「インターに通わせたら、6年間で結局いくらになるのか」——年間の学費は調べたけれど、総額の見当がつかない。そんなあなたへ、結論から申し上げます。6年間の総額は「年間学費×6」では出ません。入学金や施設費といった一時費用が上に乗り、授業料の外側にバス・給食・制服・課外活動などが毎年積み重なり、さらに多くの学校が毎年数%ずつ費用を改定していくからです。この記事は、学校別の学費ランキングではなく、あなたがご自身の条件で6年総額を出すためのシミュレーション(計算モデル)です。費目の分解・計算式・係数の早見表まで、そのまま使える形でご用意しました。なお、学校ごとの学費一覧を探している方はインターナショナルスクール学費データベースをご覧ください。この記事は「いくらか」ではなく「どう計算するか」に徹します。

インターの費用を比較・シミュレーションするとき、総額を左右する3つの要素
6年間という単位で費用を考えると、多くのご家庭が同じところでつまずきます。それは、公式サイトに載っている「年間授業料」だけを6倍してしまうことです。実際の総額は、性質のちがう3つの要素の足し算で決まります。一度きりの一時費用、毎年かかる年間費用、そして年数をかけて効いてくる変動要因。この3つを分けて置くだけで、見積もりの精度は一気に上がります。

見落としがちな費目を、まず全部並べる
費目を洗い出さないまま計算を始めると、あとから必ず追加が発生します。以下は、対面フルタイムのインターで実際に請求されうる費目を、公開情報にもとづいて並べたものです。金額は学校差が大きいので、レンジは「自分の候補校の数字を入れる前の器」として使ってください。
| 費目 | 金額の目安(2026年時点・最新は要確認) | 発生タイミング | 出典 |
|---|---|---|---|
| 授業料(通学型) | 学年別の内訳:小学校 約230万〜340万円/中学校 約250万〜350万円/高校 約270万〜380万円(年間) | 毎年 | ELT |
| 入学金・登録料 | 約20万〜150万円(国内トップ14校の実額では約56万〜188万円) | 初年度のみ | エグシス/ELT |
| 施設費・資本評価(キャピタル)・寄付金/建設協力金 | 入学時に一括で求める学校と、毎年上乗せする学校がある。任意寄付を毎年募る学校も | 初年度+毎年 | 各校公開情報 |
| スクールバス | 年間 約20万〜31万円(片道) | 毎年 | ELT |
| 給食・ランチ | 年間 約10万〜20万円 | 毎年 | ELT |
| 制服・教材・PC | 年間 約5万〜30万円 | 毎年(初年度は多め) | ELT |
| 英語サポート(EAL) | 年間 0〜約350万円(学校差が非常に大きい) | 必要な学年の間 | ELT |
| 課外活動・遠足・校外学習 | 年間 数万円〜(宿泊を伴う研修は別枠) | 毎年 | ELT |
| 検定・試験料(IB/IGCSE 等)・保険 | 該当学年で発生。受験科目数により変動 | 該当学年 | 各校公開情報 |
| 年次値上げ(費用の年次改定) | 年3〜7%程度で推移する例が多い(香港75校の2026–27年度中央値は4.3%、ドーハ5〜8%、ホーチミン3〜6%) | 毎年 | HK Schools/iSchoolAdvisor |
| きょうだい割引(マイナス要因) | 第2子10%・第3子25%といった例。バス代を割り引く学校も | 該当時 | 中央インターナショナルスクール公式 |
| 公的支援(マイナス要因) | 高等学校等就学支援金 年最大39万6,000円(指定校)、東京都の助成 年最大約50万円 など | 該当時 | ELT |
| 為替 | 国内校は円建てが基本だが、海外校や海外進学を選択肢に含めるなら円換算レートで総額が大きく動く | 該当時 | 学費データベース |
※上表は費目の分解であり、特定校の請求額ではありません。国内対面インターの年間授業料は、通学制で約200万〜345万円(2026年時点・最新は要確認)が一つの目安です(国内トップ14校の2025–26年度集計・出典エグシス)。上表の学年別レンジは調査対象校が異なるため高校で約380万円まで幅があり、同じ調査でも学年によっては約368万円に達する例があります。6年総額を試算するときは、ご家庭が実際に検討している学校の公表額を入れてください。※費用・制度は2026年8月時点の公開情報です。最新は各公式でご確認ください。
6年総額の計算式——年次値上げは「率を自分で決めて」試算する
特定の学校が将来どれだけ値上げするかは、誰にも断定できません。だからシミュレーションでは、値上げ率 r を自分で置いて、複数のシナリオを走らせるのが正しい構えです。式はこれだけです。
6年総額 = 一時費用 + 初年度の年間費用 ×〔(1+r)⁶ − 1〕÷ r
(r は年次値上げ率。r=0のときは「初年度の年間費用×6」)
係数の早見:r=0% → 6.00倍/r=3% → 6.47倍/r=5% → 6.80倍/r=7% → 7.15倍
