「インターナショナルスクールに通わせたい。でも学費が高すぎる。奨学金で通える道はないのだろうか」——そう思って検索された方に、結論を先にお伝えします。奨学金は、あります。ただし枠はとても狭く、条件も厳しいのが現実です。給付の中心は中学・高校段階に偏り、小学校段階で新入生が使える枠はごく限られます。学力や実技、家計の状況といった選考があり、多くは単年度更新です。この記事では、各校の公式サイトで確認できた実在の制度だけを並べ、公的支援である高等学校等就学支援金が「どこまで届くか」の線引きをはっきりさせたうえで、奨学金に当たらなくても費用を下げられる現実的な道までをご案内します。

インターナショナルスクールの奨学金を調べる前に、知っておきたい3つのこと
「奨学金はありますか」という問いへの答えは、学校によってまったく違います。全生徒の7割が支援を受けている学校もあれば、公式のよくある質問に「新規入学者向けの財政支援は現在ありません」と書いている学校もあります。つまりインターナショナルスクール全体に共通する奨学金制度は存在しないのです。ご家庭の状況に当てはまる枠があるかを、一校ずつ確かめていくことになります。

公式サイトで確認できた、実在の奨学金・学費支援
ここでは各校の公式ページに記載があるものだけを挙げます。募集の有無や条件は年度ごとに変わりますので、必ず最新の公式情報をご確認ください。
UWC ISAK Japan(長野・全寮制の高校)
返済不要のニード型(need-based)財政支援を公表しており、UWC ISAK JAPAN「授業料・奨学金」によれば全生徒の約70%が全額または一部の支援を受給、年間の支援総額は約6億円規模とされています。学力や実技ではなく、各家庭の経済状況に応じて判断される仕組みです。対象は高校課程(10年生入学)で、学費は授業料490万円・寮費182万5,000円・施設費50万円と公表されています。小学校・中学校段階の選択肢ではない点にご注意ください。
Rugby School Japan(千葉・英国系の全寮制/通学併設)
Rugby School Japan「Scholarships」では、Academic/Expressive and Visual Arts/Performing Arts/Sports/All-Rounderという分野別の制度を、Years 7〜12(日本でいう中学1年〜高校3年)を対象に設けています。減免の内容は授業料の一部(公式ページ記載時点で10%)に加え、入学金とSchool Development Feeが全額免除という構成です。選考にはCAT4などのテスト結果、在籍校からの推薦状、分野に応じた実技審査や面接が求められます。
Malvern College Tokyo(東京・小平)
公式サイトに「Scholarships and Bursaries(奨学金と経済支援制度)」のページを設けており、卓越した能力と意欲を示す生徒への部分的な授業料減免(partial fee remission)を伴うScholarship Programmeと、経済的な支援が必要な家庭向けのBursaryの二本立てで案内しています。募集時期は年度ごとに公表されます。
Yokohama International School(横浜)
2026–2027学年度からChowa Scholarship Fundという基金を開始すると公式に発表しています。経済的・個人的な困難に直面している「在校コミュニティの家庭」を支えるニード型の支援で、新入生の学費を割り引く制度ではありません。あわせて、駐在員の教育費を負担する企業向けのCorporate Contribution Program(企業拠出による特別奨学金)も長く運用されています。
アオバジャパン・インターナショナルスクール(東京)
通学キャンパスについては、公式のAdmissions FAQに「現在、新規入学者向けの財政支援はありません」と明記されています。一方でオンラインのIBディプロマ課程に対しては、全額補助や50%補助を含むGlobal Pathwaysの奨学金基金が公表されています。同じ学校でも、通学とオンラインで制度がまったく違うという好例です。
並べて見えてくるのは、給付枠が中学・高校段階に集中し、「学校の理念に強く合う一部の生徒」または「困難に直面した在校生」向けの設計が多いということです。小学校から6年、12年と続く学費を奨学金で埋め合わせる想定には、なっていません。
※費用・制度は2026年8月時点の公開情報です。最新は各公式でご確認ください。
公的支援はどこまで届くか——「高等学校等」という線引き
ここが、多くのご家庭が誤解しやすい一番大事なポイントです。高校の授業料を支える文部科学省「高等学校等就学支援金」は、2026年度(令和8年度)から所得制限が撤廃され、私立全日制の支給上限も年45万7,200円へ引き上げられました。ただし文部科学省「高等学校等就学支援金制度に関するQ&A」のとおり、この制度の対象はあくまで「高等学校等」——国公私立の高等学校、中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部、高等専門学校(1〜3学年)、専修学校の高等課程など、いわゆる一条校を中心とした学校種です。各種学校や無認可の施設として運営される多くのインターナショナルスクールは、原則として対象外になります。
ただし例外があります。文部科学大臣が指定した外国人学校等は対象に含まれ、文科省は文部科学省「就学支援金の対象となる外国人学校の指定」として一覧を公開しています。2026年3月1日現在で、各種学校としての指定が17校、WASC・ACSI・Cogniaといった国際的な認定団体の認定を根拠とする指定が32校です。あなたの気になっている学校がこの一覧に載っているかどうかで、支援金の有無は変わります。指定校の一覧や自治体独自の補助まで含めた全体像は、インターナショナルスクールの無償化・補助金と指定校一覧で詳しく整理しています。
そしてもうひとつ。就学支援金は原則として高校段階の制度で、小学校・中学校には届きません。奨学金の枠も高校に偏っている以上、費用の山がいちばん長く続く小中学校期こそ、制度に頼れない——これが正直な現実です。
奨学金に頼らずに費用を下げる、3つの道
では、選考に通らなかったら諦めるしかないのか。そんなことはありません。実際に多くのご家庭が選んでいるのは、次の3つです。
①一条校のインターナショナル系コースを選ぶ。英語イマージョンや国際バカロレアを一条校の枠組みで実施する学校があります。たとえばぐんま国際アカデミーは、公式の「学費について」で高等部について群馬県から就学支援金が支給されると案内しています。高校卒業資格が得られ、公的支援も使える。ただし通学圏が限られます。
②通学・寮・施設にかかる費用を構造から外す。対面インターの費用は授業料だけではなく、入学金、施設費、スクールバス、寄付金と積み上がります。オンラインを使えば、この「建物にかかる費用」の層をまるごと外せます。分解の仕方はインターの学費が高すぎるときの現実的な代替案にまとめました。
③フルタイム前提をやめて、少しずつ足す。6年間の総額を自分で試算できる計算式で一度出してみると、「毎年の負担」ではなく「続けられるかどうか」で選べるようになります。
第三の道は「辞めない」こと——ダブルスクールという選び方
奨学金を探すご家庭の多くが、心のどこかでこう思っています。「本当は、日本の学校を辞めさせたいわけじゃない」。友だち、担任の先生、地元の中学への道。それを手放す覚悟は決まっていないのに、対面のインターはフルタイムでの転校を求めてきます。費用の問題と、就学義務・進学ルートの不安が同時に押し寄せてくるのです。
そこで現実的なのが、ダブルスクール——昼は日本の学校に通い、放課後や週末にオンラインでインターナショナルスクールを併用するという形です。私たちNIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は、2027年9月に開校するオンラインのインターナショナルスクールとして、この併用型を設計しています。お子さんの籍は日本の学校に残るので、就学義務も進学ルートもそのまま。学費は対面インターの約5分の1を目指しています。中身は英会話ではなく、英語で算数や理科といった教科を学ぶ本物のインターの学び方です。順位をつけず少人数の対話を軸にしているのは、「自分と世界を、好きになる」ことを一番大事にしているからです。
正直に申し上げれば、私たちには対面の校庭も、体育館も、休み時間の追いかけっこもありません。まだ開校前で、卒業生の実績もこれからです。運営会社の株式会社NIJINが運営するオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」には900名以上が在籍していますが、NGAはこれから育てていく学校です。だからこそ、日本の学校の良さを否定せず、そこに世界を「足す」という形を選んでいます。


