「来年からシンガポールに赴任が決まった」「バンコクとクアラルンプール、どちらの駐在を受けるか迷っている」。海外赴任が決まったとき、多くのご家庭が最初に検索するのが、赴任先のインターナショナルスクールの学費です。会社の教育手当がどこまで出るのか、自己負担はいくらになりそうか。それが分からないと、赴任の条件交渉も、住む場所の検討も進みません。
ところが、インターナショナルスクールの学費は、学校ごとに通貨も、学年の区切りも、別料金の名前もばらばらです。そこでこの記事では、アジアの主要11都市で日本人家庭の候補によく挙がる18校の学費を、2026-27年度の各校公式サイトだけで確認し、1つの表に並べました。海外赴任でインターナショナルスクールを検討するときに、学費のどこを見落としやすいかもあわせてお伝えします。円換算は2026年10月9日の為替(1ドル=約158円など)で計算しています。

海外赴任で検討するインターナショナルスクール、学費の幅は年300万〜700万円台
先に結論をお伝えします。今回調べた18校の12年生相当(高校3年生にあたる学年)の年間学費は、最も安い東京のBritish School in Tokyoで約307万円、最も高い上海のShanghai American Schoolで約735万円でした。18校のうち12校は、12年生で年500万円を超えています。

意外かもしれませんが、円で比べると東京の2校(BSTとASIJ)が最も手ごろな部類に入ります。これは学費が安いからというより、円安で海外の学校の円換算額が大きくなっているためです。海外赴任の場合、手当や給与がどの通貨で支払われるかによって、実際の負担感は大きく変わります。
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アジア11都市・インターナショナルスクール18校の学費一覧(2026-27年度)
下の表は、各校の公式サイトの学費ページ・学費表で確認した2026-27年度の年額です。学年は日本の学年とずれがあるため、「1年生相当」(小学1年生にあたる学年)と「12年生相当」(高校3年生にあたる学年)で揃えました。英国式の学校では、Year 2が1年生相当、Year 13が12年生相当です。
| 都市 | 学校 | カリキュラム | 1年生相当(年額) | 12年生相当(年額) | 12年生の円換算 | 入学時などの主な別料金 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| シンガポール | UWCSEA | IB | SGD 39,069 | SGD 49,926 | 約617万円 | 入学金 SGD 4,992+開発賦課金(初年度 SGD 9,537・以後年 SGD 5,166) |
| シンガポール | Tanglin Trust School | 英国式+IB/A Level | SGD 45,375 | SGD 58,080 | 約718万円 | 出願・入学・資本課金で計 SGD 10,000 |
| バンコク | International School Bangkok (ISB) | 米国式+IB | THB 1,015,000 | THB 1,197,000 | 約565万円 | 登録料 THB 260,000+年会費 THB 22,000 |
| バンコク | NIST International School | IB | THB 889,200 | THB 1,132,800 | 約535万円 | 登録料 THB 265,000+キャンパス開発費(返金型 THB 575,000 か年 THB 60,500) |
| ソウル | Seoul Foreign School (SFS) | 米国式+IB | KRW 27,285,000 + USD 13,500 | KRW 33,370,000 + USD 14,955 | 約630万円 | 入学金 KRW 5,500,000+登録料 KRW 650,000 |
| ソウル | Seoul International School (SIS) | 米国式(AP) | KRW 22,880,000 + USD 8,140 | KRW 27,840,000 + USD 9,900 | 約485万円 | 初回登録料 KRW 4,000,000 |
| 東京 | The American School in Japan (ASIJ) | 米国式(AP) | JPY 3,498,000 | JPY 3,826,000 | 約383万円 | 施設維持費 152.5万円+登録料 30万円(初回)、資本課金 年25万円 |
| 東京 | The British School in Tokyo (BST) | 英国式 | JPY 2,960,000 | JPY 3,070,000 | 約307万円 | 入学金 50万円+教育資源費 68万円(初回) |
| 香港 | Hong Kong International School (HKIS) | 米国式(AP) | HKD 231,600 | HKD 272,600 | 約550万円 | 入学金 HKD 15,000+資本課金 年 HKD 24,500 |
| 香港 | Chinese International School (CIS) | 英中バイリンガル | HKD 300,300 | HKD 359,200 | 約724万円 | 予約デポジット HKD 150,000(返金不可・資本課金と学費に充当)+資本課金 年 HKD 30,200 |
| クアラルンプール | Garden International School (GIS) | 英国式 | MYR 88,170 | MYR 126,870 | 約491万円 | 登録料 RM 20,000+1学期分の返金型デポジット(別に6% SST) |
| クアラルンプール | The Alice Smith School | 英国式 | MYR 89,070 | MYR 122,370 | 約474万円 | 入学金 RM 20,000+返金型デポジット RM 24,000(別に6% SST) |
