みであれば、あらためて納める必要はありません。
インターとの年間費用は「桁」が違う
この記事の学費早見表でいちばん抑えめだったGIISが年間SGD 14,500〜、UWCSEA・SAS・Stamfordは年間SGD 39,000〜54,000でした。日本人学校小学部の年間およそSGD 9,810と並べると、インターの学費はおおよそ1.5倍から5倍以上。年に直して数百万円の差になります。
ただし、これは「安いほうがいい」という話ではありません。日本人学校は日本の学習指導要領にもとづく日本語での教育で、帰国後に日本の学校へ戻ることを前提にした家庭に向いています。インターは英語で学び、IBやA-Levelといった国際的な資格につながります。行き先が違うので、金額だけを並べても決められない——ここがこの比較のいちばん大事なところです。
お金より先に効くのは「入れるかどうか」の条件
日本人学校については、公式サイトが編入学の資格と条件をはっきり定めています。学費を比べる前に、まずここを読んでおくと無駄がありません。
- 日本の教育関係法規が定める年齢に該当していること。
- シンガポール共和国に在住していること。
- 保護者がシンガポール日本人会の会員であること。なお、シンガポール国籍を持つ児童は原則として入学不可(政府の承認がある場合は例外)と明記されています。
- 日系企業・団体に勤務する保護者は、その法人が所定の企業寄付金を納入していること。日系企業勤務以外(外資系・個人・外国人等)の保護者は、個人寄付金を一世帯一度納入すること。
- 小学部は学区制です。居住住所によってクレメンティ校(西部)かチャンギ校(東部)かが決まり、学区を超えて通学することは認められていません。
最後の一点は、住まいを決めてからでは動かせません。日本人学校を考えているなら、物件を決める前に学区の境界線を確認してください。
もう一つ、見落とされやすい構造があります。シンガポール日本人学校は小学部と中学部までで、高等部はありません。高校段階では、現地のインターへ進むか、文部科学省の認定を受けた私立在外教育施設である早稲田大学系属 早稲田渋谷シンガポール校(高等部のみ・生徒寮あり)へ進むか、日本へ戻るか、という分岐になります。中学入学の時点で、高校の出口まで一度見ておくことをおすすめします。
「日本語補習校の代わり」を探しているご家庭へ
インターに通いながら日本語をどう守るか。前の節の「代わりに使ってほしい4つの基準」の③でも触れましたが、ここは学費と同じくらい重い問題です。シンガポールでの受け皿は、まずシンガポール日本語補習授業校です。平日はローカル校・インターナショナル校に通う日本国籍の小・中学生が、毎週土曜日に国語や日本文化を学ぶ学校で、公式に公開されている令和8(2026)年度の校納金は次のとおりです(GST9%込み)。
- 受験料:SGD 109.00(受験時のみ)
- 入学金:日本人会会員 SGD 272.50/非会員 SGD 545.00(入学時のみ)
- 授業料:小学部 SGD 283.40/月、中学部 SGD 305.20/月(教材費と団体傷害保険料を含む)
12か月で単純に足すと、授業料は小学部で年間およそSGD 3,401(約39万円)、中学部で年間およそSGD 3,662(約42万円)。インターの学費に、年間40万円前後を上乗せするイメージになります。
ただ、「補習校の代わり」を探すご家庭の理由は、多くの場合お金ではありません。公式が示す入学許可の基本条件は、次のようになっています。
- 日本国籍を有すること。
- 保護者とともにシンガポールに在留・在住していること。
- 現地校または国際校(日本人学校を除く)に通学中であること。
- 入学希望学年の学齢に該当し、その学年の学習に支障がない国語力があること。
- 入学試験の結果で判定されます(小1〜中3は筆記試験と個別面接。新小学1年生には筆記試験はありません)。
- 保護者の義務として、家庭で日本語を徹底して使うこと、本校の学習に連動した十分な家庭学習を行うこと、保護者会活動(役員や行事協力)に参加することが求められます。
入学の受け入れは、年度当初の4月と、年度途中の6月・10月です。つまり——日本国籍がない、土曜日が家庭の予定で埋まっている、国語力が学年に届いていない、年度の途中で赴任してきて次の受け入れまで数か月ある。こうしたとき、ご家庭は「代わり」を探すことになります。公式に確認できる範囲では、次の選択肢があります。
- ①在籍するインター校内の日本語プログラム。母語としての日本語を扱う学校と、外国語としての日本語しかない学校があります。週に何時間か、誰が教えるか、追加費用がかかるかを、出願前に学校へ直接確認してください。
- ②公益財団法人 海外子女教育振興財団(JOES)。海外に住む子ども向けに、通信教育やオンラインの学習、教育相談を行っている財団です。土曜に通えない事情がある場合の受け皿になります。
