北京のインターナショナルスクールと日本人学校7選【2026年版】|学費・入学条件・帰国後・日本語の不安に正直に答える

北京のインターナショナルスクールと日本人学校7選を紹介する記事のキービジュアル

「北京への赴任が決まった。子どもは北京日本人学校か、インターか」「インターの学費は年間いくら? そもそも日本人の子どもは入れるの?」。そんな迷いからこの記事にたどり着いた方も多いと思います。北京には、順義区や朝陽区を中心に大規模なインターナショナルスクールが集まり、小学部・中学部をもつ全日制の北京日本人学校もあります。ただし中国では、日本人がイメージする「インター」の多くが外国籍の子どものための学校(外籍人員子女学校)として制度上区別されていて、学校選びの前に「わが子はどの学校に入れるのか」を確かめる必要があります。この記事では、実在する7校の学費(各校公式の2026-27年度・令和8年度の公開情報)を人民元と円換算で比べたうえで、駐在・在住のご家庭が抱えやすい3つの不安――駐在中の学校選び、帰国後の受け皿、日本語を落とさない方法――に、正直にお答えします。

目次

結論:北京で選べる学校(早見)

  • International School of Beijing(ISB)|Early Years(2歳半日)〜Grade 12|授業料 年16万〜36万元(約368万〜855万円)+新入生の入学時授業料1万8千元(約43万円)・キャピタル費|順義区の非営利インター。高校でIBプログラムなど複数の進路を選べる
  • Western Academy of Beijing(WAB)|Early Years(3・4歳)〜Grade 12|授業料 年14万8千〜38万500元(約350万〜900万円)|朝陽区・来広営、IBカリキュラムで高校はIBディプロマなど複数の卒業ルート
  • Dulwich College Beijing(DCB)|Toddler〜Year 13|授業料 年25万1千〜38万5千元(約593万〜910万円)+新入生の施設開発費1万5千元|英国系、IGCSE・Aレベル・IBディプロマ
  • Harrow International School Beijing|Pre-Nursery〜Year 13|授業料 年22万8,600〜35万9,600元(約540万〜850万円)|朝陽区、2005年創立の英国系、Aレベルで大学進学へ
  • Beijing City International School(BCIS)|Toddler(2歳)〜Grade 12|授業料 年24万4千〜34万9千元(約577万〜825万円)|朝陽区・百子湾、中国籍を含むすべての国籍を受け入れると公式に明記
  • Beijing BISS International School(BISS)|Pre-K〜Grade 12|2026-27年度の学費は公式サイトで確認できず(要問い合わせ)|朝陽区・安貞、1994年創立の小規模なIB校
  • 北京日本人学校|小学部・中学部|授業料 年3万9,600元(約94万円)+入学金1万5千元(約35万円)|文部科学大臣認定の在外教育施設。日本国籍などの入学条件あり
  • NIJIN GLOBAL ACADEMY(オンライン/2027年9月開校予定・6〜18歳・対面インターの約1/5の学費帯を目指す・日本語の支えあり)|開校前のため、現在は開校情報の登録を受付中

※学費は2026年10月18日時点で各校の公式サイトに掲載されている公開情報です(ISB・WAB・DCB・Harrow・BCISは2026-27年度、北京日本人学校は令和8年度)。円換算は1元=約23.6円(三菱UFJ銀行の2026年10月16日公表値の中値)の目安で、為替によって大きく変わります。最新は各校公式サイトでご確認ください。

黄葉したイチョウ並木と高層マンションが見える北京の秋の朝の住宅街で、親子が手をつないでスクールバスを待つ様子
北京では「どの学校か」の前に、「わが子が入れる学校はどれか」と「どこに住んで通うか」を確かめることが大切です。

2027年9月開校予定/2027年春プレ開校

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    駐在中の学校選び:北京のインターナショナルスクールと日本人学校の違い・学費相場

