「ニュージーランドで親子留学をしたいけれど、現地の学校に通わずにオンラインスクールで学ぶことはできるのだろうか」。「移住を考えているけれど、ニュージーランドのオンラインスクールにはどんな選択肢があるのだろう」。多くのご家庭が、最初にこの疑問にたどり着きます。
先にお伝えすると、ニュージーランドには国が運営する大きな通信制の学校があり、私立のオンライン校もあります。ただし、どれを使えるかは「学校の良し悪し」より先に、お子さんの国籍・在留資格(ビザ)・住んでいる場所で決まります。この記事では、公式サイトと政府の公開情報だけをもとに、Te Kura(テ・クラ)、Crimson Global Academy、ホームエデュケーション(家庭での教育)という3つの道を、日本人家庭の目線で整理します。費用や制度は2026年10月時点の公開情報です。

ニュージーランドのオンラインスクールは「在籍資格」から考える
ニュージーランドでは、6歳から16歳までの子どもは学校に在籍するのが原則です。公立の学校は、ニュージーランドの市民・永住者など「domestic student(国内生)」と扱われる子どもには学費がかかりません。一方、留学生ビザで学ぶ子どもは「international student(留学生)」として、学校が定める留学生向けの学費を払うのが一般的です。
ここで知っておきたいのが、親が一定の就労ビザを持っている場合、その扶養の子どもは小中高の学費の上では国内生として扱われるという移民局のルールです(季節労働などの一部のビザは例外)。親が就労ビザで働くのか、子どもが学生ビザなのかで、使える制度は大きく変わります。
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Te Kura(テ・クラ):ニュージーランド最大の国立通信制学校
Te Kura の正式名称は Te Aho o Te Kura Pounamu。1922年に100人の子どもへ郵便で教材を送るところから始まった通信制の学校で、公式サイトによると今は毎年3万人以上が学ぶ国内最大の学校です。幼児教育から高校の資格であるNCEAレベル3まで、自宅などからオンラインで学べます。
だれが無料で学べるのか
教育省の入学方針では、政府負担で全日制に入れる道(ゲートウェイ)が決められていて、たとえば16歳未満なら、通える学校から一定の距離以上離れて住んでいる、長期の病気で通学できない、毎学期のように住む場所が変わる、学校から離れかけていて教育省の紹介を受けた、などが条件です。どの道でも、前提は国内生であること。「オンラインで学びたいから」という理由だけで、だれでも無料で入れるわけではありません。
海外に住む家庭・留学生はどうなるか
海外に住むニュージーランドの市民・永住者は、一時的に海外にいて2年以内に戻る予定がある、現地で適切な教育を受けられない、などの条件を満たせば政府負担で学べます(通常は出国から12か月以内の申請、出国前に2年以上続けてニュージーランドに住んでいたことが目安)。条件に当てはまらない場合は、16歳以上なら有料の枠があります。
留学生(国内生でない子ども)の全日制の枠は、教育省の方針では「ニュージーランドに居住していない」「NCEAを学ばない」ことが条件です。つまり、学生ビザでニュージーランドに住みながら Te Kura に全日制で在籍する、という使い方は想定されていません。親子留学で「現地校の代わりに Te Kura」と考えている場合は、ここがいちばん大きな壁になります。なお、ニュージーランドに住んで現地校に在籍している子が、在籍校に通いながら Te Kura の科目を有料で追加受講する枠(デュアル・チューション)は、方針上用意されています。

有料で受講する場合の料金は、2026年の料金表として公開されています。海外在住の場合、全日制の年額は1〜6年生(Years 1–6)がNZ$6,174、7〜10年生がNZ$6,273。高校段階の11〜13年生は全日制の年額ではなく、1科目NZ$1,504という科目ごとの料金です。国内在住の場合は1〜6年生がNZ$7,079と、海外在住よりやや高めです(GST込み)。どの枠に入れるかは個別に判断されるので、申し込む前に Te Kura の相談窓口で確認するのが確実です。
Crimson Global Academy:ニュージーランド登録の私立オンラインスクール
もうひとつの代表的な選択肢が、2019年にオークランドで始まった Crimson Global Academy(CGA)です。公式サイトでは「ニュージーランドに登録された私立のオンラインスクール」と紹介され、6〜18歳を対象に、ケンブリッジやピアソン・エデクセルの英国系資格、APや米国のハイスクール・ディプロマといった国際的なカリキュラムをライブ授業で学べます。米国WASCの認定も公表しています。
Te Kura との大きな違いは、私立なので学費がかかる代わりに、在籍の入り口が「条件を満たした子」に限られないことです。NZ向けサイトでは、NZ・豪州の学年暦に合わせた「Aoraki キャンパス」などの学費表が公開されています。学費や評判の読み方は、Crimson Global Academy の学費 と Crimson Global Academy の評判と料金 で詳しく整理しています。なお、留学生ビザでニュージーランドに住む子どもがCGAを主な在籍校にできるかは、ビザの条件とも関わるため、学校と移民局の両方に確認してください。

