「オンラインで英国式のカリキュラムが学べる学校を探している。でも、学費を並べて比べられない」——ご相談でいちばん多いのが、この詰まり方です。IGCSE や A Level が取れると書いてある学校はいくつも見つかる。けれど各校の料金ページを開いても、年額の学校、2年分の学校、科目ごとの学校、払い方で総額が変わる学校が混在していて、足し算の形がそろわない。
そこで今回は、学校の良し悪しではなく「学費の実額を、公式サイトで確かめられるかどうか」という一点で6校を並べました。結論から言うと、実額を公開しているのは6校中5校。思っていたより公開されています。本当の問題は非公開ではなく、公開されている「年額」の意味が学校ごとに違うことでした。ある学校の「£6,245」は2年分で、別の学校は払い方を変えるだけで年間の総額が約54万円変わります。すべて2026年9月19日に各校の公式サイトで確認した内容です。

なぜ「学費の公開の仕方」を最初に見るのか
学校選びで最初に見るべきは、本来なら教育の中身です。それでも費用の公開のされ方を先に見ることをおすすめするのには、実務的な理由が3つあります。
ひとつめは、候補が絞れるから。問い合わせて見積りが返ってくるまで1〜2週間かかる学校もあります。5校に問い合わせて全部待っていたら、検討だけで1か月が過ぎます。数字が出ている学校から順に見れば、自分の家庭の予算帯がどのあたりかは1時間で分かります。
ふたつめは、比較の軸が手に入るから。「この学校はフルタイムで年150万円」という基準点をひとつ持てば、他校の金額が高いのか安いのか、その場で判断できます。基準がないと、提示された金額をそのまま受け取るしかありません。
みっつめは、公開の仕方そのものが学校の姿勢を映すから。年額だけを大きく出して登録料や試験料に触れない学校と、「含まれないもの」を箇条書きで列挙する学校とでは、入学後に驚く回数が違います。この記事では、公開しているかどうかだけでなく、何を公開していないかも見ていきます。
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オンラインで英国のカリキュラムを学べる学校は、公開度が3段階に分かれる
6校を見ていくと、公開の仕方はきれいに3つに分かれました。

この3段階は、そのまま「見積りを作るのにかかる時間」の差になります。段階1なら1時間。段階2なら科目数や払い方を決めてから1時間。段階3は、問い合わせて返信を待つ時間がまるごと加わります。
① King’s InterHigh | 学年帯ごとの年額を、表でそのまま公開
英国式のオンライン校のなかで、もっとも読みやすい料金表を出しているのがここです。2026/27年度の年間契約(Annual Contract)は、公式 Fees ページに次のように並んでいます。
| 段階 | 年間契約(年額) | 円換算(概算) |
|---|---|---|
| Primary(7〜11歳) | £4,395 | 約92.7万円 |
| Middle School(11〜14歳) | £5,995 | 約126.5万円 |
| GCSE(14〜16歳) | £7,250 | 約153.0万円 |
| A Levels(16〜19歳) | £7,585 | 約160.0万円 |
| IB Diploma | £10,990 | 約231.9万円 |
そのうえで、2026年9月19日に公式ページで確認したところ、年額以外の費用まで同じ画面に書かれていました。登録料は1回£100(約2.1万円)。デポジットは英国内の生徒が£500、英国外の生徒は£1,000(約21.1万円)。追加科目はPrimaryで年£405。公式表記では年間契約は30%の節約になるとされ、9月〜6月の10回払いも選べます。兄弟割引もあります。
日本から見ると、この「英国外はデポジット倍」が地味に効きます。初年度は年額+£1,000+£100で始まる計算になります。ハーフターム(英国の学期をさらに二分した区切りで、年6回あります)ごとに支払い、その終わりで辞められるローリング契約(Primary £955/ハーフターム)も用意されているので、合わない可能性を見込んで小さく始めることもできます。時差と授業の中身は King’s InterHighの学費と時差|日本から通えるかを公式情報で確かめる で詳しく扱っています。
② Nisai | 円建て・税込・科目数別。日本の家庭にはいちばん読みやすい
Nisai British International Online School は、International GCSE と A-Level を提供する英国式のオンライン校です。日本向けの公式サイトは、料金ページに全コースの実額を、円建て・税込・科目数別で並べています。為替の計算も税の上乗せも要りません。