今日からできる、3つのステップ
情報が多すぎて動けなくなる前に、順番を決めてしまいましょう。奨学金は「探す」ものであると同時に、第二案とセットで持っておくものです。

よくある質問
小学校からインターに入れたいのですが、使える奨学金はありますか。
公式に制度を公表している学校の多くは、中学・高校段階を対象にしています。小学校段階の新入生向けの給付枠は限られており、あったとしても人数はごく少数です。小学校からを考えるなら、奨学金を前提にするより、一条校のインター系コースやオンラインとの併用で費用構造そのものを下げるほうが現実的です。
就学支援金は、うちが検討中のインターでも使えますか。
その学校が一条校であるか、または文部科学大臣の指定を受けた外国人学校等であれば対象になり得ます。文科省が指定校の一覧を公開していますので、まずそこに名前があるかをご確認ください。一覧にない各種学校・無認可校は原則として対象外で、また就学支援金は高校段階の制度のため小中学校には適用されません。
ダブルスクールは、子どもの負担が重すぎませんか。
ここは正直に見積もってください。日本の学校のあとに毎日フルで詰め込めば、確かに負担になります。NGAが併用型を選んでいるのは、時間の量ではなく、週の中に「英語で考える時間」を無理なく置けるようにするためです。始めてみて合わなければ、日本の学校の生活はそのまま残っているので、いつでも戻せます。
英語がまったくできなくても大丈夫ですか。
NGAは日本語の支えを前提に、少しずつ英語へ移していく設計です。ただし「すぐバイリンガルになります」とは申し上げません。英語で教科を学べるようになるまでには年単位の時間がかかります。そこを短く見せる約束はしない、というのが私たちの姿勢です。対象は6〜18歳です。
奨学金に当たらなくても、あきらめなくていい
奨学金を調べているあなたは、きっとお子さんの可能性を本気で信じている方だと思います。だからこそ、狭き門の前で「うちには無理だった」と結論を出してほしくありません。給付枠に当たるかどうかは、才能の評価でも家庭の価値の評価でもありません。ただ、席の数が足りないだけです。
日本の学校をきちんと続けながら、世界とつながる時間を少しずつ足していく。その道なら、選考を待たずに、今日から始められます。お子さんが「自分と世界を、好きになる」入り口は、ひとつではありません。
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