- ③日本の教科書を、渡航前に確実に受け取っておく。補習授業校の公式サイトは、年度途中編入(6月・10月)では教科書の配付を行っていないと明記したうえで、日本を出国する前に前籍校で「教科書給与証明書」を発行してもらい、海外子女教育振興財団で教科書を受け取って手荷物で持参する手順を案内しています。在外邦人への教科書配付は、シンガポールでは日本人学校が代行しています。赴任が決まったら、渡航前にここだけは済ませておくと、あとがずいぶん楽になります。
- ④オンラインの日本語教育。曜日にも滞在国にも縛られずに続けられるのが利点です。日本語が不安なご家庭には姉妹サービス〈ともだちじゃぱん〉(NIJIN運営・子ども向けのオンライン日本語)もおすすめです。
結局、どの家庭にどれが向くのか
- 数年で帰国する見込みがはっきりしていて、帰国後は日本の学校に戻る。→ 日本人学校(全日制)。学習の連続性が保たれ、費用も抑えられます。ただし学区と、中学部までしかないことは先に確認を。
- 海外での進学(IB・A-Level・米国大学)を視野に入れている、または滞在が長期になりそう。→ インターナショナルスクール。日本語は補習授業校か家庭で設計します。
- インターに通わせながら、日本語も落としたくない。→ インター+補習授業校(または上の①〜④)。日本語側の年間費用は、公式額で40万円前後が目安です。
- 転勤の周期が読めない。次にどの国へ行くか分からない。→ ここは正直にお伝えします。引っ越しのたびに学校を変えなくてよいのは、オンラインという形の構造的な利点です。NIJIN GLOBAL ACADEMYも、日本語の支えを前提に、住む場所を選ばずに続けられる設計にしています(2027年9月開校予定・現在は開校情報の登録受付中)。もちろん対面校の校庭や行事と同じ体験にはなりませんし、唯一の正解でもありません。比較の土台に載せる選択肢の一つとして見ていただければ十分です。
ここに挙げたどの学校も、それぞれの目的のために丁寧に設計されています。優劣の問題ではなく、ご家庭が「次にどこへ向かうか」で決まる問題です。金額は2026年9月時点の公表額であり、改定されることもあります。最終的な判断の前に、必ず各校の公式サイトと事務局でご確認ください。
比較でわかる、わが家に合う選び方
7校を見てきて、「結局どう選べばいいの?」と感じたかもしれません。大手名門・中堅新興・そしてオンライン国際校という3つのタイプで観点別に比べると、それぞれの得意と不得意が見えてきます。

大手名門校は環境も実績も申し分ない一方、費用と入学ハードルが高い。中堅・新興校は費用と質のバランスが良い一方、歴史や施設では一歩譲る。そしてオンライン国際校は費用と場所の自由が強みですが、対面の校庭や施設はありません。「一番良い学校」ではなく「わが子に一番合う学校」を探す——その視点に立てば、答えは意外と絞れてきます。オンラインでの学びのしくみを見る →

シンガポールだけで判断せず、他都市の相場と見比べたい方へ:インターナショナルスクールの学費データベース(都市別の相場・内訳と無償化の現実)で、国内・アジア主要都市16校の年間授業料を出典付きで一覧にしています。あわせて、インターナショナルスクールの学費はなぜ高いのか(相場の内訳と、対面の約1/5に下げる方法)で、費用の構造そのものを分解しています。
学費や通学が壁なら——「オンライン」という第8の選択肢
ここまで読んで、「良い学校ばかりだけれど、年間数百万円は続けられない」「帰国や転勤の予定があって通学校を決めきれない」と感じた方もいるはずです。そんなご家庭に、第8の選択肢として私たち NIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)を紹介させてください。
NGAは、2027年9月に開校するオンライン・インターナショナルスクールです。運営は株式会社NIJIN。日本で運営するオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」には、すでに1000名以上の子どもたちが在籍しています。テストの点数で子どもを並べない脱偏差値の学びを掲げ、少人数の対話を通じて「自分と世界を、好きになる」ことを育てます。対象はアジア・オセアニアの6〜18歳。シンガポールからでも日本からでも、住む場所を選びません。日本語の支えを前提に少しずつ英語に触れられる設計なので、英語がまだ不安なお子さんでも始めやすく、学費は対面インターの約5分の1を目指しています。
正直にお伝えすると、NGAはまだ開校前で、実績はこれから積み上げていく段階です。対面校の校庭や施設とまったく同じ体験を提供できるわけでもありません。それでも「学費や場所の壁で国際教育を諦めない」ための選択肢として、比較の土台に載せていただけたらうれしいです。
よくある質問
シンガポールのインターナショナルスクールには何歳から入学できますか?