| コース | 月額(税込・1科目) | 年間学費(税込) |
|---|---|---|
| プレコース | 月額29,800円〜 | 受講ペース(標準/強化)で月謝が変わる |
| NS小学生向けコース | 22,000円/科目 | 1科目264,000円/6科目1,425,600円(5科目以上は10%割引) |
| IGCSE 中学生向けコース | 24,200円/科目 | 1科目290,400円/6科目1,568,160円(5科目以上は10%割引) |
| A-Level 高校生向けコース | 26,400円/科目 | 1科目316,800円/2科目633,600円/3科目950,400円 |
出典:Nisai British International Online School 日本向け公式「料金」ページ(2026年9月19日確認・すべて税込表記)。入学金は33,000円(税込・初回のみ)で、公式表記ではBooster・CEFR・Units of Soundトレーニング(4か月以上)を受講する場合に請求されるとあります。
そしてこの学校の本当の強みは、金額ではありません。時間割が日本時間の夕方〜夜に置かれていることです。日本向け公式サイトの無料体験の案内には、毎週水曜 CEFR A1 20:30〜、毎週金曜 NS1 Science 17:40〜/NS1 English 20:30〜と掲載されています。日本語の問い合わせ窓口(受付時間 月〜金 9:00-18:00)を持つ日本向けサイトの表記なので、これは日本時間です。昼は日本の学校、夜に英国式のライブ授業——という組み立てが、そのまま成立します。
裏返せば注意点も同じところにあります。夜20:30からの授業を、小中学生が週に何コマ続けられるか。宿題・部活・習い事と積み上げたとき、就寝時刻がどうなるか。体験の段階で1週間の時間割を紙に書いて確かめてください。学校の中身は Nisaiの評判は? 英国式オンライン校の中身 にまとめています。
③ Crimson Global Academy | 日本向けに、円建てで公開
こちらも為替の計算が要らない出し方です。日本向け公式サイトが円建ての実額を公開しており、フルタイムは学年帯で年¥2,090,000〜¥2,400,000(6単位のHonoursを選ぶ US High School Diploma は¥2,720,000)。1科目だけのパートタイムなら IGCSE で1科目¥350,000から始められます。
英国式(IGCSE・A-Level)と米国式(High School Diploma・AP)の両方を持っているのが特徴で、フルタイムで通えば対面インターに近い金額になり、科目単位で足せば桁がひとつ下がる——価格が二層になっている学校です。内訳は クリムゾングローバルアカデミーの学費は高い? に全部並べています。
④ Wolsey Hall Oxford | 学年ではなく「科目数」で決まる
同じ英国式でも、料金の考え方がまったく違うのがここです。年額の表がありません。代わりに、取る科目の数で1科目あたりの単価が変わるバンドル制です。1〜3科目なら£600から、4科目で£550から、5科目で£500から。
そのうえで公式サイトは、いちばん人気のある組み合わせを実額で出しています。GCSE 8科目のバンドルが一括£6,245(分割£6,590)。ただしこれは2年分なので、年あたりに直すと約£3,120=およそ66万円です。フルタイムのAS・A Level 4科目は一括£5,485(AS Levelは1年分、A Levelは2年分の料金)。
この学校の最大の特徴は価格ではなく、ライブ授業も決まった時間割も持たないことです(公式サイトに「no live lessons, set timetables or crowded classrooms」と明記)。日本から見ると時差がゼロになる代わりに、1日の組み立てがご家庭の仕事になります。詳しくは Wolsey Hall Oxfordの学費と評判 にまとめました。含まれない費用(登録料£95・試験料・国際送料)まで公式が列挙している点は、誠実な部類に入ります。

⑤ Minerva’s Virtual Academy | 「払い方で総額が変わる」ことまで公開
英国のオンライン校で、IGCSE と International A Level を提供しています。公式の Fees ページが親切なのは、3つの払い方を並べ、しかも「どれが総額として高くつくか」まで自分で書いている点です。
| 払い方 | 公式表記 | 年間の総額(概算) |
|---|---|---|
| 年払い(Best Value) | £9,365(£930のデポジット・£95の年間サブスクリプション込み) | 約197.6万円 |
