「IGCSEって、オンラインで取れるんですか?」——この質問には、半分イエス、半分ノーで答えるのがいちばん正確です。学ぶことはオンラインで完結します。ですが試験そのものは、認定された試験センターで受けます。自宅で受験できる制度ではありません。
この違いは小さく見えて、実務ではとても大きいです。学校選びだけを先に済ませてしまい、あとから「日本のどこで受験するのか」で立ち止まるご家庭を何度も見てきました。この記事では、日本からIGCSEを目指す3つのルートを、手続き・費用の構造・日本の学校制度との関係という現実的な観点で比較します。

まず、IGCSEとは何かを短く
IGCSE(International General Certificate of Secondary Education)は、14〜16歳を対象とした国際的な中等教育の資格です(出典:Cambridge International「Cambridge IGCSE」)。日本でいえば中学3年から高校1年ごろにあたる時期に、科目ごとに受験して取得します。
大事なのは「科目ごと」だという点です。日本の高校卒業資格のように一括で得るものではなく、英語・数学・理科・第二言語といった科目を選び、それぞれの試験に合格して積み上げます。だから費用も科目数で動きます。ここは後で効いてきます。
IGCSEの先には、A Level(イギリス式の大学進学課程)やIBディプロマが続くのが典型的な進路です。IGCSE単体で大学に行くわけではなく、次の課程へ進むための土台と考えるのが正確です。
「通えるインターが近くにない」ご家庭へ
NIJIN GLOBAL ACADEMYは、校舎を持たないオンラインのインターナショナルスクールです。通学時間ゼロで、日本の学校に通いながら世界とつながって学べます(ダブルスクール)。対面インターのおよそ1/5の学費。
🎁 ご登録の方に学校案内PDF(日本語版・英語版)を自動返信でその場でお届けします。学費・体験クラスの先行案内もいち早くお送りします。
登録は無料。いつでも解除できます。
「オンラインで取れる」が半分だけ本当な理由
学習はオンラインで完結します。ここは完全にイエスです。イギリスのオンライン校は実際にIGCSEやGCSEのコースを提供しています。たとえば King’s InterHigh はGCSEを扱うSenior Schoolを持ち、その先のSixth FormではA Levelと完全オンラインのIBディプロマを選べると公式に案内しています。Crimson Global Academy は7〜18歳を対象に、International GCSE・International A Level・AP・米国ディプロマを扱うと公式に記載しています。授業も課題も添削も、画面の中で成立します。
けれど試験は会場で受けます。IGCSEは認定された試験センター(approved exam centre)で受験する仕組みです。Cambridge Internationalは認定会場を検索できるページを公開しており、あわせて外部受験者(private candidate)として登録する道も案内しています(出典:Approved exam centres/Private candidates)。
ここから、実務上とても重要な帰結が出てきます。在籍しているオンライン校が自前の試験センターを持っていない場合、受験会場は家庭側で探すことになります。そして受験料は、たいてい学費とは別建てです。学校を決める前に、住んでいる地域から通える会場があるかを調べてください。この順番を逆にすると、あとで苦労します。

日本からIGCSEを目指す、3つのルートを比べる
ルート1:オンライン校に在籍して、IGCSEコースを受ける
いちばん素直な形です。カリキュラムも進度も学校が管理し、同じ試験を目指す同級生がいます。ひとりで走らずに済むのが最大の利点です。
費用は学校によりますが、構造はどこも似ています。King’s InterHighは公式に、2026/27年度の年間契約が£4,395から(上位区分は£5,995)、これに一回限りの登録料£100、保証金はイギリス国外の生徒で£1,000、科目追加は年£405〜£435と明示しています(出典:King’s InterHigh Fees/2026年9月確認)。年額だけを見て予算を組むと足りません。この内訳がそれを教えてくれます。
注意点は2つ。試験の登録と会場手配を学校がどこまでやってくれるかは、学校ごとに違います。そして英国系の学校は授業が日本時間の夕方から夜になります(詳しくはオンラインインターの一日で扱っています)。
ルート2:自宅で学び、外部受験者として受ける
学校に在籍せず、教材や個別指導で準備して、private candidateとして認定会場に申し込む形です。費用をいちばん小さく始められるルートで、1科目だけ試すこともできます。日本の学校に通ったまま進められるのも強みです。
ただし、正直に書きます。このルートは保護者の負担がいちばん重いです。シラバスの確認、教材選び、進度管理、そして受験登録。会場によっては外部受験者を受け入れていないこともあります。お子さんが自走できる年齢で、かつ家庭に伴走できる余力があるときに成立する形だと考えてください。
ルート3:通学型のインターナショナルスクールに在籍する
学校が試験センターを兼ねていることが多く、登録も会場も学校が担ってくれます。手続きの面ではいちばん楽です。日々の学習環境も、同級生も、対面で揃います。
一方で、学費は3つのルートの中でもっとも大きくなります。そして一条校ではないインターに移ると、日本の小中学校の卒業資格は得られません。籍や義務教育との関係は思ったより複雑なので、インターナショナルスクールと義務教育の関係もあわせてご覧ください。

