「インターナショナルスクールに通わせるなら、年収はいくら必要ですか」——そう検索すると、「世帯年収1,000万円から」「1,500万円ないと厳しい」といった数字が目に飛び込んできます。合いそうな学校をようやく見つけ、現実的に考え始めた矢先に、その数字の前で足が止まる。「うちでは、そもそも土俵にすら立てないのだろうか」——そう感じて検討を閉じてしまう方は、決して少なくありません。
※この記事は保護者の世帯年収の話です。インターナショナルスクールで働く先生の年収をお探しの方はインターナショナルスクール教員の給料・年収をご覧ください。
先にお伝えすると、この記事はその目安を否定も肯定もしません。かわりにやるのは、その数字がどこから来ているのかを分解することです。インターナショナルスクールにまつわる年収の目安は、ある前提を置いて逆算された結果にすぎず、前提が変われば答えも変わります。同じ年収でも、無理なく通わせられる家庭と、途中で苦しくなる家庭があるのはそのためです。読み終えるころには、誰かの目安ではなくあなたの家計の「続けられるライン」を出せるようになっているはずです。

「インターナショナルスクールは年収いくらから」の数字が意味していること
まず、あの目安の正体です。インターナショナルスクールに必要な年収としてよく挙げられる金額は、統計から出た基準でも、学校が定めた入学条件でもありません。多くの場合、「年間の学費 ÷ 教育費が家計に占められる割合」という、たった一本の割り算の答えです。
その分母にあたる割合として、一般には世帯年収の1〜2割程度までが無理のない範囲と言われることが多いようです。公的に定められた基準ではなく経験則に近い数字ですが、考え方としては分かりやすい。仮に年間の学費を300万円と置き、年収の2割で賄うなら必要な年収は1,500万円、15%なら2,000万円。学費を200万円と置いて2割で賄えば1,000万円——冒頭で見かけたあの数字も、この同じ割り算から出てきています。ネットの数字は、おおむねこの種の計算から生まれています。つまりあの数字は、「いくら稼いでいるか」ではなく「学費をどれくらいの比率で背負うつもりか」を映した鏡なのです。
だから、年収だけを見ても意味がありません。同じ世帯年収900万円でも、住宅ローンのない家庭と、都心の家賃が重くのしかかる家庭では、教育費に回せる金額はまったく違います。年収は入口の数字にすぎず、余力を決めているのは家計の中身のほうです。そもそもインターナショナルスクールとはどんな学校で、どこまで幅があるのかを押さえると、必要な金額の見え方も変わってきます。

本当に効くのは「年収」ではなく、卒業までの「総額」
年収の話が誤解を生みやすいのは、それが「1年分の話」だからです。学校選びは1年で終わりません。小学校から高校まで通わせるなら12年間、中学からでも6年間。効くのは単年の学費ではなく、在学年数×年額の総額です。同じ年収でも、入学が早いほど総額は膨らみます。そして総額を押し上げるのは、学費だけではありません。
- 入学金・登録料——初年度にまとまってかかることが多い。
- 施設費・維持費——毎年かかる学校が多い。
- 制服・PC・教材費——進級のたびに買い替えが要ることも。
- スクールバス代——通学距離で差が大きく、年額では無視できない。
- 課外活動・遠征費——学年が上がるほど増えやすい。
- 寄付金・保護者会費——任意でも、見込んでおくと安心。
国内の学費は年間200万〜400万円程度が目安と語られることが多いものの、学校・学年・都市による幅が非常に大きく(地域によっては年間100万円台で通える国際校もあります)、ここに挙げた費用も加わります。金額は必ず各校の公式情報でご確認ください。水準感はインターナショナルスクールの学費一覧、内訳は学費の内訳もあわせてどうぞ。年収から逆算せず、「卒業までにいくら出ていくのか」を先に見積もる。順番を入れ替えるだけで、判断の精度は変わります。あわせて、インターナショナルスクールの学費はなぜ高いのか(相場の内訳と、対面の約1/5に下げる方法)で、費用の構造そのものを分解しています。
いちばん高くつくのは、「途中でやめる」こと
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。本当に避けたいのは、入学できないことではありません。入学したあとに続かなくなることです。
収入は、いつも右肩上がりとは限りません。転職、体調、為替、下の子の進学。無理をして入学し、家計が耐えられずに転校を選ぶとき、失われるのはお金だけではありません。ようやくできた友だちとの関係、途中で切れるカリキュラム、そして「自分のせいで家族に負担をかけた」とお子さんが感じてしまう可能性——支払った学費より、ずっと取り返しにくいコストです。
だから、決めるべき問いは「入れるか」ではありません。「12年間、続けられるか」です。少し余裕を残して選んだ学校は家庭に笑顔を残し、ぎりぎりで選んだ学校は請求書のたびに空気を重くします。同じ教育を受けさせるなら、後者を選ぶ理由はありません。