| 学期払い | £3,550/学期(同じく£930のデポジット込みと表記) | 3学期で£10,650=約224.7万円 |
| 月払い | £1,100×10回(デポジット£930は別) | £11,930=約251.7万円 |
出典:Minerva’s Virtual Academy 公式 Fees ページ(2026年9月19日確認)。学期払いは「デポジット込み」とだけ表記されており、初回のみか毎学期かの明記がないため、掲載額を3学期分そのまま足した概算です。公式サイトは「総額は入学時期によって変わる」とも注記しています。
同じ教育を受けても、年払いと月払いで年間およそ54万円(£2,565)の差が出ます。公式サイト自身が「Termly plans cost more in total」「Monthly plans cost more in total」と明記しているので、隠された条件ではありません。それでも、月々の金額だけを見て月払いを選んでしまうご家庭は多いはずです。数字を並べて初めて見える差です。
なお、公式サイトは「最終的な IGCSE・International A Level の試験受験料は試験機関へ別途支払い」「校外行事は別料金」とも明記しています。また学校生活のメニューに「GST Timezone(湾岸標準時)」の案内があり、英国時間以外のクラスを設けていることが読み取れます。日本時間で受けられるかどうかは、問い合わせで最初に確認すべき項目です。
⑥ My Online Schooling | 料金ページへの導線が見当たらない
英国式で、アジア太平洋の家庭を明確に対象にしているオンライン校です。公式サイトには在籍家庭の声としてドバイ、バーレーン、アジア太平洋地域の保護者のコメントが並んでおり、国際色ははっきりしています。
ただし2026年9月19日時点で、公式サイトに料金ページへの導線が見当たらず、実額の掲載を確認できませんでした。Admissions(入学)のページはありますが、そこに金額の記載はありません。6校のなかで、数字にたどり着けなかったのはここだけです。候補に残すなら、最初の問い合わせで「年額・登録料・試験料・時差」の4点をまとめて聞いてしまうのが早いです。
6校を1枚で見る

並べて分かったのは、想定と違う結論でした。「実額が分かる」と「日本時間で受けられる」が両方そろっているのは、Nisai です。円建て・税込で科目数別に金額が出ていて、しかも授業が日本の夕方〜夜にある。日本の学校に通いながら英国式の資格を目指したい家庭にとって、構造的にいちばん噛み合っています。
Wolsey Hall Oxford も両方に○が付きますが、意味が違います。こちらは「時間割そのものを持たない」ことで時差を消しているので、先生と同じ時間に集まる体験は含まれません。金額が安いのも、その分を外しているからです。逆に King’s InterHigh と Minerva’s は、料金の読みやすさでは上位なのに英国時間で動くため、日本からだと学年が上がるほど生活時間が後ろにずれます。
私たち NIJIN GLOBAL ACADEMY は、この表では「学費の実額公開」に×が付いています。2027年9月開校予定で、学費の考え方はこれから順にお伝えしていく段階だからです。ここを伏せたまま他校の非公開を指摘するのは筋が通らないので、同じ基準で並べました。いま公開できている学び方の設計は 学びのしくみ にまとめています。
見積りを固める3ステップ

この順番でやると、どの学校でも同じ形の数字が出ます。とくに1番目を飛ばすと危険です。Wolsey Hall Oxford の £6,245 を年額だと思って King’s InterHigh の £7,250 と並べると、実際には2.3倍ちがうものを「ほぼ同じ」と読んでしまいます。
3番目の「表に載らない費用」は、6校に共通してだいたい次の4つです。登録料/デポジット(英国外は高いことがある)/公開試験の受験料(学校ではなく試験機関や試験センターへ)/教材の国際送料。ここを足して初めて、家計に乗る数字になります。
もう少し広く、米国式も含めて並べたい方は オンラインインターナショナルスクール比較|日本から選べる7つの選択肢 を、米国式の料金表の読み方は Pearson Online Academyの学費と評判 をご覧ください。
Minerva’s Virtual Academy を日本から使う場合の払い方と時差は、Minerva’s Virtual Academy の学費と評判|日本からは年一括・英国時間になる理由 で詳しく整理しています。
よくあるご質問
結局、オンラインで英国式のカリキュラムを学ぶと年間いくらですか?