実際に入れてみましょう。首都圏の対面インターに小学校6年間通うモデルとして、一時費用100万円(入学金等)、初年度の年間費用340万円(授業料280万円+バス25万円+給食15万円+制服・教材15万円+課外5万円)と置きます。すると、値上げなし(r=0%)なら約2,140万円、r=3%なら約2,300万円、r=5%なら約2,410万円。値上げ率の違いだけで、6年間で約270万円の開きが出ます。ここに、きょうだい割引や公的支援があれば差し引く。EALが必要な期間があれば足す。あなたが動かすべき変数は、授業料そのものよりも、この「周辺費用」と「r」なのです。学費が高いこと自体に悩んでいる方はインターの学費が高いと感じたときの選択肢もあわせてどうぞ。
ほかの選択肢は6年でいくらか——英語学童・オンライン英会話を同じ式に入れる
前提として、日本の学校には確かな良さがあります。基礎学力、生活習慣、地域の友だち。手放す必要はありません。だからこそ多くのご家庭は「日本の学校+α」を探します。その代表格が英語学童やオンライン英会話です。同じ式に入れてみましょう。英語学童の週2回コースは月額約33,000〜51,405円、入会金は2万〜3万円が目安(出典:キッズパスポート調べ)。年間に直すと約40万〜62万円ですから、r=3%で6年間ならおおよそ260万〜400万円。おやつ代・送迎料・延長料は別途です。
金額だけを見れば、対面インターの6分の1以下に収まります。ただし、ここで正直に見ておきたいのが到達点です。英語学童やオンライン英会話の多くは「英語を学ぶ」時間であり、算数や理科を英語で考える——つまり「英語で学ぶ」段階には、週数時間の会話練習ではなかなか届きません。安いけれど到達点が浅い。高いけれど6年で2,000万円を超える。この二択のあいだで、多くのご家庭が止まってしまいます。
第三の計算パターン——日本の学校に籍を残したまま併用する(ダブルスクール)
そこで、同じ式にもう一列だけ加えてみてください。ダブルスクール——お子さんは日本の学校に在籍したまま通い続け、放課後や週末にオンラインのインターナショナルスクールを併用する形です。費用構造の観点で見ると、この選択肢の特徴は明快です。校舎・広い校庭・専用バスといった固定費を持たないため、一時費用の層が薄く、年間費用のうち周辺費用(バス・給食・制服)がそもそも発生しにくい。総額を押し上げていた要素の何本かが、構造的に消えるということです。
私たちNIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は、この併用を前提に2027年9月開校を予定するオンラインインターナショナルスクールです。運営は、日本のオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」に900名以上が学ぶ株式会社NIJIN。費用は対面インターの約1/5を目指しています。開校前のため具体的な金額はお出ししていませんので、試算するときは上の式の「初年度の年間費用」に、あなたが調べた対面校の年間費用の約1/5を入れて、同じ係数で6年に伸ばしてみてください。それが、いま出せるいちばん誠実な比較の形です。
そして、安さだけで選んでほしくないので正直にお伝えします。NGAは英会話ではなく「英語で教科を学ぶ」本物のインターで、順位をつけない脱偏差値の少人数の対話を通じて「自分と世界を、好きになる」を育てます。一方で、対面の校庭や施設、毎日顔を合わせるリアルな友だちづくりは、オンラインである以上どうしても苦手です。だからこそ日本の学校に籍を残す併用型にしています。日本の学校で得られるリアルな体験はそのまま残し、そこに国際教育を「足す」。NGAは日本の学校の代わりではなく、あくまで加算の設計です。もうひとつ正直に——バイリンガルは「簡単・すぐ」ではありません。英語で教科を理解できるようになるには年数がかかります。NGAは日本語の支えを前提に、6〜18歳の子が少しずつ英語へ移っていける設計にしています。併用の全体像はダブルスクールのご案内ページでご確認ください。


自分で試算する3ステップ
最後に、今日そのまま手を動かせる順番にまとめます。紙一枚と電卓で足ります。

STEP1・一時費用を洗い出す。候補校の入学金・登録料・施設費・資本評価(キャピタル)・寄付金/建設協力金を、募集要項から拾って合計します。ここは初年度に一括で出ていくお金なので、年間費用と混ぜないのがコツです。STEP2・年間費用を積み上げる。授業料に、バス・給食・制服・教材・課外活動・検定料・保険・(必要なら)EALを足します。学校ページに載っていない費目は、説明会で「授業料以外に年間いくら見ておけばよいですか」と一言で聞くのが早いです。STEP3・値上げ率を入れて6年に伸ばす。r=3%と5%の2本を必ず走らせ、幅で持っておきます。そのうえで、対面インター・英語学童・オンライン併用の3列を同じ表に並べる。金額だけでなく「英語で教科を学べるか」「日本の学校を続けられるか」を同じ行に置くと、我が家にとっての答えが見えてきます。学校ごとの実額が必要になったら、学費データベースから拾ってください。
