子どもが「学校に行きたくない」と言ったら|親ができる受け止め方と5つの選択肢

子どもが学校に行きたくないと言った朝に親ができることを示したキービジュアル。学校選びのラベルと、受け止め方と選択肢という言葉

「今日、学校に行きたくない」——ある朝、子どもから突然そう言われて、心臓が少し冷たくなったのではないでしょうか。理由を聞いても、はっきりとは答えてくれない。出かける時間は迫ってくる。何が正解なのか分からないまま「どうしたの?」と聞いてしまう。子どもが学校に行きたくないと口にする朝は、たいてい、そんな戸惑いの中でやってきます。

先に、ひとつだけお伝えさせてください。その言葉は、お子さんがあなたを信頼している証でもあります。なかには、言葉にできないまま一人で抱えているお子さんもいます。だからこそ、言ってくれたこと自体に意味があります。この記事では、その朝に親ができる受け止め方と、やりがちだけれど裏目に出やすい反応、そして学びの選択肢を5つ、正直に整理します。「行かせるべきか、休ませるべきか」は決めつけません。決めるのは、お子さんとあなたです。

自宅のソファで、子どもの話に温かく耳を傾ける保護者の様子
まずは、聞くこと。その朝にできるいちばん確かなことは、たぶんそれだけです。
目次

子どもが学校に行きたくないと言った朝に、まず知ってほしいこと

「行きたくない」は、必ずしも「もう二度と行かない」という宣言ではありません。今日がしんどい、という体からのサインであることも多い。理由を子ども自身が説明できないのも当たり前で、大人でも、なぜ月曜の朝がこんなに重いのかを言語化できる人は多くありません。だからこそ、最初の受け止め方が、そのあとの「話しやすさ」に効いてきます。うまく返せなかった朝があっても、関係はいつからでも結び直せます。ここでつまずくのは、愛情が足りないからではなく、むしろ心配の強さが、そのまま出てしまうからです。よかれと思って、結果的に子どもの口を閉じさせやすい反応が、大きく3つあります。

ひとつめは理由を問い詰めること。「なんで?」「誰かに言われたの?」と重ねるほど、子どもは「答えられない自分が悪い」と感じます。ふたつめは原因を探して誰かのせいにすること。犯人探しは前に進んでいるようで、子どもの気持ちからは離れていきます。みっつめは先回りして解決しようとすること。転校、塾、カウンセリング。親が矢継ぎ早に手を打つほど、子どもは「自分は困った存在なんだ」と受け取ってしまうことがあります。

「学校に行きたくない」と言われたときにやりがちで裏目に出る3つの反応を示した図。理由を問い詰める・原因を探して誰かのせいにする・先回りして解決しようとする
どれも愛情から出る反応です。だからこそ、気づきにくい。

3つとも、あなたがお子さんを大切に思っているから出てくるものです。代わりにできることは、驚くほどシンプルです。「そっか、行きたくないんだね」と、いったんそのまま受け取ること。評価も解決も足さない。それだけで、子どもは「この人には言っていいんだ」と学び直します。

あなたが悪いのではありません。責めるべきは、人ではなく仕組みのほう

「私の育て方が間違っていたのだろうか」——多くの保護者が、真っ先に自分を責めます。けれど、その自責はほとんどの場合、事実ではありません。文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(令和6年度・2025年公表)によれば、小中学校で不登校とされる児童生徒は2024年度に353,970人と過去最多になりました。約35万人。どこかの家庭が失敗した結果ではなく、社会の側の構造が生んでいる数字だと考えるほうが自然です。

私たちは、「人を責めず、仕組みで解決する」という考え方を大切にしています。子どもも、先生も、保護者も、誰ひとり悪くない。問題は、合わなかったときに選べる場所が、実質ひとつしかなかったことです。同じ時間に、同じ場所へ、同じ人数の教室へ。その形が合う子はたくさんいます。けれど、音や人数が苦手な子にとっては、毎日が全力疾走に近い負荷になります。

合わない靴で走り続けさせるより、靴のほうを変えてみる。休むことを後退ではなく次の学び方への移行と捉える考え方も広がってきました(「積極的不登校」という選択)。まだ「うちの子が不登校だ」と思いたくない段階でも大丈夫です。名前をつけずに、選択肢だけ知っておく。それで十分に前へ進めます。