学校に在籍しない道:ニュージーランドのホームエデュケーション
ニュージーランドには、教育省の許可を得て家庭で教育する「ホームエデュケーション(home education)」の制度もあります。保護者が地域の教育省事務所に申請し、認められると「登録校への在籍免除証明書」が出ます。申請は無料で、通常4〜6週間。6歳を過ぎている子は、審査のあいだも学校に在籍している必要があります。
基準は「学校と同じくらい規則的に、同じくらいよく学んでいること」。ニュージーランドのカリキュラムに従う必要はありません。許可を受けた家庭には、半年ごとに手当(1人目は半年でNZ$398)が支払われます。在留資格の扱いは公式ページに明記されていないため、一時ビザの場合は事前に教育省へ確認しましょう。日本のホームスクーリングとの違いは ホームスクーリングとオンラインスクールの違い も参考になります。
ビザ別に見る、ニュージーランドのオンラインスクールの選択肢

整理すると、ニュージーランドの市民・永住者、または就労ビザの親を持つ国内生なら、条件しだいで Te Kura という公的な道が開けます。学生ビザの親子留学なら、現地校に留学生として通うのが基本で、Te Kura の全日制は対象外です。日本に住んだまま学びたい場合は、NZの市民・永住者でない限り、私立のオンライン校が現実的な選択肢になります。
オンラインの学校をどう比べればいいかは、オンラインインターナショナルスクールの選び方 と オンラインインターナショナルスクールの比較 にまとめています。オセアニアで対面の学校も比べたい方は シドニーのインターナショナルスクール もあわせてどうぞ。
日本人家庭が確かめておきたい3つのこと

1つめはビザと在籍資格。親のビザ、子どものビザ、滞在予定の長さを書き出し、国内生か留学生かを先にはっきりさせます。
2つめは時差と授業の形。ニュージーランドは日本より3〜4時間ほど早い時間帯です。同じオンラインでも、教材を自分のペースで進める形か、決まった時間のライブ授業か、授業は何時に行われるかで、毎日の暮らし方は大きく変わります。どんなしくみで学ぶ学校なのかを知りたい方は、NGAの 学びのしくみ も比べる材料にしてみてください。
3つめはその先の進路と日本とのつながり。ニュージーランドで高校まで学ぶならNCEAなどの資格、日本に戻るなら編入や大学入試での扱いが関わってきます。海外のオンライン校で得た卒業資格がどう扱われるかは、オンラインスクールと大学受験資格 で解説しています。日本語の読み書きを保つ時間をどこでつくるかも、早めに考えておくと安心です。

NIJIN GLOBAL ACADEMY の立ち位置
NIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は、2027年9月開校予定のオンラインの国際学校です。運営する株式会社NIJINは、日本で不登校の子どもの学びの場であるNIJINアカデミーなどを運営し、これまで延べ1000名を超える子どもたちが学んできました。NGAは偏差値による学力選抜をせず、少人数のライブ授業を中心に「自分と世界を、好きになる」学びをつくろうとしています。
正直にお伝えすると、NGAはまだ開校前で、学費や認定の状況は公表していません。ニュージーランドの学校として登録された学校でもないため、Te Kura や CGA の代わりになるとは言えません。そのうえで、「国や住む場所が変わっても、同じ仲間と学び続けられる場所がほしい」というご家庭にとって、比べる候補のひとつになれたらと考えています。
よくあるご質問
ニュージーランドのオンラインスクールは無料で受けられますか?
国立の Te Kura は、教育省の条件(距離・健康・転居が多いなど)を満たす国内生なら政府負担で学べます。それ以外は有料になることがあり、私立の Crimson Global Academy は学費がかかります。
学生ビザの親子留学で、Te Kura に全日制で在籍できますか?
教育省の入学方針では、留学生の全日制の枠は「ニュージーランドに居住していない」「NCEAを学ばない」ことが条件です。学生ビザでニュージーランドに住みながらの全日制在籍は、方針上は想定されていません(2026年10月確認)。
日本に住んだまま Te Kura で学べますか?
ニュージーランドの市民・永住者で一時的に海外にいる場合などは政府負担の道があります。それ以外は、NCEAを学ばない条件で有料の全日制枠があります(海外在住の1〜6年生で年NZ$6,174、2026年)。
ニュージーランドでホームスクーリングはできますか?
教育省の許可(ホームエデュケーションの在籍免除)を受ければできます。申請は無料で通常4〜6週間、許可後は半年ごとに手当が出ます。一時ビザで滞在する場合の扱いは、地域の教育省事務所に確認しましょう。
「どの学校がいいか」の前に、「どの道が開いているか」を
オンラインスクール選びは、評判を比べるより先に「わが家にはどの道が開いているか」を確かめるところから始まります。国内生か留学生か、どこに住むのか、何年いるのか。その答えが出れば、Te Kura、CGA、ホームエデュケーションのどれが現実的なのかは自然と見えてきます。
NIJIN GLOBAL ACADEMY は2027年9月開校(予定)、2027年4〜5月にプレ開校(体験クラス)を予定しています。カリキュラムや時間割が決まり次第、メールでいち早くお届けします。
今日すべてを決める必要はありません。まずは家族のビザと滞在予定を1枚の紙に書き出してみてください。それが、いちばん確かな一歩になります。


