「教員 給料 高い 自治体」と検索したあなたが本当に知りたいのは、たぶん自治体のランキングそのものではなく、同じ仕事をしているのに、なぜ勤務地で手取りが変わるのかではないでしょうか。先に、差をいちばん大きく作っている数字を出します。地域手当は勤務地の級地区分によって支給割合が決まり、いちばん高い東京都特別区で給料月額の20%、非支給地では0%です(人事院「国家公務員の給与制度の概要」)。給料月額30万円の人なら、この一項目だけで月6万円・年72万円(本俸ベースの単純計算)の開きになります。公立学校の教員の給与も、この級地区分に準じて各自治体の条例で定められています。
つまり自治体間の差の多くは、頑張りの量でも校種でもなく、制度として最初から設計されている差です。この記事は「どこが高いか」を煽りません。なぜ差が出るのかという構造と、自分の自治体の数字を一次資料で確かめる手順に絞ります。金額や区分は年度ごとの改定と経過措置で動くため、最新の数値は必ず各自治体・各府省の公表資料でご確認ください。
| 自治体で差がつく場所 | 何が決めているか | どこで確かめられるか |
|---|---|---|
| 地域手当(差が最大) | 勤務地の級地区分。最高は東京都特別区の20%、非支給地は0% | 人事院の給与制度の概要/総務省の自治体別公表資料 |
| 給料表(本俸) | 各自治体の給与条例と人事委員会規則。級と号給で1円単位まで確定する | 各自治体の例規集/人事委員会の公表資料 |
| 住居手当・へき地手当など | 各自治体の条例。支給要件も上限額も自治体により異なる | 各自治体の例規集(給与条例・規則) |
| 教職調整額 | 給特法(法律)で全国共通。ここは自治体差の要因にならない | e-Gov法令検索(給特法) |
出典:人事院「国家公務員の給与制度の概要」/総務省「地方公務員給与実態調査」/文部科学省「県費負担教職員制度」/e-Gov法令検索。区分・割合・金額は年度の改定と経過措置で変わるため、最新は各公表資料でご確認ください。
この4つのうち、ひとりで動かせるものは1つもありません。裏返せば、公立の給与は年齢(号給)と勤務地(級地)でほぼ決まる、とても見通しの立つ設計だということです。もし今、金額そのものを比べたい段階にいるなら、働き方モデルごとの報酬レンジを示している募集を並べると比較が早くなります。NIJIN GLOBAL ACADEMYの創業メンバー募集には5つの働き方モデルとレンジの例が出ていて、担任中心のモデルで合計月25〜30万円、規模が育った例で月95〜114万円。ただしこれは事業計画に基づく試算で確定額ではなく、報酬テーブル自体は面談時に全公開されます。
そもそも、教員の給料を決めているのは誰か
市町村立の小中学校でも、給与を負担するのは都道府県
市町村立の小学校・中学校・義務教育学校などの教職員は市町村の職員ですが、その給与は都道府県が負担し、勤務条件は都道府県の条例で定められます。これが県費負担教職員制度です(文部科学省)。根拠は市町村立学校職員給与負担法で、費用の一部は国も負担しています(義務教育費国庫負担法)。だから「市ごとに違う」のではなく県ごとに違うのです。
政令指定都市だけは例外——だから比較単位は「都道府県+政令市」
指定都市立学校の教職員については、給与負担等が指定都市に移譲されており、給与は指定都市の条例で定められます(文部科学省「県費負担教職員の給与負担等の移譲について」)。同じ県内でも政令市とそれ以外で制度の主体が違うのはこのためです。比べるときの正しい単位は、市区町村ではなく47都道府県+20の政令指定都市です。

差の本体は地域手当——20%と0%のあいだにある階段
給料表の金額そのものは、自治体が変わっても劇的には変わりません。国の俸給表を参考に各自治体が条例で定めており、骨格が似ているためです。大きく効くのは表の外にある地域手当です。
級地区分は「勤務地」に付く
地域手当は、住んでいる場所ではなく勤務地の級地区分で支給割合が決まります。人事院の公表資料では、東京都特別区が最高の20%、横浜市・大阪市等が2級地とされています。公立学校の教員についても、各自治体がこの区分に準じて条例で支給割合を定めます。県内でも勤務地で割合が違う自治体があるため、「県名だけ」で判断しないことが大切です。
いま制度は動いている最中
人事院は地域手当の支給地域を都道府県単位を基本に大くくり化する見直しを進めており、直近でも令和8年4月1日施行の改正が「段階的見直し期間における支給地域及び地域ごとの級地区分」について行われています(人事院)。今は経過期間の途中で、数年前のまとめ記事の数字が現在も正しいとは限りません。
差は月給だけで終わらない
もう一つ見落としやすいのが、期末手当・勤勉手当の算定基礎です。一般に、算定の基礎には給料月額に加えて地域手当が含まれます(算定方法は各自治体の条例によります)。月々の差は賞与にも波及するため、年収ベースでは月額の単純な12倍より開きます。つまり級と号給の進み方が同じでも、勤務地が違えば年収の伸び方は同じになりません。給料表の読み方は教員の給料表の見方、年齢による伸び方は年齢別の年収の推移で分けて確認すると、自分の位置がはっきりします。
地域手当以外に、自治体で差がつくところ
地域手当ほど大きくはありませんが、生活実感に効く差もあります。住居手当は支給要件も上限額も条例で異なります。へき地手当・寒冷地手当は該当地域を持つ自治体にしかありません。採用時の前歴加算の換算率も自治体ごとの規則で定められています。
水準を俯瞰したいときに使えるのが総務省「地方公務員給与実態調査」です。自治体別の平均給料月額・ラスパイレス指数・地域手当の支給割合が毎年公表されており、まとめサイトを経由せずに横並びを見られます。

