結論から書きます。佐賀県のインターナショナルスクールは、2026年8月時点で「小学生以上を全日で受け入れる全日制はゼロ、IB認定校もゼロ、一日を英語で過ごせる園は鳥栖市の1園(定員5名)だけ」です。検索して英語教室の一覧とオンラインスクールの広告ばかり出てくるのは、あなたの調べ方の問題ではなく、県内に該当する学校が実際に存在しないからです。ただし、ゼロだから何もできない、という話ではまったくありません。県内には朝から帰りまですべて英語で過ごす小さな園が実在しますし、鳥栖市や佐賀市からなら福岡県内の学校が現実的な通学圏に入ります。この記事では、佐賀県のインターナショナルスクールの現状を包み隠さず整理したうえで、県内の英語環境・県内の高校のグローバル教育・福岡への通学・オンラインという4つの選択肢を、通学時間や費用の実際とあわせて並べます。読み終わるころには、佐賀で何ができて何ができないのかが、はっきり見えているはずです。

佐賀県のインターナショナルスクールの現状と学費相場
まず前提として、佐賀県は国際化が急速に進んでいる県です。佐賀新聞が報じた佐賀労働局のまとめによると、県内の外国人労働者は2025年10月末時点で9,932人と過去最多を更新しました。前年から13.5%増、外国人を雇用する事業所は1,639カ所で19.8%増と、事業所数の伸び率は全国で最も高い水準です。国籍別ではベトナムが2,757人でもっとも多く、インドネシアが2,079人、ネパールが1,790人。産業別では製造業が4,197人で全体の4割超を占めます(出典: 佐賀新聞・2026年1月)。これだけ多国籍な家庭が県内に増えている一方で、英語で学校教育を受けられる場は、数のうえでまったく追いついていません。ここが佐賀県のインターナショナルスクール事情の出発点です。
実際に調べた結果を、正直に並べます。第一に、小学校段階以上を英語で受け入れる全日制のインターナショナルスクールは、県内のどの市町にも確認できませんでした。第二に、文部科学省IB教育推進コンソーシアムが公開する国際バカロレア認定校・候補校の一覧に、佐賀県の学校は1校も掲載されていません(IB教育推進コンソーシアム)。九州では福岡県に3校、熊本県に3校、鹿児島県に2校、沖縄県に2校が並ぶなか、佐賀県だけが空白です。第三に、全国1,500以上の園を収録するプリスクール検索データベースでも、佐賀県は佐賀市・唐津市・鳥栖市・多久市をはじめ全市町が0件と表示されます(Preschool Park)。それでも、地域の行政が公表している情報まで降りていくと、確かに存在する園が見つかります。数は多くありませんが、実在します。
学費の相場についても、正直にお伝えします。県内で確認できた施設はいずれも認可外保育施設や認可保育所という枠組みで、首都圏の大手インターのような年間200万円台の価格帯ではありません。ただし公式サイトで料金表を公開していないため、正確な金額は要問い合わせと考えてください。一方、福岡県内の通学型インターに通う場合は、年間100万円台後半から200万円台が現実的な水準になります。そもそもインターナショナルスクールとは何か、一条校(日本の正規の学校)との違いや義務教育の扱いについてはインターナショナルスクールとは?で整理しています。
※学費等は2026年8月時点の公開情報です。改定される場合があるため、最新は各校公式サイトで必ずご確認ください。

佐賀県のインターナショナルスクール一覧【鳥栖市・吉野ヶ里町のエリア別/学費と対象年齢つき】
ここからは、2026年8月時点で確認できた施設を判明分すべてエリア別に紹介します。数を水増しして「おすすめ7選」にはしません。少ないけれど、性格はそれぞれ違います。
鳥栖市——県内で唯一確認できた、一日英語で過ごす園
県内でもっとも本格的な英語環境として確認できたのが、鳥栖市江島町2173にある少人数英語保育こども園ゆびーです。鳥栖市が公式サイトで紹介している認可外保育施設で、開設は2023年5月1日。対象は1歳から5歳まで、定員は5名という、まさに少人数の園です。鳥栖市の紹介ページには、朝のおはようから帰りのさようならまですべて英語で保育を行うこと、そして英語を話せる子どもではなく英語で世界を広げられる子どもを育てたいという方針が明記されています(出典: 鳥栖市公式サイト)。
