「広島県 インターナショナルスクール」と検索して、出てくる情報がバラバラで困っていませんか。1962年からある老舗のインターも、公立で全寮制のIB校も、年間750万円を超える全寮制小学校も、すべて同じ広島県内にあります。学費の幅がこれほど極端な県は全国でも珍しく、だからこそ「相場」がつかめないのです。この記事では、広島市・廿日市・東広島・福山・そして島と山間部という5つのエリアに分けて、公式サイトで実在と学費が確認できた学校をすべて整理します。読み終えたとき、わが家の予算と生活圏で現実に検討できるのはどれなのかが、はっきりしているはずです。

広島県のインターナショナルスクール事情と学費相場
まず結論からお伝えします。広島県には、幼児から高校まで英語で学び続けられる全日制のインターナショナルスクールが複数あります。首都圏以外の県としては、選択肢の「層」が厚い県です。ただし同時に、県内の学費レンジが年間約12万円から約770万円までという、他県では考えられない開きを持っています。
この極端さには理由があります。広島県の国際教育は、性格の異なる4つの流れが同時に育ってきました。
ひとつ目は1962年開校の老舗インター。広島市安佐北区の広島インターナショナルスクール(HIS)が、国際バカロレア(IB)のPYP・MYP・DPをすべて備えた一貫校として60年以上運営されています。ふたつ目は一条校(学校教育法第1条の日本の学校)のIB・英語イマージョン。福山市の英数学館と広島市のAICJ中学・高等学校が代表です。三つ目は公立の全寮制IB校。2019年に大崎上島町に開校した広島県立広島叡智学園は、公立で初めて全寮制とIBを組み合わせた学校として全国から受験生を集めています。そして四つ目が全寮制のインターナショナル小学校。神石高原町の神石インターナショナルスクール(JINIS)は、日本初の全寮制小学校です。
そもそもインターナショナルスクールとは何か、一条校との違いは何かをまだ整理できていない方は、先にインターナショナルスクールとは何かを解説した記事を読んでおくと、この先の比較がぐっと楽になります。
背景にあるのは、広島県の産業構造です。出入国在留管理庁の統計にもとづく集計では、広島県の在留外国人は2025年半ばの時点で約6万4千人。国籍別ではベトナム(約1万5千人)、中国(約1万2千人)、フィリピン(約1万人)が上位で、自動車・造船・食品加工といった製造業に支えられた構成になっています。市町別で見ると広島市が約2万人、東広島市が約9,500人、福山市が約9,100人。注目すべきは東広島市で、人口約20万人に対して外国人比率が約5%——広島大学と製造業の集積により、県内でもっとも国際化が進んだ自治体です。県外・海外から来る家庭が多い地域に、国際教育の需要も集まっています。
学費の相場感は、タイプごとに分けて考えるのが唯一の方法です。公開情報をもとにした目安は次のとおりです。
- 英語で全日を過ごす私立インター(広島市)|年間約135万〜175万円(+一時金・バス代)
- 一条校のIB・英語イマージョン(福山市・広島市)|年間約54万〜102万円(+入学金)
- 公立の全寮制IB校(大崎上島町)|高校授業料は年約12万円、これに食費・寮費等が加算
- 全寮制のインター小学校(神石高原町)|年間約751万〜771万円(寮費・食費込み)
- プリスクール・英語幼児園|多くが幼児教育・保育の無償化対象の認可外保育施設。金額は各園に要問い合わせ
学費の内訳がどこで膨らむのか(授業料以外の一時金・バス代・EAL=英語サポート費など)を先に知っておきたい方は、インターナショナルスクールの学費内訳の記事もあわせてご覧ください。広島県の場合、公開されている授業料に加えて登録料や施設維持費が数十万円単位で発生する学校があるため、年額だけを見て判断すると必ず誤差が出ます。

広島県のインターナショナルスクール一覧【エリア別】
ここからは、公式サイトや自治体の公開情報から実在を確認できた学校を、エリア別にご紹介します。全国の状況を横並びで見たい方は全国47都道府県のインターナショナルスクール一覧もご覧ください。
広島市エリア——全日制で英語で学べる学校
県内で「幼児から高校まで英語で学び続ける」道筋がもっとも整っているのが広島市です。
