「福島県 インターナショナルスクール」と検索して、少し途方に暮れていませんか。出てくるのは英語の幼児園や英会話教室ばかりで、小学生になってからも英語で学べる学校がどうしても見つからない——。それはあなたの調べ方が悪いのではありません。2026年8月時点の公開情報を調べたかぎり、福島県内に小学校段階以上の子どもを英語で受け入れる全日制のインターナショナルスクールは確認できませんでした。県内で英語環境を掲げる施設は判明分で12。福島市・郡山市・いわき市・会津若松市・相馬市の5市に散らばり、対象はほぼ0〜6歳です。この記事では、福島県のインターナショナルスクールをエリア別にすべて並べたうえで、6歳の先をどうつなぐか——県内の放課後型の英語環境、仙台への通学、そして通わないという選択肢まで、正直に整理します。読み終えるころには、福島で何ができて何ができないのかがはっきりするはずです。

福島県のインターナショナルスクールの現状と学費相場
前提として、福島県は着実に国際化が進んでいる県です。福島労働局のまとめによると、県内で働く外国人労働者は令和6年10月末時点で13,710人。過去最多を更新しました。県の「国際化の現状(令和6年度版)」でも、令和6年12月末の外国人住民数はいわき市3,759人(前年比13.8%増)、郡山市3,684人(同10.6%増)、福島市2,374人(同2.8%増)と、主要3市そろって増加。国籍別ではベトナム・フィリピン・中国の3か国で全体の約57%を占めています。それだけの人が集まりながら、英語で学び続けられる学校の数がまったく追いついていない——ここが福島県のインターナショナルスクール事情の核心です。
県内の施設は、幼児期に強く集中しています。判明分の12施設のうち、小学校段階以上を全教科英語で受け入れる全日制の学校はゼロ。もっとも「学校らしい」存在である福島市・郡山市のアゴラキンダーガーデンでさえ、対象は2歳から就学前までです。小学生向けにあるのは、放課後に英語で過ごすアフタースクール(英語学童)やイマージョン型の教室で、日中を英語で過ごす場ではありません。つまり福島県で起きているのは、選択肢がないことではなく、6歳で道が途切れることなのです。しかも県土は北海道・岩手に次ぐ全国3位の広さで、中通り・浜通り・会津の3地域は峠で隔てられています。会津若松の家庭が郡山の園に毎日通うといった移動は、現実的ではありません。
学費の相場は、首都圏よりかなり抑えめです。公開している施設が少なく多くは要問い合わせですが、料金表を公式サイトで開示しているアゴラキンダーガーデンの場合、12か月コースの保育料は年長(5〜6歳)で年間55万8,600円、2歳児で年間69万5,400円(いずれも税込)。これに入園金5万5,000円、施設協力費が年3万5,000円、指定教材費9,000円、年間保険料2,200円が加わります。加えて認可外保育施設は3〜5歳児で月額3万7,000円までの無償化(施設等利用給付)の対象になり得るため、お住まいの自治体で保育の必要性の認定を受けられる共働き家庭なら、実質負担はさらに下がります。首都圏の大手インターナショナルスクールが年間200万〜300万円という水準であることを考えれば、費用の壁は福島ではずいぶん低い。ただしその手頃さは「6歳で終わる」ことと表裏一体でもあります。そもそもインターナショナルスクールとは何か、一条校(日本の正規の学校)との違いや義務教育の扱いについてはインターナショナルスクールとは?で整理しています。
※学費等は2026年8月時点の公開情報です。改定される場合があるため、最新は各校公式サイトで必ずご確認ください。

福島県のインターナショナルスクール一覧【エリア別】
ここからは、2026年8月時点で確認できた施設を判明分すべてエリア別にご紹介します。無理に「おすすめ7選」に水増しはしません。数は限られていますが、性格はそれぞれ違います。
福島市エリア(4施設)
県北の中心にあたる福島市には4施設。核になっているのが、株式会社アゴラが運営するアゴラキンダーガーデン 福島校(新浜町6-26)です。対象は2歳から就学前まで。9:00〜13:00のコアタイムを100%英語で過ごす設計で、年間210日・840時間(週20時間)という英語量を公式サイトで明示しています。フォニックス・算数・音楽・理科・アート・体育を英語で扱い、前後の預かり延長にも対応。学費も前述のとおり公開されており、県内では珍しく「見えている」園です。