    北京の学校選びでまず押さえたいのが、中国の制度上の学校の種別です。北京市教育委員会が定める「北京市外籍人員子女学校管理弁法(試行)」では、外籍人員子女学校の受け入れ対象は主に北京で合法的に居留する外国籍の人の子どもとされ、市の承認を得れば香港・マカオ・台湾の住民の子ども、海外に定住する中国公民の子どもなども受け入れられる一方、中国国内に定住する中国公民の子どもは受け入れないと定められています。日本のパスポートを持ち、保護者の就労にともなう居留許可がある駐在家庭は、基本的にこの枠に当てはまります。一方、BCISのように「中国籍を含むすべての国籍を受け入れる」と公式に明記している学校もあり、学校によって受け入れ区分が異なります。国際結婚などでお子さんが中国籍を持つ場合は、入れる学校が変わるので、志望校のアドミッションに必ず確認してください。

    学校のタイプは大きく3つです。

    • 大規模なインターナショナルスクール:米国系・英国系・IB系の学校が中心で、多くが高校段階でIBディプロマやAレベルを用意しています。授業料は年間およそ14万8千〜38万5千元(約350万〜910万円)、小学校段階でも年28万〜35万元(約670万〜840万円)ほどが中心です。ここに出願料、入学時の一時金、スクールバス代、給食代などが加わります。
    • 全日制の北京日本人学校:日本の学習指導要領に沿って学ぶ小学部・中学部の学校です。授業料は年3万9,600元(約94万円)で、小学校段階のインターのおよそ7分の1〜9分の1です。ただし、日本国籍をもち、中国または北京市の外国人居留許可を得ていることなど、他の日本人学校とは違う部分もある入学条件が細かく定められています(詳しくは後述)。
    • 家庭・オンラインで日本語を支える:インターを選ぶ場合、日本語は家庭とオンラインで支える前提で計画しておくと安心です。

    主な学校の学費を表にまとめました(授業料の年額・一括払い。円は1元=約23.6円の目安)。

    学校 対象 年間授業料(人民元) 円換算の目安 主な追加費用
    ISB EY2〜G12 155,800〜361,800 約368万〜855万円 出願料2,800、新入生の入学時授業料18,000、キャピタル費(金額は料金ページに記載なし)
    WAB 3・4歳〜G12 148,000〜380,500 約350万〜900万円 出願料2,100(授業料のうち30,000は返金不可)
    Dulwich College Beijing Toddler〜Y13 251,000〜385,000 約593万〜910万円 出願料2,900、施設開発費15,000(新入生のみ)、返金条件つき預かり金18,000
    Harrow Beijing Pre-Nursery〜Y13 228,600〜359,600 約540万〜850万円 登録料3,500、英語集中クラスは別料金
    BCIS Toddler〜G12 244,000〜349,000 約577万〜825万円 新入生の事務手数料、スクールバス年17,600〜
    BISS Pre-K〜G12 公式で確認できず 要問い合わせ 要問い合わせ
    北京日本人学校 小1〜中3 39,600 約94万円 入学金15,000(同じ家庭の2人目以降9,000)、保護者委員会費

    インターは授業料だけで年数百万円から900万円台になるため、駐在の場合は会社の教育手当でどこまで補助されるかで選択肢が大きく変わります。辞令が出たら、まず人事部に確認しましょう。学費の内訳の読み方はインターナショナルスクールの学費の内訳で、ほかの都市との比較は都市別のインターナショナルスクール学費一覧で整理しています。

    北京の学校選びで先に決めたい、滞在年数と帰国先・お子さんの国籍と居留許可・日本語をどこで支えるかという3つの軸を示した図解
    学校名を比べる前に、わが家の3つの軸をそろえましょう。

    北京のインターナショナルスクールと日本人学校7選

    ここからは、カリキュラムや価格帯、エリアの異なる実在の7校を紹介します。インター6校に加え、日本人家庭の多くが実際に検討する北京日本人学校も並べました。順番は優劣ではありません。