| 上海 | Shanghai American School (SAS) | 米国式+IB | CNY 285,800 | CNY 311,000 | 約735万円 | 入学時 RMB 28,000〜33,000+在籍料 年 RMB 32,000 |
| 台北 | Taipei American School (TAS) | 米国式(AP) | TWD 956,770 | TWD 1,055,105 | 約522万円 | 資本費 NT$350,000(初回)+入学デポジット NT$50,000 |
| マニラ | International School Manila (ISM) | 米国式+IB | USD 15,160 + PHP 479,600 | USD 19,660 + PHP 623,800 | 約468万円 | 入学金 USD 4,500+施設拡充費 USD 4,500 |
| ジャカルタ | Jakarta Intercultural School (JIS) | IB+AP | IDR 551,483,000 | IDR 633,001,000 | 約560万円 | 表示額は毎年必須の資本費と在籍保証費を含む |
| ホーチミン | International School Ho Chi Minh City (ISHCMC) | IB | VND 769,900,000 | VND 1,055,300,000 | 約646万円 | 入学金 VND 50,000,000(表示額は年次開発費を含む) |
| ホーチミン | British International School HCMC (BIS HCMC) | 英国式+IB | VND 739,800,000 | VND 999,300,000 | 約611万円 | 登録料 VND 73,300,000(表示額は一括払いの割引後) |
出典:各校公式サイトの学費ページ・学費表(2026年10月確認)。円換算は2026年10月9日の為替で計算した概算。ソウルの2校とマニラのISMは現地通貨とドルの二本建てで請求されるため、両方を合算して換算しています。Tanglin Trustの額は建築基金とGST(消費税)込み、ジャカルタのJISは毎年必須の資本費と在籍保証費込み、ホーチミンのISHCMCは年次開発費込み、BIS HCMCは期日までの一括払い割引後の額です。HKISは学期ごとの額を2倍にした年額です。マレーシアの2校は表示額とは別に6%のサービス税(SST)がかかります。学費は毎年改定されるため、必ず各校の最新の公式情報を確認してください。
都市ごとの特徴
シンガポール:UWCSEA(IB)とTanglin Trust(英国式)はどちらも12年生で年600万〜700万円台。加えて、入学時の一時金が大きいのが特徴です。UWCSEAは入学金SGD 4,992に初年度の開発賦課金SGD 9,537が加わり、合計で約180万円になります。
バンコク・クアラルンプール・マニラ:ISB・NIST(バンコク)は12年生で約535万〜565万円、クアラルンプールの2校とマニラのISMは約470万〜490万円。ただしISBの登録料THB 260,000(約123万円)のように、一時金は決して小さくありません。
ソウル・香港・上海・台北:ソウルのSFSは現地通貨とドルの二本建てで、合算すると12年生で約630万円。香港のCISと上海のSASは700万円台です。香港のHKISは約550万円、台北のTASは約522万円、ソウルのSISは約485万円です。SASは外国籍のパスポートを持つ生徒だけが対象です。
ホーチミン・ジャカルタ:ISHCMC・BIS HCMC・JISは12年生で約560万〜650万円。表示の仕方に注意が必要な学校が多く、ISHCMCは毎年必須の開発費を足すと12年生で10億ドン(VND)を超えます。
各都市の学校をもっと詳しく知りたい方は、シンガポール・バンコク・ソウル・香港・クアラルンプール・上海・台北・マニラ・ホーチミンの都市別ガイドもご覧ください。国ごとの学費の相場感は アジア各国のインターナショナルスクール学費の比較 にまとめています。

海外赴任のインターナショナルスクール学費で見落としやすい4つの点
1. 入学時の一時金は、授業料とは別にかかる
表の「主な別料金」の列のとおり、入学金・登録料・施設費などの一時金は、1年目に数十万〜200万円近くかかる学校があります。ASIJ(東京)は初回の施設維持費152.5万円と登録料30万円で、それだけで182.5万円です。
2. 毎年かかる「資本課金」「開発費」がある
授業料とは別に、毎年の資本課金(capital levy)や開発費を求める学校があります。HKISの年HKD 24,500、ASIJの年25万円などがその例です。学費の比較は、授業料だけでなく毎年必須の費用まで含めて行うのが安全です。
3. 通貨が2つ、税が別、という学校がある
ソウルのSFS・SIS、マニラのISMは現地通貨とドルの二本建てで請求します。マレーシアの2校は表示額とは別に6%のサービス税がかかります。換算の仕方ひとつで、比較の結果が変わります。
4. 会社の教育手当が「何を」カバーするか
海外赴任の教育手当は会社ごとに規程が違います。授業料だけなのか、入学金や資本課金、スクールバスまで含むのか。上限額はあるのか。学校を決める前に、人事部門に確認しておくと、あとで自己負担に驚かずに済みます。
学費の総額を見ていくと、「通学型のインターだけが選択肢なのか」と考えるご家庭も少なくありません。オンラインで国際教育を足す方法や、学び方そのものを比べたい方は、NGAの 学びのしくみ もあわせてご覧ください。
通学型インター・オンライン国際校・NGAを比べる
海外赴任先での学校選びは、通学型のインターナショナルスクールが基本になります。そのうえで、オンラインの国際学校や、私たちNIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)がどこに位置するのかを、正直に並べました。