「行きたくない」のあとに広がる、5つの学びの選択肢

学校に行くか、家にいるか。二択に見えていたものには、実はもっと幅があります。代表的な5つを、向き・不向きも含めて並べます。今のお子さんに合うのはどれかという視点で読んでみてください。

自宅の窓辺で、落ち着いてオンライン授業に参加する子どもの様子
学ぶ場所は、教室だけではありません。安心できる場所からでも、学びは始められます。

1. 今の学校に相談して環境を調整する。担任だけでなく養護教諭やスクールカウンセラーにも共有すると、景色が変わることがあります。別室登校、短時間の登校、行事だけの参加、座席の配慮。今の友だち関係を手放さずに済むのが利点で、学校そのものが負荷の源になっている場合は効きにくいのが弱点です。通いながら放課後だけ別の場に通うダブルスクールも、負担を分散させる一手です。

2. 教育支援センターやフリースクール。自治体の教育支援センターは費用が軽く、在籍校との連携も取りやすい。民間のフリースクールは居場所型から学習支援型まで幅があります。同世代と少しずつ関われるのが強みで、距離と費用、「また新しい場所に慣れる」ことがハードルになりがちです。

3. ホームスクール(家庭学習)。はじめに前提として、日本ではホームスクールだけで義務教育を代替する制度はなく、在籍校に籍を置いたまま家庭で学ぶ形になります。そのうえで、自分のペースを取り戻すには、いちばん静かな選択肢です。休みながら、興味のあることから学び直せます。一方で保護者の伴走の負担が大きく、同世代とのつながりが細りやすいのが正直なところです。

4. オンラインの学校。家という安心できる場所から、教室の緊張を持ち込まずに参加できます。移動の負担がなく、体調の波にも合わせやすい。詳しくは不登校でも世界とつながって学べるもご覧ください。画面越しだけでは物足りない子もいること、生活リズムづくりが要ることが弱点です。

5. オルタナティブスクール。探究型やイエナプランなど、教育の考え方そのものが違う学校です。偏差値ではない物差しで見てくれる環境は、「自分はダメだ」と思い込んだ子の回復の場になり得ます。数が限られ、通える範囲にあるとは限らないのが難点。国際的な学びも視野に入れるなら、まずインターナショナルスクールとは何かを押さえると比較しやすくなります。

今の学校で調整・フリースクール等・家庭学習・オンライン国際校の4つを、いまの心の負担が軽い・同世代とのつながり・学びの積み上げ・費用のやさしさの4観点で比較した表
4つの学び方を、いまの家族に大切な4観点で。全部に○がつく選択肢はありません。

表にすると分かるのは、すべてに○がつく選択肢は存在しないということです。心の負担をいちばん優先するなら、今の学校をいったん離れる3つはいずれも軽くなります。同世代とのつながりを重んじるなら学校やフリースクールが強い。そのうえで学びの積み上げと仲間との関わりを両立させたいなら、今の学校での環境調整か、オンラインの国際校のような形が候補に入ります。どの行を最優先にするかを決めるのが、いま親にできる仕事かもしれません。

親ができる受け止め方の順番——3つのステップ

選択肢が分かっても、いきなり選ばせるのは早すぎます。順番を飛ばすと、良い場所を見つけても心が追いつきません。

親ができる受け止め方の3ステップの図。まず休ませて聞く・学校や専門窓口に相談する・学び方の選択肢を一緒に見る
休む、相談する、選ぶ。できるだけ、この順番で。

STEP 1は、まず休ませて、聞くこと。眠れているか、食べられているか。体のサインを最優先に見てください。話したがらないなら、無理に聞き出さなくて大丈夫です。一緒にごはんを食べる、隣で同じ番組を見る。それだけで「ここは安全だ」というメッセージは伝わります。STEP 2は、学校や専門の窓口に相談すること。担任、スクールカウンセラー、自治体の教育相談窓口、必要に応じて小児科。家庭だけで抱え込まないことが、いちばんの防波堤です。無料で使える窓口として、文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310)や、法務省の「子どもの人権110番」(0120-007-110)があります。いずれも保護者からの相談も受け付けています。

