「教育移住の費用は、結局いくらかかるの?」——先に結論をお伝えします。海外への教育移住は、学費だけを見ると年間80万〜400万円ですが、住居・ビザ・渡航・生活費・保険・一時帰国まで足すと年間およそ280万〜930万円、5年間なら初期費用も含めて総額1,400万〜4,650万円が目安です(出典:グローバルエデュ「教育移住ガイド2026」)。つまり学費は総額の3〜4割にすぎません。この記事では国・都市別の費用を出典付きで並べたうえで、費用を抑えるコツと、住む場所を変えずに国際教育を始める第三の選択肢までお伝えします。あなたとお子さんが、数字を見たうえで納得して選べるように。
この記事でわかること
- 教育移住の費用「6つの費目」と年間総額・5年総額の目安
- 国・都市別の学費と暮らしの費用(マレーシア/タイ/シンガポール/ドバイ/NZ/豪/カナダ/フィリピン/国内)
- 費用を抑える現実的なコツと、見落としやすい帰国後のコスト
- 移住しなくても国際教育を始められる第三の道

教育移住の費用は「学費」だけでは見えない
教育移住の費用を調べ始めると、多くのご家庭がまず学校の学費表にたどり着きます。そして「思ったより手が届くかも」と感じる。ここが最初の落とし穴です。実際に家計を動かすのは、学費と同じかそれ以上の大きさを持つ住居費・生活費・ビザ・渡航費、そして帰国後の費用だからです。
公開情報を整理すると、海外教育移住の年間費用は学費80万〜400万円/生活費150万〜400万円/医療保険20万〜50万円/一時帰国費30万〜80万円で、合計およそ年間280万〜930万円(2026年7月時点・最新は要確認)。ここに初期費用200万〜500万円が加わり、5年間で総額1,400万〜4,650万円という試算になります(出典:グローバルエデュ「教育移住ガイド2026」)。学費の占める割合は、およそ3〜4割です。
さらに為替。同じ学費でも円安が進めば円建ての支出は自動的に増え、年間の支出が50万〜150万円ぶれることもあります。だからこそ、教育移住の費用は「今年の学費」ではなく「5年分の総額」で見る必要があります。

教育移住の費用を6つに分解する
見積もりの精度を上げる一番の近道は、費目を分けることです。
1. 学費:授業料のほかに入学金・施設費(キャンパス開発費)・スクールバス代・制服代・教材費がかかります。目安は授業料+2〜3割。マレーシアでは2025年7月以降、年間授業料がRM60,000を超える私立教育機関に6%のサービス税(SST)が加わりました(出典:ジェトロ ビジネス短信)。
2. 住居費:家族向け住宅の家賃は都市差がもっとも大きい費目です。
3. ビザ費用:マレーシアの学生ビザ(Student Pass)は初年度のEMGS・入管手数料でおよそRM2,450〜4,200、2年目以降の更新は年RM700前後が目安(出典:MY留学、マレーシア入国管理局)。ドバイでは家族分のビザ関連費が年50万〜100万円という試算もあります(出典:ドバイ総合研究所)。
4. 渡航・初期費用:引っ越し・敷金・家具家電・車の購入まで含め、先進国で50万〜100万円、物価の低い国で20万〜30万円が一つの目安。一時帰国は年30万〜80万円。
5. 生活費:食費・光熱費・交通・医療・習い事。車社会の国では自動車の維持費が想定外に効きます。
6. 帰国後の費用:帰国生入試や編入のための塾・家庭教師、日本語の学び直し、再度の引っ越し。ここを予算に入れていないご家庭が驚くほど多い費目です。
※費用・制度は2026年7月時点の公開情報です。最新は各公式でご確認ください。
国・都市別に見る、教育移住の費用の目安
代表的な移住先を、学費と暮らしの費用で並べます。学年・エリア・為替で大きく動くため、あくまで出発点としてお使いください。
| 移住先 | 年間学費の目安(円換算) | 住居・暮らしの目安 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 日本国内(移住せず対面インター) | 約200万〜345万円(国内主要校の授業料) | 住まいは現状のまま。通学・バス代が加算 | エグシス |
