「高知県 インターナショナルスクール」と検索して、思っていたような学校が出てこないと感じているのではないでしょうか。並ぶのは英語のプリスクールばかりで、小学生になってからも英語で学び続けられる学校が見当たらない——。それはあなたの探し方が悪いわけではありません。2026年8月時点の公開情報を調べたかぎり、高知県内に小学校段階以上の子どもを全教科英語で受け入れる全日制のインターナショナルスクールは確認できませんでした。県内で「インターナショナル」を掲げる常設施設は判明分で3つ、いずれも高知市内で、対象はおおむね0〜6歳です。ただし、高知県にはもうひとつ、他県にはあまりない事実があります。国際バカロレア(IB)の認定校が県内に4校あり、そのうち3校は公立。公立小学校として全国で初めてIBの認定を受けた学校も、この県にあります。この記事では、高知県のインターナショナルスクールを学費付きで正直に並べたうえで、IB認定校という県内の選択肢、近隣県への通学、そして通わないという道まで、4つの選択肢を整理します。

結論:高知県で選べる学校(早見)
- 高知プリスクール インターナショナル(高知インターナショナルプリスクール)|高知市介良乙|2〜6歳|月5万8,500〜6万8,500円(別途 施設管理費 年7,000円)|少人数の英語イマージョン(※2026年9月時点で公式サイトに接続できず・要確認)
- キッズイングリッシュガーデン(幼稚舎)|高知市桜馬場|満2歳〜就学前|料金は要問い合わせ|城西公園そばの少人数制・認可外保育施設
- みかづきインターナショナルスクール(幼保連携型認定こども園)|高知市万々|0歳6か月〜5歳+アフタースクール6〜18歳|アフタースクールは月5,500円(おやつ代込)|英国系カリキュラム Nisai を導入
- 香美市立大宮小学校|香美市香北町|小1〜6|公立のため授業料は無償|IBのPYP認定(2021年1月13日/公立小学校として全国初)
- 香美市立香北中学校|香美市香北町|中1〜3|公立のため授業料は無償|IBのMYP認定(2022年12月)
- 高知県立高知国際中学校・高等学校|高知市鴨部|中1〜高3|県立(通学区域は高知県全域)|MYP認定(2020年11月5日)・DP認定(2021年1月11日)
- 明徳義塾中学校・高等学校|須崎市・土佐市|中1〜高3|学費は要問い合わせ|国際クラス/国際コースと寮、12か国からの留学生
- NIJIN GLOBAL ACADEMY(オンライン/2027年9月開校・6〜18歳・対面の約1/5の学費帯・日本語の支えあり)
※NIJIN GLOBAL ACADEMYは2027年9月開校予定で、現在は開校前です。実績はこれから積み上げる段階であることを、先にお伝えしておきます。
高知県で「通えるインター」が見つからない方へ
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高知県のインターナショナルスクールの現状と学費相場
まず前提として、高知県も着実に国際化が進んでいます。高知労働局の外国人雇用状況の届出集計によると、県内で働く外国人労働者は2024年(令和6年)10月末時点で5,293人。前年から783人・17.4%増え、初めて5,000人を超えて過去最多となりました。技能実習が半数超を占め、農業や食品加工、介護の現場を中心に、多国籍な家庭が県内各地に暮らしています。一方で、その子どもたちが英語で学び続けられる学校の数は、まったく追いついていません。
県内で「インターナショナルスクール」「インターナショナルプリスクール」を名乗る常設施設は、判明分で3つ。すべて高知市内にあり、対象年齢はおおむね0〜6歳です。全国のプリスクール検索データベースでも、高知県の登録は高知市のみで、室戸市・安芸市・南国市・土佐市・須崎市・宿毛市・土佐清水市・四万十市・香南市・香美市はいずれも登録ゼロと表示されます。つまり高知県で起きているのは「選択肢がまったくない」ことではなく、幼児期に高知市へ集中していて、6歳で道がいったん途切れることです。そもそもインターナショナルスクールとは何か、一条校(日本の正規の学校)との違いや義務教育の扱いについてはインターナショナルスクールとは?で整理しています。
