「インターナショナルスクールに通わせたい。でも、年に数百万円はとても払えない」。海外赴任や教育移住を考え始めた多くのご家庭が、最初にぶつかる壁です。シンガポールや香港の有名校は、1年生でも年500万円を超えることが珍しくありません。では、海外で学費が安いインターナショナルスクールは本当にあるのでしょうか。
結論から言うと、あります。この記事では、マレーシア・タイ・ベトナム・インドネシア・フィリピンの5か国から、学費を公式サイトで公開している比較的手頃な11校を選び、2026-27年度の学費(SPH Sentul Cityのみ2027/28年度)を実際の数字で並べました。そのうえで、安い授業料の裏にある登録料・預り金・施設費や、選ぶ前に確かめたいことも整理します。円換算は2026年10月15日の参考レート(1ドル=157.98円・欧州中央銀行の参考値。ベトナムドンのみ1ドル=25,890ドンの市場レート)で、目安としてご覧ください。

結論:海外で学費が安いインターはある。ただし「授業料だけ」で比べない
今回確認した11校のうち、1年生相当の年間授業料がいちばん低かったのは、バンコクのEkamai International School(年126,000バーツ・約59万円)、ジャカルタ近郊のSPH Sentul City(年7,300万ルピア・約64万円)、マレーシア・イポーのTenby Schools Ipoh(年17,160リンギット・約66万円)の3校でした。11校の多くは、1年生で年100万〜190万円の帯に収まります。シンガポールや香港の有名校と比べると、高めのLannaやTraillでも半分ほど、最も手頃な学校では10分の1前後の水準です。
ただし、3つのことに気をつけてください。1つ目は、授業料のほかに、入学時の登録料や預り金、毎年の施設費がかかること。2つ目は、学年が上がるほど学費が上がり、最上級学年では1年生の1.4〜2倍強になる学校が多いこと(Tenby Ipohは3倍を超えます)。3つ目は、学費は毎年改定されることです。この3点を押さえて、「卒業までの総額」で比べるのが失敗しないコツです。
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海外で学費が安いインターナショナルスクール11校【2026-27年度の学費】
1年生相当と最上級学年の年間授業料を、安い順に並べました。金額はすべて各校の公式サイト・公式PDFで確認したものです(2026年10月16日確認)。SPH Sentul Cityは公式ページがすでに2027/28年度の表示のため、その数字です。学期ごとの金額しか載っていない学校は、学期数を掛けて年額にしています。
| 学校(都市) | カリキュラム | 1年生相当/年 | 最上級学年/年 |
|---|---|---|---|
| Ekamai International School(バンコク) | 米国式(AP) | 126,000バーツ(約59万円) | 136,000バーツ(約64万円) |
| SPH Sentul City(ボゴール県・ジャカルタ近郊)※2027/28年度 | IB | 7,300万ルピア(約64万円) | 1億5,000万ルピア(約132万円) |
| Tenby Schools Ipoh(イポー) | 英国式(IGCSE) | 17,160リンギット(約66万円) | 55,899リンギット(約216万円) |
| Tenby Schools Penang(ペナン) | 英国式(IGCSE) | 25,842リンギット(約100万円) | 60,374リンギット(約234万円) |
| EMASI Schools(ホーチミン) | バイリンガル+ケンブリッジ | 1億8,190万ドン(約111万円) | 3億6,280万ドン(約221万円) |
| Tenby Schools Setia Eco Park(セランゴール州) | 英国式(IGCSE・Aレベル) | 33,390リンギット(約129万円) | 72,030リンギット(Year 11・2学期請求・約279万円) |
| HELP International School(クアラルンプール) | 英国式(IGCSE・Aレベル) | 41,460リンギット(約160万円) | 66,150リンギット(Year 10〜11・約256万円) |
| Cebu International School(セブ) | IB | 2,147ドル+579,366ペソ(約179万円) | 3,927ドル+1,104,170ペソ(約339万円) |
| Wells International School(バンコク) | 米国式ベース(IB課程あり・認定は要確認) | 392,000バーツ(約185万円) | 570,000バーツ(約268万円) |
| Traill International School(バンコク) | 英国式(IGCSE・Aレベル) | 404,100バーツ(約190万円) | 577,650バーツ(約272万円) |
