「プリスクール卒園後も、この子の英語を続けるにはどうすればいいんだろう」——毎日英語のシャワーの中で育ってきたお子さんが、4月から日本の小学校へ。その入学準備のかたわらで、この不安がずっと消えない。結論から正直にお伝えします。英語は、使わなければ確実に薄れます。言語学でいう言語の消失(language attrition)で、とくに子どもは大人より失いやすい。でも裏を返せば、卒園後も「英語を使う時間」を意図的に確保できれば守れるということ。この記事では、公立小学校の英語の授業時数を一次情報で確認したうえで、卒園後の進路5選——英語学童、オンライン英会話、英語イマージョンの私立小、対面インター編入、オンラインのインター併用——を費用と「英語時間」の両面から正直に比較します。

プリスクール卒園後に英語が抜けていく——その理由を数字で見る
まず、なぜ「抜ける」のか。理由は根性でも才能でもなく、単純な接触時間の落差です。言語の消失(language attrition)は、その言語との接触と使用が減ることで進みます。研究の整理でも子どもは大人よりも言語を失いやすいとされ、幼少期に身につけた言語ほど環境の変化に左右されます(出典:Language attrition/Wikipedia、Journal of Child Language等の研究整理)。帰国子女の英語保持が長年の課題であり続けてきたのも、同じ構造です。
では、卒園前後で英語時間はどれくらい変わるのか。プリスクール在籍中は1日4時間以上・週5日、週にしておよそ20時間を英語で過ごしていたご家庭が珍しくありません(出典:アプリル英語プリスクール)。年間45週で換算すれば年に約900時間です。
一方、日本の公立小学校での英語はどうでしょうか。文部科学省の学習指導要領では、第3・4学年の外国語活動が年間35単位時間、第5・6学年の外国語科が年間70単位時間と定められています(出典:文部科学省 小学校学習指導要領/学校教育法施行規則 別表第一)。1単位時間は45分ですから、時間に直すと3・4年生で年に約26時間、5・6年生でも年に約53時間。しかも1・2年生には英語の授業そのものがありません。プリスクール時代の約900時間とは、桁がひとつ違います。
この落差を放っておくと、最初に消えるのはスピーキングです。話す機会が数か月なくなるだけで口から英語が出てこなくなる子は多い、と現場でも報告されています。だからこそ卒園後に必要なのは「英語の習い事をひとつ入れる」ことではなく、週にどれだけ英語を使う時間を確保できるかという設計。目安として、アフタースクール等で維持を狙うなら1日2時間以上・週3回以上は必要という見方もあります(出典:アプリル英語プリスクール)。

プリスクール卒園後も英語を続ける進路5選——費用と「英語時間」で正直に比較する
ここからは、多くのご家庭が検討する5つの進路を、良いところも制約も公平に見ていきます。正解・不正解の話ではなく、ご家庭の生活リズム・予算・お子さんの性格に合うかがすべてです。※費用・制度は2026年7月時点の公開情報です。最新は各公式でご確認ください。
①英語学童・アフタースクール——放課後をオールイングリッシュで過ごす民間学童です。預かりは18時〜20時30分ごろまでと長く、週2〜5日から選べる施設が多いのが特長。費用は月あたり約3万〜7万円(2026年7月時点・最新は要確認)に加え、入会金が約1.5万〜3万円、おやつ代や送迎代が別途かかるのが一般的です(出典:kids-passport、ウィズダムアカデミー等の公開情報)。共働きのご家庭には、預かりと英語環境が同時に手に入る心強い選択肢です。ただし内容の中心は英語で「過ごす」ことで、算数や理科を英語で考える英語で「教科を学ぶ」段階まで設計された施設は多くありません。違いは放課後だけのインターと英語学童の比較記事で整理しています。
②オンライン英会話——費用の手軽さは圧倒的です。毎日25分のプランで月額約6,980〜7,980円、回数制や平日限定なら月額約4,840円〜から始められます(出典:Kimini英会話「オンライン英会話 料金比較」2026年版、価格.com)。卒園後すぐに「話す機会がゼロになる」事態を防ぐ意味では確かな価値があります。ただし週1回なら週25分。プリスクール時代の週20時間とは比較になりません。多くのレッスンは英語そのものを目的にした練習で、英語を道具として使ってきた子には物足りなさが出やすい。この論点はオンライン英会話が物足りない理由の記事で掘り下げています。
③英語イマージョンの私立小学校——日中の学校生活に英語が組み込まれるため時間量の面ではもっとも確実で、一条校であれば就学義務も進学ルートも通常どおりです。費用は学校差がありますが、文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」では私立小学校の学習費総額は年間およそ183万円(6年間で約1,097万円)。制約は通学圏に該当校があるかと編入枠・受験の壁で、全国どこでも選べる進路ではありません。
④対面インターナショナルスクールへの編入——英語で教科を学ぶ環境としては本命ですが、重い論点が二つ。ひとつは費用で、国内主要校の通学制の学費は年間 約200万〜345万円(2026年7月時点・最新は要確認)が目安(出典:エグシス「国内トップ14校インターナショナルスクールの学費まとめ 2025–26年度版」)。もうひとつが制度で、一条校でないインターに日本国籍の子を就学させても就学義務を履行したことにはならないとされています(出典:文部科学省)。プリスクールからの流れで自然に見える進路だからこそ、冷静に確認したい点です。
⑤オンラインのインターナショナルスクールを併用する(ダブルスクール)——日本の小学校に籍を置いたまま、放課後や週末にオンラインでインターの授業を受ける形です。次の章で詳しくご説明します。
なお、進路を選ぶときにもうひとつ見ておきたいのが日本語の育ちです。プリスクール育ちの子は小学校で国語の語彙や読み書きにつまずかないか、と心配されるご家庭も少なくありません。英語と日本語は取り合いではなく、両方を支える設計が理想です。日本語が不安なご家庭には、日本語を「友達との対話」で学べる姉妹サービス〈ともだちじゃぱん〉もおすすめです。
第三の答え——日本の小学校に通いながら「英語で教科を学ぶ」を続ける
多くのご家庭が行き着くのは「英語の量は欲しい。でも日本の学校は辞めたくないし、年200万〜345万円は出せない」という場所ではないでしょうか。その真ん中を埋めるのが、日本の学校に在籍したまま、オンラインのインターナショナルスクールを併用する「ダブルスクール」という第三の道です。全体像はダブルスクールのご案内ページにまとめています。
私たちNIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は、この併用を前提に2027年9月の開校を予定するオンラインインターナショナルスクール一覧です。運営は、日本のオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」に900名以上が学ぶ株式会社NIJIN。プリスクール卒園後のご家庭に意味があるのは、次の4点です。
(1)就学義務はそのままクリア——日本の小学校に在籍し通い続けるので、就学義務も進学ルートも通常どおり。編入型で生じる制度上の不安がそもそも起きません。(2)費用は対面インターの約1/5をめざす設計——校舎の固定費を持たないぶん総額を抑えられます(具体額は開校情報でご案内します)。(3)英会話ではなく「英語で教科を学ぶ」本物のインター——プリスクールで慣れ親しんだ「英語を道具として使う」感覚を、そのまま小学校段階へつなげられます。(4)脱偏差値——順位をつけず、少人数の対話で「自分と世界を、好きになる」を育てます。
正直にお伝えすべきことも書きます。NGAは日本の学校の代わりにはなりません。在籍は日本の学校に残す併用型で、日本の学校の良さ(基礎学力・生活習慣・地域の友だち)に世界を足す加算の設計です。対面の校庭や施設、毎日顔を合わせる友だちは対面校にかないません。「バイリンガルは簡単・すぐ」でもなく、プリスクールの土台があっても英語で教科を理解し続けられるようになるには年数がかかります。開校前で実績はこれからですが、脱偏差値の対話型教育はNIJINアカデミーで積み重ねてきたものです。小学生向けの選び方はオンラインインターナショナルスクール小学生向け徹底比較もご覧ください。