学費の相場は、首都圏よりかなり抑えめです。全日制の英語園でおおむね月5万〜7万円、年間にすると70万〜85万円前後が目安。高知プリスクール インターナショナルの月額は5万8,500〜6万8,500円(別途、施設管理費が年7,000円)です。しかも認可外保育施設として市に無償化の対象施設と確認されていれば、3〜5歳で月上限3万7,000円(2026年10月からは4万300円)の給付を受けられ、実質の負担は月2万〜3万円台まで下がります。ただしこの給付には保護者の就労などによる保育の必要性の認定が必要で、園ごとに条件が変わります(次章で施設の種別ごとに整理しました)。首都圏の大手インターナショナルスクールが年間200万〜300万円という水準であることを思えば、高知では費用の壁はかなり低い。ただしその手頃さは、6歳で終わってしまうことと表裏一体でもあります。
※学費等は2026年8月時点の公開情報です。改定される場合があるため、最新は各校公式サイトで必ずご確認ください。

高知県のインターナショナルスクール全3施設【エリア別】
ここからは、2026年8月時点で確認できた施設を判明分すべてご紹介します。無理に「おすすめ7選」に水増しはしません。数は限られていますが、性格はそれぞれ違います。
高知市エリア——県内の3施設すべてがここに
高知市介良乙の高知プリスクール インターナショナル(高知インターナショナルプリスクール)は、2〜6歳を対象とした英語イマージョンの園です。園内での生活はすべて英語で進みますが、外国人講師と日本人スタッフが連携し、必要な場面では日本語を交えて子どもがわかるように説明する方針をとっています。カリキュラムには米国発の幼児教育プログラム Mother Goose Time を採用し、1クラス6〜8名の少人数制。晴れた日の戸外活動を日課にして、算数やサイエンス、絵画・音楽・楽器、スポーツまでを英語の活動として行います。保育時間は2歳児クラスが8:30〜13:00、3〜5歳児クラスが8:30〜13:30で、いずれも17:00まで延長保育に対応。第三者データベースに掲載された月額は5万8,500〜6万8,500円、施設管理費が年7,000円です。ただし2026年9月時点の高知市の公表資料では、この園を無償化対象施設の一覧に確認できませんでした(次章の注記をご覧ください)。
高知市桜馬場のキッズイングリッシュガーデン(幼稚舎)は、城西公園のすぐそばにある少人数制のインターナショナルプリスクールです。満2歳から入園でき、平日8:00〜19:00という長時間の開所が特徴。遊びのなかで英語の語彙を積み上げていく方針で、午後には日本語での読み聞かせの時間も設けています。認可外保育施設で、料金は公開されていないため要問い合わせです。夏にはサマースクール(外部からの申し込みも可)を開いており、いきなり入園を決めずに雰囲気を確かめたい家庭には、そこから試すという方法もあります。
高知市万々のみかづきインターナショナルスクール(学校法人みかづき学園・幼保連携型認定こども園みかづき幼稚園)は、この3つのなかでもっとも守備範囲が広い施設です。認定こども園として0歳6か月〜5歳児を受け入れ、乳児期から1日4時間の英語の時間を設けています。特徴的なのはその先で、卒園児を対象にしたインターナショナルアフタースクール(満6歳〜18歳)を持っていること。小学校の下校後から18:30まで、英語講師のレッスンやオンライン英会話に加えて、英国系カリキュラムの Nisai プログラムを高学年向けに週4日実施しています。料金は月5,500円(おやつ代込)、保険料が年800円。全日制ではありませんが、6歳の先も英語で学び続けられる県内では希少な受け皿です。
高知市以外——常設施設は確認できず
正直にお伝えします。南国市・香南市・香美市・土佐市・須崎市・四万十市・宿毛市・土佐清水市・安芸市・室戸市、そして中山間の町村には、2026年8月時点で常設のインターナショナルスクールやインターナショナルプリスクールを確認できませんでした。あるのはヤマハ英語教室やECCジュニアといった週1回型の子ども英会話教室が中心で、日中を英語で過ごせる園という意味での選択肢はありません。全国47都道府県のインターナショナルスクール一覧から、他県の状況もあわせて確認できます。
高知で未就学児に英語環境をつくる——幼稚園・認定こども園・保育園・インターナショナルスクール・英語教室の違いと費用
