「英検も気になるし、小学生のうちに英語の4技能(聞く・読む・話す・書く)を伸ばすには何をさせればいいの?」——そう検索したあなたへ、結論から先にお伝えします。4技能がいちばん動くのは、英語そのものを練習する時間を増やしたときではなく、算数や理科など「教科の中身」を英語で考える時間ができたときです。オンライン英会話も英検も、どちらもとても良いものです。ただそれだけだと「話す・聞く」に偏りやすく、「読む・書く・考える」が置き去りになりがち。この記事では文部科学省と日本英語検定協会の一次情報で現在地を数字にし、「英語で教科を学ぶ」という近道を、学術的な裏づけ(CLIL・イマージョン教育)とともにご案内します。日本の学校は辞めなくて大丈夫です。

小学生の英語4技能を伸ばすとき、多くのご家庭がぶつかる3つの壁
まず、感覚ではなく数字で現在地を確かめましょう。
壁1:学校で英語に使える時間は、思っているより短い。標準授業時数によれば、小学校の外国語活動は第3・4学年で各35単位時間、教科としての外国語は第5・6学年で各70単位時間。小学校の1単位時間は45分です(出典:文部科学省「標準授業時数について」)。小学校4年間で210単位時間=約158時間にすぎません。中学校の外国語(各学年140単位時間・1単位時間50分)を足しても、義務教育9年間で合計およそ500時間台です。母語を身につけるために子どもが浴びてきた時間と比べれば、決して多くはありません。
壁2:小学生の「4技能」は、まだ全部そろっていない。学習指導要領では、外国語の目標は「聞くこと」「読むこと」「話すこと[やり取り]」「話すこと[発表]」「書くこと」の五つの領域で設定されています。ただし中学年の外国語活動で扱うのは「聞くこと」「話すこと[やり取り]」「話すこと[発表]」の三つの領域で、「読むこと」「書くこと」が加わるのは高学年からです(出典:文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語活動・外国語編」)。制度上、小学生の前半は音声中心。読む・書くを含めた4技能を伸ばしたいなら、学校の外に「読んで・書いて・考える英語」の場が要ります。
壁3:英検の級は良い道しるべだが、到達はやさしくない。日本英語検定協会の「各級の目安」では5級は中学初級程度、4級は中学中級程度、3級は中学卒業程度とされ、3級以上は一次試験でリーディング・ライティング・リスニング、二次試験で面接形式のスピーキングを行います(出典:公益財団法人 日本英語検定協会「各級の目安」)。文部科学省の調査では、CEFR A1レベル(英検3級相当)以上の英語力を持つ中学3年生は54.6%。国の目標は6割以上で、まだ道半ばです(出典:文部科学省「令和7年度『英語教育実施状況調査』の結果について」)。英検3級=中学卒業程度=CEFRのA1、国際指標でいえばまだ入門段階です。級は分かりやすい励みで、否定したいのではありません。ただ「級を取ること」だけを目的にすると、その先のA2・B1へ進む力=英語で中身を考える力が育ちにくい構造があるのです。