なお、眠れない・食べられない・強い不安や気分の落ち込みが続くといったサインがあるときは、学び方を選ぶより先に、医療機関や専門機関への相談を優先してください。学びの選択肢を考えるのは、心と体が少し回復してからで間に合います。

STEP 3で、ようやく学び方の選択肢を一緒に見る。ポイントは「一緒に」です。親が決めた場所を提示するのではなく、資料や体験会をいくつか並べて、お子さんに選んでもらう。自分で選んだという感覚が、次の一歩を支えます。合わなければ戻ってもいいと約束しておくと、子どもは驚くほど動きやすくなります。

NGAの学びのしくみを見る →

第三の選択肢として——NGAは、人数も関わり方もその子が選べる

「オンラインの学校」に関心を持たれた方に、私たちの立ち位置もお伝えします。NIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)は、2027年9月に開校する脱偏差値のオンラインインターナショナルスクールです。運営は株式会社NIJIN。日本最大級のオルタナティブスクールNIJINアカデミーには、すでに900名を超える子どもたちが在籍しています。その多くが、かつて「学校に行きたくない」と言った朝を経験しています。

NGAがいちばん大切にしているのは、心理的安全性です。具体的には、関わる人数と関わり方を、その子自身が選べるということ。カメラをオンにするか、声を出すかを本人が決められます。チャットに書くのも、制作物で伝えるのも、立派な「参加」です。学びは少人数の対話を中心に設計しています。大人数の前で正解を言わされる場面は、つくりません。世界そのものを教材に、「自分と世界を、好きになる」ことを土台に学びます。

同時に、正直に申し上げます。NGAが向かない時期もあります。心と体が限界に近く、まず何もせずに休むことが最優先の段階では、どんな学校も後回しでかまいません。対面での専門的な支援が必要な状態なら、そちらが先です。学校は、回復してからで間に合います。他の選択肢と公平に比べたうえで、合うと感じたときにだけ選んでいただければ十分です。

よくある質問

「行きたくない」と言われたら、休ませたほうがいいのでしょうか?

一律の正解はありません。ただ、眠れない・食べられない・朝に腹痛や頭痛が出るといった体のサインがあるときは、休むことを優先して差し支えないと考えられています。迷うときは、その日のうちに担任やスクールカウンセラー、かかりつけの小児科にご相談ください。「今日はどうする?」を毎朝一緒に決める形にすると、親子とも消耗しにくくなります。

理由を話してくれません。どうすればいいですか?

話せないほうが自然だと考えてください。子ども自身にも理由が分かっていないことは、とても多いのです。問い詰める代わりに「話したくなったら聞くよ」と伝えて、日常を淡々と一緒に過ごしてみてください。ノートや手紙、ゲームをしながらのほうが話せる子もいます。親だけで専門の相談窓口を訪ねるのも有効です。

学校に行かない期間があると、進学で不利になりませんか?

進路の選択肢は、以前よりずっと広がっています。通信制高校や高卒認定、海外の資格につながるカリキュラムなど、道は一本ではありません。制度の扱いは自治体や学校で異なるため、在籍校や進学先の公式情報でご確認ください。大切なのは空白をつくらないこと以上に、「学ぶのは嫌いじゃない」という感覚を取り戻すことだと私たちは考えています。

その子の学び方は、まだ選べる。

「学校に行きたくない」は、終わりの言葉ではありません。今の形が合っていないという、いちばん早いお知らせです。子どもが学校に行きたくないと言ったその朝は、あなたにとっては不安の始まりでも、その子にとっては自分に合う学び方を探し始めた日になるかもしれません。あなたは何も間違えていません。ただ、選択肢がまだ知らされていなかっただけです。

NIJIN GLOBAL ACADEMYは2027年9月に開校します。カメラをオンにするかどうかから自分で選べる少人数の対話や、世界とつながる学びのしくみ、1期生募集の情報を、メールでいち早くお届けします。今日はまだ何も決めなくて大丈夫です。ただ、「行かない」の先にも道があることだけは、覚えておいてください。

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