ここまでは「インターナショナルスクール」という看板で施設を並べてきました。でも0〜5歳のお子さんをお持ちの方が本当に比べたいのは、たぶんもう少し広い範囲のはずです。英語の幼稚園なのか、認定こども園なのか、保育園なのか、インターナショナルプリスクールなのか、それとも週1回の英語教室なのか。高知でこの5つを横並びにすると、実はいちばん大きな差は「英語の量」ではなく「施設の種別」だとわかります。種別が変わると、幼児教育・保育の無償化がどこまで効くかが変わり、同じ月謝でも家計の負担額がまったく違ってくるからです。ここでは、公式サイトと自治体の公表資料だけを使って、その違いを整理します。
高知県内で「英語での保育・教育」を掲げる施設(2026年9月時点で公式に確認できた分)
| 施設名 | 所在市町村 | 種別 | 対象年齢 | 英語の使用度合い | 費用の公開有無 |
|---|---|---|---|---|---|
| 認定こども園みかづき幼稚園(みかづきインターナショナルスクール) | 高知市万々 | 幼保連携型認定こども園(子ども・子育て支援新制度の施設) | 0歳6か月〜5歳児 | 毎日4時間の英語活動。満3〜5歳児クラスは課内特別保育として英語カリキュラム GrapeSEED を月〜金 | 公式サイトの2026年度募集要項PDFで実額を公開(下に転記) |
| みかづき インターナショナルアフタースクール | 高知市万々 | 認定こども園が運営する放課後(課外)事業 | 満6歳〜18歳。原則として卒園児で、卒園児以外は年齢に応じた英検資格が必要 | 下校後〜18:30。ケンブリッジ国際教育プログラム Nisai Japan と、オンライン英語レッスン(QQEnglish) | 公開あり:月5,500円(おやつ代込)+保険料 中学生以下800円/年 |
| 高知プリスクール インターナショナル | 高知市介良乙 | 認可外(高知市の公表一覧では確認できず。下の注記参照) | 2〜6歳 | 園内での生活は英語。必要な場面で日本人スタッフが日本語を交える | 公式サイトに接続できず(2026年9月4日時点)=要問い合わせ |
| キッズイングリッシュガーデン(幼稚舎) | 高知市桜馬場 | 認可外(同上) | 満2歳〜就学前 | 英語中心。午後に日本語の読み聞かせの時間 | 公式サイトに接続できず(2026年9月4日時点)=要問い合わせ |
| エヴァグリーン英語学校(EVERGREEN こども英会話) | 高知市上町 | 英語教室(保育施設ではない) | 0歳〜高校生 | 週1〜2回のレッスン。0〜4歳児の親子クラスあり | 公式サイトに料金の掲載なし(要問い合わせ) |
| CoIngLish(コイングリッシュ) | 高知市梅ノ辻 | 英語教室(保育施設ではない) | 幼児〜中学生 | 少人数の対面レッスン(週2回を推奨) | 公式サイトに料金表の掲載なし(要問い合わせ) |
ここで、正直にお伝えしておくべき注記があります。高知市が公表する「高知市内認可外保育施設一覧」(各施設からの運営状況報告〈令和8年6月1日時点〉をもとに作成・最終更新 令和8年8月17日)に載っている36施設のなかに、高知プリスクール インターナショナルとキッズイングリッシュガーデンの名前はありません。高知市の「幼児教育・保育の無償化対象施設」の認可外保育施設一覧にも、両施設の掲載は確認できませんでした。加えて、両施設の公式サイトのドメインは2026年9月4日時点で接続できない状態です。閉園したとは断定できません——1日の保育時間が短いなど届出の対象外になる施設もあるためです。ただ、入園を検討する段階で無償化が使えるかどうかは家計に直結します。運営状況と無償化の適用可否は、必ず施設に直接ご確認ください。なお高知市以外の市町村では、英語での保育を掲げる常設施設は2026年9月時点で確認できませんでした。
種別が変わると、無償化の効き方が変わる——ここが高知の費用の分かれ目
幼児教育・保育の無償化は「3〜5歳ならどこでも無料」という制度ではありません。施設の種別ごとに、上限額も、必要な手続きも違います。そして2026年10月1日から、子ども・子育て支援法施行令の改正(令和8政令第188号・令和8内閣府令第54号)で上限額が引き上げられます。園を選ぶ時期によって計算が変わるので、新旧を並べておきます。
| 施設の種別 | 保育の必要性の認定 | 無償化の上限額(2026年9月まで) | 2026年10月1日から |
