「神奈川県 インターナショナルスクール」と検索したあなたは、たぶん今、こんな迷いの途中にいるのではないでしょうか。横浜には有名な学校があるらしい。でも、わが家は藤沢だ、厚木だ、小田原だ。そこから毎日通えるのだろうか。学費はいくらかかって、何年続けられるのだろうか——。
神奈川県は、外国人住民が全国4位(2025年1月1日現在で284,889人、県調査)という国際的な県です。それでも、インターナショナルスクールの分布はきれいに均等ではありません。この記事では、神奈川県内に実在するインターナショナルスクールをエリア別に網羅し、学費の相場、県内のどこから何が選べるのか、そして「通える範囲に見つからなかったとき」の現実的な選択肢まで、正直にお伝えします。

神奈川県のインターナショナルスクール事情と学費相場
神奈川県のインターナショナルスクールを俯瞰すると、いちばん大きな特徴は「横浜・川崎への一極集中」です。幼児から高校卒業まで一貫して通える大規模校は、そのほとんどが横浜市内、とくに中区の山手・関内エリアに集まっています。1924年創立の横浜インターナショナルスクール(YIS)、日本・アジア最古のインターとされるサンモール・インターナショナルスクール、IB認定のCGKインターナショナルスクール、CBSE(インド式)のインディア・インターナショナル・スクール・イン・ジャパン、ドイツ式の東京横浜独逸学園——これらはすべて横浜です。
一方、湘南・県央・県西・横須賀三浦の各エリアにあるのは、その多くが幼児中心のインターナショナルプリスクールや、小学生年代までの小規模スクールです。「小学校から高校まで、家から通えるインターに」と考えると、横浜・川崎以外では選択肢がぐっと絞られるのが実情です。
学費の相場も、この構造にそのまま連動しています。おおまかには次の3層に分かれます。
- 横浜の大規模インター(IB・英国式・米国式):年間約270万〜370万円。別途、入学金・登録料・施設費・バス代など
- インド系・中華系・小規模スクール:年間約60万〜150万円程度。英語系インターより手頃な傾向
- プリスクール(幼児):月額3万〜12万円程度。3〜5歳は幼児教育・保育の無償化の補助対象になる園もある
金額の内訳をもっと詳しく知りたい方は、インターナショナルスクールの学費の内訳もあわせてご覧ください。「授業料以外に何がかかるのか」を先に知っておくと、見学のときの質問が変わります。

神奈川県のインターナショナルスクール一覧【エリア別】
ここからは、公開情報で確認できた学校をエリア別に整理します。※記載の情報は2026年7月時点の公開情報です。学費・対象年齢・募集状況は改定されることがあるため、最新は各校公式サイトでご確認ください。
横浜エリア(横浜市)——県内最大の集積地
神奈川県のインターナショナルスクールの中心。幼児から高校卒業まで一貫して通える学校が集まっているのは、県内では実質ここだけです。
- 横浜インターナショナルスクール(YIS)/中区山手・IB一貫・3歳〜G12
- サンモール・インターナショナルスクール/中区山手・米国式+IB・2.5歳〜G12
- ホライゾン・ジャパン・インターナショナルスクール/神奈川区・IB・2.5歳〜G12
- CGKインターナショナルスクール/中区・南区・IB認定・2歳〜初等部
- インディア・インターナショナル・スクール・イン・ジャパン(IISJ)/緑区霧が丘・CBSE・年間約61万〜122万円と県内でも手頃
- 東京横浜独逸学園(DSTY)/都筑区茅ケ崎南・ドイツ式・3〜18歳
- 横浜山手中華学校/中区・中国語+日本語+英語・4歳〜中学
- 横濱中華學院/中区山下町・4歳〜高校
- YESインターナショナルスクール横浜校/西区平沼・小1〜中3
- Zoe International School/中区弁天通・5〜18歳
各校のカリキュラム・学費・向いている家庭像は、横浜のインターナショナルスクールおすすめ7選で1校ずつ詳しく比較しています。横浜市内で検討している方は、まずそちらをご覧ください。
川崎エリア(川崎市)——幼児〜小学生中心、東京へのアクセスも武器
川崎市は、武蔵小杉・元住吉・川崎駅周辺を中心にプリスクール型のインターが増えているエリアです。高校まで一貫の大規模校はありませんが、東京都心・横浜の両方に出やすいため、「幼児期は川崎、その後は都内か横浜へ」という進み方をする家庭もあります。
- 川崎インターナショナルスクール(KIS)/川崎区大島・2〜9歳
- ローラス・インターナショナルスクール・オブ・サイエンス/武蔵小杉校・武蔵新城校
- キンカーン・インターナショナルスクール/川崎区新川通
- キッズインターナショナル武蔵小杉/中原区小杉町
- クリエイティブキッズ・インターナショナルプリスクール/中原区
