「新潟県 インターナショナルスクール」と検索して、途中で手が止まっていませんか。人口約210万人、政令指定都市の新潟市を抱える県なのに、検索結果に並ぶのは英語のプリスクールや英会話スクールばかりで、小学校以上まで英語で学び続けられる学校がどうしても出てこない——。それは、あなたの探し方が悪いからではありません。2026年7月時点で調べたかぎり、新潟県内に小学校段階以上を受け入れる常設の全日制インターナショナルスクールは確認できませんでした。国際バカロレア(IB)の認定校・候補校も、県内にはひとつもありません。ただし、それは「新潟の子どもに国際教育は無理」という意味ではまったく違います。この記事では、県内に実在する英語プリスクール・インターナショナルこども園をエリア別にすべて整理したうえで、2027年に南魚沼で開校予定の公立初のケンブリッジ国際教育プログラム校、上越から24分で行ける長野県の学校、そして通わないという選択肢まで、順に正直にお伝えします。読み終えるころには、「県内で完結させるか、県境をまたぐか、通学そのものを手放すか」の判断軸が手に入るはずです。

新潟県のインターナショナルスクール事情と学費相場
まず前提として、新潟県は国際化と無縁の県ではありません。新潟日報の報道によれば、住民基本台帳に基づく調査で2024年1月1日時点の県内の外国人人口は21,145人となり、初めて2万人を超えて過去最多を記録しました。製造業や農業の現場を支える人材として、新潟市・長岡市・上越市をはじめ県内各地に多国籍な家庭が暮らしています。それでも「英語で教科を学び続けられる学校」の数は、まったく追いついていません。ここが新潟県のインターナショナルスクール事情の核心です。
県内の施設は、はっきり2層に分かれます。ひとつは0〜6歳ごろの幼児を対象に英語で保育・幼児教育を行うプリスクール/インターナショナルこども園の層で、新潟市の中央区・西区・北区と長岡市に、判明分で7施設ほどが集まっています。もうひとつは、小学生以降を対象にした英語のアフタースクールやオルタナティブスクールの層。こちらは学校の代わりというより、地元の小中学校に通いながら英語環境を足す形の施設です。つまり新潟県には、幼児期の入口と、放課後の補完はある。けれども「毎日そこに通って、英語で全教科を学び、卒業していく」全日制のインターナショナルスクールは、県内に見当たらないのが現実です。文部科学省のIB教育推進コンソーシアムが公開する認定校・候補校一覧(令和8年3月31日時点)にも、新潟県の学校は含まれていません(隣の長野県には8校、群馬県には3校あります)。そもそもインターナショナルスクールとは何か、一条校との違いや義務教育の扱いについてはインターナショナルスクールとは?で整理しています。
学費の相場も、この構造を反映しています。県内の英語プリスクールは、週2〜3回のコースで月3万〜5万円台、毎日通う全日型で月5万〜6万円台というのが公開情報から見えるレンジです。年額に直すとおおよそ40万〜100万円ほどですが、3〜5歳は幼児教育・保育の無償化の対象となる施設も多く、条件を満たせば月3万7,000円程度の補助で実質負担が大きく下がるケースがあります。首都圏の大手インターナショナルスクールが年間200万〜300万円という水準であることを考えると、新潟県内の選択肢は「数は限られるが、費用は現実的」と言えます。ただし繰り返しになりますが、その多くは6歳で終わります。
※学費等は2026年7月時点の公開情報です。改定される場合があるため、最新は各施設の公式サイトで必ずご確認ください。

新潟県のインターナショナルスクール・英語プリスクール一覧【エリア別】
ここからは、県内で確認できた施設をエリア別に整理します。無理に「7選」に水増しはしませんし、逆に見つかったものは小さな施設も落としません。いずれも幼児が中心で、小学校以降の受け皿にはならない点だけ、先にご承知おきください。
新潟市中央区エリア(県内でもっとも選択肢が多い)
SMBインターナショナルスクール(Seven Mile Bridge)は、新潟市中央区中大畑町にあるユニークな施設です。ひとつの建物のなかに、未就学児向けのプリスクール(認可外保育)、小中学生向けのアフタースクール、探究型のオルタナティブスクール、児童発達支援までを併設しています。英語環境での探究学習を掲げており、学校に行きづらさを感じている子どもの居場所としての機能も持っているのが特徴です。学費は公開されていないため要問い合わせとなります(公式サイト)。