自分の自治体の数字を、一次資料で確かめる3ステップ
誰かのランキングを読むより、この3手が早く、正確です。
ステップ1:全国の中の位置を見る
総務省「地方公務員給与実態調査」で、自分の自治体と気になる自治体の平均給料月額・ラスパイレス指数・地域手当の支給割合を並べます。差が本俸側にあるのか手当側にあるのかの当たりが付きます。
ステップ2:条例と給料表を直接引く
次に各自治体の例規集で、給与条例・教育職給料表・住居手当の規定を確認します。人事委員会の勧告も毎年公表されており、直近の改定率まで分かります。ここまでは誰でも無料で確認できます。
ステップ3:手取りと生活費で差し引く
地域手当込みの月額と期末勤勉手当の見込みから家賃・通勤・生活費の地域差を差し引きます。地域手当が高い地域は、たいてい家賃も物価も高い地域です。「給料が高い自治体」と「手元に残る額が多い自治体」は一致するとは限りません。

「場所で決まる仕組み」の中で最適化するか、外に出るか
取れる道は大きく2つです。ひとつは仕組みの中で最適化する道。地域手当の高い自治体を目指す、あるいは級を上げる。ただし他の自治体へ移るには原則として採用試験を受け直すことになり、経験者選考の有無や条件は自治体により異なります。生活の見通しが立つという意味で、公立の給与制度はとてもよくできた仕組みです。ここに留まる判断は十分に合理的です。
もうひとつが、場所と収入の連動そのものを外す道です。教職を辞めたいのではなく、住む場所と働く時間をもう少し自分で決めたい。あるいは家庭の事情で在宅を軸にしたい。そう感じている方には、こちらが効く場合があります。
完全リモートという選択肢——住む場所と収入が切り離される
NIJIN GLOBAL ACADEMY(株式会社NIJIN運営・2027年9月開校予定)は、脱偏差値のオンライン国際学校です。いま募集しているのは創業メンバーで、教えることと事業をつくることを兼ねます。特徴をこの記事の論点に沿って並べます。
- 完全リモート。勤務地という概念がないため級地区分で収入が上下しません。地方に住みながらでも、移動しながらでも条件は変わりません。
- 5つの働き方モデルと報酬レンジの例が募集ページに出ています(担任中心のモデルで合計月25〜30万円、規模が育った例で月95〜114万円)。ただし事業計画に基づく試算で確定額ではなく、報酬テーブルは面談時に全公開されます。
- 5つの働き方(パートからフルまで)。教える以外にmarketing・web・事業提携・HRなども選べ、収入を複線化できます。
- 求めているのはゼロから創れる人——完成した組織に入るのではなく、まだ何もない場所から創ることにワクワクする人です。英語はCEFR B2が目安です。
- 選考は書類→グループ面接→NIJINアカデミーでのインターン→最終プレゼン。辞める前に試してから決められる設計です。
もちろん、開校前の学校なので安定や実績はこれからです。そこは正直にお伝えします。それでも、給与が勤務地に紐づかない働き方が現実にあることは、選択肢の棚に入れておく価値があります。
よくある質問
自分の勤務地の地域手当の割合は、どこで確認できますか?
勤務先の自治体の給与条例・規則(例規集で公開)と、総務省「地方公務員給与実態調査」の自治体別資料で確認できます。国の級地区分は人事院の公表資料が一次資料です。
地域手当が高い自治体に移れば、必ず手取りは増えますか?
必ずとは言えません。割合が高い地域は家賃や物価も高い傾向があり、住居手当の上限も自治体で異なるためです。額面ではなく生活費まで差し引いた実質で比べてください。
他の自治体で働くには、どうすればいいですか?
原則としてその自治体の教員採用選考を受け直すことになります。経験者向けの特別選考や一部試験の免除を設ける自治体もありますが、要件は自治体により異なるため、志望先の実施要項でご確認ください。
教職調整額や期末手当も、自治体で違いますか?
教職調整額は給特法という法律に基づく仕組みで、全国共通のため自治体差の要因にはなりません。一方、期末手当・勤勉手当は算定基礎に地域手当が含まれるのが一般的なため、結果として差が出ます。
仕組みが分かると、選び方が変わる
「教員 給料 高い 自治体」と検索したあなたは、感情ではなく数字でキャリアを考えようとしているのだと思います。仕組みが分かると、問いは「どこが高いか」から「自分は何で報われたいのか」に変わります。どれを選んでも、教える喜びを手放す必要はありません。積み上げてきた授業の力は、どの道でもいちばん強い資産です。
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出典
- 人事院「国家公務員の給与制度の概要」:jinji.go.jp
- 人事院「人事院規則9-49-57(地域手当)の一部改正について」:jinji.go.jp
- 総務省「令和7年地方公務員給与の実態」:soumu.go.jp
- 総務省「令和7年地方公務員給与実態調査結果等の概要」:soumu.go.jp
- 文部科学省「県費負担教職員制度」:mext.go.jp
- 文部科学省「県費負担教職員の給与負担等の移譲について」:mext.go.jp
- e-Gov法令検索「市町村立学校職員給与負担法」:laws.e-gov.go.jp
- e-Gov法令検索「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(給特法):laws.e-gov.go.jp