同じ建物には、小学1〜6年生を対象としたアゴラ学童クラブ 福島校があり、放課後を英語で過ごせます。ほかに野田町のキッズデュオ 福島西は、未就学児から小学生までの英語学童。送迎バスやサマー・ウィンター・スプリングスクールがあり、習い事として通いやすい形です。渡利大久保のスクルドエンジェル保育園 福島園は小規模認可保育所で、0歳から受け入れ、モンテッソーリ教育をベースに外国人講師による幼児英会話を取り入れています。インターというより「英語のある認可保育園」ですが、費用面ではもっとも入りやすい選択肢のひとつです。
郡山市エリア(5施設)
県内で施設数がもっとも多いのが郡山市です。桃見台にはアゴラキンダーガーデン 郡山校とアゴラ学童クラブ 郡山校があり、内容は福島校と同じ体系。新幹線が停まる交通の要衝という土地柄もあって、県中・県南から通う家庭もあります。
本町のフェニックスイングリッシュスクール 郡山校は、2歳から12歳までを対象に英語イマージョン・プログラムを掲げるスクール。トドラークラス・キンダークラス・小学生クラスに分かれ、2023年12月からは郡山校限定でアフタースクール保育も始めています。幼児期から小学生まで同じ場所で続けられる点は、県内では貴重です。安積町荒井のワイズ プリスクール アンド キンダーガーテン 安積校は1歳半〜6歳が対象の認可外保育施設で、9:00〜14:00を基本に延長にも対応し、無償化の対象施設として案内されています。東原の楓の森プレスクール(Maple Woods Preschool)は2018年4月開校の少人数園で、3〜5歳を対象に午前9:00〜11:30/午後14:00〜16:30の二部制。英語が勉強になる前の時期に、遊びと生活のなかで日英に触れさせるバイリンガル保育を掲げています。いずれも料金は要問い合わせです。
いわき市エリア(1施設)
県内で外国人住民がもっとも多いいわき市ですが、確認できた施設は1つです。いわき駅から徒歩9分の九品寺こども園 インターナショナルコース(平字九品寺町3-2)は、学校法人明照学園が運営する認定こども園。2歳児から「一般教育コース」と「インターナショナルコース」に分かれ、後者では外国人講師が毎日英語のレッスンを行います。仏教保育を土台に、英語を身につけるだけでなく日本文化を深く理解して国際社会に出てほしい、という考え方を掲げているのが特徴です。0〜6歳の約220名が在籍し、7:30〜18:30の預かり、給食、送迎バスも整っています。認定こども園なので、日本の制度の中で費用も抑えられます。
会津若松市エリア(1施設)
会津地方で確認できたのは、一箕町のプリスクール水輝(つるが字堤2-28)です。2002年4月開園、定員18名の認可外保育施設で、生後2か月から5歳児までを受け入れています。日常生活のなかで自然に「生きた英語」に触れる環境づくりを掲げ、延長保育・夜間保育・病児保育・休日保育まで対応しているのが実務的なところ。会津から中通りの園に毎日通うのは峠越えになるため、この1園の存在は会津の家庭にとって大きい一方、卒園後の受け皿は県内にはありません。
相馬市・南相馬、そして白河・須賀川など
正直にお伝えします。相馬市にはスクルドエンジェル保育園 相馬園(塚ノ町2-7-1)があり、0歳から受け入れる認可保育所としてモンテッソーリ教育と英語プログラムを取り入れていますが、いわゆるインターナショナルスクールではありません。そして南相馬市・白河市・須賀川市・喜多方市・二本松市といった他の市には、2026年8月時点で常設のインターナショナルスクールやインターナショナルプリスクールを確認できませんでした。全国のプリスクール検索データベースでも、福島県の登録は福島市・郡山市・いわき市・相馬市の4市に限られ、他市町村はゼロと表示されます。英会話教室やオンライン英語のスクールは各地にありますが、日中を英語で過ごす園という意味での選択肢は、県内ではほぼ4〜5市に限られるのが現状です。全国47都道府県のインターナショナルスクール一覧から、他県の状況もあわせて確認できます。
