「アメリカのホームスクール教材を使ってみたい」「海外のオンライン校を調べていたら、Oak Meadow(オーク・メドウ)とCalvert(カルバート)という名前が何度も出てきた」。英語で学ぶ道を探しているご家庭ほど、この2つにたどり着きます。この記事では、Oak MeadowとCalvertを比較します。
ところが、口コミや比較を読み始めると話が食い違って見えます。「年に数百ドルで始められる」という声もあれば、「年に数千ドルかかる」という声もある。理由はシンプルで、Oak MeadowもCalvertも、「親が先生役になって使う教材」と「先生が成績をつける認定校」という2つの顔を持っているからです。Oak MeadowとCalvertを比較するときに最初に分けておきたいこの2つを、公式サイトの情報だけで整理し、日本の家庭が使うときの注意点までお伝えします。価格は2026年9月25日(Oak Meadow)と10月4日(Calvert)に公式サイトで確認したものです。

Oak MeadowとCalvertを比較する前に:「教材」と「学校」を分ける
教材として使う場合、買うのは本とワークブックです。毎日のレッスンを進めるのも、記録をつけるのも親。費用は安く、ペースも自由ですが、外から成績をつけてくれる人はいません。
学校に在籍する場合、同じ系統の教材を使いながら、先生が提出物を見て、評価や成績証明、高校なら卒業証書を出してくれます。費用は教材だけの数倍になりますが、その差額で買っているのは「先生」と「公式な記録」です。
つまり「Oak MeadowとCalvert、どちらがいいか」を考える前に、わが家が探しているのは教材なのか、学校なのかを決める必要があります。そこが決まれば、比べるべき数字も自然と決まります。
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Oak Meadow:手を動かして学ぶ教材と、NEASC認定の通信制学校
Oak Meadowは1975年創立、米国バーモント州パトニーに拠点を置く団体です。公式サイトによると、シュタイナー(ウォルドルフ)教育に着想を得た、本を中心とする幼稚園前(PreK)〜高校3年生(12年生)の教材を出版しながら、その教材を使う認定通信制学校「Oak Meadow School」も運営しています。教材を家庭で使う家族は毎年数千、学校の在籍は年に最大400人ほどとされています。
教材だけで使う場合
公式ショップでは、幼稚園〜3年生向けの学年パッケージ(K〜3年共通の基本セットつき)が約$640〜$775で並んでいました(2026年9月25日)。4年生のパッケージは$684.95です。親が先生役になり、物語・自然・アート・手仕事を多く取り入れた教材を読みながら進めます。必要なときだけ、Oak Meadowの先生に電話で相談できる有料サポート(1時間$60)なども用意されています。
学校に在籍する場合
在籍の費用は「固定の授業料+その学年の教材費」で計算されます。年額(教材込み)は、幼稚園〜4年生が$3,509〜$3,644、5〜8年生が$4,710〜$5,110。高校は科目ごとで、通年1科目$2,435〜$2,909です。出願料はかからず、きょうだいの2人目以降は授業料が10%引き。入学後、幼稚園〜4年生は60日、5〜12年生は30日の「お試し期間」があり、その間にやめれば事務手数料を除いて授業料が戻ります。
授業の形はすべて非同期で、ライブ授業や録画授業はありません。小学生は月に1回、中学生は2週間に1回のペースで課題を提出し、先生が文章でフィードバックを返します。認定は米国の地域認定団体NEASCで、2025年に再認定を受けています。高校は22単位で卒業証書が出ます。