| マレーシア/クアラルンプール | 約34万〜449万円(中央値 約88万円) | ファミリー向けコンドがRM6,000〜10,000/月。学費+生活費で年600万〜1,000万円という声も | Go for it(110校調査)/暮らすアジア |
| マレーシア/ジョホールバル | 12校比較でKLより低価格帯の学校が多い | 家賃はエリアによりRM2,000〜8,000/月。シンガポールの約3分の1 | Go for it/OSB EDUCATION |
| タイ/バンコク | 約90万〜540万円(20万〜120万バーツ) | 家族の年間総コストは約350万〜850万円が目安 | 各校公開情報/暮らすアジア |
| タイ/チェンマイ | バイリンガル校で年59,000バーツ(約27万円)程度の学校も | バンコクより生活コストを抑えやすい | タイ北部チェンマイ情報ステーション |
| シンガポール | 約170万〜650万円(SGD 15,000〜55,000超) | 住居費が高く、総額はアジアで最上位クラス | 各校公開情報 |
| UAE/ドバイ | 中心帯 約140万〜400万円(インド系は約28万円〜) | 3LDK家賃が年250万〜400万円。4人家族の年間総額は約900万〜1,400万円 | 各校公開情報/ドバイ総合研究所 |
| ニュージーランド | 中高留学は学費・滞在費込みで年320万〜430万円 | 学校以外の費用だけで年50万〜100万円 | クオリティーニュージーランド/成功する留学 |
| オーストラリア | 学費 約150万〜550万円 | 親子2人の1年間で約1,000万円が一つの目安 | ラララオーストラリア |
| カナダ | 教育費だけで年100万〜300万円 | 住居費が高め。都市差が大きい | 留学村 |
| フィリピン/セブ | 現地私立校で年15万〜20万円程度から | 4人家族の生活費 月20万円前後。短期の親子留学は1か月30万〜48万円 | 留学村/セブ島留学センター |
| 国内移住(沖縄・地方) | 公立なら授業料の負担は小さい | 家族の初期費用100万〜200万円、月々の生活費30万円〜 | リゾートバイト.com ほか |
※円換算は1リンギット=38円、1バーツ=約4.5円、1SGD=約115円、1AED=約40円で計算した参考値です(2026年7月時点)。学校別の内訳はインター学費データベース、マレーシアの詳細はマレーシア教育移住の解説をご覧ください。
費用を抑える手はある。ただし「安さ」で選ぶと別のコストが来る
実際に費用を下げる方法はあります。学費の安い都市(ジョホールバル、チェンマイ、セブなど)を選ぶ、郊外に住む、日本人学校や現地私立校を併用する、車を持たない生活圏を選ぶ——どれも有効です。国内移住なら学費そのものが大きく下がります。
一方で、費用を最優先にすると別のコストが返ってきます。ひとつは親の収入。マレーシアの保護者ビザは子どもの学生ビザに紐づき、原則として就労できません。帯同する親の収入が止まれば、学費を100万円下げても家計はむしろ厳しくなります。もうひとつはやり直しのコスト。学校が合わず転校すれば、入学金・施設費はほぼ戻りません。そして帰国後。帰国生入試の要件は大学ごとに異なり、逆カルチャーショックへの適応にも時間がかかります。移住の全体像は教育移住の全体ガイドで詳しく整理しています。
大切なのは、これらが「移住が悪い」という話ではないことです。現地の空気の中で育つ経験には、数字に置き換えられない価値があります。ただ、費用は目的を叶える手段の一つ。目的が「子どもに国際的な学びを届けること」なら、支出の形はもっと選べます。
第三の選択肢:移住しなくても、国際教育は始められる
ここで一度、目的に立ち返ってみてください。年間数百万円を動かさなくても、オンラインの国際教育という道があります。
私たちNIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は、2027年9月開校予定のオンライン・インターナショナルスクールです。日本の学校に籍を残したまま、放課後や週末に世界とつながる学びを「足す」ダブルスクールという形。在籍は日本の学校のままなので就学義務はそこでクリアでき、進学ルートも変えずに始められます。住居費・ビザ・渡航費・一時帰国費はゼロ。親の仕事も続けられます。学費は対面インターの約5分の1を目指しています(開校前のため具体額は非公開です)。
