「秋田県 インターナショナルスクール」と検索したあなたに、まず一番大事な結論からお伝えします。2026年、秋田県の状況は変わりました。これまで県内には全日制のインターナショナルスクールが一校もありませんでしたが、2026年8月、仙北市角館町にシンガポール発のKBHインターナショナルスクールジャパン仙北校が開校します。秋田県で初めての、ケンブリッジ式の全日制インターナショナルスクールです。ただし、これで県内の英語環境が一気に整ったわけではありません。秋田市にあるのは放課後や午後2時間の英語施設で、日中をまるごと英語で過ごす園は、2026年8月時点の公開情報では確認できませんでした。大館市・横手市・由利本荘市・能代市といった県内の他の市にも、常設のインターナショナルスクールは見当たりません。この記事では、秋田県内で確認できた施設をひとつずつ学費付きで整理したうえで、県内にある国際教育に近い選択肢、仙台への通学圏、そして通わないという選択肢まで、いま秋田から選べる道を正直に並べます。

秋田県のインターナショナルスクール事情と学費相場
前提として、秋田県で暮らす外国籍の人は静かに、しかし確実に増えています。秋田労働局が2026年2月に公表したまとめによると、県内で働く外国人労働者は令和7年10月末時点で3,993人。前年から457人(12.9%)増えて過去最多を更新し、外国人を雇用する事業所も837か所(前年比14.8%増)へと広がりました(出典: 秋田労働局「令和7年『外国人雇用状況』の届出状況のまとめ」)。数としては都市部に遠く及びませんが、増え方の勢いは全国でも高い部類です。加えて秋田県には、授業をすべて英語で行う公立大学として知られる国際教養大学(AIU)があり、県内には常に外国人教員と留学生がいます。国際教育の土壌がない県では、まったくありません。
それでも、子どもが日中を英語で過ごせる場所となると、話は一気に細くなります。2026年8月時点で確認できた常設のインターナショナルスクールは、仙北市に開校するKBHインターナショナルスクールジャパン仙北校の1校のみ。秋田市には英語のプリスクール・アフタースクールが2施設ありますが、いずれも午後や放課後の時間帯に限られ、朝から夕方まで英語で過ごす全日制の園は見当たりませんでした。全国のプリスクール検索データベースでも、秋田県の登録は秋田市の1施設だけで、能代市・横手市・大館市・由利本荘市などはすべてゼロと表示されます(出典: Preschool Park 秋田県のプリスクール)。また、国際バカロレア(IB)の認定校も、県内には現時点で確認できません。
学費については、選択肢が少ないぶん「相場」という言い方が成り立ちにくいので、確認できた実額をそのまま並べます。KBH仙北校は公式のFees Structureで年間授業料150万円、寄宿費180万円と公開されています。ここに日本国籍で20%、秋田県民で30%の減額が設定されているのが大きな特徴で、県内在住なら授業料は年105万円という計算になります。秋田市の英語施設は、AIUアフタースクール(AIU Kids)が月1万3,000円〜6万円、グローバルツリー秋田校は料金が公開されておらず要問い合わせです。首都圏の全日制インターナショナルスクールが年間200万〜300万円という水準であることを思えば、秋田で提示されている金額はかなり抑えられています。そもそもインターナショナルスクールとは何か、日本の一条校との違いや義務教育の扱いについてはインターナショナルスクールとは?で整理しています。
※学費等は2026年8月時点の公開情報です。改定される場合があるため、最新は各校公式サイトで必ずご確認ください。

秋田県のインターナショナルスクールと英語施設【エリア別】
ここからは、2026年8月時点で確認できた施設を判明分すべて、エリア別にご紹介します。数は多くありません。無理に「おすすめ7選」に水増しはせず、あるものをあるまま、無いものは無いとお伝えします。
仙北市——秋田県初、2026年8月開校の全日制インターナショナルスクール
秋田県のインターナショナルスクールを語るうえで、いま最も大きな話題がKBHインターナショナルスクールジャパン仙北校(Knightsbridge House International School Japan)です。所在地は公式サイト表記で秋田県仙北市角館町白岩新西野162。シンガポールで2021年に開校し、3年で5名から400名超へと生徒数を伸ばしたKBHインターナショナルスクールの日本校で、シンガポール・タイに続く展開になります。教育の枠組みはケンブリッジの教育システム。指導言語には英語のほか日本語と中国語も掲げられており、公式サイトは「一般の家庭が手の届く国際教育」を打ち出しています。仙北校の定員は120名とされています。