| Lanna International School(チェンマイ) | 英国式(ケンブリッジ) | 530,400バーツ(約250万円) | 803,400バーツ(約378万円) |
以下、国ごとに特徴を短く紹介します。
マレーシア:英国式が手頃に選べる国(Tenby・HELP)
マレーシアは、英国式(IGCSE・Aレベル)のインターを比較的手頃な学費で選べる国です。Tenby Schoolsは国内に複数のキャンパスを持ち、学費はキャンパスごとに違います。2026/27年度は、地方都市のイポー校が1年生相当(Year 2)で年17,160リンギット(約66万円)、ペナン校が年25,842リンギット(約100万円)、首都圏のSetia Eco Park校が年33,390リンギット(約129万円)でした。同じ学校グループでも、首都圏と地方で2倍近い差があります。なおイポー校は、学費表のYear 11(学期18,633リンギット)と、同じページのFAQにある「1学期の最高額12,422リンギット」が食い違っていたため、出願前に学校へ確かめてください。
クアラルンプールのHELP International Schoolは、Year 2で年41,460リンギット(約160万円)。Aレベルは2年間で84,000リンギットと、コース全体の金額で示されています。マレーシアのインターの学費は、年間の支払額が一定額を超えると6%のサービス税(SST)がかかる場合があり、HELPも年60,000リンギットを超える生徒にSSTがかかると案内しています。クアラルンプールの学校全体はクアラルンプールのインターナショナルスクール、移住の準備はマレーシア教育移住の始め方でまとめています。
タイ:授業料の幅がいちばん広い国(Ekamai・Wells・Traill・Lanna)
バンコクのEkamai International Schoolは、米国式でAPコースがある学校で、授業料はPre-K〜8年生が一律年126,000バーツ(約59万円)、9〜12年生が年136,000バーツ(約64万円)。今回の11校で最も低い水準です。ただし後で詳しく書くとおり、一般費・給食などと、入学時の登録料・預り金を足すと、1年生の初年度の支払いは466,000バーツになります。
Wells International School(1年生で年392,000バーツ・約185万円)と、英国式のTraill International School(Year 1〜2で年404,100バーツ・約190万円)は、バンコクの手頃な価格帯の中心です。北部チェンマイのLanna International SchoolはYear 1〜2で年530,400バーツ(約250万円)。地方都市だから必ず安い、とは限りません。バンコクの選び方はバンコクのインターナショナルスクールの学費で詳しく比べています。

ベトナム:バイリンガル型が選択肢になる(EMASI)
ホーチミンのEMASI Schoolsは、ベトナム語と英語のバイリンガル教育にケンブリッジのカリキュラム(IGCSE・Aレベル)を組み合わせた学校です。2026-27年度は1年生で年1億8,190万ドン(約111万円)、12年生で年3億6,280万ドン(約221万円)、Aレベルのコースを選ぶと12年生は年4億3,390万ドンです。学費表にはどのキャンパスのものかが書かれていません。給食・制服・教材・試験料は別料金です。ホーチミンの学校全体はホーチミンのインターナショナルスクールをご覧ください。
インドネシア:同じ学校名でもキャンパスで大差(SPH Sentul City)
Sekolah Pelita Harapan(SPH)は、IBのプログラムを教えるキリスト教系の学校で、ジャカルタ近郊に複数のキャンパスがあります。ボゴール県のSentul City校は、公式ページの表示がすでに2027/28年度で、1〜2年生が年7,300万ルピア(約64万円)、11〜12年生が年1億5,000万ルピア(約132万円)。このほか毎年の開発費(DPP)が1,700万ルピア(約15万円)かかります。同じSPHでもKemang Village校は1年生で年2億1,900万ルピアと3倍で、学校名ではなくキャンパスで学費を確かめる必要がある好例です。ジャカルタの学校はジャカルタのインターナショナルスクールでまとめています。
フィリピン:ドルとペソの2本建てに注意(Cebu International School)
セブのCebu International SchoolはIBのプログラムを教える学校で、学費をドルとペソの2本建てで請求します。2026-27年度は1年生が2,147ドル+579,366ペソ(合計約179万円)、11〜12年生が3,927ドル+1,104,170ペソ(合計約339万円)。2本建ての学費は、為替が動くと円での負担も変わる点に注意してください。マニラの学校はマニラのインターナショナルスクールで紹介しています。
学費が安いインターの「別料金」:初年度はいくらになる?