|---|---|---|---|
| 認可保育所・認定こども園(保育時間利用)・小規模保育など | 必要(入所そのものの要件) | 3〜5歳児クラスは全額(副食費は実費。年収360万円未満相当世帯と第3子以降は免除) | 変更なし |
| 認定こども園(教育時間利用・1号認定)/新制度に移行した幼稚園 | 不要 | 満3〜5歳児クラスは全額 | 変更なし |
| 幼稚園(新制度に移行していない=私学助成等) | 不要(無償化の手続きは必要) | 月25,700円(国立大学附属幼稚園は月8,700円) | 月28,000円 |
| 幼稚園・認定こども園(教育時間利用)の預かり保育 | 必要 | 利用日数×450円(最大 月11,300円) | 利用日数×490円(最大 月12,300円) |
| 認可外保育施設(3〜5歳児)——インターナショナルプリスクールの多くがここに入ります | 必要 | 月37,000円 | 月40,300円 |
| 認可外保育施設(0〜2歳児・住民税非課税世帯) | 必要 | 月42,000円 | 月45,700円 |
| 英語教室・英会話スクールなどの習い事 | — | 対象外 | 対象外 |
この表から、高知で園を選ぶときに効いてくるポイントが3つ出てきます。
- 認可外のインターは「保育の必要性の認定」が前提。保護者の就労や求職、疾病などが認定の事由です。片方の親が家庭にいる場合、認可外のインターナショナルプリスクールに通わせても給付は受けられません。同じ園・同じ月謝でも、共働きかどうかで実質負担が月4万円近く変わります。
- 認可外なら何でも対象になるわけではない。こども家庭庁は認可外保育施設について「都道府県等に届出を行い、国が定める基準を満たすことが必要」としており、高知県も「市町村に無償化の対象施設であることを確認された施設等のみが対象」と明記しています。園のパンフレットに無償化と書いてあっても、市の対象施設一覧に名前があるかを自分の目で確かめてください(高知市なら保育幼稚園課のページに種別ごとのPDFが出ています)。
- 無償になるのは利用料だけ。通園送迎費・食材料費・行事費は、これまでどおり保護者負担です。英語の教材費や課外の授業料も同じで、ここが次の項目の本題になります。
参考までに、高知市内で「新制度に移行していない幼稚園(教育時間部分が月25,700円上限)」として市が公表しているのは、高知大学教育学部附属幼稚園と高知学園短期大学附属高知幼稚園の2園だけです。つまり高知市の未就学児の受け皿は、認可保育所・認定こども園・小規模保育といった全額無償になる器にほぼ集約されている、という前提でこの先を読んでください。
「保育料が無償」でも、英語の部分は無償にならない——高知の実額で見る
ここが、多くの家庭がいちばん誤解しやすいところです。高知で英語の量がもっとも多い認定こども園、みかづき幼稚園(みかづきインターナショナルスクール)の2026年度募集要項には、保育料とは別に「月プラス経費」という欄があります。満3〜5歳児クラスの保育料は無償化で全額カバーされますが、英語をはじめとする課内特別保育料と施設維持費等は、そこには含まれません。公式の募集要項に書かれている金額をそのまま並べます。
- 月プラス経費(満3〜5歳児クラス・月額):満3歳児クラス 27,790円/3歳児クラス 36,920円/4歳児クラス 40,990円
- うち英語(GrapeSEED)の課内特別保育料:満3歳児 13,990円/3歳児 23,120円/4歳児 27,190円(いずれも月額・月〜金)
- GrapeSEED教材費:1ユニット11,000円が年間5ユニット分
- 0〜2歳児クラス(3号認定):高知市が定める保育料に加えて、月プラス経費20,000円/月(毎日の英語遊びを含む)
- 入園前・入園時:入園準備金55,000円、入園時用品代(制服・お道具・スポーツ用品等)合計 約85,774円(3号認定は約16,202円)
- 保険:日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度 200円/年、こども総合保険 800円/年
- 預かり保育(1号認定):朝 7:30〜8:45 が150円/10分、夕 14:00〜18:30 が日割り610円/日または月決め7,700円/月(いずれもおやつ代込)