この園がもうひとつ重要なのは、未就学児だけで終わらないことです。日中の英語保育に加えて、放課後から18時までは小学生向けの英語アフタースクールとして運営されています。県内で「6歳を過ぎても英語の環境を続けたい」と考えたとき、通える形で存在する数少ない受け皿と言っていいでしょう。ただし定員が5名と非常に小さいため、空き状況は時期によって大きく変わります。関心があれば、まず直接問い合わせて見学の可否を確認するのが確実です。保育料は認可外保育施設として各施設が定める仕組みで、公開情報からは確認できなかったため要問い合わせです。
神埼郡吉野ヶ里町——モンテッソーリ+英語という組み合わせ
神埼郡吉野ヶ里町三津752-1にあるスクルドエンジェル保育園 吉野ヶ里園は、全国展開する保育園グループの佐賀県内の園です。認可保育所として運営されており、開所時間は月曜から土曜の7時から18時、延長保育は19時まで。教育プログラムのなかにモンテッソーリ教育と幼児英会話が組み込まれているのが特徴です。入園の申し込みは吉野ヶ里町のこども保健課を通す形になります。
ここは正確にお伝えしておきます。この園は一日を英語で過ごすイマージョン型の施設ではなく、通常の認可保育の枠組みのなかに英語のプログラムがある園です。英語漬けの環境を求めている場合と、日本語の育ちを土台にしながら早い時期に英語や多様な文化に触れさせたい場合とでは、評価が大きく変わります。ご家庭の目的をはっきりさせてから見学に行くと、判断がぶれません。
佐賀市・唐津市・伊万里市・武雄市ほか——確認できなかったこと
正直にお伝えします。佐賀市・唐津市・伊万里市・武雄市・鹿島市・小城市・多久市といった県内の主要な市に、2026年8月時点で常設のインターナショナルスクールやインターナショナルプリスクールは確認できませんでした。子ども向けの英会話教室は各市に複数ありますが、日中を英語で過ごす園という意味での選択肢は、現時点では鳥栖市に限られるのが現状です。
もう一点、検索していると目に入るはずの情報についても触れておきます。佐賀市駅前中央1-1-18の住所でファーストラーニング佐賀というインターナショナルプリスクールが、複数の情報サイトに掲載されています。しかし2026年8月時点で、そこに記載された公式サイトのドメインは解決できず、運営元であるファーストラーニング本部が公開している教室一覧にも佐賀県の教室は掲載されていません。九州で掲載があるのは福岡市の1教室のみです。つまり、現在も運営されているかどうかを公開情報から確認できませんでした。名前を見かけて気になった方は、掲載情報を鵜呑みにせず、まず電話がつながるかどうかを確かめてください。こうした「情報サイトには残っているが実体を確認できない」ケースは、選択肢の少ない県ではよく起こります。全国47都道府県のインターナショナルスクール一覧から、他県の状況とあわせて見比べてみてください。
佐賀県内にある「国際教育に近い」選択肢——小学校以降と高校のグローバル教育
インターナショナルスクールではなくても、国際的な学びに近い環境は佐賀県内にあります。中心になるのは中学・高校です。
早稲田佐賀中学校・高等学校(唐津市)は、県内で突出してグローバル教育の設計が厚い学校です。公式サイトによると、中学ではネイティブ教員による英語の授業を毎週実施し、中学3年ではオーストラリアでホームステイをしながら現地の私立校に通う10日間のプログラムがあります。高校1年ではオーストラリアでの10週間のターム留学、2025年からはニュージーランドとカナダも加わりました。ニュージーランドのオタゴ大学とは指定校推薦の枠を持ち、語学課程とディプロマを経て学士号まで進むオタゴプログラムという進路も用意されています。ボストンやシンガポール・マレーシアでの研修もあり、日本の学校に在籍しながら海外への回路を持ちたい家庭には有力な候補です。
佐賀市では、龍谷高等学校(佐賀市水ヶ江3-1-25)が理数グローバル(一貫)コースを設け、グローバル人財育成プログラムや海外研修旅行を組み合わせています。佐賀清和高等学校には探究文理科があり、留学生と英語だけで過ごす2泊3日のイングリッシュシャワー(プチ国内留学)を取り入れています。