見落とされやすい論点——IGCSEは日本の卒業資格ではありません
ここは、あとで困らないために必ず押さえてください。IGCSEを取っても、日本の中学校を卒業したことにはなりません。別の国の、別の体系の資格だからです。
日本の高校を受験する可能性が少しでも残るなら、日本の中学校の卒業資格をどう確保するのかを先に決めておく必要があります。日本の学校に在籍したまま併用するなら、この問題はそもそも起きません。フルタイムで海外のオンライン校へ移るなら、卒業資格の扱いは在籍する自治体・学校に確認が必要です。
もうひとつ、あまり語られない点を書きます。IGCSEは英語で受ける試験です。英語で日常会話ができることと、英語で理科や歴史の論述を書けることのあいだには、かなりの距離があります。多くのご家庭が想定より時間がかかると感じるのはここです。だからこそ、受験学年になってから英語を始めるのではなく、早いうちから「英語で教科を学ぶ」時間を積んでおくことが効いてきます。オンラインでの学びのしくみを見る →
逆に、今お子さんが学校に行きづらくなっていて、まず日中の居場所が必要という段階であれば、IGCSEの前に見るべきものがあります。同じ株式会社NIJINが運営するNIJINアカデミーは不登校のお子さん向けのオンラインフリースクールです。順番を守ることが、いちばんの近道になります。

費用の考え方——「学費」ではなく「科目単価」で見る
IGCSEは科目ごとに積み上げる資格なので、費用も科目数で動きます。予算を組むときは、この4つを分けて数えてください。
- 学校の年間学費(オンライン校に在籍する場合)。基本の科目数が含まれることが多い。
- 追加科目の費用。King’s InterHighのように年£405〜£435と明示している学校もあります。科目を増やすほど積み上がります。
- 初期費用。登録料や保証金。一回限りですが、初年度の負担としては小さくありません。
- 受験料と会場費。科目ごとにかかり、通常は学費の外です。会場によって金額が変わります。
「年額いくらか」ではなく「6科目取るまでにいくらかかるか」で比べてください。この見方に変えるだけで、学校ごとの印象はかなり変わります。他校の学費は各校の公式ページに掲載されていますので、必ず一次情報でご確認ください。
決める前の3ステップ
STEP 1、受験会場を先に探す。Cambridge Internationalの認定会場検索で、通える範囲に会場があるかを確認してください。ここが無ければ、他をどれだけ調べても前に進みません。あわせて、その会場が外部受験者を受け入れているかも確認します。
STEP 2、出口を確認する。IGCSEのあとはA Levelか、IBか、それとも日本の高校か。進む先によって必要な科目数と組み合わせが変わります。先に出口を決めれば、取るべき科目は自動的に決まります。
STEP 3、総額を科目単位で足す。学費・追加科目・初期費用・受験料。すべて公式ページに書かれた数字だけを使って、6科目までの総額を出してください。ここまでやれば、判断材料はそろいます。

よくある質問
Q. IGCSEの試験を、自宅のパソコンで受けることはできますか?
A. できません。IGCSEは認定された試験センターで受験する仕組みです。学習はオンラインで完結しますが、試験は会場に行きます。在籍する学校が試験センターを兼ねていない場合は、家庭側で会場を探して外部受験者として登録することになります。会場と実施時期は限られるので、学校選びより先に調べてください。
Q. 日本の学校に通いながら、IGCSEを目指すことはできますか?
A. できます。日本の学校に在籍したまま、放課後や週末にオンラインで学び、外部受験者として受験する形です。この形なら日本の中学校の卒業資格も残りますので、進路の選択肢を狭めずに済みます。ただし進度の管理は家庭側の負担になるため、科目を絞って小さく始めるのが現実的です。
Q. 英語力はどのくらい必要ですか?
A. 日常会話ができるレベルと、IGCSEで求められるレベルの間には距離があります。理科や人文の科目では英語で論理を組み立てて書く力が必要になるからです。目安として、受験の1〜2年前から「英語で教科を学ぶ」時間を確保しておくことをおすすめします。英会話の練習だけでは、この力は育ちにくいです。
資格は目的ではなく、道具です
ここまで調べてこられたあなたは、たぶんIGCSEという資格そのものが欲しいわけではないと思います。お子さんの進路を、日本の中だけに閉じたくない。そのための道具として、この資格を見ているのではないでしょうか。
だとすれば、いちばん大事なのは「取れるか」ではなく「取ったあとどうなるか」です。会場を確認し、出口を決め、科目単位で総額を出す。この3つが済めば、あとは進むだけです。
NIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は2027年9月開校(予定)のオンライン・インターナショナルスクールで、日本の学校に通いながら放課後に英語で教科を学ぶ形を前提にしています。英語で学ぶ足腰をつくる場所であって、IGCSEの受験対策校ではありません。そこは正直に書いておきます。2027年4〜5月にはプレ開校として体験クラスも予定しています。
今日、決めなくて大丈夫です。まずは会場を1つ調べてみるところから始めてください。