※上記は公式の2026年度募集要項(2025年10月現在の内容)に記載された金額で、変更される場合があります。実際の請求額は必ず園にご確認ください。
この数字が意味するのは、こういうことです。認定こども園という「無償化がもっとも強く効く器」に英語を載せた場合、無償になるのは保育料の部分だけで、英語そのものは月2万〜3万円弱の実費として残ります。逆に認可外のインターナショナルプリスクールでは、英語も含めた保育料の全体が月上限37,000円(2026年10月からは40,300円)まで給付でカバーされる可能性がある一方、保育の必要性の認定という関門がある。つまりどちらが安く済むかは、共働きかどうかで逆転します。共働きで認定が取れる家庭なら認可外のインターが有利になりやすく、片働きの家庭なら認定こども園で保育料をゼロにして英語分だけ実費で払うほうが、総額は抑えられることが多い。園のパンフレットの月謝だけを見比べても、この逆転は見えません。まずはお住まいの市町村の窓口で、わが家が保育の必要性の認定を取れるかを先に確かめてみてください。
6歳のあとに、この選択肢は続くのか
正直に書きます。ここまで整理した5つの種別は、すべて就学前で終わります。高知で英語の環境がいちばん厚いみかづきでさえ、小学校以降はインターナショナルアフタースクールという放課後型で、しかも原則として卒園児が対象(卒園児以外は年齢に応じた英検資格が必要)です。園で3年かけて積み上げた英語を、そのまま日中の学びとして続けられる場所は、2026年9月時点の高知県内には見つかりませんでした。だからこそ、園を選ぶ段階で「6歳のあとにどうするか」を一緒に決めておく価値があります。県内のIB認定校へ進むのか、県外へ動くのか、それとも通学という前提そのものを外すのか。次からは、その3つを順番に見ていきます。
県内にある「国際教育に近い」選択肢——高知はIB認定校4校という県
ここが高知県のいちばん面白いところです。文部科学省のIB教育推進コンソーシアムが公開する国際バカロレア認定校・候補校の一覧に、高知県からは4校が掲載されています(全国273校・令和8年6月30日時点)。しかもそのうち3校が公立です。インターナショナルスクールという看板の施設はほとんどないのに、公立の学校のなかにIBが入っている——これは全国的にもかなり珍しい構造です。
香美市——公立小学校として全国初のPYP認定校がある町
香美市立大宮小学校(香美市香北町美良布)は、2021年1月13日にIBの初等教育プログラム(PYP)の認定を取得しました。全国の公立小学校としては初の認定で、中山間地域の小さな学校(児童数はおよそ50名、各学年1学級)がそれを成し遂げたことが当時大きく報じられています。授業は日本の学習指導要領に沿って日本語で行われ、探究のサイクルを軸に単元を組み替える形でPYPが実装されています。つまり「英語で全教科を学ぶ場」ではありませんが、問いを立てて調べ、他者と対話しながら考えを深めるというIBの学び方そのものは、公立の授業料無償のなかで受けられます。
さらに2022年12月には、同じ香美市の香美市立香北中学校が中等教育プログラム(MYP)の認定を取得しました。これで香美市には、小学校から中学校までIBが続く体制ができています。両校とも公立で校区制のため、原則としてはその地域に住んでいることが前提になります。区域外就学は特別な事情がある場合に限って認められる制度なので、県外・市外からの通学を考える場合は必ず香美市教育委員会に確認してください。実際には、IB教育を目的に香美市へ移住する家庭が毎年いることも地元メディアで紹介されています。学校のために引っ越すという選択が、現実に成立している数少ない例です。
高知市——中高6年間のIB、高知国際中学校・高等学校
高知県立高知国際中学校・高等学校(高知市鴨部二丁目)は、2018年4月に中学校、2021年4月に高等学校が開校した併設型の中高一貫校です。中学校は2020年11月5日にMYP、高等学校は2021年1月11日にDP(ディプロマ・プログラム)の認定を受けています。高等学校には普通科とグローバル科があり、グローバル科のなかに探究コースとDPコースが置かれています。DPは高校1年次の11月から始まり、言語Aと言語Bは日本語と英語の両方を開講、数学は英語で実施されるなど、科目によって使う言語が分かれる設計です。県立校なので授業料は公立水準で、通学区域は高知県全域。県内のどこに住んでいても出願できるのは、この学校の大きな価値です。ただし入学者選抜があり、DPコースは高校の途中から本格的に始まるため、小学生のうちから「ここに入れる」と確定できるものではないことは踏まえておいてください。