多くの学校は3歳前後の幼児クラスから受け入れており、Stamford Americanのように乳幼児施設を持つ学校もあります。ただし人気校は幼児部から待機リストがあるため、渡航が決まったら早めに複数校へ問い合わせるのが安心です。
英語ができない日本人の子どもでも入学できますか?
多くの学校にEAL(英語を母語としない子ども向けサポート)がありますが、学年が上がるほど英語力の入学条件は厳しくなる傾向があります。サポートの有無・追加費用・対象学年は学校ごとに異なるため、出願前に必ず確認しましょう。
年度の途中でも編入できますか?
シンガポールのインター校の多くは8月始業ですが、空きがあれば学期途中の編入を受け入れる学校も少なくありません。ただし人気校・人気学年は空き待ちになることが多いため、駐在辞令が出た時点で動き始めることをおすすめします。
結局、シンガポールで一番おすすめのインターナショナルスクールはどこですか?
「万人向けの一番」は存在しません。多様性とIB実績ならUWCSEA、英国式の伝統ならTanglin TrustやDulwich、米国大学志向ならSASやStamford American、学費を抑えたいならOWISやGIIS——というように、ご家庭の優先順位で最適解は変わります。上の学費早見表とエリア情報を出発点に、2〜3校に絞って見学するのがおすすめです。
学費のトータルはどのくらい見ておけばいいですか?
授業料の目安は年間SGD 15,000〜55,000超ですが、出願料・施設費・スクールバス・給食・試験料などを足すと、実際の年間支出は授業料の15〜25%増しになるのが一般的です。予算は「授業料+2〜3割」を目安に、卒業までの数年間を無理なく続けられる持続可能なラインで考えましょう。
学校選びの正解は、わが子の中にある。
シンガポールには素晴らしい学校がそろっています。でも、ランキングの上位校がわが子に合うとは限りませんし、学費のために家計や暮らしが苦しくなっては本末転倒です。予算・カリキュラム・お子さんの性格という3つの軸で、あわてず、比べて、選んでください。その選択肢の一つに、場所も学費も壁にしないオンラインの学びがあることも、どうか覚えていてほしいのです。
NIJIN GLOBAL ACADEMYは2027年9月開校予定。学びのしくみや1期生募集の情報を、メールでいち早くお届けします。
シンガポールの教育費は年間いくら?——学費(授業料)以外に積み上がるもの
「シンガポール 学費」と検索したとき、あなたが本当に知りたいのは、たぶん1校の授業料の数字ではありません。この街で子どもを学校に通わせたら、わが家から年間いくら出ていくのか——世帯としての総額のはずです。ここまでの学費早見表と入学時の諸費用は「1年目の入り口でかかるお金」を整理したものでした。この章では視点を変えて、入学したあと毎年くり返し出ていく費用と、学校ではなく政府に払う費用を分けて並べます。
先にいちばん大事なことをお伝えします。シンガポールの教育費でつまずく家庭のほとんどは、金額を読み違えたのではなく、「その費目が自分の学校にあるかどうか」を確認しないまま見積もったケースです。下の表の右2列——「学校によって有無が分かれるか」と「確認の仕方」——を、金額欄より先に読んでみてください。
毎年・または入学時に発生する費目(学校に払うお金)
| 費目 | いつ発生するか | 学校による差 | 見積り時の確認の仕方 |
|---|---|---|---|
| 出願料(Application Fee) | 出願時に1回 | ほぼ全校にあるが金額差が大きい/返金不可が一般的 | 公式サイトのFees / Admissionsページ。兄弟同時出願で人数分かかるかも確認 |
| 登録料・入学金(Registration / Enrolment Fee) | 合格後・席の確保時に1回 | ある学校とない学校が分かれる | 「合格通知から何日以内に払うか」と「辞退した場合の扱い」をセットで確認 |
| 施設・開発費(Development Levy 等) | 毎年かかる学校と入学時1回だけの学校がある | 名称も方式も学校ごとにばらつく(Building Fund、Facility Fee等) | 「毎年か、一度きりか」をそのまま質問する。ここを取り違えると6年間で差が積み上がる |
| 授業料(Tuition Fee) | 年額/学期ごと | 学年が上がると上がる設計が一般的 | 入学学年ではなく卒業までの学年別表をもらう |
| スクールバス | 毎年(利用する場合) | 距離・ゾーンで変動。片道/往復でも変わる | 住む予定のエリアを伝えて見積りを出してもらう。住居を決める前に聞く |
| 制服・体操着 | 入学時+サイズアウトのたび | 指定がゆるい学校もある | 必須点数と購入先(校内ショップか外部か) |
