中学校教員の年収——平均給料月額344,500円と、部活動まで含めた時間あたりの対価

「中学校教員の年収はいくら? 平均給料月額と、時間あたりの対価」と書かれた採用記事のキービジュアル

「中学校 教員 年収」で知りたいのは、自分の年齢では、自分の自治体では実際にいくらかという具体だと思います。まず数字から。文部科学省「学校教員統計調査」令和7年度(中間報告)で、中学校の本務教員の平均給料月額は344,500円(令和7年10月1日現在)。ただしこれは本俸のみで、諸手当も期末勤勉手当も教職調整額も含みません。年収を直接集計した公的統計はなく、公表値から推計すると約679万円です。

中学校ならではの論点も足します。部活動指導まで含めた「時間あたりの対価」です。文科省「教員勤務実態調査」(令和4年度)では中学校教諭の在校等時間は平日11時間01分・土日2時間18分。小学校教諭の土日36分との差は、ほぼ部活動の時間に重なります。この時間が給与にどう反映されるのか、仕組みを正確に説明します。割に合うかを決めるのは私たちではありません。

項目 数字 出典・時点
平均給料月額と推計年収 344,500円(本俸のみ)/推計年収 約679万円 文科省 学校教員統計調査 令和7年度(中間報告)/年収は総務省・人事院の値から推計
公立と私立 公立341,600円/私立381,400円(私立は45万円以上が28.5%) 同 令和7年度・本俸のみ
職名別 教諭324,700円/教頭428,100円/校長445,900円 同 令和4年度・本俸のみ
1日の在校等時間(教諭) 平日11時間01分/土日2時間18分 教員勤務実態調査 令和4年度
教職調整額の率 給料月額の5%(2026年1月〜)。本則10%へ段階引上げ 給特法 第3条・附則第2項

この数字がどう決まるかを、以下で分解します。

目次

平均給料月額344,500円——まず「本俸のみ」の意味から

学校段階では小学校336,600円、中学校344,500円、高等学校359,300円。中学校は小学校と高校のあいだです(令和7年度は中間報告のため確定値で動く可能性があります)。

中学校教員の収入を作る3つの層を3枚のカードで整理した図。給料表の本俸・地域手当や特殊勤務手当などの諸手当と教職調整額・年2回の期末勤勉手当
344,500円は一番下の層だけの数字です。年収は本俸・諸手当と教職調整額・期末勤勉手当の3層を足して初めて見えてきます。

一番大事なのが本俸のみという点です。地域手当・扶養手当などの諸手当も、年2回の期末勤勉手当も、後述する教職調整額も入っていません。344,500円を12倍しても年収にはならない、ということです。私立(381,400円)が公立(341,600円)より高く見える点も平均だけでは決められません。私立は45万円以上が28.5%と厚く、高いというより上下に広いのが実態です。

年齢と職名で上がる構造——初任給から校長まで

初任給——東京都の公表例

東京都教育委員会「令和8年度 東京都教職課程学生ハンドブック」の初任給の例は、大学卒で小・中・高等学校 約326,100円(令和7年4月1日現在・教職調整額4%の時点)、短大卒 約303,700円。通勤手当や期末勤勉手当は別途支給です。公立学校の給与は都道府県・政令市がそれぞれの給与条例と人事委員会勧告で定めるため、自治体ごとに水準が違います

職名別——「教諭」の平均は324,700円

職名別の最新公表値は令和4年度で、中学校は教諭324,700円/主幹教諭402,600円/教頭428,100円/校長445,900円(本俸のみ)。冒頭の344,500円は校長・教頭も含む平均で、教諭単体では324,700円。これが「平均より自分の額が低い気がする」の正体であることは少なくありません。公立中学校の平均年齢は42.5歳です。学校段階をまたぐ比較は教員の年収の調べ方と決まり方へ。

部活動の時間は、給与にどう反映されるのか

中学校教諭の在校等時間は平日11時間01分・土日2時間18分、小学校教諭は平日10時間45分・土日36分(令和4年度)。差が大きいのは土日で、部活動の時間と重なります。前回調査(平成28年度)の土日3時間22分からは減りました。ただし在校等時間は労働時間の法的定義とは異なります