Calvert:ワークテキスト式の教材と、ILEAに移った学校
Calvertも同じく2つの顔を持っていますが、ここ数年で形が大きく変わりました。
教材(Calvert Homeschool)
いま公式ショップで売られている紙の教材は、未就学〜5年生までです。教科ごとに先生用ガイドと「ワークテキスト」(教科書と問題集を一体にした冊子)が箱に入っていて、1単元は3〜4週間。単元の終わりのセルフテストで80%に届いたら次へ進む、という積み上げ型です。学年セットの価格は、幼稚園が$216、1〜2年生が$504、3〜5年生が$468でした(2026年10月4日)。利用規約では、Calvertの所有者はImagine Learning LLCと書かれています。
学校(Calvert Academy → ILEA)
認定校だったCalvert Academyは、Imagine Learning Excellence Academy(ILEA、米国アリゾナ州)に合流しました。ILEAは学費を公開しておらず、受講科目数と支払いプランに応じて電話で見積もる方式です。公開されているのは出願料$195や、海外の成績証明の審査料$75などの付帯費用です。授業は録画動画を中心に自分のペースで進める非同期型で、先生には1対1で質問でき、一部にライブ授業やクラブもあります。認定はCognia(認定証は2027年6月30日まで有効)、卒業は22単位で、最後の6単位はILEAで取る必要があります。
なお、米国ボルチモアの「Calvert School」は別の通学制の私立校です。検索で年$2万〜3万台の学費を見かけた場合、それはこの通学校の数字で、ホームスクール教材のCalvertとは関係ありません。

Oak MeadowとCalvertを比較:費用・学年・授業の形・認定
2つを同じ物差しで並べると、違いがはっきりします。
教材の値段はCalvertのほうが手ごろです。たとえば2年生なら、Oak Meadowのパッケージが約$750、Calvertの学年セットが$504。3年生ならOak Meadow約$774に対してCalvertは$468です。一方で対象学年は、Oak Meadowが高校まで教材をそろえているのに対し、Calvertの紙の教材は5年生で終わります。
学びの雰囲気も対照的です。Oak Meadowは物語や自然観察、アートを通して手を動かす創造型。Calvertは短い単元を確認テストで積み上げる習得型です。どちらが良いかではなく、お子さんがどちらで伸びるかの問題です。
学校として在籍する場合、Oak Meadowは学費表を全部公開していて、出願料もありません。ILEAは学費を電話で見積もる方式で、出願料$195がかかります。授業の形は、Oak Meadowが課題提出と文章のフィードバックで進む完全な非同期、ILEAは録画動画を自分のペースで進めつつ、先生への1対1の質問や一部のライブ授業がある形です。

米国のオンライン校をもっと広く比べたい方は アメリカのオンラインスクール比較 を、英国式と米国式の違いから考えたい方は 英国式と米国式のオンラインインター をあわせてどうぞ。
日本の家庭がOak MeadowやCalvertを使うときの注意点
英語の読み書きが前提になる
どちらも英語で書かれた教材を、英語で読み、英語で書いて進めます。Oak Meadowは、在籍する生徒には読み書きを十分にこなせる英語力が必要だと公式に明記しています。教材を家庭で使う場合も、親が英語の先生用ガイドを読みこなす必要があります。英語を「これから身につけたい」段階のお子さんには、負担が大きくなりがちです。家庭での英語の伸ばし方は 家庭で子どもの英語力を伸ばす方法 も参考になります。
日本への配送と時差
Oak Meadowは海外へも教材を発送していて、通関で遅れることがあると案内しています。デジタル版を選べる教材もあります。Calvertの紙の教材は、海外への送料が公式サイトに載っていないため、注文前の確認が必要です。時差については、どちらも決まった時間のライブ授業が中心ではないので、時差で毎日の学習が崩れることはあまりありません。ただし、先生と電話やビデオで話すときは米国の時間に合わせます。Oak Meadowの先生は主に米国東部時間(日本との時差13〜14時間)、ILEAはアリゾナ州が拠点(同16時間)です。
日本に住んでいる場合の「就学義務」
見落としやすいのがここです。日本に住む日本国籍の子どもの保護者には、子どもを満6歳から15歳まで小学校・中学校に就学させる義務があります(学校教育法第17条)。海外のホームスクール教材の利用や海外の通信制学校への在籍だけでは、この義務を果たしたことになりません。日本に住みながら使うなら、地元の学校に籍を置いたうえで家庭の学びとして足す形が現実的です。制度の考え方は インターナショナルスクールと義務教育 と ホームスクーリングとオンラインスクールの違い、学校に通いながら別の学びを足す方法は ダブルスクールの始め方 で詳しく解説しています。
帰国後・進学での扱い
教材を家庭で使っただけでは、学校の成績証明は残りません。Oak MeadowもILEAも、教材を独自に使った分の単位は基本的に受け付けていないとしています。将来、海外大学の出願や日本の高校・大学での資格確認に記録が必要になりそうなら、遅くとも高校の段階からは認定校に在籍しておくほうが安全です。海外のオンライン校の卒業資格の扱いは オンラインスクールの卒業資格と進路 にまとめています。

