「教員採用試験 落ちた」と検索したあなたへ。慰めの言葉より先に、事実の数字を置きます。文部科学省「令和7年度(令和6年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況等について」(令和7年12月25日公表)によると、全体の競争率(採用倍率)は2.9倍で過去最低。受験者総数109,123人に対して、採用者総数は37,375人でした。校種別では小学校2.0倍、中学校3.6倍、高等学校3.8倍です。
単純に引き算をすれば、7万人以上が今年は名簿に載っていません(複数の自治体を受ければ重複して数えられるため、実人数とは一致しません)。この記事は励ますためには書いていません。落ちたという事実を正しい大きさに置き直したうえで、現実にある次の一手——臨時的任用・非常勤講師、再受験、大学院や通信、教育に関わる民間やオンライン——を時間・お金・その後の選択肢まで含めて並べます。
| 試験区分 | 競争率(採用倍率) | 受験者数/採用者数 |
|---|---|---|
| 小学校 | 2.0倍(前年度2.2倍) | 34,434人/17,078人 |
| 中学校 | 3.6倍(前年度4.0倍) | 36,621人/10,168人 |
| 高等学校 | 3.8倍(前年度4.4倍) | 19,705人/5,152人 |
| 特別支援学校 | 2.0倍(前年度2.2倍) | 7,252人/3,650人 |
| 全体 | 2.9倍(過去最低) | 109,123人/37,375人 |
※いずれも文部科学省・令和7年度(令和6年度実施)の公表値です。倍率は年度ごとに動くため、受験する年の数字は必ず公式資料で確認してください。
2.9倍という数字が語るのは、あなたの人格ではなく構造です
競争率は受験者数÷採用者数で計算されます。分母である採用者数——用意された椅子の数——が動けば、答案の中身が同じでも倍率は変わります。
その椅子の数は、あなたの努力とは別のところで動きます。文部科学省は同じ資料で、令和7年度採用について定年延長の影響で令和6年度末の退職者が大幅に増えたこと、特別支援学級の増加等を背景に採用が拡大したことを分析に挙げています。採用者総数37,375人は昭和61年以降で最多。あなたが受けた年の倍率は、あなたが決めたものではありません。

同じ校種でも、自治体で倍率は4倍以上ひらく
同じ資料の県市別データでは、小学校の競争率は最も低い自治体で1.1倍、最も高い自治体で4.8倍。受ける場所を変えるだけで4倍以上の幅があります。全体の競争率は15自治体で上昇し、47自治体で低下。上がった自治体と下がった自治体が同じ年に混在しています。
これは「落ちたことに意味がない」という話ではありません。開示された得点は来年の設計図になります。ただ、不合格という結果は、あなたに教える力がないことの証明にはならない。その一点だけは、数字がはっきり支えてくれます。
倍率がこれだけ自治体で違うということは、教える場所の入口も一つではないということです。今すぐ乗り換えるべきだ、という話ではありません。ただ選択肢として、NIJIN GLOBAL ACADEMYの創業メンバー募集を見る →という道もあります。募集ページには5つの働き方モデルと報酬レンジの例が示されていて(担任中心のモデルで合計月25〜30万円、規模が育った例で月95〜114万円)、倍率という一つの数字ではなく、働き方の形から考え始められます。ただしこの金額は事業計画に基づく試算で確定額を保証するものではなく、報酬テーブル自体は面談時に全公開される、という順序です。
次の一手は4つある——時間・お金・その後を正直に並べる
実際に選ばれている道を、優劣をつけずに並べます。答えは、あなたが今いくつで、何年後にどこにいたいかで変わります。

1. 臨時的任用教員・非常勤講師として現場に入る
最も多く選ばれている道です。文部科学省は今回の分析で、臨時的任用教員や非常勤講師などを続けながら採用選考に再チャレンジしてきた層が正規採用されることにより、既卒の受験者が減ってきていると述べています。既卒の受験者は小学校で1,453人、中学校で2,590人、高等学校で1,515人減少。講師をしながら再挑戦して受かる人が、実際に相当数いるということです。
お金の面では、その年のうちに収入が発生します。時間の面では、常勤に近い働き方だと試験対策の時間は取りにくくなります。多くの自治体が講師登録・期限付き任用登録などの制度を通年で設けていますが、名称・要件・時期・任用形態は自治体により異なります。各教育委員会の案内で確認してください。
2. 来年度に向けて再受験する(併願先を増やす・自治体を変える)
受け方そのものを設計し直す道です。自治体間で倍率が4倍以上ひらく以上、受ける自治体と校種の組み合わせを見直すこと自体が対策になります。文部科学省は今後の対応として採用選考の早期化・複数回実施・社会人選考等の工夫改善を教育委員会に要請しており、令和6年度実施の選考では68の実施機関のうち28機関が9月以降にも選考を行っています。今年度中にもう一度受けられる可能性は、残っている場合があります。
ただし専念する場合、その期間の収入は自分で用意する必要があり、実務経験の年数も止まります。多くの人がこの道を1の講師と組み合わせるのは、そのためです。
3. 大学院・通信で免許や専門を足す
教職大学院や通信課程で、専修免許状や別の校種・教科の免許を足す道です。専門性が上がり受験できる区分が増える一方、学費と2年前後の時間がかかります。注意点をひとつ。大学院進学に伴う採用候補者名簿の登載延長(採用猶予)といった制度は合格して名簿に載った人が対象で、不合格だった場合には使えません。制度の有無も内容も自治体により異なります。在学中に受験を続けられるかを、進学前に各教育委員会の要項で確認してください。
4. 教育に関わる民間・オンラインで働く
塾・教材会社・EdTech・フリースクール・オンラインスクールなど、公教育の外で子どもと関わる道です。教員免許が要件でない求人が多く、その年のうちに働き始められます。一方、公立の教職歴として加算されないことが多く、そこは正直な弱点です。関連して教員免許を活かせる仕事もあわせてご覧ください。
落ちた直後の30日でやること

