「うちの子は英語がまったく話せない」「日本国籍でも入れるの?」「親の私が英語を話せないと落とされる?」——インターナショナルスクールの入学条件を調べると、たいていこの3つでつまずきます。結論から言えば、条件は学校ごとに違うものの「子どもの英語力」「国籍・教育歴」「保護者の英語力」「面接・アセスメント」「空席と編入時期」の5つに集約でき、共通するのは学年が上がるほど厳しくなるという一点です。この記事では実在校の公式入学要項で実態を整理し、条件が合わなかったご家庭に日本の学校を辞めずに英語ゼロから始められる「併用(ダブルスクール)」という第3の道もお伝えします。

インターナショナルスクールの入学条件は、5つに整理できる
学校のサイトを見ると、英語力の目安を学年別に細かく書く学校もあれば、「個別に判断します」としか書かない学校もあります。この分かりにくさが多くのご家庭を疲れさせています。ですが複数校の公式要項を並べて読むと、審査の軸は驚くほど共通しています。難しいのは、この5つに、努力で変えられるものと変えられないものが混ざっていること。英語力は時間をかければ伸ばせますが、教育歴や空席の有無は努力とは別の次元にあります。まずはその切り分けから始めましょう。

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条件①:英語力は「何年生で入るか」で別物になる
最大の原則は、求められる英語力が学年によって別物だということです。横浜インターナショナルスクール(YIS)の場合(2026年時点・最新は公式で要確認)、入学FAQは幼児部・小学部について「他に追加の学習ニーズがない限り、英語力にかかわらず入学できる」とする一方、中学部には「プログラムから学べるだけの学術英語の能力」、高校部には「卒業に必要な英語の単位を取得できるだけの高い学術英語力」を求めています(出典:Yokohama International School Admissions FAQ)。
カナディアン・インターナショナルスクール東京(CIS)の場合(2026年時点・最新は公式で要確認)も同じ構造で、キンダーは「流暢である必要はないが英語で学ぶ意欲を示すこと」、小学部は「教師やクラスメイトと意思疎通できる程度」、高校部は「ほぼ流暢な英語話者であること」と段階的に上がり、「独立したESLコースは設けていない」とも明記しています(出典:https://www.cisjapan.net/admissions/ )。
ここに大きな誤解があります。「インターに入れれば英語が身につく」のではなく、「一定以上の学年では、英語が身についていないと入れない」のです。英語支援(EAL/ESL)の手厚さも学校差が大きい。英語習得そのものの現実は インターに入れれば英語が話せるようになる? でお伝えしていますが、入学条件の観点では英語ゼロから入れる可能性が最も高いのは就学前〜小学校低学年となります。小学校からの検討は 小学校からインターに入れるという選択 もあわせてどうぞ。
条件②:国籍そのものより「どこで教育を受けてきたか」
「日本国籍だと入れない」は半分誤解です。国籍で一律に門前払いする学校は少数で、多くは教育歴と国籍構成のバランスで調整しています。アメリカンスクール・イン・ジャパン(ASIJ)の場合(2026年時点・最新は公式で要確認)は「出願にあたって国籍の要件はありません」と明言しつつ、「在学中は保護者とともに東京圏に居住していること」を求めています(出典:https://www.asij.ac.jp/admissions/admissions-faq )。見ているのは国籍ではなく生活の実態です。
一方YISの場合(同)は「日本国籍の子どもは、主に海外の非日本語校または国内の認定インターで教育を受けてきた場合に出願資格を得られることがある」という趣旨を示しています。問われているのは血統ではなく教育の連続性です。東京インターナショナルスクール(TIS)の場合(同)は「多様性と国際性を保つため、すべての国籍について人数に上限を設けている」としています(出典:Tokyo International School FAQ)。どの国籍も偏らないよう枠を管理する考え方で、だからこそ「その年は入りにくい」が起きます。近年は日本人家庭を積極的に受け入れる新設校も増えています。うわさではなく公式要項で確認する——これが唯一の正解です。
条件③:見落とされがちな最大の関門は「保護者の英語力」
検索しても出てこないのに、実際にはいちばん多く引っかかるのがここです。子どもではなく保護者の英語力が入学条件に明記されている学校があるのです。TISの場合(2026年時点・最新は公式で要確認)は「少なくとも保護者の一方が英語を流暢に話し、読み書きに堪能であること」を要件とし、「入学時点で同年代と競争できる英語力が必要で、EALを要する日本人生徒は受け入れていない」という趣旨も述べています(出典:https://tokyois.com/admissions-tours/faq/ )。YIS・CISも同様に、一方の保護者に英語での実用的なやりとりの力を求めています(出典:各校公式・前掲)。
連絡・面談・緊急時の対応が英語で回るためで、差別ではなく運営上の要件です。とはいえ日本語対応スタッフを置く学校も確実にあります。「親の英語」を理由に諦める前に、日本語対応可の学校を探す価値は十分にあります。
条件④⑤:面接・アセスメントの中身と、編入できる時期
選考は書類審査(成績や通知表、推薦状等)に加え、子どもの英語スクリーニング、算数などの学力確認、保護者面接の組み合わせが一般的です。低年齢では試験より観察に近く、TISはキンダー志願者を「1〜2月に、遊びの時間に近い非公式なスクリーニングに招待する」とし、小学部以上は「必要と判断した場合にのみ、空席が確認された段階で実施する」としています(出典:https://tokyois.com/admissions-tours/faq/ )。
この「空席が確認された段階で」が5つめの条件です。多くのインターは8月・9月始まりで、海外からの転入出に合わせ年度途中にも席が動きます。TISは「キンダーとディプロマ課程を除き全学年でローリング(随時)入学」、YISは「8月入学なら海外からの出願は3月初旬まで(高校は2月初旬まで)が目安」という趣旨を示しています(出典:各校公式・前掲)。つまり条件を満たしていても、空席がなければ入れません。人気校では待機リストが常態化しています。
条件が合わないとき、英会話や学童では埋まらないもの
次に検討されるのは英会話教室や英語学童で、日本の学校に通いながら続けられる手軽さは大きな価値です。ただ正直に言えば、「英語を学ぶ」ことと「英語で教科を学ぶ」ことの間には、まだ距離があります。週数時間の会話練習で伸びるのは主に会話の反射と語彙。インターで起きているのは算数や理科の内容を英語で考え、意見を言い、書くという営みです。入学条件に「学術英語」が繰り返し出てくるのはそのためです。
もうひとつ、対面フルタイムを選ぶ際に必ず確認したいのが就学義務です。文部科学省は「保護者が日本国籍を有する子を一条校として認められていないインターナショナルスクールに就学させたとしても、法律で規定された就学義務を履行したことにはなりません」と明記しています(出典:文部科学省「学齢児童生徒をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合の就学義務について」)。多くのインターは学校教育法第1条の一条校ではなく、第134条の各種学校等として運営されています。制度の全体像は 就学義務と一条校の解説 をご覧ください。
第3の道:日本の学校に籍を残したまま、英語ゼロから足す
「英語力が足りない」「親が英語を話せない」「空席がない」「就学義務が不安」——この4つが同時に解ける道がダブルスクール(併用)です。昼は今までどおり日本の学校に通い、放課後や週末にオンラインのインターを足す。辞めないので就学義務も進学ルートもそのままです。
私たち NIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は2027年9月に開校するオンラインのインターで、この併用型を前提に設計しています。だから入口の考え方も違います。英語ゼロから始められること、保護者の英語力を入学条件にしないこと、英会話ではなく英語で教科を学ぶことが軸です。対象は6〜18歳、日本語の支えを前提に少しずつ英語の割合を増やします。費用は対面インターの約5分の1を目指しています。正直に言えば、NGAはまだ開校前で実績はこれから。校庭も体育館もなく、同じ教室で肩を並べる友だちという体験は対面にかないません。日本の学校の良さを否定するつもりもなく、届けたいのは代わりではなく「日本の学校+世界」という足し算です。運営は900名以上が在籍する「NIJINアカデミー」の株式会社NIJIN。順位をつけない少人数の対話を大切にしています。