グローバルツリーインターナショナルスクール 新潟校は、中央区西大畑町の異人池ヒルズにあります。満2歳から未就園児までのプリスクール(火〜金 14:00〜16:00)、満3歳からのアフタースクール園児クラス、小学1年生からのアフタースクール学童、小学5年生以上の語学クラス、そして認定ギフテッド在校生向けのクラスまでを持つ多層構成。校内は英語環境で、外国人講師による英語イマージョン指導を行っています。授業料は公式サイトのPDFで公開されています(公式サイト)。
NSGインターナショナルこども園ふるまちは、中央区古町通二番町にある定員17名の企業主導型保育施設です。外国人スタッフのいる環境で、月ごとのテーマに沿って英語に触れる保育を行っています。第三者データベースの公開情報では3歳児の保育料が月30,000円(従業員枠)/36,000円(地域枠)、英語教材費が年4,000円。少人数の家庭的な雰囲気を求める家庭に向いています(公式サイト)。もうひとつ、中央区南笹口のNES International School 新潟駅南校は、4〜10歳を対象にした英語学童型の施設。英語でのレッスンに加えてプログラミング・工作・英検対策などを日替わりで選べる設計で、小学生になってからも英語に触れ続けたい家庭の受け皿になっています。
新潟市西区・北区エリア
西区青山のCUBBY HOUSE ENGLISH International Preschoolは、2歳半〜6歳を対象にした本格的なプリスクールです。火〜金のなかから週2〜4回を選べ、時間は9:30〜13:30または9:30〜15:00。公式サイトの公開情報では月謝が週2回35,000円・週3回48,500円・週4回60,000円で、別途入会金・施設管理費・教材費がかかります。「英語で生活する環境で土台をつくる」という方針が明確で、通う回数を家庭の事情に合わせて調整できるのは、共働き・専業を問わず使いやすいポイントです(公式サイト)。
北区島見町の新潟医療福祉大学附属インターナショナルこども園は、大学のキャンパス内にある0〜5歳対象の園です。0〜2歳はテーマベース、3〜5歳はプロジェクトベースのカリキュラムで、外国人スタッフによる英語のレッスンが1日2回。大学の教員による保育サポートが入るという、他にはない環境も魅力です。保育料は公開されていないため要問い合わせとなります(公式サイト)。
長岡エリア(中越)
長岡市本町のグローバルツリーインターナショナルスクール 新潟長岡校は、2021年4月に開校した施設で、県内では数少ない全日型のバイリンガル幼児園を持っています。年少〜年長を対象に、最長7:30〜18:30で預かる設計。加えて満2歳からのプリスクール(火〜金 10:00〜13:00)、アフタースクール、長期休暇のシーズンスクールもあります。第三者データベースの公開情報では入会金110,000円、バイリンガル幼児園が月額59,840円で、保育無償化の対象児には月37,000円の補助が出るとされています(金額は変動する可能性があるため要確認)。中越エリアで毎日英語の環境に入れたいなら、まず候補に挙がる施設です(公式サイト)。
上越・下越・魚沼のその他エリア
正直にお伝えします。上越市・三条市・柏崎市・新発田市・燕市・魚沼地域などについては、2026年7月時点で常設のインターナショナルスクールやインターナショナルプリスクールを確認できませんでした。プリスクール検索サイトの掲載数も、新潟市中央区・西区と長岡市を除くとゼロというのが現状です。県土が広く、車社会で、雪の季節がある新潟県では、「隣の市まで通う」こと自体が想像以上の負担になります。だからこそ、次に紹介する県内の高校段階の新しい選択肢と、県外・オンラインという道を早めに知っておくことに価値があります。全国47都道府県のインターナショナルスクール一覧から、他県の状況もあわせて確認できます。
2027年、南魚沼に「公立初のケンブリッジ校」——新潟県内の国際教育に近い選択肢