第一に、成績開示を請求すること。多くの自治体が受験者本人への成績開示を行っています(方法・請求期間・開示範囲は自治体により異なり、期限を過ぎると請求できません)。筆記で差がついたのか面接で差がついたのかが分かるだけで、来年の勉強量は変わります。
第二に、9月以降の選考と講師登録の窓口を同じ週に確認すること。どちらも締切があるため、気持ちが落ち着くのを待つと間に合わないことがあります。第三に、来年の受け方を決めること。自治体・校種・併願数の3つを紙に書き出します。ここを決めないまま1年が過ぎるのが、いちばんもったいない使い方です。
教える仕事は、採用試験の合否だけで決まらない
ここまで公立の話を続けてきました。最後に、静かに置いておきたいことがあります。教える場所は、日本の公立学校だけではありません。世界のいろんな教室を見てみたい、働く場所や時間を自分で決めたい——そう思ったことがあるなら、その願いは採用試験の結果とは独立に、いま持っていていいものです。
オンラインインターナショナルスクールのNIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は2027年9月の開校に向けて創業メンバーを募集している、脱偏差値のオンライン国際学校です。募集ページが求める人として挙げているのは、理念でつながれる人、担任とビジネスジョブを兼ねる二刀流をおもしろがれる人、そしてゼロから創れる人——完成した組織に入るのではなく、まだ何もない場所から創ることにワクワクする人です。語学は英語CEFR B2が目安。完全リモートで、教える以外にマーケティング・Web・事業提携・HRなど5つの働き方から選べます。報酬は5つの働き方モデルとレンジの例が示されており(担任中心のモデルで合計月25〜30万円、規模が育った例で月95〜114万円)、これは事業計画に基づく試算で確定額ではありません。報酬テーブルは面談時に全公開されます。
正直に書きます。開校前なので、安定した実績や積み上がった仕組みはこれからです。公立が持つ制度的な安定も、勤続で積み上がる保障も、創業メンバーにはありません。だから「公立をやめてこちらへ」という話ではなく、来年また受けるという選択はまったく正当です。ただ、教員免許も、子どもの前に立った経験も、公立の外では十分に強みとして評価される——それは知っておいて損がないと思います。要件はインターナショナルスクールの教員になるにはで整理しています。
よくある質問
教員採用試験に落ちたら、まず何をすればいいですか?
成績開示の請求です。多くの自治体が本人開示を行っており、請求期間に締切があります。筆記・面接・実技のどこで差がついたかが数字で分かれば、来年の対策が具体的になります。方法と期間は自治体により異なります。
落ちたら講師として働けますか?
多くの自治体が臨時的任用教員・非常勤講師の登録制度を設けており、通年で受け付けている場合もあります。原則として教員免許が必要ですが、名称・要件・任用形態・時期は自治体により異なるため、各教育委員会の案内で確認してください。
教員免許がなくても教える仕事はできますか?
公立学校の正規採用には原則として免許が必要ですが、塾・EdTech・フリースクール・オンラインスクールなど、免許を要件としない教育の仕事は多くあります。NGAの創業メンバー募集も、募集ページに免許を要件として挙げてはおらず、脱偏差値の理念への共感と、ゼロから創ることを楽しめる姿勢を求める人として挙げています。
開校が2027年9月なら、今応募しても意味はありますか?
募集は開校準備の段階から行っています。選考は書類→グループ面接→NIJIN Academyでのインターン→最終プレゼンという流れで、インターン期間に現場を見てから判断できます。今年度は講師として働き、並行して情報だけ集める関わり方もできます。
今年の結果は、あなたの10年を決めません
「教員採用試験 落ちた」と検索する夜に怖いのは、不合格そのものより、この先が真っ暗に見えることだと思います。けれど数字を並べれば道は少なくとも4本あり、どれも実際に人が歩いている道です。
今日やることは3つだけ。成績開示を請求する。9月以降の選考と講師登録を確認する。来年の受け方を紙に書く。それ以外は、少し休んでからで大丈夫です。教えたいという気持ちは、試験の合否より長持ちします。
出典:文部科学省令和7年度(令和6年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況等について(令和7年12月25日公表)、公立学校教員採用選考試験の実施状況等。
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教えたい気持ちは、試験の合否では決まりません。