学ぶ内容は「英会話」ではなく、英語で教科を学ぶ本物のインター型です。順位や偏差値で競わせず、少人数の対話を通じて「自分と世界を、好きになる」ことを目指します。運営は日本の株式会社NIJIN。オルタナティブスクール「NIJINアカデミー」には900名以上が在籍しています(NGAは開校前のため、実績はこれからです)。
そして、これは移住を否定するものではありません。実際に移住するご家庭にとっても、オンラインなら引っ越しても、帰国しても学びが途切れないという安心につながります。


見落とされがちな「日本語のコスト」
費用の話に必ず加えてほしいのが、日本語です。英語環境に深く入るほど、日本語の読み書きや日本の歴史・文化に触れる学びは手薄になります。日常会話の日本語と、教科を学ぶための日本語(学習言語)は別物で、後者は意識的に育てないと伸びません。補習授業校や家庭教師の費用、帰国後の学び直しにかかる時間まで含めて、はじめて本当の教育移住コストです。日本語が不安なご家庭には、日本語を「友達との対話」で学べる姉妹サービス〈ともだちじゃぱん〉もおすすめです(NIJIN運営・子ども向けオンライン日本語)。
費用で後悔しないための3ステップ
移住する場合も、しない場合も、順番は同じです。学校選びからではなく、総額の見える化から始めてください。

ステップ1は5年分の総額を書き出すこと。学費・住居・ビザ・渡航・生活費・保険・一時帰国・帰国後まで、6つの費目をすべて1枚に。ステップ2は為替が動いても耐えられるかを確認すること。1リンギット=45円、1SGD=130円といった円安シナリオで再計算し、帯同する親の収入が止まる前提でも回るかを見ます。ステップ3は小さく試すこと。短期の親子留学や現地の下見、オンラインの国際教育など、引っ越さずに試せる方法から始めると、判断の精度がぐんと上がります。
よくある質問
Q. 教育移住は結局、年間いくら見ておけばいいですか?
A. 海外なら年間およそ280万〜930万円(2026年7月時点・最新は要確認)が一つの目安です。学費80万〜400万円、生活費150万〜400万円、医療保険20万〜50万円、一時帰国費30万〜80万円という内訳。5年間では初期費用200万〜500万円を含めて総額1,400万〜4,650万円という試算もあります(出典:グローバルエデュ)。都市と学校の価格帯で幅が大きいため、必ずご自身の候補校で置き換えてください。
Q. いちばん費用を抑えられる移住先はどこですか?
A. 学費だけで見ればフィリピンの現地私立校(年15万〜20万円程度から)やタイのチェンマイ、マレーシアのジョホールバルが低価格帯です。ただし親のビザと収入、医療環境、日本語の維持、帰国後の進路まで含めた総額で比べると順位は変わります。学費の安さと、家族全体のコストは別物とお考えください。
Q. 移住せずに国際教育を受けさせると、費用はどう変わりますか?
A. 住居費・ビザ・渡航費・一時帰国費がまるごと不要になり、親の収入も止まりません。国内の対面インターは授業料だけで年約200万〜345万円(出典:エグシス)ですが、NGAのようなオンライン併用型は対面インターの約1/5を目指しています(開校前のため具体額は非公開)。日本の学校に籍を残すため、就学義務もクリアしたまま始められます。
数字を出し切ったあとに、残るもの
ここまで正直な金額を並べてきました。それでも私たちは、教育移住を止めたいわけではありません。海外で暮らす数年間が、お子さんの世界の見え方を根っこから変えることもあります。費用を調べているあなたは、それだけお子さんの未来を真剣に考えているということです。
選択肢は、移住するか諦めるかの二択ではありません。日本の学校の良さを大切にしながら、そこに世界を「足す」こともできます。数字を出し切ったあとに残るのは、「どう学び、どう育ってほしいか」という願いのはず。あなたとお子さんに合うペースで、小さな一歩から始めてみてください。