須崎市・土佐市——寮のある明徳義塾という選択
明徳義塾中学校・高等学校は、須崎市浦ノ内の堂ノ浦キャンパスと土佐市宇佐町の国際キャンパスを持つ私立の中高一貫校です。中学校には国際クラスがあり、週5回の英語の授業に加えてネイティブ教員による少人数レッスンが週3時間。高等学校には国際コースが置かれ、オーストラリア・カナダ・中国への短期/長期留学の派遣や、12か国からの留学生の受け入れを行っています。寮があるため、県内の遠方や県外からでも通えるのが最大の特徴です。IB認定校ではなく授業の中心は日本語ですが、日常のなかに多国籍の同級生がいる環境を高知県内で得られる、数少ない場所です。学費は公開されている情報が限られるため、要問い合わせとしてください。
比較でわかる、わが家に合う選び方
県内の幼児向けインター、県内のIB一条校、そしてオンライン国際校。この3つは、どれが優れているかではなく、わが家の制約に合うかで選ぶものです。費用・入学のしやすさ・通学の負担・対面での体験・小学校以降も続けられるか——この5つで並べると、迷いがかなり減ります。

高知県の場合、引っかかるのは多くの家庭で「通学の負担」の行です。県内3施設はすべて高知市にあり、IB認定の公立校は香美市と高知市に限られる。四万十市や宿毛市、土佐清水市、室戸市から毎日通うのは、距離的にまず成立しません。逆に高知市やその周辺に住んでいる家庭なら、幼児期は市内の園、中学からは高知国際という道筋が現実に描けます。まずは地図の上に自宅を置いて、どの選択肢が物理的に射程に入るのかを確かめてみてください。費用の全体像をもう少し細かく知りたい方は、インターナショナルスクールの学費の内訳を解説した記事もあわせてどうぞ。授業料以外にかかるお金まで見えると、判断の精度が上がります。
オンラインでの学びのしくみを見る →

近隣県のインターナショナルスクール(通学圏として現実的か)
高知県から、小学校段階で全日制の英語環境を求めるなら、県外に目を向けることになります。四国内でもっとも近いのは香川県の高松インターナショナルスクールです。高松市番町にあり、英国式のプリスクールに加えて授業をすべて英語で行う小学部を持っています。高知駅から高松駅までは特急しまんとでおよそ2時間11分。詳しくは香川県のインターナショナルスクールの記事にまとめています。
本州側では、岡山県に全日制のインターナショナルスクールとIB認定の一条校があります。高知駅から岡山駅までは特急南風でおよそ2時間30分。こちらは岡山県のインターナショナルスクールの記事で整理しました。西の愛媛県へは高速バス「なんごくエクスプレス」で高知駅から松山市駅までおよそ2時間30分〜2時間50分ですが、愛媛県内も全日制のインターは確認できていません(愛媛県のインターナショナルスクールの記事)。
ここも正直にお伝えします。特急で2時間台という数字は、通学が現実的だという意味ではまったくありません。駅までの移動と乗り換えを足せば片道3時間近くになりますし、往復の特急代は年間で数十万円規模になります。小学生が毎朝2時間の特急に乗る生活を6年間続けるのは、体力の面でも家庭の送迎負担の面でも、率直に言って厳しいものです。実際に県外の学校を選ぶ家庭の多くは、転居するか、寮のある学校を選ぶか、保護者のどちらかが平日だけ別居する形をとっています。志望校を絞る前に、通学時間だけでなく「その形を6年間続けられるか」を家族で一度話し合ってみてください。
通わずに国際教育を受ける——オンラインという選択肢
ここまで読んで、「県内には続けられる学校が見つからない。でも高松や岡山まで毎日通わせるのは無理だし、香美市への移住も現実的ではない」と感じた方も多いはずです。そんな家庭のために、私たちNIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は2027年9月開校のオンラインインターナショナルスクールを準備しています。
