「長崎県 インターナショナルスクール」と検索して、思っていたより結果が出てこないことに戸惑っているのではないでしょうか。出てくるのは英語教室か、県外の学校か、オンラインの広告ばかり——。それはあなたの探し方が悪いわけではありません。2026年8月時点の公開情報を調べたかぎり、長崎県内に小学校段階以上の子どもを英語で受け入れる全日制のインターナショナルスクールは確認できませんでした。県内で「インターナショナル」を名乗る園は判明分で3つ。長崎市に2園、諫早市に1園で、いずれも同じ運営者による姉妹園、対象は1〜5歳です。加えて佐世保市には米海軍基地の中にアメリカの学校が2校ありますが、これは地元の日本人家庭が普通に出願できる場所ではありません。この記事では、長崎県のインターナショナルスクールをエリア別にすべて並べたうえで、6歳の先をどうつなぐか——県内の高校の英語科、福岡・熊本への通学、そして通わないという選択肢まで、4つの道を正直に整理します。読み終えるころには、長崎で何ができて何ができないのかがはっきりするはずです。

長崎県のインターナショナルスクールの現状と学費相場
前提として、長崎県は着実に国際化が進んでいる県です。長崎労働局のまとめによると、県内で働く外国人労働者は令和7年10月末時点で12,807人。前年から15.4%増え、全国平均の11.7%増を上回るペースで過去最高を更新しました。製造業や農林業、医療・福祉を中心に、ベトナム・インドネシア・フィリピンなど多国籍な家庭が県内各地で暮らしています。それだけの人が集まりながら、英語で学び続けられる学校の数がまったく追いついていない——ここが長崎県のインターナショナルスクール事情の核心です。
県内の施設は、幼児期に強く集中しています。判明分の3園はすべてSKYE International Preschool(スカイインターナショナル)という同じ運営体のもので、長崎市に2園、諫早市に1園。対象は1歳から5歳までで、小学生以上を全日で受け入れる場ではありません。全国のプリスクール検索データベースを見ても、長崎県の登録は長崎市と諫早市に各1件のみで、佐世保市・大村市・島原市・平戸市・対馬市・五島市などはすべて0件と表示されます。つまり長崎県で起きているのは、選択肢がまったくないことではなく、6歳で道が途切れること、そしてその入り口すら県央部に限られていることなのです。
学費の相場は、この構造を反映して首都圏よりかなり抑えめです。SKYEの公式サイトによると、年少以上は幼児教育・保育の無償化制度の対象となり、補助される「施設利用費」は月額3万7,000円。実際の月謝はコースや通園日数によって変わるため、正確な金額は要問い合わせと考えてください。土曜日だけ通うSaturday Schoolは1万1,000円〜1万3,500円という公開情報もあります。首都圏の大手インターナショナルスクールが年間200万〜300万円という水準であることを考えれば、費用の壁は長崎ではずいぶん低い。ただしその手軽さは「6歳で終わる」ことと表裏一体でもあります。そもそもインターナショナルスクールとは何か、一条校(日本の正規の学校)との違いや義務教育の扱いについてはインターナショナルスクールとは?で整理しています。
※学費等は2026年8月時点の公開情報です。改定される場合があるため、最新は各校公式サイトで必ずご確認ください。

長崎県のインターナショナルスクール一覧【エリア別】
ここからは、2026年8月時点で確認できた施設を、判明分すべてエリア別にご紹介します。無理に「おすすめ7選」に水増しはしません。数は限られていますが、性格はそれぞれ違います。
長崎市(滑石・幸町/長崎スタジアムシティ)
県内でもっとも選択肢が厚いのが長崎市です。中核にあるのがSKYE International Preschool 長崎校。長崎市滑石5丁目の滑石ショッピングセンター内にあり、1歳から5歳までを受け入れます。第三者の園情報サイトの公開情報では定員は合計52名(各学年10〜12名)。認可外保育施設として、英語のできる保育士とネイティブスタッフが一日を英語で組み立てるイマージョン型の園です。平日は8:00〜14:00を基本に、延長保育は17:00まで対応しています。