授業料が安くても、入学の年には大きな一時金がかかることがあります。今回の学校の公式学費表に載っていた主なものは次のとおりです(すべてではありません)。
- Ekamai:登録料150,000バーツ、開発基金100,000バーツ(全額返金)、教材預り金30,000バーツ(70%返金)。学校が公表している1年生の初年度合計は466,000バーツ(約219万円)で、授業料の3.7倍です。
- Wells:登録料5,000バーツ、キャンパス開発費140,000バーツ(返金なし)、損害保証金35,000バーツ(返金あり)。
- Traill:登録料130,000バーツ(返金なし)、保証金35,000バーツ(返金あり)。
- HELP:出願料1,000リンギット、登録料12,000リンギット(約46万円)。ほかに金額の書かれていない預り金とテクノロジー費。
- Cebu International School:出願料12,000ペソ、入学金126,248ペソ(1年生・約32万円。6年生以上は341,373ペソ)。
- SPH Sentul City:出願料200万ルピアに加え、毎年の開発費(DPP)1,700万ルピア。
- EMASI:出願料(1年生50万ドン)、保証金2,000万ドン(約12万円・60日前の通知で返金)、毎年の開発費1,200万ドン(約7万円・返金なし)。
- Tenby Schools:出願料(イポー1,200・ペナンとSetia Eco Park 2,000リンギット)、登録料(イポー5,000・ペナンとSetia Eco Park 7,000リンギット)、返金される預り金(学期の授業料の半分〜1学期分)、年1,500〜1,560リンギットの教材・テクノロジー費。
- Lanna:評価料6,000バーツ、登録料90,000バーツ(返金なし)、備品預り金13,000バーツ(返金あり)。
さらに、多くの学校で給食・スクールバス・制服・課外活動・校外学習・IGCSEやAレベルの試験料が別にかかります。「返金あり」の預り金も、退学時まで手元に戻らないお金です。学費を比べるときは、1年目の総額と、2年目以降の毎年の額を分けて計算してください。アジアの高価格帯の学校の一時金は、アジア主要都市のインターナショナルスクール学費で一覧にしています。

学費が安いインターと高いインター、何が違う?
参考までに、高価格帯の学校の1年生相当の授業料は、クアラルンプールのThe Alice Smith Schoolが年89,070リンギット(約345万円)、International School Bangkokが年1,015,000バーツ(約478万円)です。手頃な学校との差は、高めのLanna(約250万円)と比べても約1.4倍、最も手頃なEkamai(約59万円)と比べると約8倍です。この差は、主に次のような違いから生まれます。
- 都市と土地代:同じTenbyでも首都圏と地方で2倍近い差がありました。校舎の規模や設備も学費に表れます。
- 教員の採用:欧米から多くの教員を招く学校ほど、人件費が高くなります。
- 生徒の構成:手頃な学校には、現地の家庭のお子さんが多く通う学校もあります。英語環境や国際色を重視するなら、在校生の国籍の構成を聞いてみてください。
- 卒業後の進路と実績:大学進学の実績やIBのスコアを公開しているかどうかも、学校によって違います。
どちらが良い、という話ではありません。手頃な学校でも、お子さんに合う学校は十分にあります。大切なのは、学費の安さだけで決めず、「何を学び、18歳でどこへ進むか」から逆算することです。カリキュラムの違いはインターナショナルスクールの種類で整理しています。
学費が安いインターを選ぶ前に確かめたい3つのこと
- 初年度の総額で比べる:授業料に、登録料・入学金・施設費・預り金・給食やバス代を足し、1年目と2年目以降を分けて計算します。Ekamaiのように、授業料と初年度の支払額が3倍以上違う学校もあります。
- 最上級学年の学費を見る:Tenby Ipohは1年生の約66万円に対し、Year 11は約216万円。お子さんが今何歳かではなく、卒業までの合計で比べてください。
- 資格と認定を確かめる:IGCSE・Aレベル・IB・米国の卒業資格のどれに進めるか、IBなら認定校か候補校か、CISやWASC、英国のBSOなどの認定を受けているかを、学校と認定団体の公式サイトで確認します。調べ方は「認定」の見分け方で紹介しています。