対価の設計はこうです。公立学校の教育職員には時間外勤務手当が支給されません。代わりに給特法が教職調整額を定め、勤務時間の長短にかかわらず給料月額に一定率を掛けた額が支給されます。その率がいま動いています。本則は給料月額の百分の十で、附則の経過措置により2026年1月1日から5%、以後1年ごとに1ポイントずつ上がり、令和13年1月1日以降に本則の10%。切替が年度ではなく暦年(1月1日)である点は見落とされがちです。公立中学校の平均給料月額341,600円なら5%は月およそ17,080円(実際の支給は各自治体の条例による)。校長・副校長・教頭は対象外です。

部活動指導への手当は特殊勤務手当という別枠です。総務省「令和7年地方公務員給与実態調査」では小・中学校教育職の特殊勤務手当は職員1人当たり2,552円(令和7年4月分)。4月の1人当たり平均であり、部活動手当だけの額でも指導者が受け取る額でもありません。金額の設計は自治体の条例によります。

では年収はいくらか——推計 約679万円の計算式を開く

教員の年収を直接集計した公的統計はありません。推計であることと計算式を示さない数字は信用しない——それが正しい読み方です。基礎は総務省の同調査 第9表の小・中学校教育職——平均年齢41.3歳、平均給料月額364,069円(この定義には教職調整額を含む)、諸手当月額60,342円、平均給与月額424,411円(期末勤勉手当は含まない)。

公立中学校の教員・私立中学校の教員・オンライン国際学校の創業メンバーの3つを、給与レンジが金額で公開されている・勤続年数で自動的に上がる・教える以外の役割で収入を増やせる・働く場所を自由に選べる・安定した実績と基盤がある の5観点で比較した表
どれが優れているという話ではありません。勤続年数で着実に上がる仕組みは公立の明確な強みで、創業メンバーにはそれがありません。強みの置き場所が違うだけです。

計算式は424,411円 × 12か月 = 5,092,932円。期末勤勉手当を364,069円 × 4.65月 = 1,692,921円として足すと合計 6,785,853円 ≒ 約679万円。この4.65月は国家公務員の年間支給月数(令和7年人事院勧告)で、公立学校の教員は地方公務員のため実際は自治体の条例によります(東京都は4.90月)。限界も正直に。①算定基礎は本来 地域手当等も含むためこの計算は過小、②平均年齢41.3歳の全国平均、③退職手当を含まない、④この区分には幼稚園の教員も含まれる。あくまで目安の推計です。

ここで——在校等時間で割れば時間あたりの対価が出る、と思われたかもしれません。その割り算はここでは出しません。在校等時間は労働時間の法的定義ではなく、割った数字が独り歩きしやすいからです。どう読むかは、あなたの実感と合わせて判断してください。

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第三の働き方——時間と収入の関係を、自分で設計する

ここまでをまとめると、公立中学校の給与は働いた時間の長短と支給額が直接には連動しない設計です。年に一度着実に上がる給料表は、民間にはない強みでもあります。

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自分の時間あたりの対価を把握する3ステップの図。給与明細を本俸と諸手当と教職調整額に分解する・在校等時間を1週間だけ記録する・自治体の給料表と条例で10年後を確認する
平均値を探す前に、自分の明細と自分の時間を測る。その順番がいちばん早く、いちばん正確です。

よくある質問

中学校教員の年収を年齢別に知ることはできますか?

年齢別の年収を集計した公的統計は確認できていないため金額は断定しませんが、追う方法はあります。人事委員会が公表する給料表と給与条例に学歴別の初任給号給と号給の刻みがあり、号給は原則年1回上がるため、初任を起点に年数を足せば推移を追えます。

部活動の指導に残業代は出ますか?

公立学校の教育職員に時間外勤務手当は支給されず、給特法の教職調整額(2026年1月から給料月額の5%、令和13年1月以降は本則10%)がこれに代わります。部活動指導への手当は特殊勤務手当という別枠で、金額は自治体の条例により異なります。

中学校と小学校で年収は違いますか?

平均給料月額(本俸のみ)は小学校336,600円・中学校344,500円で中学校がやや高い水準です。ただし総務省の調査は小・中学校教育職を1区分で集計するため、年収推計では分けられません。

数字を正確に持ってから、働き方を選ぶ

「中学校 教員 年収」と検索したあなたは、生徒との時間を大切にしながら、自分の生活のリアルにも誠実に向き合おうとしているのだと思います。平均給料月額344,500円、推計年収 約679万円、在校等時間 平日11時間01分・土日2時間18分、教職調整額5%——どれもあなたを急かす数字ではなく、自分の持ち場を測る物差しです。測ったうえで今の学校で続けるのも、設計し直すのも尊い選択です。教える喜びを手放さずに、働き方だけを変える道も確かにあります。

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