県内にある「国際教育に近い」選択肢——ただしIB認定校はゼロ
インターナショナルスクールではなくても、国際教育に近い学びがあるのでは——そう考えて国際バカロレア(IB)を調べた方もいるでしょう。ここも正直にお伝えします。文部科学省のIB教育推進コンソーシアムが公開する認定校・候補校の一覧に、福島県の学校は掲載されていません(2026年8月時点)。小学校のPYP、中学校のMYP、高校のDPのいずれもゼロ。一覧は宮城県の次が茨城県で、福島県の欄そのものがない状態です。
では県内に何もないのかというと、そうではありません。小学生が「日中は地元の学校、放課後は英語」という形をつくれる場所は、確かにあります。アゴラ学童クラブ(福島・郡山)、キッズデュオ 福島西、フェニックスイングリッシュスクールの小学生クラスがそれにあたります。九品寺こども園のインターナショナルコースのように、認定こども園の中に国際コースを持つ園もあります。いずれも「学校を英語に置き換える」ものではありませんが、英語に触れる総量を増やす手段としては現実的です。目的が「英語で教科を学ぶこと」なのか「英語に日常的に触れること」なのかで、これらの評価は大きく変わります。
比較でわかる、わが家に合う選び方
県内の英語幼児園、仙台など県外の学校、オンライン国際校。この3つは、どれが優れているかではなく、わが家の制約に合うかで選ぶものです。費用・入学のしやすさ・通学の負担・対面での体験・小学校以降も続けられるか——この5つの観点で並べると、迷いがかなり減ります。

福島県の場合、引っかかるのはほぼ確実に最後の行です。県内の施設は費用も通学も入学のしやすさも申し分ないのに、6歳でいったん終わってしまう。だから多くの家庭が、年長の秋になって初めて「その先」を探し始め、選べる時間が残っていないことに気づきます。逆に言えば、いま調べているあなたはまだ間に合います。費用の全体像をもう少し細かく知りたい方は、インターナショナルスクールの学費の内訳を解説した記事もあわせてどうぞ。授業料以外にかかるお金まで見えると、判断の精度が上がります。
オンラインでの学びのしくみを見る →

近隣県のインターナショナルスクール(通学圏として現実的か)
福島県から小学校段階以上の英語環境を求めるなら、県外に目を向けることになります。もっとも近いのは宮城県の仙台市です。福島駅から仙台駅までは東北新幹線でおよそ20〜30分、郡山駅からでもおよそ35〜50分。仙台市泉区には、東北で唯一、幼稚園から高校卒業まで一貫して学べる東北インターナショナルスクール(TIS)があり、4〜18歳を受け入れています。学費は公式サイトの2026-2027年度案内で、入学金40万円+事務手数料1万5,000円、年間授業料が幼稚園(フルデイ)99万円、1〜8年生134万円、9〜10年生154万円、11〜12年生169万円(施設費・冷暖房費込み)。仙台のほかの学校も含めた詳細は、宮城県のインターナショナルスクールの記事で整理しています。
ただし、ここも正直にお伝えします。新幹線で20分という数字は、通学が現実的だという意味ではありません。福島駅から仙台駅までの新幹線定期は年間で数十万円規模になりますし、小学生が毎朝新幹線に乗る生活を6年間続けるのは、体力の面でも家庭の送迎負担の面でもかなり重いものです。ましてやいわき市からは、仙台よりも常磐線特急ひたちで品川まで約2時間30分という位置関係で、どちらの方向にも通学圏とは言いにくい。会津からとなればさらに条件は厳しくなります。実際に県外の学校を選ぶ家庭の多くは、転居するか、保護者のどちらかが平日だけ別居する形をとっています。志望校を絞る前に、通学時間だけでなく「その形を6年間続けられるか」を家族で一度話し合ってみてください。
通える範囲に見つからないなら——オンラインという選択肢
ここまで読んで、「県内には続けられる学校がない。でも仙台まで毎日通わせるのは無理だし、転居もできない」と感じた方も多いはずです。そんな家庭のために、私たちNIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は2027年9月開校のオンライン・インターナショナルスクールを準備しています。