今回の6校のうち実額が確認できた範囲では、フルタイムでおよそ年66万円〜252万円の幅がありました。下限は Wolsey Hall Oxford の GCSE 8科目を年換算した約66万円、上限は Minerva’s の月払い(£11,930=約252万円。同じ学校でも年払いなら£9,365=約198万円)です。幅がここまで広いのは、ライブ授業の有無・科目数・払い方で売っているものが違うからです。「英国式オンラインの相場」という単一の数字は存在しません。
安い学校を選んで、あとで困ることはありますか?
金額そのものより、その安さが何を外して成り立っているかを見てください。ライブ授業を外している(=家庭が時間割を作る)、試験の手配を外している(=会場探しが家庭の仕事)、サポートを外している。どれも悪いことではありませんが、外された分は誰かがやることになります。
日本の学校を辞めないと通えませんか?
一般的には辞める必要はありません。日本に住むお子さんの場合、海外のオンライン校に在籍しても、それだけで日本の就学義務を果たしたことにはならないため、多くのご家庭は地元校に籍を残したまま併用しています。制度の考え方は インターナショナルスクールと就学義務の関係 をご覧ください。出席の扱いは在籍校と自治体の判断で差がありますので、先に担任・管理職と話してください。
為替が動いたらどうなりますか?
ポンド建ての学校は、そのまま家計に効きます。この記事の円換算は2026年9月18日時点の1ポンド=約211円によるもので、1円動けば年額£7,250の学校で約7,250円変わります。年額の5〜10%程度は為替の振れ幅として見ておくと、途中で苦しくなりません。円建てで価格が決まっている Nisai と Crimson Global Academy には、この振れ幅がありません。
非公開の学校を避けるより、単位をそろえるほうが効く
調べ始めたときの予想は「英国式オンライン校は学費を隠している」でした。実際に6校を開いてみると、隠していたのは1校だけ。むしろ問題は、5校が公開している数字が、そのままでは足し算できない形をしていることでした。年額・2年分・科目単価・払い方別——単位をそろえる作業を飛ばすと、公開されている数字を読んでいるのに判断を間違えます。
そして単位をそろえた先に残ったのは、金額の話ではありませんでした。料金がいちばん読みやすい学校は英国時間で動き、日本時間に噛み合う学校は日本向けに価格を組んでいる。つまり「どこが安いか」ではなく「わが家の平日の何時に、この学びを置けるか」が先に決まる、ということです。そこが決まれば、6校は自然と2校くらいまで絞れます。
NIJIN GLOBAL ACADEMY は2027年9月開校(予定)、2027年4〜5月にプレ開校(体験クラス)を予定しています。私たちが設計しているのも、まさにこの「置き場所」からです。日本の学校に通いながら、少人数の対話を中心に英語で教科を学ぶ時間をつくる。費用の考え方も、そこから逆算して決めていきます。決まったことから順に、メールでお届けします。