    1. International School of Beijing(ISB)

    北京の北東、順義区にある非営利の私立インターで、アーリーイヤーズからGrade 12までが学びます。公式サイトでは50以上の国籍の生徒が在籍し、IBカリキュラムと中国語プログラムがあると紹介しています。高校では、学校独自のISBディプロマ、IBプログラム、ISBパスウェイズ・プログラムから学び方を選べます。授業料のうち4万5千元は席を確保するための返金不可の前払い金として先に納める仕組みで、新入生には一度だけの入学時授業料1万8千元がかかります。

    • カリキュラム:米国式の流れ+高校でIBプログラム/ISBディプロマ/ISBパスウェイズ
    • 対象年齢:Early Years(EY2)〜Grade 12
    • 学費目安:授業料 EY2半日155,800元、EY2全日247,800元、EY3・EY4 251,800元、KG 291,800元、Grade 1〜2 301,800元、Grade 3〜5 311,800元、Grade 6〜8 331,800元、Grade 9〜10 351,800元、Grade 11〜12 361,800元(2026-27年度)。出願料2,800元、新入生の入学時授業料18,000元、スクールバス(任意)年16,800〜27,300元。キャピタル費もあるが料金ページに金額の記載なし
    • こんな家庭に:順義区に住み、IBを含む複数の進路から北米・世界の大学進学まで見据えたい長期滞在の家庭

    2. Western Academy of Beijing(WAB)

    朝陽区の来広営にある、IBカリキュラムのインターです。公式サイトでは60の国籍、教員と生徒の比率1対8、400を超える課外活動の選択肢を紹介しており、高校ではIBディプロマを含む複数の卒業ルートを用意しています。3・4歳のアーリーイヤーズは半日と全日を選べるため、幼児期の費用を抑えたい家庭にとって検討しやすい学校です。授業料のうち3万元は、席を確保するために毎年返金不可となる部分です。

    • カリキュラム:IB(高校はIBディプロマなど複数の卒業ルート)
    • 対象年齢:Early Years(3・4歳)〜Grade 12
    • 学費目安:授業料 アーリーイヤーズ半日148,000元、全日249,000元、Junior Grade 1〜Senior Grade 1 296,000元、Grade 2〜5 317,400元、Grade 6〜8 336,800元、Grade 9〜10 370,800元、Grade 11〜12 380,500元(2026-27年度)。出願料2,100元
    • こんな家庭に:朝陽区北部に住み、幼児期から一貫したIBの学びで探究型の教育を受けさせたい家庭

    3. Dulwich College Beijing(DCB)

    英国の名門校の名を冠した教育グループの一員で、幼児クラスからYear 13までが学ぶ英国系のインターです。シニアスクール(Year 7〜13)ではIGCSE、Aレベル、IBディプロマを用意しており、公式サイトでは2026年のIB平均点を37.2点(45点満点)と紹介しています。授業料は年1回払いか学期ごとの支払いを選べ、年1回払いのほうが割安です(Year 13は年1回払いのみ)。3人以上が全日プログラムに通う家庭には5%の割引があります。

    • カリキュラム:英国系の初等教育+IGCSE→AレベルまたはIBディプロマ
    • 対象年齢:Toddler(全日)〜Year 13
    • 学費目安:授業料 Toddler・Nursery・Reception 251,000元、Year 1〜2 305,000元、Year 3〜6 333,000元、Year 7〜9 354,000元、Year 10〜11 374,000元、Year 12〜13 385,000元(2026/2027年度・年1回払い)。出願料2,900元、施設開発費15,000元(新入生のみ)、預かり金18,000元(条件つきで返金)
    • こんな家庭に:英国系の学びから、AレベルとIBディプロマのどちらに進むかを高校段階で選びたい家庭

    4. Harrow International School Beijing

    朝陽区にある、2005年創立の英国系インターです。英国のハロウ校の伝統を受け継ぐハウス制度や課外活動に力を入れており、Year 12〜13ではAレベルを学びます。学費は学年ごとに細かく分かれていて、2人目以降のきょうだいには5〜15%の割引があります。公式の料金表では、英語集中クラスのある学年は別料金がかかると案内しています。順番待ちリストは出願書類を出した日の順で決まるため、早めの出願をすすめています。