- 広島インターナショナルスクール(HIS)(広島市安佐北区倉掛3-49-1)|1962年開校。3歳から18歳(Early Childhood〜Grade 12)までを受け入れ、国際バカロレアのPYP(EC〜G5)・MYP(G6〜G10)・DP(G11〜G12)をすべて備えた「フル継続」校です。CIS(Council of International Schools)とIBOの認定を受けており、在籍する国籍は約25。生徒対教員比は8対1という少人数体制です。公式サイトに掲載されている学費(private students)は、Early Childhood・Kindergartenが年1,352,000円、Grade 1〜8が年1,719,000円、Grade 9〜12が年1,752,000円。これに一時金として登録料220,000円・施設維持費110,000円、さらに出願料20,000円、キャピタルフィー100,000円、必要な場合のEAL(英語サポート)費100,000円、スクールバス利用時は年242,000円が加わります。県内で唯一、幼児から高校卒業まで一つの学校で完結できる存在です。
- AICJ INTERNATIONAL SCHOOL 初等部 広島校(広島市南区大須賀町13-13)|2021年4月に開校した小学校で、2023年12月4日に国際バカロレアPYPの認定を受けました。JR広島駅・電停から徒歩約5分という立地は、市内各方向から公共交通で通えるという意味で県内随一です。授業の多くを英語で行いながら、日本語と日本文化の学びも並行させる設計。シンガポール数学の導入や、探究(UOI)を軸にした教科横断のカリキュラムが特徴です。1年生入学は英語力不問(家族と日本で同居していることが条件)、途中編入は英語力の審査があります。放課後は17時までのアフタースクール(学習指導・ロボティクス・スポーツ等)を利用できます。なお運営するAICエデュケーションは、2026年4月1日付で「AIC国際学院」を「AICJ INTERNATIONAL SCHOOL」へ、「AICバイリンガル幼稚舎」を「AICJバイリンガル幼稚舎」へ名称変更しています。学費は公式サイトで金額を公開しておらず、資料請求または問い合わせが必要です(第三者のまとめでは年間130万〜160万円台とされていますが、必ず学校の一次情報でご確認ください)。
- AICJ中学校・高等学校(広島市安佐南区祇園)|2006年に中学校、2007年に高等学校が開校。2009年に西日本で初めてIBの認定を受けた学校で、高校にIBコース(DP)を設置しています。中学校では国語と社会以外の授業を英語で行うクラス編成があり、数学・理科・英語をネイティブ教員とのチームティーチングで進めます。男女別の寮があり、約60名が寮生活。日本の高校卒業資格とIBディプロマの両方を狙える一条校であることが、他県の家庭にも選ばれている理由です。第三者のデータベースでは学費が年換算で60万円台とされていますが、コースにより異なるため募集要項でのご確認をおすすめします。
広島市エリア——プリスクール・英語幼児園
未就学期は選択肢がぐっと増えます。中区に集中しているため、市中心部にお住まいなら比較検討がしやすいエリアです。
- AICJバイリンガル幼稚舎 広島校(広島市中区中町1-1)|2歳から受け入れるバイリンガル幼稚舎。幼児教育・保育の無償化の対象となる認可外保育施設です。同じAICグループの初等部・中高へ進む道筋があるのが強み。学費は資料請求・問い合わせで案内されます。
- YMCA国際幼児園(広島市中区八丁堀7-11)|1〜2歳のプリスクールクラスと、3〜5歳の年少・年中・年長クラスを設置。英語圏の幼稚園カリキュラムを英語環境で運用し、Zoo-phonics・サークルタイム・音楽・体操・水泳などを組み合わせています。無償化制度の対象。
- ソフィアインターナショナルキンダーガーテン(広島市中区東白島町14-15)|1歳6か月から6歳まで。園内では日本語を使わない終日英語のイマージョン環境を掲げる認可外保育施設です。
- リトルニュートンインターナショナル幼稚舎(広島市中区中町7-16)|袋町電停から徒歩約3分、定員90名のオールイングリッシュ園。近隣の公園へ日常的に出かけ、体を動かす時間を確保しているのが特徴です。
- オルコット インターナショナルスクール(広島市東区若草町15-10)|2〜6歳のプリスクール(19時までの延長保育あり)に加え、園児・小学生向けの英会話クラスも運営。広島県に届け出た認可外保育施設で、無償化制度の対象です。
- サンライズインターナショナルクラブ(広島市安佐南区西原8-38-30)|2013年開設。1歳半〜4歳のプリスクールと、年少〜小学6年生が週1〜3回通えるアフタースクールの二本立て。外国人講師とバイリンガル講師が在籍し、共働き家庭の受け皿にもなっています。
- インターナショナルプリスクール・ドレミ(広島市佐伯区五日市)|2〜6歳対象。英語イマージョンを取り入れた幼保一体型で、幼稚園型のショートコースと保育園型のロングコースを選べます。市西部にお住まいの家庭には現実的な距離です。