川崎市内の5校の詳細は、川崎のインターナショナルスクール全5校と近隣の選択肢にまとめています。
湘南エリア(藤沢・茅ヶ崎・鎌倉・逗子)——小規模でユニークな学校が育っている
湘南は、大規模インターこそないものの、「その土地らしい教育」を掲げる小さな学校が育っているエリアです。移住してきた国際的な家庭も多く、コミュニティ密着型のスクールが選ばれています。
- 湘南インターナショナルスクール/藤沢市羽鳥(辻堂)・NPO法人運営・プリスクール〜初等部。カナダ・オンタリオ州のカリキュラムを参照し、算数は日本語でも実施。公開情報では入学金20万円〜・年間授業料約90万円〜(要確認)。初等部からの入学には推薦状が必要とされています
- 湘南ホクレア学園/藤沢市・2022年4月開校・6〜15歳。オランダで発展した「イエナプラン」×探究×日英バイリンガルのオルタナティブスクール。入学金27万円・授業料月額10万円(公開情報)
- 神奈川インターナショナルスクール/横浜市戸塚区・藤沢市の2キャンパス・幼児中心
- mush-ROOM(インターナショナルプリスクール)/藤沢市辻堂・2009年開園
- ノービルキッズ湘南/藤沢・辻堂・茅ヶ崎エリア・認可外保育園型
- コスモスインターナショナルスクール/鎌倉・逗子・英会話保育園型
- 鎌倉山インターナショナルスクール/鎌倉市・音楽と英語を軸にした小規模スクール
湘南エリアで小学校以降まで考える場合、選択肢は湘南インターナショナルスクールの初等部や湘南ホクレア学園などに絞られます。定員が小さいぶん、「空きがあるか」が学校選び以前の関門になりやすい点は、早めに確認しておきたいところです。
横須賀・三浦エリア——2027年に大きな動きがあります
- 葉山インターナショナルスクール/横須賀市秋谷・プリスクール〜小学部。「Play Think and Learn」を掲げ、幼児教育無償化の対象園でもあります
- 秋谷葉山国際学園(仮称)/横須賀市・葉山町にまたがる湘南国際村BC地区に、2027年開校予定。国際バカロレア(IB)の教育理念を取り入れ、年中から中学卒業までの一貫教育・最大440名を予定。Aoba-BBTの子会社AIESが設立支援を行うと発表されています
なお、横須賀や座間の在日米軍基地内にも学校がありますが、これらは米軍関係者の家庭を対象とした施設で、一般の家庭が入学できるものではありません。
県央エリア(相模原・大和・座間・厚木・海老名)——「一条校×英語」という選択肢
県央でとくに知られているのが、相模原市のLCA国際小学校です。ここは文部科学省の認可を受けた私立小学校(一条校)でありながら、英語イマージョン教育を行う教育課程特例校という、全国的にも珍しい存在。「インターに通うと日本の小学校の卒業資格が得られない」という悩みを構造的に回避できるのが最大の特徴です。学費は2023年度の公表情報で、入学金100万円・保証金30万円・年間授業料132万円ほか、初年度納付金の合計が約281万5,000円(リセマム調べ)。系列のLCA国際プリスクール(相模原市・相原駅)は幼児教育無償化の対象園です。
- セントラルフォレスト・インターナショナルスクール/大和市中央林間・IEYCカリキュラム・幼児中心
- Sachi International School/相模原市・相模大野・日英バイリンガル
- キッズインターナショナル各校/県央〜県北エリアにも展開
県西エリア(小田原・平塚・秦野)——2025年に小田原初のインターが誕生
長らく「県西にはインターがない」と言われてきたエリアですが、状況が変わりました。YESインターナショナルスクール小田原が2025年春に開校。小田原駅西口の建物をリノベーションした校舎で、英語・日本語・プログラミングの3つを「言語」として学ぶ小規模な小学生向けスクールです。思いやり・考える力・創造性の「3つのC」を掲げ、探究型・プロジェクト型の学びを行っています。
- 平塚インターナショナルスクール/平塚市桃浜町・幼児中心のプリスクール
それでも県西・県北(秦野・南足柄・愛川・津久井など)では、小学校以降まで通えるインターは依然として見つかりにくいのが現実です。全国47都道府県のインターナショナルスクール一覧はこちらから、近隣県の状況もあわせて確認できます。
公立という道もあります
「インターでなくても、英語で深く学べる環境を」と考えるなら、神奈川県立横浜国際高等学校の国際バカロレア(IB)コースも選択肢に入ります。公立でIBディプロマを目指せる全国的にも数少ない学校のひとつで、学費面のハードルは私立インターと比べものになりません。入試要件は特殊なので、中学段階から情報収集を始めるのが現実的です。
比較でわかる、わが家に合う選び方