    • カリキュラム:英国系(Year 12〜13はAレベル)
    • 対象年齢:Pre-Nursery〜Year 13(2〜18歳)
    • 学費目安:授業料 Pre-Nursery・Nursery 228,600元、Reception 259,600元、Year 1 282,600元、Year 2 301,700元、Year 3〜4 311,900元、Year 5 312,900元、Year 6 315,900元、Year 7〜8 328,000元、Year 9〜11 342,700元、Year 12〜13 359,600元(2026-2027年度)。登録料3,500元(出願時に1回)
    • こんな家庭に:英国の大学をはじめ、Aレベルで世界の大学を目指したい家庭

    5. Beijing City International School(BCIS)

    朝陽区の百子湾に本校があり、朝陽区と通州区に幼児向けのキャンパスもあるインターです。公式サイトでは、中国籍の子どもと北京に住む外国籍の子どもを含め、すべての国籍を受け入れる(空席と学校の受け入れ体制による)と明記しています。幼児クラス(Toddler〜Kindergarten)は授業料に軽食と昼食が含まれます。料金規程には、毎年の学費改定を想定しておくよう書かれています。

    • カリキュラム:IB(PYP)をはじめとする国際カリキュラム(中等部の内容は公式で要確認)
    • 対象年齢:Toddler(2歳)〜Grade 12
    • 学費目安:授業料 Toddler 244,000元、Nursery 265,000元、Pre-K・Kindergarten 285,000元(各学期の金額の合計)、Grade 1〜5 298,000元、Grade 6〜8 323,000元、Grade 9〜10 337,000元、Grade 11〜12 349,000元(2026-2027年度)。スクールバス 年17,600元〜(距離による)
    • こんな家庭に:国際結婚などで家族の国籍が多様な家庭や、朝陽区の東側・通州方面に住む家庭

    6. Beijing BISS International School(BISS)

    1994年創立の、朝陽区・安貞(北三環の北側)にあるインターで、Pre-KindergartenからGrade 12までが英語で学びます。IBのPYP(初等)・MYP(中等)・ディプロマの3つのプログラムを用意しています。公式サイトのよくある質問では、入学試験はないものの学力を確かめるための配置テストを受ける場合があること、英語の支援(ESOL)があることを案内しています。2026-27年度の学費は公式サイトで確認できなかったため、入学担当に直接問い合わせてください。

    • カリキュラム:IB(PYP・MYP・ディプロマ)
    • 対象年齢:Pre-Kindergarten〜Grade 12
    • 学費目安:2026-27年度は公式で確認できず(要問い合わせ)
    • こんな家庭に:市中心部の北側に住み、小規模な環境でIBの学びを受けさせたい家庭

    7. 北京日本人学校

    1974年に補習校として歩みを始め、1976年に開校した全日制の日本人学校です。文部科学大臣の認定を受けた在外教育施設で、中国政府の許可を得た私立学校として学校運営理事会が運営しています。小学部と中学部が同じ校舎にあり、児童生徒数は192人(2026年4月20日現在、小学部138人・中学部54人)。中国語会話・英会話の学習にも力を入れています。入学の条件は他の日本人学校と違う部分があると公式サイトで案内されていて、すべてを満たす必要があります。

    • カリキュラム:日本の学習指導要領
    • 対象年齢:小学部・中学部(小1〜中3)
    • 学費目安:授業料 年39,600元(月3,300元)、入学金15,000元(同じ家庭の2人目以降9,000元)(令和8年度)。別に保護者委員会費
    • 入学の主な条件:日本国籍をもつこと、日本国籍者として中国または北京市の外国人居留許可を得ていること(180日以上滞在のための長期の居留許可が必要)、中国国籍をもたないこと(「外国人永久居留身分証」をもつ子どもも入学不可)、授業に支障のない程度の日本語力、保護者の少なくとも1人が日本国籍で子どもと同居していること、など
    • こんな家庭に:数年で帰国し、日本の小学校・中学校・高校受験へスムーズにつなぎたい駐在家庭