| 教材・デバイス(BYOD) | 入学時+更新時 | 学校指定のPC/タブレットを買う方式が増えている | 指定機種・スペック・買い替えサイクル |
| 英語サポート(EAL/ESL) | 必要と判定された期間 | 授業料に含む学校と、別料金の学校に分かれる | 「入学時の英語判定で追加費用が出る可能性はあるか」「何年目まで続くか」 |
| 課外活動(CCA/ECA) | 参加するものだけ | 無料の校内クラブと、外部コーチの有料枠が混在 | 子どもがやりたい競技・楽器が有料枠かどうか |
| 校外学習・遠征(Field Trip/Week Without Walls等) | 学年により毎年 | 海外遠征がある学校は学年が上がるほど高くなる | 過去数年の実施先と参加費の実績 |
| 試験料(IB/IGCSE など) | 最終学年前後 | 授業料に含む学校と別請求の学校がある | 科目数で変わるため、卒業年次の請求実例を聞く |
| 医療・傷害保険 | 毎年 | 学校加入が必須の場合と、家庭手配でよい場合がある | 会社の家族帯同保険でカバーされるかを人事にも確認 |
金額のレンジをここに書かないのは、意地悪ではありません。同じ「Development levy」という言葉でも、毎年かかる学校と入学時だけの学校があり、平均値を出してもあなたの学校の見積りには一致しないからです。第三者のまとめサイトの相場より、志望校から取り寄せる1枚のFee Scheduleのほうが、はるかに正確です。
政府に払う分は金額が確定している
一方で、学校側ではなく政府に払う費用は、公式に金額が公開されています(いずれも2026年9月時点)。
| 項目 | 金額 | 誰にかかるか |
|---|---|---|
| Student’s Pass 発給料(issuance fee) | S$60 | 学生ビザで通う子ども1人につき |
| Multiple Journey Visa | S$30 | 該当する国籍の場合のみ |
| GST(消費税) | 9% | 2024年1月1日以降の課税対象の取引 |
出典:ICA|Completion of Formalities and Issuance of Student’s Pass/IRAS|Current GST rates。なお申請の段階でかかる処理手数料は制度改定があり得るため、出願直前にICAの該当ページで必ず最新額をご確認ください。
そして見落としやすいのがGSTです。学校が提示する数字がGST込みなのか別なのかで、年間の総額は9%ぶん動きます。見積りを見るときは、いちばん最初に「この金額はGST inclusive ですか、exclusive ですか」と聞いてください。この一言で、あとから慌てる金額の多くが消えます。
ちなみに本記事ではS$を日本円に換算していません。為替で総額が数十万円単位で動くうえ、換算した瞬間に古くなるからです。見積書が手元に届いたら、そのときのレートでご自身で換算するのがいちばん正確です。
学校に投げるべき、6つの質問
- この金額はGST込みですか、別ですか。
- Development levy(施設費)は毎年ですか、入学時の一度きりですか。
- 卒業学年までの学年別の授業料表をいただけますか。
- 過去3年で授業料は何%上がりましたか。改定はいつ通知されますか。
- 英語サポートが必要と判定された場合、追加費用は発生しますか。
- 年度途中で退学する場合、返金規定と事前通知期間(notice period)はどうなっていますか。
最後の1つは、駐在の任期が途中で変わる可能性のあるご家庭ほど重要です。1学期ぶんの授業料が返らない規定は珍しくありません。
駐在と自費移住で、シンガポールの教育費はこう変わる——MOE校・補助のリアル
ここまでを読んで「結局うちはいくらなのか」がまだ見えないとしたら、それは情報が足りないからではなく、シンガポールの教育費は、同じ学校に通わせても家庭の立場でまったく違う金額になるからです。分かれ目は、大きく3つあります。
分かれ目1:子どものビザが違う
会社から派遣される駐在の場合、Employment Pass を持つ親が一定の条件を満たせば、子どもは Dependant’s Pass(DP) を取得できます。DPを取るには、スポンサーとなる親に固定月給 S$6,000以上という基準があります(MOM|Dependant’s Pass eligibility・2026年9月時点)。
ここが実務的に効いてきます。ICAは「有効な Long-Term Visit Pass、Dependant’s Pass、Immigration Exemption Order を持つ人は、フルタイムの就学にあたって Student’s Pass を取得する必要はない」としています(ICA|Student’s Pass・2026年9月時点)。つまり駐在でDPを持つ子どもは、学生ビザの取得手続きそのものが不要です。金額の差は大きくありませんが、学校がスポンサーになる Student’s Pass は在籍と紐づくため、転校・退学のたびに手続きが発生します。自費で移住するご家庭は、この手間を毎回引き受けることになります。