新潟県の話でいちばん見落とされているのが、ここです。新潟県立国際フロンティア高等学校が、2027年(令和9年)4月に南魚沼市浦佐で開校を予定しています。県立国際情報高等学校の校舎内に設置される全日制・共学の高校で、全国の公立高校としては初となるケンブリッジ国際教育プログラムの導入を目指しています。1年生でIGCSE、2年生からASレベル、3年生でAレベルへと段階的に進み、数学・理科・地理など英語以外の教科を英語で学ぶカリキュラム。募集は2学級80人で、うち40人が学校設定枠、県外からの入学枠も設けられています。入学時の英語力の目安は英検2級・CEFR B1相当が望ましいとされ、寮も男女各1棟が整備される予定です。
費用面も現実的です。地域みらい留学に掲載された学校情報によると、初年度の納入金は合計27万8,550円(授業料・教科書副教材費・学校諸費などを含む目安)。これとは別に海外研修の参加費が約50万円の見込みで、県立寮の寮費は検討中ながら参考事例として月6万4,000円が示されています(いずれも2026年7月時点の公開情報・要確認)。年間200万円以上が当たり前のインターナショナルスクールと比べれば、桁がひとつ違う世界です。新潟県が公開しているQ&A集に最新の詳細がまとまっています。
高校段階では、同じ南魚沼市の新潟県立国際情報高等学校(国際文化科・情報科学科)や、胎内市の開志国際高等学校(学校法人大彦学園・普通科に国際情報コースなどを設置、敷地内に男女寮あり)も、英語や国際理解に力を入れる選択肢です。ただしいずれも日本の高校であり、全教科を英語で学ぶ英語イマージョン型ではありません。「日本の学籍を保ちながら国際性を伸ばす」ことが目的なら十分に現実的ですが、「英語で教科を学ぶ」ことが目的なら、届かない部分が残ることは理解しておきたいところです。
近隣県のインターナショナルスクール(通学圏として考える)
新潟県は8つの県と接していますが、雪と距離を考えると現実的な通学圏はかなり限られます。それでも、エリアによっては意外な近さがあります。
上越・妙高エリアの家庭にとって有力なのが長野県です。上越妙高駅から長野駅までは北陸新幹線でおよそ24分。長野市には0歳児から中学部までを受け入れるInternational School of Nagano(ISN)があり、公式サイトによれば一部キャンパスがIBのPYP認定を受けています。県内の隣町へ車で1時間かけるより、新幹線で長野に出るほうが速い——上越からはそれが起こり得ます。詳しくは長野県のインターナショナルスクールの記事で、校名・学費・エリアまで整理しています。軽井沢には全寮制の高校もあるため、高校段階では住まいを動かさずに選択肢を広げることもできます。
南魚沼・湯沢エリアなら、関東方面が視野に入ります。越後湯沢駅から高崎駅までは上越新幹線で25分前後、東京駅までもおよそ1時間15分。群馬県や埼玉県のインターナショナルスクールが、時間だけを見れば通えない距離ではありません。一方、新潟市から東京駅までは上越新幹線の最速列車でおよそ1時間半。単純な所要時間は「通勤圏」でも、小学生が毎日往復するには体力的にも費用的にも現実的とは言えません。新幹線通学は交通費が年間数十万円規模になりますし、送迎する保護者の時間も同じだけ消えていきます。志望校を絞る前に、必ず「所要時間×6年分」と定期代を電卓で出してみてください。
比較でわかる、わが家に合う選び方
県内の英語プリスクール、県外(長野・関東)の学校、オンライン国際校。この3つは「どれが優れているか」ではなく「わが家の制約に合うか」で選ぶものです。費用・入学のしやすさ・通学の負担・対面での体験・小学校以降も続けられるか——この5つで並べると、判断がぐっとしやすくなります。

新潟県の場合、いちばん引っかかるのは最後の行です。県内の施設は幼児期を手厚く支えてくれますが、小学校に上がる年に必ず一度、選び直しが来ます。逆に県外通学は続けられる代わりに、費用と通学負担が跳ね上がる。費用の全体像をもう少し細かく知りたい方は、インターナショナルスクールの学費の内訳を解説した記事もあわせてどうぞ。授業料以外にかかるお金まで見えると、判断の精度が上がります。地元の学校に籍を置いたまま英語で学ぶ時間を足すダブルスクールという形も、新潟のように選択肢が限られる地域では現実的です。
オンラインでの学びのしくみを見る →

通える範囲に見つからないなら——オンラインという選択肢