    比較でわかる、わが家に合う北京の学校選び

    北京の外籍校のインター・北京日本人学校・オンライン国際校を、費用の手頃さ・英語で学ぶ量・帰国後への接続・高校段階まで続けられるか・対面の施設の5観点で比較した表
    どれにも強みと弱みがあります。わが家が何を優先するかで答えは変わります。

    表のとおり、完璧な選択肢はありません。帰国が数年以内と決まっているなら、北京日本人学校が合理的です。滞在が長い・第三国への転勤の可能性があるなら、インターで英語の学力を積み、日本語は家庭とオンラインで支える形が現実的でしょう。北京では、学校の「良さ」より先に「わが子が入学条件を満たすか」と「どこに住めば毎日通えるか」で候補が絞られます。順義区・朝陽区など学校の場所と住まいをセットで考え、インターの人気学年は空席がない場合もあるので、辞令が出たら複数校に同時に問い合わせておくのが安心です。年間数百万円の授業料が重いと感じるなら、インターの学費が高すぎると感じたときの考え方も参考になります。

    オンラインで学ぶ場合の1日の流れを知りたい方は、こちらもどうぞ。オンラインでの学びのしくみを見る →

    中国やアジアの他の都市への転勤の可能性がある方は、上海のインターナショナルスクール、香港のインターナショナルスクール、ソウルのインターナショナルスクール、台北のインターナショナルスクールもあわせてご覧ください。

    説明会・出願(編入)の時期:北京のインターナショナルスクールと日本人学校

    北京では、インターと日本人学校で年度の始まりがずれていることを押さえておくと、赴任のタイミングを決めやすくなります。

    • インターナショナルスクール:多くは夏(8月前後)に新年度が始まります。たとえばWABは在校生の年額の支払期限を2026年5月8日、新入生は請求書の日付から21日以内としており、10月の休み以降に入学する場合は授業料が月ごとに減額されます。BCISは年度が始まってから入る新入生について、年額の20%を入学時期にかかわらず納め、残り80%を月割りにする仕組みです。年度途中の編入は空席しだいなので、赴任の3〜6か月前には問い合わせを始め、オープンデーや学校見学の日程も確認しておきましょう。
    • 北京日本人学校:日本と同じ4月始まりです。小学部の新1年生向けには説明会と体験学習が案内され、中学部の新1年生は個別に説明・手続きの案内を行っています。まずは公式サイトの「新・編入学について」を読み、赴任が具体的になったら問い合わせフォームから連絡する流れです。中学部3年生への編入は、6月1日以降は受け入れないと定められている点に注意してください。また、居留許可の取得が見込まれる場合は「仮入学」として手続きでき、取得後にコピーを出して正式な入学になります。

    北京日本人学校には、編入を検討している子どもが在籍校に籍を置いたまま授業を体験できる「体験入学」の制度もあります(受付は希望初日の6週間前から4週間前まで、1日300元)。編入を考えるための制度なので、旅行中の体験や日本語の伸長が目的の場合は受け付けていません。

    帰国後の受け皿:日本のインターナショナルスクール・帰国子女枠・一条校

    駐在家庭がいちばん心配するのが「帰国したあと、子どもはどこへ行けるのか」です。受け皿は大きく3つあります。

    • 日本の公立・私立の学校(一条校):学校教育法第1条で定められた、いわゆる普通の学校です。公立の小中学校には帰国後いつでも編入できますが、授業は日本語で進むため、日本語の読み書きと教科の学力が追いついているかが鍵になります。北京日本人学校に通っていた場合は、この接続がもっともなめらかです。
    • 帰国子女枠(帰国生入試):私立中学・高校や大学には、海外在住経験のある子どもを対象にした入試があります。「海外在住が何年以上」「帰国後何年以内」といった条件は学校ごとに異なるため、志望校の募集要項を早めに確認しておきましょう。英語力を評価する学校もあれば、日本語での作文・面接を重視する学校もあります。
    • 日本のインターナショナルスクール:英語で学び続けたい場合の受け皿です。ただし多くのインターは一条校ではないため、義務教育期間に通う場合の扱いや、日本の高校・大学への進学条件は事前に確認が必要です。東京の選択肢は東京のインターナショナルスクールおすすめ7選で、学費とあわせて整理しています。