神奈川県で学校を選ぶとき、実は最初に決めるべきは学校名ではなく「わが家が何を最優先にするか」です。県が広く、鉄道網が放射状(都心方向に強く、県内横断に弱い)なので、通学時間が家庭生活を大きく左右します。

たとえば藤沢から横浜・山手の学校に通う場合、電車+坂道で片道1時間前後を毎日。小学校低学年の子にとって、それは想像以上の負担です。逆に、近くの小規模スクールを選べば通学はラクでも、中学以降の進路を別に考える必要が出てきます。
チェックしたいのは次の5点です。①片道の通学時間(雨の日・冬の暗い夕方も含めて)/②何歳まで在籍できるか、その先の進路はどこにつながるか/③年額だけでなく卒業までの総額/④日本の小学校・中学校の卒業資格をどう扱うか(一条校かどうか)/⑤日本語と母語の育ち。とくに④は、県内の小規模スクールほど確認が必要です。

通える範囲に見つからないなら——オンラインという選択肢
ここまで読んで、「うちの地域には、結局ぴったりの学校がない」と感じた方もいるかもしれません。厚木から、小田原から、秦野から、毎日横浜の山手まで通うのは現実的ではない。かといって近くの小規模スクールは幼児までしかない。神奈川県で暮らす多くの家庭が、この壁にぶつかります。
私たちNIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は、2027年9月に開校するオンライン・インターナショナルスクールです。運営は、日本でオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を運営し1000名以上が在籍する株式会社NIJIN。アジア・オセアニアの6〜18歳を対象に、住む場所を選ばずに学べる国際教育を届けます。
特徴は3つ。脱偏差値——テストの点数で子どもを並べません。少人数の対話中心——聞くだけの授業ではなく、自分の言葉で話す時間を大切にします。そして「自分と世界を、好きになる」という一貫したテーマ。日本語の支えを前提に、少しずつ英語に触れられる設計なので、いきなりオール英語に放り込まれる不安もありません。学費は対面インターの約5分の1を目指しています。
正直な注意点も書いておきます。NGAはまだ開校前で、卒業生の実績はこれからです。そして、校庭で走り回る体験や、放課後に友だちと寄り道する時間は、対面校と同じようには提供できません。それでも、「通える学校がない」ことを理由に国際教育をあきらめなくていい——そういう選択肢を、神奈川のどのまちに住む家庭にも届けたいと考えています。
よくある質問
Q. 神奈川県内なら、どこからでもインターナショナルスクールに通えますか?
A. 残念ながら「県内どこからでも」とは言えません。小学校以降まで一貫して通える学校は横浜市に集中しており、湘南・県央・県西からは片道1時間前後の通学になるケースが一般的です。スクールバスの運行範囲は学校ごとに大きく違うので、志望校が決まったら「自宅の最寄り駅までバスが来るか」を必ず最初に確認してください。ここで無理があると、入学後に家族全員が疲弊します。
Q. 東京都内など近隣県の学校に通うことはできますか?
A. 可能です。実際、川崎市や横浜市北部からは都内のインターに通う家庭が少なくありません。ただし小学校低学年での長時間通学はハードルが高く、「小学校は県内、中学から都内」と段階的に切り替える家庭も多く見られます。通学定期の負担、乗り換え回数、災害時に迎えに行けるかまで含めて検討しましょう。
Q. 日本語のサポートはどうなっていますか?
A. 学校によって大きく異なります。湘南インターナショナルスクールのように算数を日本語でも行う学校、湘南ホクレア学園やLCA国際小学校のように日英バイリンガル育成を明確に掲げる学校がある一方、ほぼ全授業が英語という学校もあります。「英語が伸びる一方で日本語が中途半端になるのでは」という不安は、多くのご家庭が抱くものです。日本語の力を家庭でも支えたい場合は、NIJINが運営する子ども向け日本語オンラインの姉妹サービスともだちじゃぱんもあわせてご検討ください。
「入れる学校」ではなく、「この子が続けられる場所」を
神奈川県は、日本でもっとも国際的な地域のひとつです。それでも、あなたの家から歩いていける場所に理想の学校があるとはかぎらない。それは、あなたの選択が間違っているからではありません。ただ、学校の分布がそうなっているだけです。
学校選びで本当に大事なのは、入学できるかどうかよりも、その場所でお子さんが何年も機嫌よく学び続けられるか。通学の疲れ、家計の緊張、親の送迎の限界——それらは、いつか必ず子どもに伝わります。だからどうか、背伸びではなく「続けられる形」から逆算してください。
横浜の山手でも、湘南の海のそばでも、小田原の駅前でも、あるいは自宅のリビングからでも。世界とつながる学びの入り口は、思っているよりたくさんあります。