2025年1月には、長崎市幸町の長崎スタジアムシティ内にSKYE International Preschool スタジアムシティ校が開園しました。地元局の報道(NIB長崎国際テレビ・2025年6月)によると、1歳から5歳までの約20人が平日の朝8時から午後2時ごろまで通い、園児だけでなく保育士やスタッフも国際色豊かで、会話のほとんどが英語だといいます。運営を立ち上げたのは、県内で英会話教室を営んでいた馬場渉さん。長崎に暮らす子どもたちのグローバル化を後押ししたいという思いから設立された、まさに「長崎発」の園です。両園とも、卒園生や帰国生向けの英語アフタースクール、土曜日のSaturday Schoolも用意されており、小学生になってからも英語に触れ続ける導線は一応あります。ただし、全教科を英語で学ぶ全日制の場ではありません。
もう一点、正直にお伝えしておきます。検索結果には保護者が設立母体となった「Nagasaki International School」という名称の学校が2025年4月開校予定として表示されることがありますが、公式サイトのドメインは2026年8月時点で解決できず、現在の運営状況を確認できませんでした。名前を見かけて気になった方は、鵜呑みにせず直接連絡が取れるかどうかを確かめてください。
諫早市(小川町)
県央の諫早市にはSKYE International Preschool 諫早校があります。諫早市小川町61-2のGLANZ小川町1階にあり、こちらも1歳からの受け入れ。長崎校と同じく、ネイティブスタッフとバイリンガルスタッフによる英語環境で、平日のプリスクールに加えて土曜日のSaturday School(10:00〜14:00・1万1,000円〜1万3,500円)、卒園生向けのアフタースクールが運営されています。諫早はJR長崎本線・大村線・島原鉄道が交わる交通の要衝で、大村市や島原方面から車で通うことも現実的な範囲です。県南・県央で英語環境を探すなら、まず候補に入る園と言っていいでしょう。
佐世保市——基地内の2校は「通える学校」ではありません
長崎県の学校事情を語るうえで避けて通れないのが佐世保市です。市内には米海軍佐世保基地があり、その中にSasebo Elementary School(幼児部門のSure Startから5年生まで・在籍およそ250名)とE.J. King Middle High School(6〜12年生・在籍384名)という2つのアメリカの学校があります。運営は米国防総省教育部(DoDEA)。前身は1948年に基地内に開かれたDragon Schoolで、2003年に小学校と中高に分かれ、E.J. King校は2022年に新校舎が完成しました。英語で全教科を学ぶ、という意味では県内で唯一の存在です。
ただし、ここは非常に大切な点なので正確にお伝えします。この2校は米軍関係者の子どもを対象とした学校で、入学資格はDoDEAの規程(Administrative Instruction 1344.01)で定められています。DoDEAの制度上は、空席がある場合に授業料を払って通う「スペースアベイラブル」の区分が存在し、その分類のなかには受入国の国籍を持つ子どもも理論上は含まれ得るとされています。しかし実際には、軍や国務省の了承と、基地そのものへの入場資格が前提になります。地元の日本人家庭が一般の学校のように出願して通える場所ではない、と考えておくのが現実的です。市内の私立校がE.J. King校と交流会を行うといった行き来はありますが、それは在籍とはまったく別の話です。関心がある方は、必ず基地・学校に直接お問い合わせください。
なお、佐世保市内には日中を英語で過ごす常設のプリスクールは、2026年8月時点で確認できませんでした。市が実施する「English出前プログラム」のように、保育園や学校に英語の講師を届ける取り組みはありますが、園そのものを英語環境にする選択肢は市内にはありません。
大村・島原・県北、そして離島(対馬・壱岐・五島)
正直にお伝えします。大村市・島原市・平戸市・松浦市・西海市・雲仙市・南島原市、そして長与町・時津町・波佐見町といった町部にも、2026年8月時点で常設のインターナショナルスクールやインターナショナルプリスクールを確認できませんでした。英会話教室やオンライン英語のスクールは各地にありますが、日中を英語で過ごす園という意味での選択肢は、県内では長崎市と諫早市に限られるのが現状です。
離島の家庭にとっては、さらに条件が厳しくなります。長崎県は国土地理院の数え直しで1,479島と、島の数が日本一の県。離島振興法などの対象となる有人島51島に、およそ11万人が暮らしています。しかし長崎港から五島の福江港まではジェットフォイルで約1時間25分、フェリーなら約3時間10分。対馬へは長崎空港から飛行機で約35分です。つまり離島に暮らす家庭にとって、通えるインターナショナルスクールは事実上存在しません。これは努力や情報収集でどうにかなる問題ではなく、地理そのものが決めている現実です。だからこそ、後半でお伝えする通わない選択肢の意味が、長崎では他県より大きくなります。全国47都道府県のインターナショナルスクール一覧から、他県の状況もあわせて確認できます。