ただし共通の注意点があります。これらはいずれも日本の一条校で、授業の中心はあくまで日本語です。国際的な経験を積むことはできますが、全教科を英語で学ぶ環境ではありません。目的が「英語で教科を学ぶこと」なのか「海外とつながる経験を積むこと」なのかで、これらの学校の評価は正反対になります。まずそこを家族で言語化しておくと、迷いが減ります。
比較でわかる、わが家に合う選び方
県内の英語保育、福岡県の通学型インター、オンライン国際校。この3つは、どれが優れているかではなく、わが家の制約に合うかで選ぶものです。費用・入学のしやすさ・通学の負担・対面での体験・小学校以降も続けられるか——この5つの観点で並べると、判断がぐっと軽くなります。

佐賀県の場合、多くの家庭が引っかかるのは費用の行と通学の行です。県内の園は費用面でも通いやすさでも無理がない一方で、定員が小さく、小学校段階から先は放課後の枠しかありません。逆に福岡の学校まで通えば選択肢は一気に広がりますが、年間の学費と毎日の移動が同時にのしかかります。費用の全体像をもう少し細かく知りたい方は、インターナショナルスクールの学費の内訳を解説した記事をどうぞ。授業料以外にかかるお金まで見えると、無理のない線引きができるようになります。
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佐賀から福岡のインターナショナルスクールへ通えるか——鳥栖・佐賀市からの通学時間と学費
佐賀県から小学校段階以上の英語環境を求めるなら、現実的な目的地は福岡県です。そしてここは、佐賀県が他の「インターゼロ県」と決定的に違う点でもあります。県東部からの距離が、驚くほど近いのです。
たとえばリンデンホールスクール中高学部は福岡県筑紫野市二日市北3-10-1にあり、2013年10月4日に国際バカロレアの認定校となった学校です。高校1年からIBコースとTIコースに分かれます。最寄りとなるJR二日市駅までは、鳥栖駅から鹿児島本線でおよそ17〜24分。同じ系列のリンデンホールスクール小学部は太宰府市五条6-16-58にあります。小学部の費用は公式サイトの入学案内で公開されており、入学時に入学金40万円・教育充実費40万円・施設充実費40万円の計120万円(ほかに検定料3万円)、毎月は授業料10万円に学校教材費・後援会費・語学研修旅行積立金・給食費を加えて月額13万2,000円です(出典: リンデンホールスクール小学部 入学案内)。
福岡市早良区の百道エリアには、PYP・MYP・DPの3つのIBプログラムを揃えるFukuoka International Schoolがあります。学費は学年によって変わり、2025-26年度の公開情報で年間およそ170万円台から210万円弱、2026-27年度は約190万〜230万円という集計もあります。加えて出願料5万2,000円、入学時のアクセプタンスフィー35万円、ディベロップメントフィー50万円がかかります。福岡県内の学校をもっと詳しく比べたい方は、福岡のインターナショナルスクールの記事にまとめています。
通学時間の目安も具体的に見ておきましょう。JR鳥栖駅から博多駅までは快速でおよそ42分、特急なら約25分。佐賀駅から博多駅までは特急リレーかもめなどでおよそ37〜40分です。唐津市からはJR筑肥線が福岡市地下鉄空港線に直通しているため、乗り換えなしで福岡市内に入れます。一方、伊万里市・武雄市・鹿島市など県西部・県南部からは、同じ福岡でもかなり遠くなります。西の長崎方面については長崎県のインターナショナルスクールの記事にまとめていますが、こちらも幼児向けの園が中心で、小学校以降の受け皿という意味では福岡が中心になります。
ただし、正直にお伝えします。特急で25分という数字は、通学が楽だという意味ではありません。小学生が毎朝、駅まで送ってもらい、特急に乗り、さらに乗り換えて登校する生活を6年間続けるのは、体力の面でも家庭の送迎負担の面でも軽くありません。定期代も年間で相当な額になります。志望校を絞る前に、通学時間そのものよりも「その生活を何年続けられるか」を家族で一度話し合ってみてください。
通える範囲に見つからないなら——オンラインという選択肢
ここまで読んで、「県内には続けられる学校がない。でも福岡まで毎日通わせるのは無理だし、転居もできない」と感じた方も多いはずです。そんな家庭のために、私たちNIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は2027年9月開校のオンラインインターナショナルスクール一覧を準備しています。