運営は、日本でオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を運営する株式会社NIJIN。NIJINアカデミーにはすでに1000名以上の子どもたちが在籍しています。NGAが大切にしているのは、脱偏差値——テストの点数で子どもを並べないこと。少人数の対話を中心に、「自分と世界を、好きになる」学びを設計しています。対象はアジア・オセアニアの6〜18歳。住む場所を選ばないので、福島市でも郡山でもいわきでも、そして会津若松でも南会津でも、条件はまったく変わりません。峠を越える必要も、新幹線に乗る必要もなく、教室までの距離は誰にとっても同じゼロです。日本語の支えを前提に、少しずつ英語に触れられる設計にしているのも、日本の家庭にとって現実的だと考えているからです。学費は対面のインターナショナルスクールの約5分の1を目指しています。
地元の学校に籍を置いたまま、放課後や週末にオンラインで英語で学ぶダブルスクールという形もあります。いきなり学びの中心を移すのが不安なら、こちらから始める家庭も少なくありません。
正直な注意点もお伝えします。NGAはまだ開校前で、実績はこれから積み上げる段階です。そして、校庭で走り回る体験や、同じ教室で肩を並べる感覚は、対面の学校と同じようには提供できません。それでも「近くに無いから、あきらめる」を「通わなくても、続けられる」に変えられる家庭が、福島県には確かにいるはずだと考えています。
よくある質問
Q. 福島県に、小学生が通えるインターナショナルスクールはありますか?
A. 全教科を英語で学ぶ全日制の学校は、2026年8月時点の公開情報では確認できませんでした。小学生向けにあるのは、アゴラ学童クラブ(福島市・郡山市)、キッズデュオ 福島西、フェニックスイングリッシュスクール 郡山校の小学生クラスといった放課後型の英語環境です。地元の小学校に通いながら英語の時間を厚くする形になるため、「学校そのものを英語に置き換える」ことを望む場合は、県外への転居かオンラインを検討することになります。
Q. 仙台のインターナショナルスクールに、福島県から通えますか?
A. 距離だけを見れば、福島駅から仙台駅は新幹線でおよそ20〜30分と近く、実際に「通えるのでは」と考える方は多いです。ただし新幹線通学は交通費が年間で数十万円規模になり、小学生が6年間毎日それを続ける負担は小さくありません。郡山市からはおよそ35〜50分、いわき市や会津若松市からは乗り継ぎが必要になり、日常の通学圏とは言いにくいのが実情です。中学・高校段階で寮や転居と組み合わせるなら現実味が出てきます。
Q. 英語を増やすと、日本語の力が中途半端になりませんか?
A. よくいただく不安です。福島県の場合、県内の施設はほとんどが日本の制度の中にある園やこども園なので、日本語の土台は保たれやすい環境にあります。一方で、英語の時間を大きく増やす場合は、日本語をどう担保するかを先に決めておくことが大切です。日本語が不安なご家庭には、姉妹サービス〈ともだちじゃぱん〉(NIJIN運営・子ども向けオンライン日本語)もおすすめです。園や学校を選ぶ際は、パンフレットの説明ではなく実際の週間時間割を見せてもらいましょう。
近くに無いことは、あきらめる理由にはならない
福島県のインターナショナルスクール探しは、正直に言えば簡単ではありません。全日制の英語校はなく、施設は5市に散らばり、IB認定校は県内にゼロ。しかも中通り・浜通り・会津は峠で隔てられ、隣の市の園にすら毎日通えない家庭が少なくありません。でもそれは、あなたのお子さんに国際教育は無理という意味ではまったくないのです。県内の英語幼児園、放課後の英語環境、仙台への進学、そしてオンライン——道は一本ではなく、いま4本あります。
大切なのは、入れる場所を探すことより、お子さんが何年も安心して続けられる学びを選ぶことです。焦らなくて大丈夫です。まずは今日、気になった施設をひとつ見学予約してみる。それだけでも、選択肢の景色は変わります。
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