分かれ目2:会社の教育手当が「何を」カバーするか
総額を最も大きく動かすのはここです。教育手当の有無だけでなく、対象費目の範囲で実質負担は何倍にも変わります。人事に確認したいのは、次の点です。
- 手当の上限は子ども1人あたりか、世帯あたりか。学年で変わるか。
- 対象は授業料だけか。出願料・登録料・施設費・スクールバス・制服・遠征費は含まれるか。
- 学校を自由に選べるか、会社の指定校・上限額の範囲内か。
- 年度をまたぐ請求(8月始まりの学年と会社の会計年度のズレ)はどう処理されるか。
- 任期が途中で終わった場合、支払い済みの費用はどうなるか。
自費で移住するご家庭にとっては、この手当がまるごとゼロになります。同じ学校の同じ学年でも、駐在世帯と自費世帯で体感する負担がまったく違うのは、学費が違うからではなく、ここが違うからです。誰も悪くありません。ただ、比べる相手を間違えると、いたずらに落ち込むことになります。
分かれ目3:MOE(政府系)の学校という選択肢
教育費を抑える方向で最初に検討されるのが、シンガポールの公立にあたるMOE(教育省)の学校です。外国籍の子どもも授業料を払えば在籍できます。2026年の月額は次のとおりです(日本国籍のご家庭は「非ASEAN」に該当します)。
| 区分 | Primary(小学校)月額 | Secondary(中等)月額 |
|---|---|---|
| International Student(非ASEAN) | S$1,035 | S$2,190 |
| International Student(ASEAN) | S$595 | S$1,090 |
| 雑費(miscellaneous fee・全国籍共通) | S$13 | S$20 |
出典:MOE|Revised School Fees for Non-Citizens in Government and Government-Aided Schools for 2024 to 2026(2023年10月18日発表)。この発表がカバーするのは2026年までで、2027年以降の非市民向け学費はまだ公表されていません(2026年9月時点)。2027年以降の入学を検討している場合、この金額は据え置きの前提で計画しないほうが安全です。
そして、ここからが正直にお伝えしたい部分です。この金額だけを見ると魅力的ですが、外国籍の子どもがMOEの学校に入るには、AEIS(Admissions Exercise for International Students)という試験を通る必要があります。MOEは「入学は保証されず、試験の成績によります」と明記しています。対象学年も Primary 2〜5 と Secondary 1〜3 に限られ、合格しても配属校は空き状況と居住エリアで決まるため、学校を自分で選ぶことはできません(MOE|AEIS・2026年9月時点)。
受験料も無料ではありません。Primary が S$340、Secondary が S$630で、いずれもGSTが別途かかり、返金されません(MOE|AEIS: How to apply・2026年9月時点)。つまりMOE校は「学費が安い代わりに、席が確保できるかどうかが最後までわからない選択肢」です。渡星の日程が決まっているご家庭が、ここ一本に賭けるのはおすすめできません。
「学費補助」に過度な期待をしない
シンガポールの就学に関する公的な補助や免除の多くは、市民(Singapore Citizen)や永住権保持者(PR)を対象に設計されています。外国籍の家庭が使える一般的な学費補助制度は、期待しないほうが現実的です。インターナショナルスクール側の奨学金やbursary(給付)は学校ごとに有無・条件がまったく異なるため、志望校に個別に問い合わせるのが唯一確実な方法です。ここでも、まとめサイトの相場ではなく学校の一次情報が正解になります。
教育費を現実的に下げる手は、突き詰めると多くありません。学費の低い学校帯を正面から検討する、通学コストが下がるエリアに住む、そして——通う場所そのものを前提から外してみる。3つ目については、このあとの「オンラインという第8の選択肢」で触れています。どの道を選ぶにせよ、数字は必ず志望校の見積書とシンガポール政府の公式ページで確かめてください。あなたのご家庭の総額は、ネット上のどの平均値とも一致しないはずです。
移住する前に確認しておきたいこと
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