ここまで読んで、「県内には小学校以降の学校がない。でも長野や東京まで毎日通わせるのは無理だ」と感じた方もいるはずです。そんな家庭のために、私たちNIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は2027年9月開校のオンライン・インターナショナルスクールを準備しています。
運営は、日本でオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を運営する株式会社NIJIN。NIJINアカデミーにはすでに1000名以上の子どもたちが在籍しています。NGAが大切にしているのは、脱偏差値——テストの点数で子どもを並べないこと。少人数の対話を中心に、「自分と世界を、好きになる」学びを設計しています。対象はアジア・オセアニアの6〜18歳。住む場所を選ばないので、新潟市でも長岡でも上越でも佐渡でも、条件はまったく変わりません。冬の朝、雪で電車が止まっても学びが止まらないというのは、新潟の家庭にとって小さくない意味を持つはずです。日本語の支えを前提に、少しずつ英語に触れられる設計にしているのも、日本の家庭にとって現実的だと考えているからです。学費は対面のインターナショナルスクールの約5分の1を目指しています。
正直な注意点もお伝えします。NGAはまだ開校前で、実績はこれから積み上げる段階です。そして、校庭で走り回る体験や、同じ教室で肩を並べる感覚は、対面の学校と同じようには提供できません。それでも「近くに無いから、あきらめる」を「通わなくても、続けられる」に変えられる家庭が、新潟県には確かにいるはずだと考えています。
よくある質問
Q. 新潟県内のどこからでも通えますか?
A. 残念ながら、均等には通えません。確認できた施設は新潟市の中央区・西区・北区と長岡市に集中しており、上越市・三条市・柏崎市・新発田市・魚沼地域などからは、県内であっても片道1時間前後かかるケースが一般的です。加えて新潟県は冬に積雪があり、12月〜3月の送迎負担は他県より重くなります。まずは実際の通学経路と冬の所要時間を調べ、「毎朝この時間を何年続けられるか」を家族で確認することをおすすめします。
Q. 長野や関東の学校に新潟から通う家庭はいますか?
A. エリア次第では現実的です。上越妙高駅から長野駅までは北陸新幹線で約24分、越後湯沢駅から高崎駅までは上越新幹線で25分前後と、県境をまたいだほうが速い地域があります。ただしスクールバスの運行範囲は学校ごとに大きく違い、新幹線を使う場合は定期代が年単位で大きな額になります。志望校を絞る前に、必ずバスルートと定期代の両方を確認してください。高校段階なら、寮のある学校を選んで住まいごと動かすという手もあります。
Q. 日本語のサポートはどうなりますか?
A. 施設によります。新潟県内のプリスクールは日本人スタッフと外国人講師が併走する形が多く、日本語が失われる心配は比較的小さいのが実情です。一方で英語の比率を高めるほど、日本語の読み書きをどこで担保するかという課題は出てきます。日本語が不安なご家庭には、姉妹サービス〈ともだちじゃぱん〉(NIJIN運営・子ども向けオンライン日本語)もおすすめです。見学の際は「日本語をどう担保するか」を必ず質問リストに入れ、パンフレットの説明ではなく実際の週間スケジュールを見せてもらいましょう。
「通えるか」ではなく「続けられるか」で選ぶ
新潟県のインターナショナルスクール探しは、簡単ではありません。全日制のインターは県内に確認できず、IB認定校もゼロ。幼児期の施設は7つあっても、多くは6歳で道が途切れます。でも、それは「あなたのお子さんに国際教育は無理」という意味ではまったくありません。県内のプリスクールで土台をつくる、2027年開校の県立国際フロンティア高校を高校段階の目標に置く、長野や関東の学校へ県境をまたぐ、そしてオンラインで通学そのものを手放す——道は一本ではなく、いま4本あります。
大切なのは、入れる学校を探すことより、お子さんが何年も安心して続けられる学びを選ぶことです。焦らなくて大丈夫です。まずは今日、気になる施設をひとつ調べて、見学の日程を聞いてみる。それだけでも、選択肢の景色は変わります。
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