廿日市・東広島エリア
広島都市圏の周辺には、市内とは違う性格の選択肢があります。とくに廿日市市の1園は、費用面で全国的に見ても珍しい形です。
- つきのひかり国際保育園(廿日市市大野鯛ノ原625-1)|2019年開設。0歳から5歳までを受け入れ、日常の保育を英語と日本語の両方で行うイマージョン教育を実施しています。子どもの母語と母国文化を尊重する方針を掲げ、地元食材を使った各国の料理も取り入れています。ポイントは廿日市市の認可保育園であること。保育料は自治体の基準(世帯の所得に応じた金額)で決まるため、英語環境の園としては費用負担が大きく抑えられます。平日・土曜の7時〜19時開所で、共働き家庭にも現実的です。
- C&E インターナショナルプリスクール(東広島市西条町下見)|2歳から6歳を対象に、最長18時までの預かりに対応するプリスクール。読む・聞く・書く・話すをバランスよく取り入れ、小学校入学に向けた準備にも力を入れています。同じ運営で幼児から社会人までの英会話、資格取得コース、幼小中高向けの個別指導塾も持つため、卒園後も同じ場所で英語を続けやすい構造です。県内で外国人比率がもっとも高い東広島市で、地域の需要に応えている存在です。
福山・備後エリア
県東部の中心・福山市には、広島市とは別系統の強い選択肢があります。県内で「一条校でありながらIBのPYPとDPを両方持つ」学校は、ここにしかありません。
- 英数学館小学校・中学校・高等学校(福山市引野町980-1)|日本の学校(一条校)として小中高一貫の教育を行いながら、小学校で2020年に国際バカロレアPYPの認定を、高等学校で2016年にIBワールドスクール(DP)の認定を受けています。小学校は全教科の約50%を英語で実施する英語イマージョンで、各クラスに外国人担任と日本人担任のペアが入る体制。算数・理科・音楽なども英語で学びます。中学校にはIM(イマージョン)クラス、高校にはIBクラスとアドバンストクラスがあります。学費は公式サイトに明記されており、入学金はいずれも200,000円、年額の合計は小学校IMクラスが960,000円、中学校IMクラスが900,000円、高等学校IBクラスが1,020,000円、高等学校アドバンストクラスが540,000円です(授業料・実習費・施設設備費・諸費の合計)。IBクラスはアドバンストクラスより年間48万円高くなる設計です。日本の卒業資格を確実に得ながら英語で学びたい家庭にとって、県内でもっとも透明性の高い選択肢と言えます。
- STELLA International Kindergarten(福山市三吉町5-5-6)|1歳から受け入れる英語幼児園。5時間・8時間・10時間のコースがあり、給食と延長保育に対応。小学生向けのアフタースクールも運営しています。幼児教育・保育の無償化の対象。
- FOUND academy 神辺(福山市神辺町湯野1-7 アクロスプラザ神辺内)|8時間・10時間の保育に対応し、給食・延長保育つき。無償化の対象施設です。
島と山間部——全寮制という広島県ならではの選択
広島県の特徴がもっともはっきり出るのが、この2校です。どちらも「通う」のではなく「暮らしながら学ぶ」形で、費用構造も他とまったく違います。
- 広島県立広島叡智学園中学校・高等学校(HiGA)(豊田郡大崎上島町大串3137-2)|2019年に開校した、公立で初めて全寮制とIBを組み合わせた中高一貫校です。中学校でMYP、高等学校でDP(日本語DPを含む)の認定を取得しており、生徒は原則として全員が両プログラムを履修します。募集は中学校が1学年40名、高等学校が60名。人気は非常に高く、2026年度の中学入学者選抜は倍率約7.3倍(前年約5.8倍)と報じられています。費用は公立ならではで、中学校は授業料無償、高等学校の授業料は月額9,900円(年額118,800円)。ただし全寮制のため食費が月額約37,000円、寮費が月額6,300円、学級費等が月1万円台と積み上がり、6年間の総額は約410万〜450万円が目安とされています(高校3年次にはIB最終試験料145,000円も必要)。授業料以外の負担軽減制度もあるため、詳細は学校の学費ページと県教育委員会に確認してください。瀬戸内海の島で寄宿生活を送るという環境そのものが、この学校の教育の一部になっています。