運営は、日本でオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を運営する株式会社NIJIN。NIJINアカデミーにはすでに1000名以上の子どもたちが在籍しています。NGAが大切にしているのは、脱偏差値——テストの点数で子どもを並べないこと。少人数の対話を中心に、「自分と世界を、好きになる」学びを設計しています。対象はアジア・オセアニアの6〜18歳。住む場所を選ばないので、高知市でも南国でも、四万十市でも宿毛市でも、土佐清水でも室戸でも、大豊や本山といった嶺北の町でも、条件はまったく変わりません。高知市まで車で2時間かかる町に暮らしていても、教室までの距離は同じゼロです。日本語の支えを前提に、少しずつ英語に触れられる設計にしているのも、日本の家庭にとって現実的だと考えているからです。学費は対面のインターナショナルスクールの約5分の1を目指しています。
地元の学校に籍を置いたまま、放課後や週末にオンラインで英語で学ぶダブルスクールという形もあります。いきなり学びの中心を移すのが不安なら、こちらから始める家庭も少なくありません。
正直な注意点もお伝えします。NGAはまだ開校前で、実績はこれから積み上げる段階です。そして、校庭で走り回る体験や、同じ教室で肩を並べる感覚は、対面の学校と同じようには提供できません。それでも「近くに無いから、あきらめる」を「通わなくても、続けられる」に変えられる家庭が、高知県には確かにいるはずだと考えています。
よくある質問
Q. 高知県に、小学生が通えるインターナショナルスクールはありますか?
A. 全教科を英語で学ぶ全日制の学校は、2026年8月時点の公開情報では確認できませんでした。小学生向けにあるのは、高知市万々のみかづきインターナショナルスクールが運営するインターナショナルアフタースクール(満6歳〜18歳・月5,500円/原則として卒園児が対象)のような放課後型の英語環境です。一方で、公立のIB認定校という別の道があります。香美市立大宮小学校はPYP認定校で、授業は日本語ですがIBの探究の学び方を受けられます。学校そのものを英語に置き換えたい場合は、県外への転居かオンラインを検討することになります。
Q. 幡多地域や中山間に住んでいます。国際教育はあきらめるしかないですか?
A. 通学という形にこだわるなら、正直に言って厳しいです。四万十市や宿毛市、土佐清水市から高知市までは車でおよそ2時間、大豊町や梼原町からも毎日の送迎はまず成立しません。ただし国際教育=通学ではありません。オンラインの国際校であれば、幡多に暮らす家庭と高知市の家庭とで条件はまったく同じになります。実際に、通学圏という考え方から自由になった瞬間に選択肢が一気に増えるのは、都市部から遠い家庭のほうです。
Q. 英語を増やすと、日本語の力が中途半端になりませんか?
A. よくいただく不安です。高知県の場合、県内3施設はいずれも日本の制度のなかにある認可外保育施設や認定こども園で、日本人スタッフによる日本語の時間を併用している園がほとんどのため、日本語の土台は保たれやすい環境にあります。一方で、英語の時間を大きく増やす場合は、日本語をどう担保するかを先に決めておくことが大切です。日本語が不安なご家庭には、姉妹サービス〈ともだちじゃぱん〉(NIJIN運営・子ども向けオンライン日本語)もおすすめです。学校選びの際は、パンフレットの説明ではなく実際の週間時間割を見せてもらいましょう。
「通えるか」ではなく「続けられるか」で選ぶ
高知県のインターナショナルスクール探しは、簡単ではありません。全日制の英語環境は6歳までで、施設は3つ、すべて高知市。幡多や嶺北からは、そもそも通うという発想が成り立ちません。でもそれは、あなたのお子さんに国際教育は無理という意味ではまったくありません。高知県には、公立小学校として全国で初めてIBの認定を受けた学校があり、中高6年間IBに取り組む県立校があり、寮のある国際コースがあり、そしてオンラインがあります。道は一本ではなく、いま4本あります。
大切なのは、入れる学校を探すことより、お子さんが何年も安心して続けられる学びを選ぶことです。焦らなくて大丈夫です。まずは今日、気になった学校をひとつ見学予約してみる。それだけでも、選択肢の景色は変わります。
近隣県・全国のインターナショナルスクールガイド
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