県内にある「国際教育に近い」選択肢——高校の英語科とグローバルコース
インターナショナルスクールではなくても、国際教育に近い学びは県内にあります。まず前提として、文部科学省のIB教育推進コンソーシアムが公開する国際バカロレア認定校・候補校の一覧に、長崎県の学校は掲載されていません。PYP(小学校)もMYP(中学校)もDP(高校)も県内ゼロ、というのが現状です。そのぶん、英語に軸足を置いた高校のコースが県内の受け皿になっています。
聖和女子学院中学校・高等学校(佐世保市松山町)は、1983年に英語科を設置したカトリック系の中高一貫校です。1960年に始まった長期留学制度を持ち、オーストラリアに8つの姉妹校を擁するなど、県内でも突出して国際交流の蓄積があります。2027年度からは一部のコースが共学化され、校名も聖和学院中学校・高等学校に変わり、語学力を軸に国際分野へ進む「国際アカデミア」コースが男女共学で設けられる予定です。学費は公式サイトの案内をご確認ください。
同じ佐世保市の九州文化学園高等学校には、普通科Sグローバルコースがあります。大学との連携によるネイティブ講師の授業、オンラインでの1対1英会話、英語検定やTOEIC対策、系列のイングリッシュキャンプなどを組み合わせ、英語「を」学ぶのではなく英語「で」学ぶことを掲げているのが特徴です。ディベートやエッセイライティングまで科目として置いている点も、県内では珍しい設計といえます。
ただし、この2校はいずれも日本の一条校で、授業の中心は日本語です。国際的な視野や実践的な英語には触れられますが、全教科を英語で学ぶ環境ではありません。目的が「英語で教科を学ぶこと」なのか「国際的な経験を積むこと」なのかで、評価は大きく変わります。
比較でわかる、わが家に合う選び方
県内の幼児向けインター、福岡や熊本など県外の学校、オンライン国際校。この3つは、どれが優れているかではなく、わが家の制約に合うかで選ぶものです。費用・入学のしやすさ・通学の負担・対面での体験・小学校以降も続けられるか——この5つの観点で並べると、迷いがかなり減ります。

長崎県の場合、引っかかるのはほぼ確実に最後の行です。県内の3園は費用も通学も入学のしやすさも申し分ないのに、6歳でいったん終わってしまう。だから多くの家庭が、年長の秋になって初めて「その先」を探し始め、選べる時間が残っていないことに気づきます。逆に言えば、いま調べているあなたはまだ間に合います。費用の全体像をもう少し細かく知りたい方は、インターナショナルスクールの学費の内訳を解説した記事もあわせてどうぞ。授業料以外にかかるお金まで見えると、判断の精度が上がります。
オンラインでの学びのしくみを見る →

近隣県のインターナショナルスクール(通学圏として現実的か)
長崎県から小学校段階以上の英語環境を求めるなら、県外に目を向けることになります。もっとも選択肢が多いのは福岡です。JR九州によると長崎駅から博多駅までは西九州新幹線と特急リレーかもめの乗り継ぎで最短1時間20分。校数・カリキュラムの幅ともに九州随一で、福岡のインターナショナルスクールの記事にまとめています。佐世保からは特急みどりで博多まで約1時間50分と、県北からのほうがやや遠くなります。もう一つの候補が熊本で、長崎駅からは最速でおよそ1時間45分。熊本市内の学校は熊本県のインターナショナルスクールの記事で整理しています。
ただし、ここも正直にお伝えします。新幹線で1時間20分という数字は、通学が現実的だという意味ではありません。往復の交通費は年間で数十万円規模になりますし、小学生が毎朝新幹線と特急を乗り継ぐ生活を6年間続けるのは、体力の面でも家庭の送迎負担の面でもかなり重いものです。実際に県外の学校を選ぶ家庭の多くは、転居するか、寮のある学校を選ぶか、保護者のどちらかが平日だけ別居する形をとっています。志望校を絞る前に、通学時間だけでなく「その形を6年間続けられるか」を家族で一度話し合ってみてください。
通える範囲に見つからないなら——オンラインという選択肢
ここまで読んで、「県内には続けられる学校がない。でも福岡や熊本まで毎日通わせるのは無理だし、転居もできない」と感じた方も多いはずです。そんな家庭のために、私たちNIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は2027年9月開校のオンライン・インターナショナルスクールを準備しています。