学費は公式のFees Structure(2025〜2026年度)で明示されています。年間授業料150万円(標準的な教科の授業と校内施設の利用を含む)、寄宿費が年180万円。これに課外活動費15万円、教材費15万円、制服代6万2,000円が加わり、留学生のみ一度きりの登録料30万円がかかります。そして注目すべきが減額制度で、日本国籍の生徒は20%引き、秋田県民は30%引き。県民割引を適用すると授業料は年105万円になります(出典: KBH Japan 公式 Fees Structure)。地元の家庭がいちばん安く通える設計になっているインターナショナルスクールは、全国的にも珍しい存在です。
ただし、検討にあたって正直にお伝えしておきたいことが3つあります。第一に、対象学年が公式サイトの公開情報からは確認できませんでした。寄宿費が設定されていることから寮を伴う受け入れが前提にあると読めますが、何歳から何歳までかは必ず直接お問い合わせください。第二に、開校時期が一度延期された経緯があります。当初は2025年9月の開校予定でしたが、仮寄宿舎の準備の遅れから見送られたと報じられており(出典: 秋田魁新報「仙北市のインターナショナルスクール、開校時期を延期」)、現在は公式サイトで2026年8月の開校と案内されています。第三に、校舎は2025年3月末に閉校した旧白岩小学校を活用する計画と報じられており、開校当初の施設や環境は年を追って整っていく段階にあります。だからこそ、パンフレットではなく実際の校舎と寮を自分の目で見てから決めることを強くおすすめします。
通学の面では、角館駅が秋田新幹線こまちの全便停車駅であることが効いてきます。秋田駅から角館駅までは在来線(奥羽本線で大曲経由、田沢湖線に乗り換え)でおよそ1時間20分・1,410円。大仙市・美郷町・大曲周辺からなら、県内でもっとも現実的に通える位置にあります。
秋田市——毎日英語に触れられる2つの施設
県庁所在地の秋田市には、全日制のインターナショナルスクールはありません。ただし、放課後や午後の時間に英語で過ごせる施設が2つあります。
グローバルツリーインターナショナルスクール秋田校は、秋田市保戸野八丁14-4。本駒込・仙台・新潟・長岡と並ぶ5校目の拠点で、アメリカで実際に使われているカリキュラムと独自の多読プログラムを掲げています。クラスは、満2歳〜未就園児のプリスクール(火〜金の14:00〜16:00)、満3歳〜未就学児のアフタースクール園児クラス(平日14:00〜16:00・土曜10:00〜12:00)、小学1年生以上のアフタースクール学童クラス(火〜金の15:30〜17:30)、年少児〜小学4年生のシーズンスクールという構成。いずれも半日ではなく2時間前後のプログラムで、朝から夕方までの全日制クラスは公式サイトには記載がありません。公式FAQでは、講師は全員ネイティブレベルの英語力を持つ外国人でバイリンガルの日本人アシスタントが常駐しており、保護者も子どもも英語が話せない状態からの入学が可能で、高校生対象のクラスまで用意があるとされています(出典: グローバルツリー公式FAQ)。授業料は公式サイト上で金額が公開されておらず、要問い合わせです。
もう一つがAIU Kids(一般社団法人AIUアフタースクール)。所在地は秋田市雄和椿川字奥椿岱193-2で、なんと国際教養大学のキャンパス内にあります。2024年11月15日設立の新しい学童で、AIUの教員・留学生・秋田の企業と連携し、英会話やプログラミング、科学実験、華道・茶道といった伝統文化体験、地域の祭りへの参加、キャリア教育までを組み合わせたプログラムを提供しています。開所は平日が放課後〜19時、土曜が9〜17時、小学校の休業日は8〜19時。料金は入会金が正会員2万円・準会員1万円で、正会員の月額は週1日1万3,000円、週2日2万4,000円、週3日3万円、週4日4万円、週5日5万円、週6日6万円。個別指導は1コマ60分2,500円、長期休暇のみ使う準会員は1日分5,000円からという設定です(出典: AIU Kids プログラムと料金)。英語で学位を取る大学生が日常的に隣にいる学童は、全国を見渡してもここだけかもしれません。
県北・県南(大館市・横手市・能代市・由利本荘市ほか)——常設施設は確認できず
正直にお伝えします。大館市・北秋田市・鹿角市といった県北、横手市・湯沢市・大仙市などの県南、そして能代市・由利本荘市・にかほ市・男鹿市・潟上市には、2026年8月時点で常設のインターナショナルスクールやインターナショナルプリスクールを確認できませんでした。全国のプリスクール検索データベースでも、秋田県の登録は秋田市の1施設のみで、それ以外の市町村はすべてゼロ表示です。これらの地域にあるのは子ども向けの英会話教室で、週1〜2回のレッスンという形が中心になります。日中を英語で過ごす園という意味での選択肢は、現状ありません。全国47都道府県のインターナショナルスクール一覧から、隣接する青森県・岩手県・山形県・宮城県の状況もあわせて確認できます。
県内にある「国際教育に近い」選択肢