- 神石インターナショナルスクール(JINIS)(神石郡神石高原町時安5020-77)|2020年4月に開校した、日本初の全寮制小学校です。小学1年生から6年生までを受け入れ、1学年24名・1クラス最大16名という少人数編成。日本の学習指導要領とIPC(International Primary Curriculum)を統合したカリキュラムで、国語以外の教科は英語イマージョンで行われます。ハウスペアレントが住み込みで生活を支え、家庭とは週1回のビデオ通話やデジタルポートフォリオでつながる仕組み。欧米のボーディングスクールへの進学を想定した設計ですが、日本の公立・私立中学への進学も可能です。費用は正直に高額です。公表されている2026年度の目安では、入学金500,000円、年間の授業料5,390,000円+寮費1,710,000円+施設・教材・制服等約490,000円で、年間約751万〜771万円。初年度は預り金を含めて約921万円とされています。県内どころか全国でもっとも学費の高い小学校のひとつです。
もう一つの国際教育——広島市の朝鮮学校
「インターナショナルスクール」で検索すると出てきませんが、広島県の国際教育を語るうえで外せない学校があります。広島市東区の広島朝鮮初中高級学校(学校法人広島朝鮮学園)は、中国地方で唯一高級部(高校段階)を持つ朝鮮学校で、幼稚班も併設しています。各種学校として日本の小・中・高に相当する教育を行い、1990年からは高級部の生徒が広島県立西高等学校(通信制)に二重在籍することで日本の高校卒業資格も取得できる仕組みを運用してきました。英語で学ぶインターとは別軸ですが、母語と母国の文化を守りながら学ぶという点では、まぎれもなく国際教育の一形態です。
なお、検索結果に出てくる「瀬戸内グローバルアカデミー(SGA)」は2020年に開校した高校卒業後の課程で、米メイン州のCollege of the Atlanticと連携する高等教育機関です。小中高の選択肢ではないため、この一覧には含めていません。また、まとめサイトの中には広島県内に数十校のインターがあると書くものもありますが、その多くは英会話教室や学習塾を含んだカウントです。
※学費・カリキュラム等は2026年7月時点の公開情報です。改定される可能性が高いため、最新の内容は必ず各校の公式サイトでご確認ください。
比較でわかる、わが家に合う選び方
広島県で迷うご家庭の質問は、だいたい3つに集約されます。「英語で全日過ごせる私立インターに入れるべきか」「一条校のIB・イマージョンで十分なのか」「通学も寮も無理なら何ができるのか」。この3つを同じ土俵で並べてみましょう。

広島インターナショナルスクールやAICJ INTERNATIONAL SCHOOL初等部のような全日制インターは、英語での学びの濃さという点で他に代えがたい環境です。一方で、年間135万〜175万円という水準は12年間で積み上げると相当な額になり、しかも一条校ではないため就学義務の扱いを市町村の教育委員会に確認する必要があります。
英数学館やAICJ中高のような一条校のIB・イマージョンは、そこが逆転します。日本の卒業資格が確実に手に入り、費用は年54万〜102万円。ただし福山市や安佐南区という立地は、県内の他エリアからは毎日の通学圏になりません。片道1時間半を超える通学は、お子さんの体力と家族の生活を確実に削ります。
広島叡智学園やJINISの全寮制は、通学の問題を根本から消してくれる代わりに、小学生・中学生のうちから家族と離れて暮らすという決断を求めます。叡智学園は倍率7倍超の競争を突破する必要があり、JINISは年間750万円超の費用が壁になります。どちらも「選べる家庭には素晴らしい」けれど、誰にでも開かれた道ではありません。
もうひとつ、広島県では地元の学校に通いながら英語の学びを足すという現実的な設計も広く選ばれています。公立に通いつつ放課後や週末に英語環境を持つやり方は、費用と時間のバランスが取りやすい方法です。この設計を検討したい方はダブルスクールという選択肢を整理した記事もご覧ください。
大切なのは「入れる学校」ではなく「続けられる学び」を選ぶこと。年間の費用と往復の時間を12年分で見積もったときに、無理なく続く形かどうか。そこが分かれ道になります。

通える範囲に見つからないなら——オンラインという選択肢
広島県の学校探しでいちばん多いつまずきは、「良さそうな学校は見つかったけれど、そこまで毎日通えない」です。三次市や庄原市から広島市へ、呉市や三原市からどちらの都市圏へ、島から本土へ——地図の上では同じ県でも、生活としては別の場所です。実際、呉市・尾道市・三原市には、プリスクール検索サイトに登録された英語幼児園が1園も見つかりません。この距離の壁は、家庭の努力ではどうにもなりません。