近くに通える手頃なインターがないときは?オンラインという選択肢
手頃なインターは、ほとんどが首都や大都市の郊外にあります。赴任先の近くに通える学校がない、ビザや仕事の都合でその都市に住めない、というご家庭もあるでしょう。その場合は、校舎を持たないオンラインのインターナショナルスクールも比べる候補になります。住む場所に縛られず、引っ越しても同じ学校で学び続けられるのが利点です。一方で、同級生と毎日対面で過ごすことはできず、学校によって卒業資格の種類や認定の有無も違います。
オンライン校の学費の相場はオンラインインターナショナルスクールの学費、通学型との費用の違いはオンラインインターと通学インターの費用比較で詳しく比べています。授業の進め方まで比べたい方は、NGAの学びのしくみもご覧ください。

NIJIN GLOBAL ACADEMY の立ち位置
NIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は、2027年9月開校予定の、6〜18歳のためのオンラインの国際学校です。運営する株式会社NIJINは、日本で不登校の子どもの学びの場であるNIJINアカデミーなどを運営し、これまで1000名以上の子どもたちが学んできました。偏差値による学力選抜はせず、8人前後の少人数のライブ授業で、英語で学ぶ教科を日英バイリンガルのメンターが支える形を考えています。
正直にお伝えすると、NGAはまだ開校前で、認定も受けていません(未認定)。学費は未公表で、卒業生もいません。IGCSE・Aレベル・IB・米国の卒業資格が必要な場面では、この記事で紹介した学校の代わりにはなりません。そのうえで、「近くに通える手頃なインターがない」「赴任や引っ越しが続きそう」「対面の学校に通いながら、英語で学ぶ時間を足したい」というご家庭には、比べる候補のひとつになれたらと考えています。
よくあるご質問
海外で学費が安いインターナショナルスクールがある国は?
今回公式サイトで確認した範囲では、マレーシア・タイ・インドネシアに、1年生相当の年間授業料が100万円を切る学校がありました(Tenby Schools Ipoh、Ekamai International School、SPH Sentul City。SPHは2027/28年度の学費)。ただし同じ国でも都市やキャンパスで学費は大きく違います。
いちばん安いインターナショナルスクールはどこですか?
今回の11校では、授業料だけならバンコクのEkamai International School(Pre-K〜8年生で年126,000バーツ)が最も低い水準でした。ただし一般費・給食などと入学時の登録料・預り金を含めると、1年生の初年度の支払いは466,000バーツになります。授業料だけで「いちばん安い」とは言い切れません。
学費が安いインターは質が低いのですか?
一概には言えません。学費の差は、都市の土地代、教員の採用方法、生徒の構成などから生まれます。質を確かめるには、カリキュラムと認定、卒業生の進路、授業の見学、在校生の保護者の声を見るのが確実です。
マレーシアのインターの学費は日本円でいくらですか?
今回の学校では、1年生相当で年約66万円(Tenby Ipoh)〜約160万円(HELP International School)でした。高価格帯のThe Alice Smith Schoolは1年生相当で約345万円で、学校によって大きく違います。サービス税(SST)が別にかかる場合もあります。
「安いかどうか」より「卒業まで続けられるか」で選ぶ
海外で学費が安いインターナショナルスクールは、確かにあります。年60万円前後から通える学校もあれば、首都圏と地方で同じ学校グループでも2倍近く違うこともあります。けれど、授業料は請求の一部にすぎず、学年が上がるほど学費も上がります。だからこそ、1年目の総額、卒業までの合計、そして18歳でどの資格を手にするかを、家族でいっしょに確かめてください。
通える範囲に手頃な学校が見つからないご家庭に向けて、NIJIN GLOBAL ACADEMY は2027年9月の開校(予定)と、2027年4〜5月のプレ開校(体験クラス)を準備しています。学費や時間割が決まり次第、メールでいち早くお知らせします。
気になる学校が2〜3校に絞れたら、その学校に「初年度に払う総額」と「最上級学年の学費」の2つを聞いてみてください。その答えが、無理なく続けられる学校かどうかを教えてくれます。