年収を上げる以外に、費用を下げる現実的な手
「年収が足りないなら諦めるしかない」と考える前に、下げられる側を確かめてください。年収は簡単に変えられませんが、総額のほうは設計しだいで変えられます。現実的な手は5つです。
1. 公的な支援制度を確認する。 幼児教育・保育の無償化、高等学校等就学支援金、自治体独自の授業料助成といった制度はありますが、インターナショナルスクールは学校教育法上のいわゆる一条校に当たらない場合が多く、その場合は対象外となることがあります。認定状況や自治体の運用で扱いが変わるため、必ず最新の公式情報でご確認を。全体像はインターに補助金や無償化はある?で整理しています。
2. 奨学金・きょうだい割引を確認する。 学校独自の奨学金や、第二子以降の授業料を減額する制度もあります。募集要項の隅に小さく書かれていることも多いので、必ず問い合わせを。
3. 通う年数・段階を絞る。 12年すべて通わせる必要はありません。小学校は地元で日本語の土台をつくり、高校からインターへ。この設計だけで総額は大きく変わります。
4. 放課後や週末だけ通う「ダブルスクール」。 在籍は地元の学校のまま、放課後や週末に国際的な学びの場へ通う形です。フルタイムより費用を抑えやすく、日本語の学びも手放さずに済みます。
5. オンラインの国際校を候補に入れる。 校舎・通学バス・施設維持といったコストの前提が違うため、費用構造が根本から変わります。

表にすると分かるのは、「フルで通うか、諦めるか」の二択ではないということです。学びの量を少し調整すれば負担は下がり、下げすぎれば同世代とのつながりが細くなる。わが家が12年間続けられる濃さはどのあたりか——その一点で選べばいいのです。
わが家の「続けられるライン」を出す3ステップ
ここまでを、手を動かせる形にします。紙とスマホの電卓があれば30分です。

STEP 1、教育費に回せる月額の上限を決める。 年収ではなく、手取りから住居費・生活費・貯蓄を引いた残りを見ます。大切なのは収入が一時的に下がっても払い続けられる額で線を引くこと。ボーナス頼みの計算は、続けられるラインになりません。
STEP 2、卒業までの総額に引き伸ばす。 その月額に12か月と在学予定年数を掛け、入学金や制服など初年度に集中する費用を足します。これが無理なく出せる総額の上限。年収1,000万円かどうかより、この数字のほうが役に立ちます。
STEP 3、総額に収まる通い方を選ぶ。 フルで通えるならそれでよし。収まらなければ、年数を絞る、ダブルスクールにする、オンラインを選ぶ。諦めるのは、いちばん最後で構いません。
その中で、NGAはどこに位置するのか
最後に、私たち NIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)の立ち位置もお伝えします。NGAは2027年9月に開校する脱偏差値のオンラインインターナショナルスクールです。運営は株式会社NIJIN。日本最大級のオルタナティブスクールNIJINアカデミーには、すでに900名を超える子どもたちが在籍しています。創業者の星野達郎は、JCI JAPAN TOYP2025でグランプリ(内閣総理大臣奨励賞)をいただきました。
費用の面で違うのは、校舎を持たないぶん、コストの前提そのものが違うことです。だからこそ対面インターナショナルスクールのおよそ5分の1の学費を目指しています。金額はまだ確定していないため、ここでは具体的な数字はお伝えしません。決まり次第、開校情報のメールで最初にお知らせします。目指すのは、テストの点数で子どもを並べない学び。少人数の対話と心理的安全性を土台に、世界をまるごと教材にする。そして何より、ご家庭が背伸びせずに続けられることを設計の中心に置いています。
よくある質問
世帯年収1,000万円未満でも、インターナショナルスクールに通わせられますか?
年収の額だけで可否が決まるわけではありません。住居費やきょうだいの人数、貯蓄の状況で、教育費に回せる余力は大きく変わるからです。フルタイムが難しくても、年数を絞る・ダブルスクールにする・オンラインを選ぶといった設計で総額は変えられます。まずは3ステップで上限額を出してみてください。
インターナショナルスクールの学費に、公的な補助は使えますか?
幼児教育・保育の無償化や高等学校等就学支援金といった制度はありますが、インターナショナルスクールはいわゆる一条校に当たらない場合が多く、その場合は対象外となることがあります。学校の認定状況や自治体の運用で扱いが異なるため、必ず最新の公式情報でご確認ください。
年収が上がる見込みがあるなら、少し無理をして入学しても大丈夫でしょうか?
見込みは、確定ではありません。学費は長く続く固定費なので、いまの収入が続かなくても払える額で線を引くことをおすすめします。余裕が生まれたら、留学や課外活動など後から足せる選択肢はたくさんあります。
年収の数字より、あなたの家計の答えを。
「インターナショナルスクールは年収いくらから」——その問いに、たった一つの正解はありません。あるのは、あなたの家庭の手取りと、暮らしと、お子さんに残したい時間から導き出される、あなただけの答えです。ネットの平均値は、あなたの家計を知りません。知っているのは、あなたです。
目の前の選択肢が高すぎるからといって、国際的な学びそのものを諦める必要はありません。通い方を変えれば、費用の前提は変えられます。NIJIN GLOBAL ACADEMYは2027年9月に開校します。学びのしくみも、1期生の募集も、気になる学費のことも、決まり次第いちばんにお届けします。お子さんの学びは、まだ選べます。
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