どちらが合う?選ぶ前に答えておきたい3つの問い

1つめはだれが教えるか。特に小学生のうちは、どちらの教材も親が毎日レッスンを進める前提です。共働きで日中に付き添えないなら、教材だけで回すのは簡単ではありません。
2つめは記録と卒業資格が要るか。要るなら比べる相手は「Oak Meadow School」と「ILEA」になり、教材の値段は判断材料から外れます。このとき、学費表が全部公開されているOak Meadowと、見積もり制のILEAでは、比べ方そのものが変わります。ILEAには書面で見積もりをもらい、付帯費用まで並べて比べましょう。
3つめは英語力と授業の形。本を読んで書く学びが合う子もいれば、人と話しながらのほうが伸びる子もいます。ライブで先生や仲間と話す時間がほしいなら、どちらも中心はそこではない、という点は知っておいてください。学び方そのものを比べたい方は、NGAの 学びのしくみ も材料のひとつにしてみてください。
NIJIN GLOBAL ACADEMY の立ち位置
NIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は、2027年9月開校予定のオンラインの国際学校です。運営する株式会社NIJINは、日本で不登校の子どもの学びの場であるNIJINアカデミーなどを運営し、これまで1000名以上の子どもたちが学んできました。NGAは偏差値による学力選抜をせず、8人前後の少人数のライブ授業で、英語で学ぶ教科を日英バイリンガルのメンターが支える形を考えています。
Oak MeadowやCalvertとは、そもそも形が違います。親が先生役になる教材ではなく、決まった時間に仲間と話しながら学ぶ学校です。正直にお伝えすると、NGAはまだ開校前で、認定も受けていません(未認定)。学費は未公表で、卒業生もいません。長い実績を持つ2校の代わりになるとは言えませんが、「親が毎日教えるのは難しい」「本だけでなく、人と話しながら英語で学ばせたい」というご家庭にとって、比べる候補のひとつになれたらと考えています。
よくあるご質問
Oak MeadowとCalvert、教材だけならどちらが安いですか?
公式ショップの価格では、Calvertの学年セット($216〜$504)のほうが、Oak Meadowの学年パッケージ(約$640〜$775)より手ごろです。ただしCalvertの紙の教材は5年生までで、Oak Meadowは高校まであります。送料と税は別です。
Oak MeadowやCalvertの教材だけで、学校の卒業資格は取れますか?
取れません。卒業証書や成績証明を出すのは、在籍した学校(Oak Meadow School、またはCalvert Academyが合流したILEA)です。教材を家庭で使った分は、どちらの学校も基本的に単位として受け付けていません。
日本から在籍できますか?
Oak Meadowは40か国以上から生徒が在籍していると公表しています。ILEAも米国外の生徒に開かれています。ただし、日本に住む日本国籍の小中学生の場合、海外の学校への在籍だけでは、保護者の就学義務を果たしたことになりません。
英語が苦手な子でも使えますか?
Oak Meadowは、在籍する生徒には読み書きを十分にこなせる英語力が必要だとしています。どちらも読み書きで進む教材なので、英語を学び始めたばかりのお子さんには負担が大きくなりがちです。
「どちらが良い教材か」より先に、「だれが教えるか」を
Oak MeadowとCalvertの比較は、値段や評判から入ると迷路になります。でも「わが家で教えるのはだれか」「記録や卒業資格は必要か」の2つに答えると、比べるべき相手は自然に絞れます。教材で家庭の学びを足したいのか、学校として在籍したいのか。そこが決まれば、どちらの公式サイトを開いても、読むべき数字はすぐに見つかるはずです。
NIJIN GLOBAL ACADEMY は2027年9月開校(予定)、2027年4〜5月にプレ開校(体験クラス)を予定しています。カリキュラムや時間割が決まり次第、メールでいち早くお届けします。
今日すべてを決める必要はありません。まずは「平日の昼、だれがお子さんのそばにいられるか」を書き出してみてください。それが、教材か学校かを決める、いちばん確かな一歩になります。