運営は、日本でオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を運営する株式会社NIJIN。NIJINアカデミーにはすでに1000名以上の子どもたちが在籍しています。NGAが大切にしているのは、脱偏差値——テストの点数で子どもを並べないこと。少人数の対話を中心に、「自分と世界を、好きになる」学びを設計しています。対象はアジア・オセアニアの6〜18歳。住む場所を選ばないので、鳥栖でも佐賀市でも、唐津でも伊万里でも、条件はまったく同じです。福岡まで片道1時間かかる町に暮らしていても、教室までの距離はゼロのまま変わりません。日本語の支えを前提に、少しずつ英語に触れられる設計にしているのも、日本の家庭にとって現実的だと考えているからです。学費は対面のインターナショナルスクールの約5分の1を目指しています。
地元の学校に籍を置いたまま、放課後や週末にオンラインで英語で学ぶダブルスクールという形もあります。いきなり学びの中心を移すのが不安なら、こちらから始める家庭も少なくありません。
正直な注意点もお伝えします。NGAはまだ開校前で、実績はこれから積み上げる段階です。そして、校庭を走り回る体験や、同じ教室で肩を並べる感覚は、対面の学校と同じようには提供できません。それでも「近くに無いから、あきらめる」を「通わなくても、続けられる」に変えられる家庭が、佐賀県には確かにいるはずだと考えています。
よくある質問
Q. 佐賀県に、小学生が通えるインターナショナルスクールはありますか?
A. 全教科を英語で学ぶ全日制の学校は、2026年8月時点の公開情報では確認できませんでした。小学生向けに県内で確認できるのは、鳥栖市の少人数英語保育こども園ゆびーが放課後から18時まで運営している英語アフタースクールのような、放課後型の英語環境です。地元の小学校に通いながら英語の時間を厚くする形になります。学校そのものを英語環境に置き換えたい場合は、福岡県への通学・転居か、オンラインを検討することになります。
Q. 鳥栖や佐賀市から、福岡のインターナショナルスクールに通えますか?
A. 距離のうえでは十分に射程内です。JR鳥栖駅から博多駅までは快速で約42分・特急で約25分、鳥栖駅からリンデンホールスクール中高学部の最寄りとなる二日市駅までは鹿児島本線で約17〜24分。佐賀駅から博多駅までも特急でおよそ37〜40分です。ただし小学生の場合は、毎日の乗り換えと送迎、定期代、そして帰宅時間の遅さをどう吸収するかが現実的な論点になります。学校見学の際は、同じ方面から通っている在校生がどれくらいいるかを必ず質問してみてください。
Q. 英語を増やすと、日本語の力が中途半端になりませんか?
A. よくいただく不安です。佐賀県の場合、県内の施設はいずれも日本の保育制度の枠内にあるため、日本語の土台は比較的保たれやすい環境と言えます。一方で、福岡のインターに進むなど英語の時間を大きく増やす場合は、日本語をどう担保するかを先に決めておくことが大切です。日本語が不安なご家庭には、姉妹サービス〈ともだちじゃぱん〉(NIJIN運営・子ども向けオンライン日本語)もおすすめです。学校を選ぶときは、パンフレットの説明ではなく実際の週間時間割を見せてもらうと、実態がよく分かります。
「通えるか」ではなく「続けられるか」で選ぶ
佐賀県のインターナショナルスクール探しは、簡単ではありません。全日制のインターはなく、IB認定校もゼロ。英語で一日を過ごせる園は鳥栖に1つ、定員は5名です。でもそれは、お子さんに国際教育は無理だという意味ではまったくありません。鳥栖の小さな英語の園、県内の高校のグローバル教育、福岡への通学、そしてオンライン——道は一本ではなく、いま4本あります。しかも佐賀は、福岡という九州最大の選択肢群に電車で30分前後という、他の空白県にはない地の利を持っています。
大切なのは、入れる学校を探すことより、お子さんが何年も安心して続けられる学びを選ぶことです。焦らなくて大丈夫です。まずは今日、気になった園にひとつ問い合わせてみる。それだけでも、見えている景色は変わります。
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