中身は オンラインでの学びのしくみを見る →、併用という考え方は ダブルスクールという選択 にまとめています。

入学条件を調べるときの、失敗しない進め方
多くのご家庭は「英語力をどう上げるか」から考え始めますが、それは3番目で十分です。先に志望校の Admissions ページを自分の目で読むこと(条件は年度ごとに変わります)。次に説明会で空席状況と保護者の言語対応を直接聞くこと。そして届かなかった場合の代替案を1つ持っておくと、気持ちが驚くほど楽になります。

よくある質問
英語がまったく話せなくても入学できますか?
学年によります。幼稚部や小学校低学年は英語力を問わない学校が比較的多く、横浜インターナショナルスクールのように幼児部・小学部は英語力にかかわらず受け入れる方針を公表している学校もあります。一方、中学部以降は学術英語を求める学校が大半です。オンラインの併用型なら、日本語の支えを前提に英語ゼロから始められます。
保護者が英語を話せないと入学できませんか?
学校によります。東京インターナショナルスクールは保護者の英語力を明確に要件化しており、横浜・カナディアン(東京)も一方の保護者に英語でのやりとりを求めています(各校公式)。表現の強さは学校ごとに異なるため、必ず志望校の要項でご確認ください。一方で日本語対応スタッフを置く学校もあるため、志望校の要項を必ず確認してください。NGAは保護者の英語力を入学条件にしていません。
インターに通わせると義務教育はどうなりますか?
文部科学省は、日本国籍の子を一条校として認められていないインターに就学させても就学義務を履行したことにはならない、と明示しています。日本の学校に籍を残す併用型であれば、この論点は生じません。
条件に届かなかったことは、お子さんの評価ではありません
調べるほど「うちは足りない」という気持ちになりがちです。でも、ここまで見てきた条件の多くは、お子さんの能力ではなく、その学校の運営上の都合から来ています。国籍の枠も、保護者の英語力も、空席の有無も、お子さんが頑張れば変わるものではありません。届かなかったことを、可能性の評価だと受け取らないでください。日本の学校で友だちと過ごす日々を守ったまま、放課後に英語で教科を学ぶ時間を少しだけ足す。それだけでお子さんの世界は確実に広がります。焦らなくて大丈夫。あなたのご家庭に合う入口を、ひとつずつ確かめていきましょう。
※費用・制度は2026年9月時点の公開情報です。最新は各公式でご確認ください。