運営は、日本でオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を運営する株式会社NIJIN。NIJINアカデミーにはすでに1000名以上の子どもたちが在籍しています。NGAが大切にしているのは、脱偏差値——テストの点数で子どもを並べないこと。少人数の対話を中心に、「自分と世界を、好きになる」学びを設計しています。対象はアジア・オセアニアの6〜18歳。住む場所を選ばないので、長崎市でも佐世保でも島原でも、そして対馬や五島でも、条件はまったく変わりません。ジェットフォイルで1時間25分かかる島に暮らしていても、教室までの距離は同じゼロです。日本語の支えを前提に、少しずつ英語に触れられる設計にしているのも、日本の家庭にとって現実的だと考えているからです。学費は対面のインターナショナルスクールの約5分の1を目指しています。
地元の学校に籍を置いたまま、放課後や週末にオンラインで英語で学ぶダブルスクールという形もあります。いきなり学びの中心を移すのが不安なら、こちらから始める家庭も少なくありません。
正直な注意点もお伝えします。NGAはまだ開校前で、実績はこれから積み上げる段階です。そして、校庭で走り回る体験や、同じ教室で肩を並べる感覚は、対面の学校と同じようには提供できません。それでも「近くに無いから、あきらめる」を「通わなくても、続けられる」に変えられる家庭が、長崎県には確かにいるはずだと考えています。
よくある質問
Q. 長崎県に、小学生が通えるインターナショナルスクールはありますか?
A. 全教科を英語で学ぶ全日制の学校は、2026年8月時点の公開情報では確認できませんでした。小学生向けにあるのは、SKYE International Preschoolが運営する卒園生・帰国生向けの英語アフタースクールや、土曜日のSaturday School(1万1,000円〜1万3,500円)のような放課後・週末型の英語環境です。地元の小学校に通いながら英語の時間を厚くする形になるため、「学校を英語に置き換える」ことを望む場合は、県外への転居かオンラインを検討することになります。
Q. 佐世保の米軍基地内の学校に、日本人の子どもは通えますか?
A. 原則として通えないとお考えください。Sasebo Elementary SchoolとE.J. King Middle High Schoolは米国防総省教育部(DoDEA)が運営する米軍関係者の子どものための学校で、入学資格はDoDEAの規程で定められています。制度上は空席がある場合に授業料を払って通う区分も存在しますが、軍・国務省の了承と基地への入場資格が前提となり、地元の家庭が一般に出願できる仕組みではありません。交流行事などで訪問できることと、在籍できることはまったく別です。個別の可否は必ず学校・基地に直接ご確認ください。
Q. 英語を増やすと、日本語の力が中途半端になりませんか?
A. よくいただく不安です。長崎県の場合、県内の園はいずれも日本の制度の中にある認可外保育施設なので、日本語の土台は保たれやすい環境にあります。一方で、英語の時間を大きく増やす場合は、日本語をどう担保するかを先に決めておくことが大切です。日本語が不安なご家庭には、姉妹サービス〈ともだちじゃぱん〉(NIJIN運営・子ども向けオンライン日本語)もおすすめです。学校選びの際は、パンフレットの説明ではなく実際の週間時間割を見せてもらいましょう。
「通えるか」ではなく「続けられるか」で選ぶ
長崎県のインターナショナルスクール探しは、正直に言えば簡単ではありません。全日制の英語校はなく、園は長崎市と諫早市に3つだけ、IB認定校はゼロ。佐世保の基地内には英語の学校がありますが、それは地元の家庭に開かれた扉ではありません。そして離島からは、そもそも通うという発想が成り立ちません。でもそれは、あなたのお子さんに国際教育は無理という意味ではまったくありません。県内の幼児向けインター、県内の高校の英語科・グローバルコース、福岡・熊本への進学、そしてオンライン——道は一本ではなく、いま4本あります。
大切なのは、入れる学校を探すことより、お子さんが何年も安心して続けられる学びを選ぶことです。焦らなくて大丈夫です。まずは今日、気になった園をひとつ見学予約してみる。それだけでも、選択肢の景色は変わります。
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