よくある質問
Q. 年次値上げ率は、何%で試算するのが妥当ですか?
A. 特定校の将来の改定率を断定できる人はいませんので、r=3%と5%の2本で幅を持つのが実務的です。参考として、香港で追跡された75校の2026–27年度の値上げ幅は中央値4.3%、ドーハでは5〜8%、ホーチミンでは3〜6%の改定が報じられています。国内校も毎年見直しがあるため、「今年の額が6年間続く」前提は避けてください。
Q. きょうだいが2人いる場合、総額はどう変わりますか?
A. 単純な2倍にはなりません。多くの学校がきょうだい割引を設けており、第2子10%・第3子25%といった例があります(中央インターナショナルスクール公式)。ただし割引は授業料のみが対象で、施設費やバス代は対象外という設計も多いので、上の費目表で「どの費目に割引がかかるか」を1つずつ確認してください。学年がずれる場合は、重なる年だけ割引が効く点にも注意が必要です。
Q. NGAの具体的な金額を教えてもらえますか?
A. 2027年9月開校の準備中のため、具体的な金額はまだお出ししていません。目安として対面インターの約1/5を目指しており、試算の際は上の計算式の「初年度の年間費用」に対面校の約1/5を入れてください。なお、併用は日本の学校に在籍したまま行う形が前提なので、就学義務は通常どおり履行され、進学ルートもそのままです(一条校でないインターにフルタイムで通う場合は就学義務を満たさない旨、文部科学省が明記しています:文部科学省)。
数字を出しきったあとに、選べるようになる
費用の話は、しんどい話です。けれど、総額がわからないまま抱えている不安ほど、重いものはありません。一時費用を書き出し、周辺費用を足し、値上げ率を置いて6年に伸ばす。それだけで、「無理そう」という漠然とした感覚は「この条件なら届く/この条件なら難しい」という具体に変わります。そして選択肢は、対面インターか諦めるかの二つではありません。日本の学校の良さは残したまま、そこに世界を少しだけ足す道もある。急いで大きな決断をする必要はありません。まずは電卓を叩いてみて、そのうえでダブルスクールという三つめの列を、あなたの表に加えてみてください。
ダブルスクール・オンライン国際教育をもっと知る
- NIJIN GLOBAL ACADEMYとは——脱偏差値・少人数のオンラインインター
- 英語学童は意味ない?効果とデメリットを正直に——週2時間で足りるかを数字で
- 日本在住でバイリンガルに育てるロードマップ——0〜12歳の年齢別に何をいつ足すか
- 中学受験と英語の両立はできるのか——英語入試という第3の道まで
- 近くにインターナショナルスクールが無い家庭の選択肢——住む場所を変えずに国際教育を足す
- Global Step Academy(GSA)の評判と料金——公式情報で比較する視点
- 国内インターのオンライン対応を学費つきで比較——アオバ・Laurusなど公式情報で
- IB・IGCSEはオンラインで取れるのか——カリキュラム別の選び方と国内の偏在
- インター併用で日本語・国語力は落ちないのか——両立の設計図を研究知見から
- 共働き家庭のダブルスクール時間割——1日・1週間の現実的なモデル