赴任先で毎日通う学校、卒業資格、校舎での行事や部活動。これらが必要なら、選ぶべきは通学型のインターナショナルスクールです。一方で、赴任が数年ごとに続く家庭では、「転勤のたびに学校が変わる」こと自体が子どもの負担になることもあります。オンラインの学びは、その場合の補助線として検討する価値があります。日本から選べるオンラインの学校は オンラインで通えるインターナショナルスクール一覧 で整理しています。

赴任前に家族で決めておきたい3つのこと

1つめは学費の総額と手当の範囲。授業料・一時金・毎年の別料金を足した総額と、会社が負担する範囲を突き合わせます。2つめはカリキュラムと帰国後の進路。IB・米国式・英国式のどれを選ぶかで、帰国後の編入や大学受験の道筋が変わります。3つめは赴任期間と次の転勤。2〜3年で次の国へ移る可能性があるなら、どの国でも続けやすいカリキュラムかどうかも大切な判断材料です。
NIJIN GLOBAL ACADEMY の立ち位置
NIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は、2027年9月開校予定の、6〜18歳のためのオンラインの国際学校です。運営する株式会社NIJINは、日本で不登校の子どもの学びの場であるNIJINアカデミーなどを運営し、これまで1000名以上の子どもたちが学んできました。偏差値による学力選抜はせず、8人前後の少人数のライブ授業で、英語で学ぶ教科を日英バイリンガルのメンターが支える形を考えています。時間割はアジア・オセアニアの日中を中心に組む予定です。
正直にお伝えすると、NGAはまだ開校前で、認定も受けていません(未認定)。学費は未公表で、卒業生もいません。赴任先で毎日通う学校の代わりにはなりませんし、校舎での行事や部活動もありません。そのうえで、アジアの国から国へ転勤が続くご家庭にとって、「どの国に住んでも同じ先生・同じ仲間と続けられる学び」として、現地校やインターと並べて検討する候補のひとつになれたらと考えています。
よくあるご質問
アジアでいちばん学費が高いインターナショナルスクールはどこですか?
今回調べた18校の中では、12年生相当の年額で上海のShanghai American School(RMB 311,000・約735万円)が最も高く、香港のChinese International School(HKD 359,200・約724万円)、シンガポールのTanglin Trust School(SGD 58,080・約718万円)が続きます。
海外赴任の教育手当で、インターの学費は全額出ますか?
会社ごとに規程が違うため、一概には言えません。授業料だけが対象の場合も、入学金や資本課金まで含む場合もあります。学校を決める前に、対象となる費用の範囲と上限額を人事部門に確認してください。
学費はなぜ学校ごとに比べにくいのですか?
通貨(二本建てを含む)、学年の区切り、税の扱い、毎年必須の別料金の有無が学校ごとに違うためです。この記事の表では、各校の数字に何が含まれるか(税・必須費用・割引)を注記で明記したうえで円に換算しています。たとえばBIS HCMCは一括払いの割引後の額で、学期払いにすると12年生で約719万円になります。
赴任先にインターがあっても、オンラインの学校を使う意味はありますか?
現地の学校に通うのが基本です。そのうえで、日本語や特定の教科を補う、転勤しても続けられる学びを1つ持つ、といった目的でオンラインを組み合わせるご家庭もあります。
学費の「総額」をつかめば、赴任の準備はぐっと楽になる
海外赴任先のインターナショナルスクールの学費は、授業料の数字だけを見ると判断を誤りがちです。一時金、毎年の別料金、通貨と税、そして会社の手当の範囲。この4つを押さえて総額で比べれば、候補の学校はぐっと絞りやすくなります。
アジアのどの国に赴任しても続けられる学びとして、NIJIN GLOBAL ACADEMY は2027年9月の開校(予定)を準備しています。2027年4〜5月には体験クラス(プレ開校)も予定しており、カリキュラムと時間割が決まり次第メールでお知らせします。
赴任の内示から出発までは、思っているより短いものです。まずは赴任先の候補校を2〜3校に絞り、この記事の表を手元に置いて、公式サイトで最新の学費を確かめてみてください。その一歩が、家族みんなが安心して新しい国に向かうための準備になります。