オンライン英会話も英語学童も良い。それでも「あと一歩」になる理由
まず、オンライン英会話は素晴らしい選択肢です。自宅から毎日でも外国人講師と話せ、「話す・聞く」の実戦回数を大きく増やせます。英語学童も、放課後の居場所と英語のシャワーを同時に得られる価値は本物です。ここを削る話ではなく、足す話をしたいのです。
では、何が「あと一歩」なのか。鍵は、文部科学省の研修用資料が示す2種類の言語能力にあります。日常生活のことば=生活言語能力は習得におよそ2年、授業のことば=学習言語能力は習得に5〜10年かかるとされています(出典:文部科学省「外国人児童生徒等教育の考え方」)。挨拶や好きな食べ物のやり取りがスムーズになっても、教科の内容を英語で理解し、根拠を挙げて説明する力は別物。会話練習だけでは自動的にそこへ届きません。
英検の設計も同じです。英検CSEスコアは国際標準のCEFRに対応していますが、4級・5級はCEFR算出範囲外で、ライティングを含む4技能のスコアが表示されるのは3級以上です(出典:日本英語検定協会「英検CSEスコアとは」)。4技能が本当に測られはじめるのは「読んで、書いて、まとまった意見を述べる」段階から。会話だけを積んでいると、この手前で足踏みしやすくなります。詳しくはオンライン英会話だけでは足りない理由と英語学童の限界でも解説しています。
では対面のインターナショナルスクールならどうか。教科を英語で学べる本物の環境です。ただインターナショナルスクールとは何かを整理すると分かるように、多くは一条校ではなくフルタイム通学が前提で、就学義務や進学ルート、そして費用という重い前提がついてきます。公的な支援がどこまで使えるかはインターナショナルスクールの無償化・補助制度で確認できます。※費用・制度は2026年8月時点の公開情報です。最新は各公式でご確認ください。
第三の答え——「英語で教科を学ぶ」が4技能にいちばん効く
ここで、教育研究の蓄積が助けになります。ひとつはCLIL(内容言語統合型学習)。教科の内容(Content)、言語(Communication)、思考(Cognition)、協学・文化(Community/Culture)という4つのCを統合して設計する学び方で、日本でも研究と実践が進んでいます(参考:菅谷美玖「CLILの4つのCの統合度を示すフレームワークの作成」)。小学校での実践研究も蓄積され、CLIL活動を経験した児童から「自律的な英語学習」「情報収集・課題解決の力」「外国の人との関係」という意識が抽出されたと報告されています(足立リエほか「小学校でのCLIL活動実践とその効果」2020年)。
もうひとつがイマージョン教育。外国語そのものを教える時間ではなく、教科を外国語で教えることで、言語学習と教科知識を統合するモデルです(参考:強海燕ほか「中国の小学校における英語イマージョン教育プログラムの構築と実践」2019年)。どちらも行き着く先は同じです。「英語を学ぶ」から「英語で学ぶ」へ切り替えると、4技能が同時に動きはじめる。理科の実験結果を英語で読み、友だちと英語でやり取りし、自分の考えを英語で書いて発表する——そのとき読む・聞く・話す・書くは、ひとつの活動の中で連動します。中身に必然性があるので、子どもは「練習させられている」と感じません。
この「英語で教科」を日本の学校を辞めずに足す方法が、いま現実的に選べます。それがダブルスクール(日本の学校+オンラインのインター併用)です。私たちNIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は、この併用を前提に2027年9月開校を予定するオンライン・インターナショナルスクールです。運営は、オルタナティブスクール「NIJINアカデミー」に900名以上が学ぶ株式会社NIJIN。特徴は4つ。(1)就学義務はそのまま——日本の学校に在籍し続けるので進学ルートは変わりません。(2)費用は対面インターの約5分の1を目指す設計。(3)英会話ではなく「英語で教科を学ぶ」本物のインター。(4)脱偏差値——順位をつけず、少人数の対話で「自分と世界を、好きになる」を育てます。正直にお伝えします。NGAは日本の学校の代わりではなく、良さに世界を足す併用型です。バイリンガルは「簡単・すぐ」でもありません。学習言語の習得に5〜10年という通り、英語で教科を理解できるまでには年数が要ります。だからこそ日本語の支えを前提に、6〜18歳の子が少しずつ英語へ移れる設計です。開校前で実績はこれからですが、脱偏差値の対話型教育はNIJINアカデミーで積み重ねてきました。


「英語で教科」の始め方——今日からできる進め方
生活を大きく変える必要はありません。いまの学習を捨てず順番を組み替えるだけです。まず今のオンライン英会話や英検の学習はそのまま続けて構いません。話す量と語彙は資産です。そのうえで週1〜2コマ「英語で教科を学ぶ時間」を差し込みます。理科・算数など、日本語ですでに興味を持つ分野から選ぶのがコツ。中身を知っているほど英語の負荷が下がり、「分かった」が先に来ます。最後に、伸びを級ではなく行動で見るように変えます。英語で質問できた、3文書けた、知らない語を推測できた——その積み重ねが、結果として級やCEFRにも表れます。

よくある質問
Q. 英検の勉強はやめたほうがいいのでしょうか?
A. やめる必要はありません。英検は4技能のバランスを重視して設計された試験で、道しるべとして優秀です。お伝えしたいのは順番のこと。級の対策だけを積むより、英語で中身を考える時間を並行して持つほうが、3級・準2級から先へ進みやすくなります。NGAは級や偏差値を主な評価軸にしていませんが、挑戦したいお子さんを止めることもありません。
Q. 英語がほとんどゼロの小学生でも、英語で教科を学べますか?
A. 大丈夫です。NGAは日本語の支えを前提に、少しずつ英語の比率を上げる設計です。ただし正直に言えば、教科の内容を英語で理解できるまでには年数がかかります。文部科学省の資料でも、授業のことばの習得には5〜10年とされています。得意な教科から始め、分かる喜びを重ねることがいちばんの近道です。
Q. 日本の学校との両立で、子どもの負担が大きくなりませんか?
A. NGAは日本の学校に在籍したまま使う併用型なので、就学義務や進学ルートはそのままです。始めるときは週1〜2コマから。習い事をひとつ増やすくらいの分量から調整できます。費用も対面インターの約5分の1を目指す設計で、家計を大きく組み替えずに続けやすいことを大事にしています。
「英語ができる子」より、「英語で考えたことがある子」へ
4技能という言葉は、ときに親を焦らせます。均等に伸ばさなければと思うほど教材が増えていく。でも、お子さんの中で本当に何かが動くのは、英語がテストの科目ではなくなった瞬間です。英語で読んだ話に驚いた、英語で伝えたら友だちが笑った——そのとき技能は後からついてきます。日本の学校で育っているものを手放す必要はありません。そこに世界と考える時間を少しだけ足す。それだけで、お子さんの英語は「勉強」から「自分の言葉」に変わっていきます。始めるのは、週1コマからで構いません。
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