    北京のインターに通っていた子どもが帰国すると、英語は話せても日本語の読み書きや教科の語彙が学年に届いていない、ということがよく起こります。逆に、帰国後に英語が急速に抜けていくのもよくある話です(帰国子女の英語を維持する方法)。また、北京日本人学校は中学部までなので、高校段階で北京に残るならインターへの転校、帰国するなら日本の高校受験という分かれ道が中学2〜3年生でやってきます。中3の編入は6月1日以降受け入れないという決まりもあるので、帰国や転校の時期は早めに家族で話し合っておきましょう。どの受け皿を選ぶにしても、駐在中から「日本語」と「英語」の両方を切らさないことが、帰国後の選択肢を広げます。

    日本語を落とさない:北京でインターに通う子の海外在住の日本語教育

    「海外在住で子供が日本語を忘れる」は、北京でインターに通う日本人家庭からもよく聞く悩みです。平日は英語で授業を受け、学校では中国語の授業もあり、街では中国語が耳に入る――そんな環境では、学年が上がるほど「考える言語」は英語や中国語に寄っていきます。これは子どもの努力不足ではなく、環境として自然なことです。だからこそ、どこで・どれだけ日本語に触れるかを家族で設計することが大切です(くわしくは海外在住で子供が日本語を忘れるときの対策にまとめています)。

    • いったんインターに入ると、日本人学校へ戻るハードルが上がる:北京日本人学校は「授業に支障のない程度の日本語力」を入学条件にしていて、体験入学でも本人の学齢相当の日本語の理解・表現を面接で確認しています。インターで過ごす時間が長くなるほど、途中で日本人学校に移るには日本語の力が必要になります。
    • 家庭での日本語:家庭内の会話は日本語、寝る前の読み聞かせ、日本の本や漫画を手の届く場所に置く、祖父母とのビデオ通話――小さな習慣の積み重ねが「日本語を使う理由」になります。北京と日本の時差は1時間なので、夕方や週末に日本の家族と話しやすいのは大きな利点です。漢字の読み書きは会話だけでは伸びないので、短時間でも毎日続ける仕組みを。中国語の漢字(簡体字)と日本の漢字は形が違うものも多いので、混ざりやすい字は意識して見比べると安心です。
    • オンライン:近くに通える日本語の教室が見つからない家庭は、オンラインで日本語の授業を足す方法もあります。日本語が不安なご家庭には、姉妹サービスのともだちじゃぱん(NIJIN運営の子ども向けオンライン日本語)もおすすめです。

    なお、中国本土からは海外のウェブサービスやビデオ会議ツールの一部が使えない、または接続が不安定になることがあります。オンラインの授業や教室を選ぶときは、使うツールが中国から利用できるかを事前に確認し、無料体験などで実際の自宅回線・授業の時間帯に試してから申し込むのが安心です。有線接続にする、授業前に接続テストをするといった備えも役立ちます。

    帰国子女の日本語教育でつまずきやすいポイントや、家庭でできる立て直し方は帰国子女が日本語できないと悩む前に、インターに通う場合の日本語の遅れについてはインターナショナルスクールで日本語が遅れる?で詳しく書いています。

    窓の外に北京の高層ビル群が見えるマンションの明るいリビングで、親子がノートパソコンと日本語の絵本を囲んで話している様子
    日本語は「学校まかせ」にせず、家庭の小さな習慣で支えるのがいちばん強い土台になります。

    学費や通学が壁なら——「オンライン」という第8の選択肢

    7校を見て「年間数百万円の授業料は続けられない」「入学条件や空席が合わない」「次の転勤先でまた学校探しになる」と感じた方に、もうひとつの選択肢としてご紹介したいのが、私たちNIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)です。NGAは、株式会社NIJIN(日本)が運営する、2027年9月開校予定のオンライン・インターナショナルスクールです。日本で運営するオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」には1000名以上が在籍しており、その経験をもとに設計しています。