そこで検討していただきたいのが、通学を前提としない学びです。私たちNIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は、2027年9月に開校するオンライン・インターナショナルスクールです。運営は日本の株式会社NIJIN。日本国内で運営するオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」には、すでに1000名以上の子どもたちが在籍しています。
NGAが大切にしているのは、テストの点数で子どもを並べない「脱偏差値」の考え方と、少人数の対話を中心にした学びです。掲げているのは「自分と世界を、好きになる」。対象はアジア・オセアニアの6〜18歳で、住む場所を選びません。学費は対面のインターナショナルスクールのおよそ5分の1を目指しています。また、いきなり全部が英語になるのではなく、日本語の支えを前提にしながら少しずつ英語に触れていける設計です。日本語も英語も、どちらかを捨てなくていい——広島県のように「県内に学校はあるのに、そこまで通えない」地域のご家庭にこそ、この設計が届いてほしいと思っています。
正直な注意点もお伝えします。NGAはまだ開校前で、卒業生の進路実績はこれからです。日本の一条校ではないため、就学義務の扱いはお住まいの市町村教育委員会にご確認ください。そしてオンラインである以上、校庭で走り回る体験や、放課後に友だちと寄り道する時間は、対面の学校と同じようには提供できません。そこを重視されるご家庭には、県内の学校のほうが合っているはずです。それでも「通えないから諦める」を「通わなくても続けられる」に変えられるなら、検討する価値はあると思っています。
よくある質問
Q. 広島県内なら、どこに住んでいても通えますか?
いいえ、県内全域から通える学校はありません。全日制の学校は広島市(安佐北区・南区・安佐南区)と福山市に集中しており、この2つの都市圏は在来線で約1時間半以上離れています。呉市・尾道市・三原市・三次市・庄原市などからは、毎日の通学は現実的ではありません。まずはご自宅から片道どのくらいまでなら12年間続けられるかを決め、その円の中にある選択肢から検討することをおすすめします。全寮制の広島叡智学園やJINISは、まさにこの距離の問題を「住む」ことで解決している学校です。
Q. 近隣県のインターナショナルスクールに通うことはできますか?
可能ですが、負担は正直に見積もってください。福山市からは新幹線で岡山方面へ約20分、広島市からは山陽新幹線で岡山まで約35分という距離感があり、実際に越境通学している家庭もあります。ただし新幹線定期の費用は年間で数十万円規模になり、小学生の一人通学には保護者の付き添いや送迎が必要になるケースがほとんどです。中高生になってから越境や寮に切り替える、という段階的な設計を取る家庭も少なくありません。
Q. 英語がまったくできなくても入れますか?日本語のサポートはありますか?
プリスクールや幼児期からの入園であれば、英語がゼロでも受け入れている園がほとんどです。小学校でも、AICJ INTERNATIONAL SCHOOL初等部の1年生入学は英語力を問わない一方、途中編入では英語力の審査があります。広島インターナショナルスクールにはEAL(English as an Additional Language)の枠組みがあり、追加費用で英語サポートを受けられます。日本語の学びを確実に残したい場合は、英数学館やAICJ中高のような一条校が安心です。逆に、外国ルーツのご家庭で「子どもの日本語が心配」という場合は、姉妹サービスのともだちじゃぱん(NIJIN運営・子ども向けオンライン日本語)もおすすめです。
広島県だから、選べないわけじゃない
広島県は「インターがない県」ではありません。60年以上続く老舗のIB一貫校があり、日本の卒業資格とIBを両立させる一条校があり、公立で初めて全寮制とIBを組み合わせた学校があり、日本初の全寮制小学校もあります。選択肢が少ないのではなく、選択肢の性格が極端に違うのです。だから比較が難しく、だから「相場」がつかめない。それが広島県で学校を探すことの本当の難しさでした。
年間12万円の公立全寮制から、年間770万円の全寮制インターまで。この幅の中で、わが家が無理なく続けられる形はどこにあるのか。県内の学校、越境、寮、そしてオンライン——全部を同じテーブルに並べて、ご家族の生活から逆算して選んでください。どの道を選んでも、お子さんが自分と世界を好きになれるなら、それが正解です。
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