インターナショナルスクールでなくても、秋田県には英語と国際性に真正面から取り組んでいる学校・プログラムが実在します。全日制インターが1校しかない県だからこそ、この選択肢を知っておく価値があります。
まず高校段階では、秋田市の聖霊学園高等学校(秋田市南通みその町4-82)の国際コースが挙がります。1908年にカトリックの修道女会が開いた楢山幼稚園を源流とするミッションスクールで、2024年4月に聖霊女子短期大学付属高等学校から校名を変更した女子校です。国際コースには1〜3年を通じてGlobal Issues Core/Basic/Advancedという国際教養科目が置かれ、第二言語として韓国語・スペイン語・フランス語から選択できます。2年次は英語コミュニケーション5単位・論理表現2単位・英会話2単位の計9単位。オーストラリアの姉妹校での約2週間のホームステイに加え、米国やデンマークへの長期留学プログラムもあり、カナダ出身・メキシコ出身の教員によるイマージョン授業が行われています。なお2026年4月には、米国の高校卒業資格取得を含むダブルディプロマ系のネットワーク「PCDグローバルキャンパス・ジャパン」への加盟校にもなっています。
県北には、公立の中高一貫校という選択肢があります。秋田県立大館国際情報学院中学校・高等学校(大館市松木字大上25-1)は2005年に開校した、秋田県北地域で唯一の中高一貫教育校。普通科と国際情報科を置き、国際理解教育と情報教育を軸に、探究活動を通じて地域と国際社会の課題に取り組む設計になっています。公立ですから学費の負担は私立インターとは比較になりません。
そして、秋田県ならではの資源が国際教養大学のEnglish Villageです。中学1年生〜高校3年生を対象に、秋田市のAIUキャンパスで2泊3日を英語だけで過ごす研修プログラムで、2015年の開始から2026年3月時点で112回・延べ3,690名以上が参加しています。辞書を使わずに自分の英語で乗り切り、最終日に英語でプレゼンテーションを行う構成。定員42名、秋田駅発で1人6万円(旅行傷害保険料500円を含む)で、2026年は中学生対象が7月31日〜8月2日、高校生対象が9月21日〜9月23日に設定されています。1名からでも申し込めるので、いきなり進路を変えるのではなく「英語だけの3日間」を試してみたい家庭には現実的な入口になります。
ただし、この3つはいずれも日本の一条校または短期プログラムであり、全教科を英語で学ぶ環境ではありません。目的が「英語で教科を学ぶこと」なのか「国際的な視野に触れること」なのかで、評価はまったく変わります。
比較でわかる、わが家に合う選び方
仙北市の全日制インター、県内の国際コース・英語施設、そしてオンライン国際校。この3つは、どれが優れているかではなく、わが家の制約に合うかで選ぶものです。費用・入学のしやすさ・通学の負担・英語で教科を学べる度合い・対面での体験——この5つの観点で並べると、迷いがかなり減ります。

秋田県の場合、多くの家庭が引っかかるのは3行目——通学の負担です。県内に全日制インターはできた。でもそれは角館にある。秋田市から角館まで在来線で片道1時間20分、能代市や由利本荘市、大館市からならさらに遠い。毎朝の送迎や寮生活を6年、12年と続けられるかを考えたとき、距離が最初の壁になります。費用の全体像をもう少し細かく知りたい方は、インターナショナルスクールの学費の内訳を解説した記事もあわせてどうぞ。授業料以外にかかるお金まで見えると、判断の精度が上がります。
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近隣県のインターナショナルスクール——仙台という通学圏
秋田県から他県の学校を考えるとき、もっとも現実味があるのは宮城県の仙台市です。東北地方でインターナショナルスクールが最も集まっているのが仙台で、たとえば仙台市泉区の東北インターナショナルスクール(TIS)は、キンダーガーテンからグレード12まで(3〜18歳)を英語で一貫して学べる東北唯一の学校。国際バカロレアのPYPとDPの認定校で、米国WASCの認定も受けています。同じ泉区にはホライゾン学園仙台校もあり、こちらは日本の一条校である私立小学校を持ちながら国際バカロレアPYPの枠組みで学べるのが特徴です。詳しくは宮城県のインターナショナルスクールの記事と仙台市のインターナショナルスクールの記事にまとめています。
ただし、距離は正直に見ておく必要があります。JRの在来線だけで秋田駅から仙台駅へ向かうと、乗り換え2回で6時間前後(出典: Yahoo!乗換案内での経路検索)。現実には秋田新幹線と東北新幹線を使うことになりますが、それでも毎日の通学が成り立つ距離ではありません。実際に仙台の学校を選ぶ家庭は、転居するか、寮を利用するか、保護者のどちらかが仙台で暮らす形をとっています。志望校を絞る前に、通学時間だけでなく「その形を何年続けられるか」を家族で一度話し合ってみてください。