    • 脱偏差値:テストの点数で子どもを並べず、少人数の対話を中心に学びます。
    • 日本語の支えを前提に、少しずつ英語へ:日本語を土台にしながら英語に触れていく設計です。
    • 住む場所を選ばない:転勤や帰国があっても、同じ学校で学びを続けられます。
    • 学費:対面のインターの約1/5を目指しています。

    NGAはアジア・オセアニアの6〜18歳を主な対象として設計しています。北京と日本の時差は1時間なので、時間帯の面では参加しやすい地域です。一方で、正直にお伝えしたいこともあります。NGAはまだ開校前で、実績はこれからです。対面の校庭や施設、放課後のクラブ活動、多国籍の友達と毎日顔を合わせる経験など、キャンパスがあるからこそできる体験は提供できません。また、日本人学校のように日本の学習指導要領に沿って学ぶ学校ではありません。そして、先に書いたとおり中国本土からのオンライン受講は通信環境の影響を受けることがあります。具体的な時間割や学び方、受講環境については開校情報でお知らせしますので、そこで必ずご確認ください。

    たとえば「インターの空席を待つ間の学びとして」「平日はインター、日本語と日本の学びをオンラインで足す」というように、ほかの選択肢と組み合わせて考えるのもひとつの方法です。

    よくある質問

    Q. 北京のインターナショナルスクールの学費は、年間でいくらかかりますか?

    A. 今回学費を確認できた5校のインターでは、授業料だけで年14万8千〜38万5千元(約350万〜910万円)と幅があります。小学校段階では、多くの学校で年28万〜35万元(約670万〜840万円)です。これに出願料、新入生の入学時の一時金(ISBの1万8千元、DCBの1万5千元など)、スクールバス代、給食代などが加わるので、授業料だけでなく合計額で比べてください。北京日本人学校の授業料は年3万9,600元(約94万円)、入学金は1万5千元(約35万円)です。

    Q. 日本人の子どもは、北京のインターに入れますか?

    A. 日本のパスポートを持ち、保護者の就労などにともなう居留許可がある家庭であれば、外籍人員子女学校の受け入れ対象に当てはまるのが一般的です。北京市の規定では、外籍人員子女学校は主に北京で合法的に居留する外国籍の人の子どもを受け入れ、中国国内に定住する中国公民の子どもは受け入れないと定められています。お子さんが中国籍を持つ場合や、居留許可の種類によっては入れる学校が変わるので、志望校のアドミッションに必ず確認してください。北京日本人学校も、日本国籍と長期の居留許可をもち、中国国籍をもたないことを条件にしています。

    Q. 英語がまったく話せなくても、インターに入れますか?

    A. 低学年ほど英語力の条件はゆるやかですが、学年が上がるほど英語での授業についていけるかを評価される傾向があります。BISSは入学試験はないものの配置テストを受ける場合があると案内しており、英語の支援(ESOL)も用意しています。Harrow Beijingのように、英語集中クラスを別料金で設けている学校もあります。入学前に、英語のテストや面接の有無、支援の内容と費用を確認してください。NGAは6〜18歳が対象です。

    北京での時間を、お子さんの一生の財産に

    北京には、世界中から家族が集まる首都ならではの多様なインターがあり、50年の歴史をもつ北京日本人学校もあります。同時に、年間数百万円の学費、国籍や居留許可による入学条件、帰国後の進路、日本語の維持という、駐在・在住のご家庭にしか見えない悩みもあります。大切なのは「一番有名な学校」を探すことではなく、わが家の滞在年数と帰国先、お子さんが入れる学校、そしてお子さんらしさに合った学び方を選ぶこと。インターも、日本人学校も、家庭での日本語も、オンラインも、対等な選択肢として並べてみてください。焦らなくて大丈夫。あなたの一歩を、私たちは応援しています。

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