卒園後の3か月が分かれ道——今日から始める3ステップ
英語が落ちるかどうかは、多くの場合卒園から最初の数か月で決まります。話す機会が完全に途切れる期間をつくらない。それだけで、その後の負担が驚くほど変わります。生活を大きく変える必要はありません。
通い方は3タイプ。平日の夕方に週数コマ入れる放課後型、土日にまとめる週末型、夏休みなどにぐっと伸ばす長期休み型。低学年は下校が早いので放課後型が組みやすく、習い事が増えたら週末型に切り替えるご家庭もあります。大切なのは「量」を一度に戻そうとしないこと。週1〜2コマから始め、お子さんの表情を見ながら増やすのが失敗しないやり方です。

よくある質問
Q. 公立小学校に進んでも、プリスクールの英語は守れますか?
A. 守れます。ただし「学校の授業だけで守る」のは現実的ではありません。公立小の英語は第3・4学年で年35単位時間、第5・6学年で年70単位時間、1・2学年には授業がないためです(出典:文部科学省 学習指導要領)。学校の外に英語を使う時間を意図的に置くことを前提に、週にどれだけ英語で考え・話せるかを軸に進路を選んでみてください。
Q. オンラインのインターを併用しても、就学義務や進学は大丈夫ですか?
A. 大丈夫です。NGAの併用は日本の小学校に在籍し通い続ける形が前提。日本の学校に通っている以上、就学義務は通常どおり履行され、公立中学等への進学ルートもそのままです。ここが、一条校でない対面インターへフルタイムで編入する場合との決定的な違いです(詳細はダブルスクールのご案内ページ)。
Q. 費用はどれくらい違いますか?兄弟がいると続けられるか不安です。
A. 目安は、対面インターが通学制で年間 約200万〜345万円、私立小学校が学習費総額で年間およそ183万円、英語学童が月約3万〜7万円、オンライン英会話が月約5,000〜8,000円(いずれも2026年7月時点・最新は要確認)。NGAは対面インターの約1/5を目指す設計です(具体額は開校情報でご案内します)。ご兄弟がいるご家庭ほど、この差は効いてきます。
あの2年間を、無駄にしなくていい
プリスクールの日々は、英単語の数では測れないものをお子さんに残しています。自分から話しかけてみる勇気。違う文化の友だちを面白がる感覚。英語で世界とつながれるという実感。卒園証書と一緒に返してしまうには惜しすぎるものです。焦って大きな決断をする必要はありません。まずは英語の空白期間をつくらないこと。そして「英語で何かを考えるのって楽しい」と思える場所を、日本の学校の隣にそっと置いてあげること。それだけで、あの日々は続いていきます。NGAの併用の全体像はダブルスクールのLPでご確認いただけます。
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