通える範囲に見つからないなら——オンラインという選択肢
ここまで読んで、「角館まで通わせるのも寮に入れるのも難しい。仙台はもっと無理。でも英語で学ばせたい気持ちは消えない」と感じた方も多いはずです。そんな家庭のために、私たちNIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は2027年9月開校のオンラインインターナショナルスクールを準備しています。
運営は、日本でオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を運営する株式会社NIJIN。NIJINアカデミーにはすでに1000名以上の子どもたちが在籍しています。NGAが大切にしているのは、脱偏差値——テストの点数で子どもを並べないこと。少人数の対話を中心に、「自分と世界を、好きになる」学びを設計しています。対象はアジア・オセアニアの6〜18歳。住む場所を選ばないので、秋田市でも大館市でも、由利本荘の海沿いでも東成瀬の山あいでも、条件はまったく変わりません。新幹線に乗る必要も、雪道の送迎も要りません。教室までの距離は、県内のどこにいても同じゼロです。日本語の支えを前提に、少しずつ英語に触れられる設計にしているのも、日本の家庭にとって現実的だと考えているからです。学費は対面のインターナショナルスクールの約5分の1を目指しています。
地元の学校に籍を置いたまま、放課後や週末にオンラインで英語で学ぶダブルスクールという形もあります。いきなり学びの中心を移すのが不安なら、こちらから始める家庭も少なくありません。
正直な注意点もお伝えします。NGAはまだ開校前で、実績はこれから積み上げる段階です。そして、校庭で走り回る体験や、同じ教室で肩を並べる感覚は、対面の学校と同じようには提供できません。それでも「近くに無いから、あきらめる」を「通わなくても、続けられる」に変えられる家庭が、秋田県には確かにいるはずだと考えています。
よくある質問
Q. 秋田県内に、小学生から英語で通えるインターナショナルスクールはありますか?
A. 2026年8月に仙北市角館町で開校するKBHインターナショナルスクールジャパン仙北校が、秋田県で初めての全日制インターナショナルスクールです。ケンブリッジの教育システムを採用し、定員は120名。公式のFees Structureでは年間授業料150万円で、秋田県民は30%引き(年105万円相当)とされています。ただし対象学年は公開情報からは確認できず、開校時期も一度延期された経緯があるため、検討される場合は必ず学校へ直接お問い合わせください。秋田市の2施設は午後・放課後のプログラムで、全日制ではありません。
Q. 大館市や横手市、由利本荘市から通えるインターナショナルスクールはありますか?
A. これらの市には、日中を英語で過ごす常設の施設は確認できませんでした。選択肢は、仙北市のKBH仙北校を検討する(寮の利用が前提になる可能性があります)、秋田市の英語施設に週数回通う、県内の国際コースがある学校(大館市の大館国際情報学院、秋田市の聖霊学園高等学校など)を選ぶ、あるいはオンラインを選ぶ、という形になります。県内にこだわりすぎず、まずは「毎週続けられる距離かどうか」から範囲を決めるのがおすすめです。
Q. 英語を増やすと、日本語の力が中途半端になりませんか?
A. よくいただく不安です。秋田県の場合、幼児期に選べるのが週数回・2時間前後のプログラムなので、日本語の土台が崩れる心配はほとんどありません。一方で、KBH仙北校のように学びの中心を英語に移す場合は、日本語をどう担保するかを先に決めておくことが大切です。日本語が不安なご家庭には、姉妹サービス〈ともだちじゃぱん〉(NIJIN運営・子ども向けオンライン日本語)もおすすめです。学校選びの際は、パンフレットの説明ではなく実際の週間時間割を見せてもらいましょう。
「通えるか」ではなく「続けられるか」で選ぶ
秋田県のインターナショナルスクール探しは、去年までとは前提が変わりました。全日制の英語校がゼロだった県に、いま1校目が生まれようとしている。国際教養大学のキャンパス内には英語で過ごせる学童があり、県北には公立の中高一貫の国際情報科があり、仙台には東北随一のインターがある。選択肢は、確かに増えています。それでも多くの家庭が立ち止まるのは、どの道も「毎日その距離を移動し続けられるか」という問いに行き着くからです。
大切なのは、入れる学校を探すことより、お子さんが何年も安心して続けられる学びを選ぶこと。仙北市の全日制インター、県内の国際コースと英語施設、仙台への進学、そしてオンライン——道は一本ではなく、いま4本あります。焦らなくて大丈夫です。まずは今日、気になった学校をひとつ見学予約してみる。それだけでも、選択肢の景色は変わります。
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